少年転生~剣を極めて最強を目指す~   作:Rin1411

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少年転生

 「いいからほっといてってば!」

 

 「なんだよそれ⁉だいたいお前こそ!」

 

 激しい雨の中で男女二人が言い争っている。

 

 「まぁまぁ…」

 

 「静香!アキも落ち着け!」

 

 そんな二人を仲裁しようと俺ともう一人が間に入るが一向に止まらず、両者ともにヒートアップしていく。

 

 喧嘩してる二人は俺の幼馴染と親友だ。

 両思いだがお互い素直になれずにたびたびこうして喧嘩する。そしてそのたびに共通の友人である俺が仲裁する。

 毎回こうして間に入る俺の身にもなってほしい。

 今回は誠司も一緒だったから何とか抑えられてるが、アキは同年代でも一際背が高いから抑えるのにも一苦労だ。

 

 「お前ら、痴話喧嘩も大概に…」

 

 堪り兼ねて声をあげようとする。

 

 「あ…ぶねぇ…ぞおぉぉぉぉぉ…」

 

 聞き取りずらい男の声が聞こえる。

 振り返ってみると太った巨漢が血相を変えてこっちに駆けてきている。さらにふと横を見ると、そこにはトラックが突っ込んできていてーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何が起きたんだ。

 

 目の前が真っ暗だ。

 

 いや、なんとなくわかる。あのトラックに轢かれたんだ。

 

 じゃあ俺は死んじまったのか…

 

 自分でも損する性格だとは思ってたがまさか死ぬことになるなんてな…静香とアキが気に病まないといいが…

 

 ていうかなんなんだこれ。これが死後の世界ってやつなのか?

 

 さすがにこのまま暗闇の中っていうのは気が狂いかねない…

 

 お、目が開いた!まだ生きてたのか?

 

 「ーーー・・ーー・・・」

 

 目を覚ますと見慣れない金髪の男女二人が私をのぞき込んでいる。男の人が何か喋ってるみたいだがうまく聞き取れない。

 そもそもこれって日本語なのか?

 

 「ーー・・ーー」

 

 また聞きなれない言葉を発していた女性が俺を持ち上げた。

 噓だろ?同年代より小柄だったとはいえ、高校生の俺をこんな軽々と?

 

 どんな怪力だと呆れていると、ふと自分の手のようなものが視界に入る。

 

 あれ?

 俺の手、小さすぎね?

 

 まるで赤ん坊みたいなーーー

 赤ん坊?

 

 「「あぃあぁあ」」

 

 ん?

 

 声がするほうを見るとどこか金髪の男女二人に面影のある赤ん坊がいた。それもばっちり目が合う。

 

 ((なんか、もう一人いる…))

 

 赤ん坊二人の思考が重なった。

 

 

 

 

 

 

 あれから半年、言葉もある程度わかってきた。やっぱり俺は生まれ変わったらしい。

 今世での俺の名前はレイド・グレイラット。日本人じゃないのは明らかだが、いったいどこの国なのか…

 あの時いた人たちは今世の両親で母がゼニスで父がパウロ、目が合った赤ん坊のほうはルーデウス、双子の弟で両親からはルディと呼ばれている。後は、リーリャというメイドさんもいた。

 

 ただ、弟のルディはどうも俺と同じな気がする。

 全然泣かなかったりとかいろいろあるが、一番は母さんやリーリャさんの胸を見ていやらしい笑みを浮かべるところや、明らかに意図的に女性用の下着をかぶってるところとか…

 中身は変態で間違いない。

 巻き添え食らって俺もリーリャさんに警戒されてるっぽいし…

 

 それにしても、この家はよほどの田舎なのか?

 ルディと一緒に窓の外を見るが目に入るのはのどかな田園風景、家もまばらで2~3件ほどしか見当たらない。

 明かりは蝋燭の火、寒い時も暖炉を使っていたりと電気やガスを使ってる痕跡もないし、このまま成長すると文明の利器に頼ってきた弊害が出そうだな…

 

 ん?

 

 いつもみたいにルディと椅子によじ登って窓の外を見ていたが、今回は庭で親父が剣を振り回していた。

 

 もしかして、親父って結構アレな人?

 

 いや、分からなくはないぞ?俺も幼稚園の頃友達と傘でチャンバラしてたから。でもあの人20代くらいだよな?せめて14歳くらいが限界だぞそれは…

 

 そんなこと思い呆れていると下のほうからどしんと何かが落ちる音がした。下を見てみるとルディが椅子から落ちたのかゆかで仰向けになっている。

 

 「キャア!ルディ‼」

 

 それを見た母さんとリーリャさんが真っ青な顔でルディに駆け寄ってきて抱き上げた。

 

 「ルディ!大丈夫なの⁉」

 

 二人の慌てようを見るに、よほど危ない落ち方をしたんだろう。

 だけど、そんな頭は動かさないほうがいいんじゃなかったっけ?

 

 「ほっ、大丈夫そうね」

 「これでも泣かないなんて…」

 

 ひとしきり確認して問題がなさそうだったからか母さんは胸をなでおろす。

 リーリャさんは落ちても泣かなかったルディのことを訝しんでいた。

 

 「よしよし、念のため痛いのが飛んでいくおまじない、かけてあげるね」

 

 おまじない?痛いの痛いの飛んでけー、的な?

 

 そんなことを思っていると母さんはルディの頭に手を置く。

 

 「神なる力は芳醇なる糧、力失いしかのものに再び立ち上がる力を与えん…」

 

 母さんもアレな人だったのか?まさか親父との馴れ初めは中二病つながりなのか?

 

 「…ヒーリング」

 

 と思ったのも束の間で『ヒーリング』という言葉を皮切りに母さんの手が淡く光る。

 

 …は?

 

 レイドの中である一つの可能性が浮かび上がる。

 

 「どう、痛いの治ったでしょ。ママ、こう見えても昔は冒険者やってたのよ」

 

 「どうした、すごい声が…」

 「あなた!ルディが頭から転げ落ちちゃって!」

 

 悲鳴を聞きつけて戻ってきた親父に母さんはさっき起こったことを伝えている。親父は男の子ならそれくらい元気がないとと流しているが、頭から落ちたからか母さんも譲らない。

 

 それにしても冒険者か、さっきの光は回復魔法か何かだろう。親父の剣も一見ただ振り回しているように見えてどこか型にはまっているように見えた。

 もう断定していいだろう、ここは俺がいた地球とは別の…

 

 剣と魔法の世界だ

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