暗黒期が終わりを迎えた、しかしそれは全ての不安因子が消えた訳では無い、闇派閥の残党は至る所に残り正邪決戦の爪痕もオラリオには深く残っている。
アーディも尽力し着実に闇派閥が消滅に向かっていた。そんな時、事件が起きた。
「【アストレア・ファミリア】が!?」
「まだ詳しい事は分かっていないが闇派閥の罠の可能性がある」
「ッ!!」
「アーディ!!待て!!全く、【暗黒期】の奇跡の生還からというもの、言う事を聞かなくなってきたな、元から奔放な性格ではあったが命令無視する程では無かった筈だが」
シャクティは段々妹に手綱を振り払われている感覚を覚えていた。
「…………いや、帰ってきてからと言うより正邪決戦からか?」
シャクティは正邪決戦の時アーディが無数のモンスターと闇派閥のメンバーを従えて援軍に来た時の事を思い出し不意にとある考えが頭を過った。
(アーディ、お前は生き返る代わりに人を捨ててしまったのか?)
シャクティは直ぐにその考えを振り払い自身の仕事に戻った。
アーディはダンジョンを走り回っていた、【シャドウストライク】や【支配】を駆使し爆速でダンジョンを駆け下る。
「リオン!!アリーゼ!!皆!!」
アーディは事件の現場に辿り着くが出入り口は崩落した様に塞がれており岩を退かすしかなかった。
漸く向こうが見えた頃、瓦礫の向こうでは見たこともない骨のモンスターに【アストレア・ファミリア】が斬り刻まれ残ったリューにも襲い掛かっていた。
アーディは即座に【シャドウストライク】で見たことないモンスターに接近しその首に剣を放つが骨の装甲に阻まれる。
「アーディ!!」
「リオン逃げて!!」
リューに気を取られた隙に振り下ろされた爪にアーディは切り刻まれた。
「あ」
「アーディ!!!!」
(ああリオン、君にまた死に様見せるなんて、ごめんね)
こうしてアーディは2度目の死を迎えた。
「………………………………え?」
目を覚ますとアーディはダンジョンで横たわっていた。
「リオン!!」
慌てて飛び起き周りを見回すが斬り刻まれた【アストレア・ファミリア】の団員の遺体の中にリューの物は無くひとまずホッと息を吐く。同時に一つの疑問が浮かび上がってきた。
「私、なんで生きてるの?ケレブリンボール!!」
アーディが名前を呼ぶとケレブリンボールが姿を表しアーディの疑問に答える。
『言ったはずだ、お前は死から追放されたのだと』
「そう言えば最初にそう言ってたね」
『死から追放された者は死ぬことが出来ない、故に仕方無く再び生を受ける。死ぬ事が出来ずこの世を彷徨い歩く、死から追放されるとはそういう事だ』
ケレブリンボールはそれだけ言うと姿を消しアーディは無残に転がった【アストレア・ファミリア】の団員の遺体を回収しダンジョンを出た。
リューには心底驚かれたが仲間の遺体を持ち帰ったと言われたリューは泣き崩れながらアーディに礼を言い主神であるアストレアも彼女に頭を下げ礼を言った。