リヴェリアから【エルフの指輪】を譲り受けたアーディは暫く自分に宿った力の把握に集中した。
まず大雑把な括りとして【エルフの指輪】を得て手に入れた【幽鬼の弓】と名付けた霊的な弓を扱うことが出来る。
霊的なエネルギーを弓矢に変え打ち出す事でダメージはないが相手の意識を乱す事が出来る。
次に弓矢で狙いを定めた相手の元へ一瞬で移動出来る【シャドウストライク】、何故か弓矢を消費する。
弓矢はアーディとケレブリンボールのみに見えており至る所に突き刺さっている。
更にケレブリンボールと一体化した事で【ドレイン】と呼ばれる体力吸収能力を得た、これは相手に手を翳すだけで自身の傷が癒えると言う馬鹿げた力だが慣れないせいか若干時間が掛かりそこそこの時間隙を晒すことになる為乱戦では使いにくいと判断した。
それらの力を使い最近は専ら暗殺者の様な戦い方になっている事をアーディは気にしていた。
『ならば軍勢を作るか?』
「……………………はい?」
突然の提案にアーディは呆けて変な声が出た。
「ねぇ、本当に大丈夫なの?」
『問題ない、それが【人の指輪】の力だ』
アーディはケレブリンボールに促されそこそこ大き目の闇派閥のアジトに1人で来ていた。
少し不安に思ったアーディがケレブリンボールに尋ねるとケレブリンボールは問題ないと良いアーディは深呼吸した後頭上から見張りをしていた闇派閥の団員に奇襲を仕掛ける。
同じく見張りをしていた団員に気づかれたがそこはケレブリンボールが【幽鬼の剣】で斬り殺し騒がれる前に事態を収集した。
アーディの方は相手を殺す事はせず右手で相手の顔に触れると焼き付く様な音が僅かに鳴り相手の目が青く光る。
ゆっくりと警戒しながら拘束を解くと相手は目の前にアーディが居るにも関わらず何もせず何も言わない、強いて言うなら僅かばかり唸り声を上げている位だ。
「本当だった…………」
アーディは自身の手を見ながらそう呟きケレブリンボールが現れる。
『それが【人の指輪】の力、【支配】だ』
「どうしてこれが【人の指輪】の力なの?貴方はこれを【最も純粋だった人の戦士に作った】って」
『……………………人の特筆すべき力は【群】だ、敵わぬ相手にも数で立ち向かい打ち倒す力、だがあの男は使わなかった、自らの信頼のみを武器に人を集め自分だけの【群】を作り最後には敗れた、それだけだ』
ケレブリンボールは最後にそう言い残し消えアーディは意を決した様にアジトの中に入っていった。
後からやって来た冒険者達が突入する頃には生き残っている闇派閥は一人もおらず突入した冒険者は皆口を揃えて言った
「まるで、内輪揉めで崩壊した様だ」と