「それが【アマゾネスの指輪】?」
「うん、間違いなく本物みたい」
「そっか〜、私とティオネはちゃんと見る前に【テルスキュラ】出ちゃったからどんなものか知らなかったんだよね〜」
一夜明けアーディは自身の左手に嵌った指輪を見てそう呟く。
その隣には指輪をアーディに届けに来たティオナがいた。
結果として【テルスキュラ】は【ロキ・ファミリア】の介入によりその思惑は潰えロキに知っている情報の全てを吐きアーディに【アマゾネスの指輪】を譲渡した。
『【アマゾネスの指輪】の力、それはアマゾネスらしく【純粋な暴力】だ』
「何か物騒だね」
「え?何が?」
完全に話に置いていかれるティオナを無視しアーディとケレブリンボールは会話を続ける。
『言葉にすればな、しかし力とは最も分かりやすい脅威だ、その脅威が今の君にも宿っている』
「え?」
アーディはコップに手を伸ばしているとケレブリンボールがそう言いバキッと嫌な音が聞こえそちらを見るとアーディはコップを握り潰していた。
「うわっ!?大丈夫!?」
「う、うん、ちょっと力を込め過ぎたみたい…………」
『それが【アマゾネスの指輪】に宿った力だ、使用者の身体能力を大幅に強化する』
「…………………………………………」
アーディはケレブリンボールの言葉を聞きながらコップを粉々に砕いた自身の右手をジッと見つめた。
『それよりも、そろそろアレをどうにかしたらどうだ?』
ケレブリンボールに言われ視線を動かすとそこには【テルスキュラ】のアマゾネス達がガレスやフィンに群がっている所だった。
「それは私の仕事じゃないからパス、それより早く【アマゾネスの指輪】の力に慣れないと、と言うわけで私はオラリオに帰ります。フィンさん達に宜しく伝えておいてください」
「うん!!アーディありがとうね!!手伝ってくれて」
アーディはティオナにそう言うとメレン港から去った。
オラリオに戻ったアーディは早速ダンジョンに入りその力を試した。
(凄い、まるでレベルアップしたみたい…………)
凄まじい身体能力の向上にアーディは驚きながらもその力の把握に奔走した。
「戻ってきたか」
不意にフェルズの声が聞こえ周りを見回すとそこには全身漆黒の外套を身に纏ったフェルズがいた。
「どうしたの?」
「少し厄介な仕事を頼みたい、とても面倒な仕事を」
「面倒な仕事って?」
「それを言う前に君に1つ教えておくべき事がある。この街の一部の者しか知らない秘密だ」
「………………………………良いよ」
「では、私に着いてきてくれ」
フェルズはそう言うとアーディを連れダンジョンを下って行った。