『まぁ、こんな事だろうと思っていた』
そう言うケレブリンボールの横でアーディは指輪を手の中で弄んでいた。
フェルズから情報を受け取って暫く、アーディは取り敢えず近場から確認する事に決めオラリオの近隣の村々から指輪を探しに向かった。
目的地で危険な物や危険かどうかも分からないアイテム等は【ガネーシャ・ファミリア】の名の下回収しシャクティに押し付けた。勿論問題の無い物や村やそこに住む人々に有益と判断した物は使い方や用途を説明し大事に保管する様に伝えた。
「まぁ、オラリオ以外の治安維持に貢献出来てるって考えれば悪い気はしないかな」
『後数日もすれば【テルスキュラ】がメレンに着く頃だろう、向かうか?』
「うん、お姉ちゃんにこの指輪渡したら直ぐに行こう」
アーディはそう決めるとシャクティに押収した魔道具をシャクティに半ば押し付け荷物を纏めるとメレンに向かった。
『港町という事は漁業が盛んな街か』
「うん、他にも水質資源が豊富でそう言うので生計を立ててるんだ、取り敢えずそれらしい船が止まってないか確認してみようかな」
『その必要は無い様だぞ』
ケレブリンボールがそう言いながら指を指す、その方向に目を向けるとそこには何やら一触即発の【ロキ・ファミリア】のメンバーとアマゾネスの集団がいた。
『早速目的を達成出来そうだな』
「向こうが話に応じてくれればね」
アーディはそう言いながら両陣営に向かって歩く。
「ん?あれ!?アーディたん!!こんな所で何してんの!?」
最初にロキが気付き大声でアーディの名前を呼ぶと全員がアーディに注目する。
「こんにちはロキ様、そっちはバカンスですか?」
「まぁそんな所や、そっちは?1人か?」
「うん、個人的に用事があって、そこの人達に」
アーディがそう言うとケレブリンボールが姿を表し船上のカーリーに向かって叫ぶ。
『殺戮の乙女カーリーよ!!私はケレブリンボール、そこの者が持つ指輪を作り出した者だ!!』
ケレブリンボールが船上の1人を指さしそう言うとカーリーは視線だけを動かし指輪を見る。ロキも距離的に見えない為双眼鏡を使いその人物を見ると確かにその指には指輪が嵌っていた。
『それは私が生み出した物、私の元へ返して欲しい』
「ケレブリンボール【妖精の名工】か、今更死人が口を出し「はい、そうですか」と我らが納得すると?ソナタが手離し我等の手に渡った今どうしようと我等の自由と言うのが道理ではないか?」
『単なる指輪ならそうだ、だがその指輪だけは違う。それは正しき事に使う者のみが持つべきだ』
「くどい、どうしてもコレが欲しいと言うなら奪いに来い、血を見せろ、我等の肉を踊らせろ」
『アーディ、交渉は決裂だ』
「見れば分かるよ」
アーディはそう言うと【幽鬼の弓】を取り出し指輪を持つアマゾネスに向かって【シャドウストライク】を行った。