フェルズとの交渉から更に数日経ちアーディは悪党を懲らしめながら治安維持に貢献していた。
「そう言えばそろそろ【怪物祭】か」
『穴から生まれた怪物共を手懐ける様を見せ物にする催しだな、個人的には悪趣味極まりないと言わざるを得ない上に危険が大きすぎると思うがな』
「そうかな?モンスターの運び出しは慎重にやってるし仮に逃げ出しても対処出来るモンスターに留めてるから問題無いと思うけど」
『そういう話ではない、私が言っているのはもっと先の事だ』
「先のこと?」
『仮にあの蓋が崩壊し奴らが溢れ出した場合、冒険者が奴らを調教している様を見て大人しいものだと誤認し犠牲になったら、被害は想像を絶するだろう』
「…………………………………………そうかもしれないね」
それからあっという間に【怪物祭】の日になりアーディは異常や問題がないか見回りをしていた。
人が増えると言う事で多少の小競り合いは多発していたがアーディが【支配】しているモンスターや闇派閥の団員で事足りるレベルだった。
その後も何事も無く終わるだろうと一息入れていると突如コロシアムの方が騒がしくなり道すがら聞き耳を立ててみるとモンスターが逃げ出したとギルドの職員や【ガネーシャ・ファミリア】の団員が慌ただしく動いていた。
アーディは事態を理解すると屋根に駆け上がり逃げ出したモンスターを追い掛ける。
逃げたモンスター達も支配下に置き残りのモンスター達の対処に向かわせた。
そんな中、逃げたシルバーバックを追っているとそのシルバーバックき追われる冒険者の少年と主神と思われる少女がいた。
屋根から降りシルバーバックの頭を地面に叩き付けシルバーバックと冒険者の間に立つ。
「え?」
「早く逃げて」
「あ、貴女は…………」
「……………………【
「いや、ベル君、君があのモンスターを倒すんだ、グレ……良く分からないけど君は時間稼ぎをお願いしたいんだ」
「良いや、もう終わるよ」
アーディはそう言うとシルバーバックの顔に手を付けると青白い光が触れた部分から現れシルバーバックが大人しくなる。
「え?何が?」
「彼らを彼らのファミリアの本拠に送ってあげて」
アーディの言葉に頷いたシルバーバックは少年と女神を背中に乗せる。
「あ、あのありがとう御座います!!僕【ヘスティア・ファミリア】のベル・クラネルって言います!!」
「僕はヘスティア!!本当にありがとう君のファミリアを教えてくれないか!?」
「………………………………【ガネーシャ・ファミリア】」
アーディはそれだけ言うと他の所で暴れているモンスターを倒す為その場を去った。