ギャグ要員は転生するようです。   作:がんぎまり

14 / 14
とある孤児院。

 「ねえ、しすたー。まえいってたすきなひとって、どんなひと?」

 「しすたー、すきなひといるの?!おしえてよ!!」

 「かっこいいひと?」

 

 うーん。かっこよかったかは、微妙かなぁ。顔はちょっと、間抜けだったし。

 

 「そうなのぉ?しすたーはきれいなのに、すきなひとは、かっこよくないの?」

 「いつもきてるおうじさまじゃないの?」

 

 そうだねぇ、ぜんぜん、かっこよくない人なの。ずーっと、変な事ばっかりしてる人。

 

 「じゃあ、しすたーは、へんなひとがすき?」

 「えー、ムークちゃんとか?フォリスくんとか?」

 

 変な人だから、好きなわけじゃないよ。アタシはその人が好きで、その人が偶然、変な人だったってだけ。

 

 「.....むずかしい。わかんない」

 「どういうことー」

 

 んふふ。そうだねえ、なんて言うのかなぁ。難しいかも。

 みんなは、アタシのこと、好き?

 

 「だいすき!!」

 「すきだよー!」

 「おりょうり、おいしいし!」

 「それにね、あのね」

 ......

 

 うん、いっぱいありがとう。本当にみんな集まってきちゃった。

 じゃあさ、もしもアタシが昔から....そうだなあ、ウーロおじさんみたいに怖い顔をしてても、皆は好きなまま?

 

 「うん!」

 「だって、しすたーはやさしいからすきなんだもん」

 「このまえのくっきーも、またたべたいし!!!」

 「こわいひと、たおしてくれた」

 

 ね、そういうこと。

 『好き』ってね、ちょっとずつなんだよ。

 辛い時に隣にいてくれて、嫌な事を背負ってくれて。楽しい時に、笑顔で一緒に楽しんでくれて。

 いろんな、色んな事があったの。それで。

 気付いたら、好きになるの。

 

 「.....やっぱり、むずかしい?」

 「わかんないよー」

 「しすたー、おなかいたい、なおしてぇ」

 

 きっと皆がおっきくなったら、分かるようになるよ。

 今、治すわ。

 

 

 

 

 --------------------------------------------

 

 

 

 

 .................

 

 「しすたぁー」

 

 ...あら、フォリス。どうしたの?

 

 「ねれないの」

 

 まあ、大変ね。

 

 「....しすたーのすきなひと、きになって」

 

 うーん、私のせいかしら。ごめんね?

 

 「ねえ、しすたー。ほんとに、あの、かっこいいおにいちゃんじゃないの?」

 

 殿下の事かしら?あの方はちょっと、違うかなぁ。

 

 「けど、おにいちゃんはすきっていってたよ」

 

 .....あら、そう。

 けど、私は好きじゃないわ。

 

 「おにいちゃん、かっこよくて、やさしいよ?」

 

 そうね。

 

 「おかしくれるし、えらいひとだし、しすたーのこと、すきだよ?」

 

 そうねぇ。

 

 「ずっときてるよ、おにいちゃん」

 

 もう、五年は来てるのかしら。

 

 「それでも、すきじゃないの?」

 

 うん。嫌いじゃないわ、けど、好きな人は別よ。

 

 「どこにいるの、すきなひと」

 

 わからないわ。けど、待ってたらきっと来るのよ、あの人は。

 

 「.....しすたー、へんだよ」

 

 そうね、私もきっと、変よ。

 

 「しすたー、ずっとがんばってる。ずっと。」

 

 あら、急にどうしたの。ありがとうね。

 

 「おにいちゃんのおよめさんになったら....もうがんばらなくて、いいよ?」

 

 .......フォリスはずっと、賢くて、優しいのね。

 

 「えほんでよんだの。はくばのおうじさまが、がんばってるひとをむかえにくるって。ふたりはしあわせにくらすって」

 

 私は此処を離れないわ。

 

 「....ぼくたちが、いるから?」

 

 半分は、そうよ。

 けどね、それは悪い意味じゃないのよ。

 貴方達が大事だから、私が此処にいたいの。

 

 「....うん」

 

 それにね。

 私が好きなのは、白馬の王子様じゃないのよ。

 泥まみれで、何処にでも行くおバカさんが好きなの。

 

 「じゃあ、なんで、おそとにでないの」

 

 そうねぇ。

 ね、フォリス。空を飛ぶ鳥を、捕まえられると思う?

