謎の超巨大モンスターの討伐は【ロキ・ファミリア】がメインとなり討伐に成功した。
しかし例のアーディを殺した女はアイズを執拗に狙いフィン達の介入を持って退けるに留まった。
簡単なお使いがとんだ大惨事になりアーディは疲労困憊で帰路に着く。
『疲労など無いだろう』
「うるさいな、そういう気分って話だよ」
『ともあれこれで奴が有力な情報を持ってきてくれれば良いのだがな』
「そう言えば待ち合わせも何もしてないけどどうやって接触して来るつもりだろう?」
アーディがそう言った瞬間、鳥の鳴き声が聞こえ空を見上げると真っ昼間に梟が飛んでおりアーディの肩に止まった。
『使い魔か、奴のものだな』
「ご明察の通りだ、名工殿ここでは目立つ、人目の無い場所に移動してくれ」
声が聞こえ人気の少ない裏路地に入る。
「それで?約束は果たしたよ、今度はそっちの番」
「分かっている。有力か否かはそちらで判断してくれ」
そう言うと梟は羽根の中から紙束を取り出しアーディにそれを渡す。
「ではまた頼む」
梟はそう言うと飛び立ちアーディは情報に目を通す。
「【呪われた結婚指輪】【村に代々伝わる儀式用指輪】【謎のマジックアイテム】…………何か胡散臭い話ばっかりだね」
ペラペラと情報の纏められた紙を捲る。
『待て、今の情報はどうだ?』
「え?」
ケレブリンボールの目に止まった情報を見る。
「【アマゾネスの戦士の指輪】?えっと…………【テルスキュラ】で代々最強の戦士に贈られる指輪、その指輪は絶大な力を齎すと言われているがその力を発揮出来た戦士は歴代で存在しない…………」
『【アマゾネスの指輪】はアマゾネスの中で最も勇猛だった戦士に作った、彼女は死を恐れずしかし死を軽視しなかった』
「凄い人だったんだね」
『だが、人には長所があれば短所もある。彼女も勇猛ではあったが同時に知恵が足りていなかった。正面からの戦闘を好み搦め手を嫌いそれ故に窮地に陥る場面が多々あった』
「アマゾネスの人らしいね」
『彼女の死後指輪は行方知れずとなっていたが…………そうか、彼女の同胞達の国に身を寄せていたのは運命か、偶然か』
「まだ決まった訳じゃないよ?」
『……………………そうだな』
ケレブリンボールはそう言うと姿を消しアーディは1度書類をしまいどれから回るべきか思考を巡らせた。
(やっぱり有力な所から回るべきかな?)
「済まない、一つ言い忘れていた」
「ゴフッ!?ゲホッゲホッ!!」
適当な物を食いながら思考を巡らせていると何処からか声が聞こえ口にしていた物がつっかえ咳込んでしまう。周りを見るとそこには飛んでいったはずのフェルズの使い魔の梟がいた。
「済まない、君に知らせるべき事を1つ伝え忘れていてね」
「私に伝えることって?」
「【テルスキュラ】で何やら怪しい動きを感知した、幹部を含めテルスキュラの主神カーリーも此方に向かっているそうだ」
「【テルスキュラ】が?」
『となると無理に【テルスキュラ】に向かう必要は無さそうだな』
「……………………【テルスキュラ】が此方に着く時間は?」
「まだ少し掛かる。1度メレンで補給もするだろうからな」
「じゃあその間に他の手がかりの所を調べようかな」
「そうした方が良い、以上だ、済まなかったな」
梟はそう言うと今度こそ飛び立ちアーディはそれを見送った。