「ねえ、しすたー。まえいってたすきなひとって、どんなひと?」
「しすたー、すきなひといるの?!おしえてよ!!」
「かっこいいひと?」
うーん。かっこよかったかは、微妙かなぁ。顔はちょっと、間抜けだったし。
「そうなのぉ?しすたーはきれいなのに、すきなひとは、かっこよくないの?」
「いつもきてるおうじさまじゃないの?」
そうだねぇ、ぜんぜん、かっこよくない人なの。ずーっと、変な事ばっかりしてる人。
「じゃあ、しすたーは、へんなひとがすき?」
「えー、ムークちゃんとか?フォリスくんとか?」
変な人だから、好きなわけじゃないよ。アタシはその人が好きで、その人が偶然、変な人だったってだけ。
「.....むずかしい。わかんない」
「どういうことー」
んふふ。そうだねえ、なんて言うのかなぁ。難しいかも。
みんなは、アタシのこと、好き?
「だいすき!!」
「すきだよー!」
「おりょうり、おいしいし!」
「それにね、あのね」
......
うん、いっぱいありがとう。本当にみんな集まってきちゃった。
じゃあさ、もしもアタシが昔から....そうだなあ、ウーロおじさんみたいに怖い顔をしてても、皆は好きなまま?
「うん!」
「だって、しすたーはやさしいからすきなんだもん」
「このまえのくっきーも、またたべたいし!!!」
「こわいひと、たおしてくれた」
ね、そういうこと。
『好き』ってね、ちょっとずつなんだよ。
辛い時に隣にいてくれて、嫌な事を背負ってくれて。楽しい時に、笑顔で一緒に楽しんでくれて。
いろんな、色んな事があったの。それで。
気付いたら、好きになるの。
「.....やっぱり、むずかしい?」
「わかんないよー」
「しすたー、おなかいたい、なおしてぇ」
きっと皆がおっきくなったら、分かるようになるよ。
今、治すわ。
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.................
「しすたぁー」
...あら、フォリス。どうしたの?
「ねれないの」
まあ、大変ね。
「....しすたーのすきなひと、きになって」
うーん、私のせいかしら。ごめんね?
「ねえ、しすたー。ほんとに、あの、かっこいいおにいちゃんじゃないの?」
殿下の事かしら?あの方はちょっと、違うかなぁ。
「けど、おにいちゃんはすきっていってたよ」
.....あら、そう。
けど、私は好きじゃないわ。
「おにいちゃん、かっこよくて、やさしいよ?」
そうね。
「おかしくれるし、えらいひとだし、しすたーのこと、すきだよ?」
そうねぇ。
「ずっときてるよ、おにいちゃん」
もう、五年は来てるのかしら。
「それでも、すきじゃないの?」
うん。嫌いじゃないわ、けど、好きな人は別よ。
「どこにいるの、すきなひと」
わからないわ。けど、待ってたらきっと来るのよ、あの人は。
「.....しすたー、へんだよ」
そうね、私もきっと、変よ。
「しすたー、ずっとがんばってる。ずっと。」
あら、急にどうしたの。ありがとうね。
「おにいちゃんのおよめさんになったら....もうがんばらなくて、いいよ?」
.......フォリスはずっと、賢くて、優しいのね。
「えほんでよんだの。はくばのおうじさまが、がんばってるひとをむかえにくるって。ふたりはしあわせにくらすって」
私は此処を離れないわ。
「....ぼくたちが、いるから?」
半分は、そうよ。
けどね、それは悪い意味じゃないのよ。
貴方達が大事だから、私が此処にいたいの。
「....うん」
それにね。
私が好きなのは、白馬の王子様じゃないのよ。
泥まみれで、何処にでも行くおバカさんが好きなの。
「じゃあ、なんで、おそとにでないの」
そうねぇ。
ね、フォリス。空を飛ぶ鳥を、捕まえられると思う?
「うーん、うーん.....ぼくには、むり.....」
私にだって、無理よ。けどね、鳥はいつか巣に帰るわ。
だから私は、此処で待つのよ。
鳥を捕まえるのに必要なのは、網じゃあないのよ。居心地の良い巣なの。
子供が沢山いて、笑ってて、そこに私がいれば、彼は来るわ。
いつか、絶対にね。
これが、もう半分。
「じゃあ、ぼく、べっどきれいにするよ。おそうじ、も、がん....ばう.....」
ふふ。とびっきり立派なのを作ってね?
おやすみ、フォリス。
「...........」
シスター
手の届く範囲を知った。
フォリス
今日からおそうじ当番