 

 「うーん、うーん.....ぼくには、むり.....」

 

 私にだって、無理よ。けどね、鳥はいつか巣に帰るわ。

 だから私は、此処で待つのよ。

 鳥を捕まえるのに必要なのは、網じゃあないのよ。居心地の良い巣なの。

 子供が沢山いて、笑ってて、そこに私がいれば、彼は来るわ。

 いつか、絶対にね。

 これが、もう半分。

 

 「じゃあ、ぼく、べっどきれいにするよ。おそうじ、も、がん....ばう.....」

 

 ふふ。とびっきり立派なのを作ってね?

 

 

 

 おやすみ、フォリス。

 

 

 「...........」




シスター
手の届く範囲を知った。


フォリス
今日からおそうじ当番
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

男女比1:20の因習村に転生したけど、俺が生贄ってマジ?(作者:飲酒村)(オリジナル現代/ホラー)

転生した先は男女比1:20の因習村。▼ハーレム展開かと思いきや、なんと今の俺の立場は生贄らしい。▼貴重な男の子は神様への捧げものになるそうだ。▼クソが、こんな村に居られるか!▼俺は絶対、この因習村から脱出してやる!


総合評価:3096/評価:8.49/連載:7話/更新日時:2026年07月30日(木) 07:00 小説情報

この乙女ゲームの攻略情報は、妹だけが知っている〜主人公の師匠ポジになってしまった兄より〜(作者:ゲスト047562)(オリジナル現代/冒険・バトル)

どうやら俺は転生したらしい。▼と思ったら妹?その口調、さては貴様も前世覚えてるな?というか今世でも兄妹とか、どんな偶然だよ。▼おい、この世界お前の好きな乙女ゲーだよな?俺ゲームしかしてないから知らないんだよ。基本的に主人公周りとは関わらない方針で行くからよろしく。▼ねえ?何で主人公ちゃんが俺に銃向けてんの?おかしくない?え?ラスボスクリアしたよな?後方師匠面…


総合評価:3388/評価:7.87/連載:18話/更新日時:2026年08月03日(月) 17:00 小説情報

ストーカーしていたと思ったらストーカーされていたのは俺だった話(作者:アロアロス)(オリジナル現代/恋愛)

 銀髪狐耳タートルネックにダッフルコート、おまけに眼鏡をかけている。▼ 尻尾は四本、身長183cm、人気インディーズバンドの一員、担当はベース。▼ 名前を宮舞天音と呼ぶ。▼ 眼が眩むほどに輝く星に、それでも必死に手を伸ばしていたのに、その恒星が向こうから近づいてきたら焼き尽くされるのは道理と呼ぶ。▼推しをストーカーしてたら推しの方から近づいてきたので、それは…


総合評価:12869/評価:9.25/短編:2話/更新日時:2026年07月24日(金) 18:13 小説情報

長命種パーティ、命と引き換えに守ったら千年後も病んでる(作者:広路なゆる)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

聖騎士シオンは身代わりになった。自らの意思でパーティ3人を守り死んだ。▼魔女、エルフ、龍族の娘に幸せに生きて欲しかったから。▼それから千年。▼「止まない雨はないの? 明けない夜はないの? 出口のないトンネルは本当にないの? ねぇ、シオン……」▼魔女ミレアルナは禁断の術『死霊魔術』に手を染めていた。※続き書き溜め中※カクヨムにも掲載


総合評価:5167/評価:8.11/連載:5話/更新日時:2026年04月25日(土) 21:11 小説情報

厄ネタヒロインたちとラブコメをすることになった(作者:灰鉄蝸)(オリジナル現代/恋愛)

「キミが好きだよ。だから殺すね」▼「あなたが好きです。好きなので洗脳しますね」▼「俺の死因多すぎるだろ…」▼異能バトルも伝奇ホラーもある世界で、バッドエンドの元凶になるような厄い美少女に好意を抱かれる――好意全開の金髪巨乳幼馴染み、ややホラーな超能力者の黒髪ロング同級生、彼女たちが引き起こす破滅の未来に巻き込まれる少年。▼愛が重くて、死の原因になる厄ネタヒロ…


総合評価:4807/評価:8.82/連載:47話/更新日時:2026年07月29日(水) 19:03 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>