【暗黒期】の終わりから7年
アーディはあの日から1度も笑えないまま7年間街の秩序を守ってきた。
同時に指輪の情報も集めているが現状有力な情報は入って来ていない。
更に【死から蘇る】と言う特異な力を隠しもせずに戦う為二つ名も【象神の詩】から変更された。
【生死を彷徨い目的の為なら己の死すらも厭わない】と言う点から【
今ではアーディの不死は有名な所となり多くの神々がアーディにちょっかいを出そうと画策しているがガネーシャとシャクティが睨みを利かせている為実行には至っていない。
尚、一部のアーディファンの神はアーディの顔から笑顔が消えた事で泣いた。
「7年も調べてるのに手掛かり1つも無いね」
『伊達に数千年行方不明では無いと言うことだ』
「うん、ギルドの情報にも何も無かったからね……………………それで、そこにいるのは誰?」
アーディは持っていた資料集を閉じ後ろを振り返る、そこには誰も居ない筈の視線の先に透明な靄の様な物が現れた。
「まさか見破られるとは思わなかった」
そこに現れたのは全身を真っ黒な外套で包む男か女かも分からない怪しい人物。
「私はフェルズ、ウラノスの使い走りだ、宜しく【
「ウラノス様の?それでご要件は?」
「なに、ちょっとした取引だよ、今後君の力が必要になる事態を我々は予測している。その時に是非君の力を借りたい」
「………………………………」
「代わりに君の求めている情報を此方も提示しよう」
『つまり我々の指輪探しを手伝う代わりにそちらの面倒事に手を貸せと言うことか』
「その通りだ、嘗ての名工、ケレブリンボール」
ケレブリンボールの言葉にフェルズが反応しケレブリンボール共々アーディは驚きの表情を浮かべる。
「フェルズさん、ケレブリンボールの事見えてるの?」
「私も似た様な存在だからな」
フェルズがそう言いフードから顔を覗かせるとそこには1筋の繊維もない見事な骸骨が広がっていた。
「貴方も死に追放されたの?」
『いや、逆だな』
「逆?」
『死を拒絶しようとしたな』
「500年も前の話だ」
「死を拒絶しようとしたって…………」
『不老不死でも求めたのだろう、だがそれは神々以外では不可能な所業だ、愚かな行為だな』
「ああ、だから愚者を名乗っているのだよ、それで返答は?」
『後ろ盾を持つことは悪い事じゃない、クロッゾも鍛冶貴族となり最強の後ろ盾を得ていた』
「………………………………分かりました。協力します」
「感謝する。ウラノスに良い報告が出来そうだ」
フェルズはそう言うとフードを深く被り直し姿を消す魔道具で何処かへ消えた。