レベルアップする戦国武将   作:沙耶王

14 / 20
養蜂への第一歩

 

第十三話 養蜂への第一歩

 

 永禄四年(一五六一年)初冬。

 

 椎茸栽培の準備を終えた新九郎は、次なる計画へ動き始めていた。

 

 それは以前から父・宗久へ話していた養蜂である。

 

 朝。

 

 新九郎は山口源蔵、柴田甚八を伴い、領内の山へ入っていた。

 

 「まずは蜂を飼う場所を決めます。」

 

 「承知いたしました。」

 

 源蔵と甚八は頷き、一行は山道を進む。

 

 ◇

 

 川沿い。

 

 畑の近く。

 

 山裾。

 

 いくつかの候補地を見て回るたび、新九郎は密かに思考支援を発動した。

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 【思考支援】

 

 『養蜂適地』

 

 解析中……

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 候補地 一

 

 成功確率 42%

 

 水場まで遠い

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 候補地 二

 

 成功確率 61%

 

 花は多い

 

 人の往来が多い

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 候補地 三

 

 成功確率 89%

 

 花が豊富

 

 水場が近い

 

 風が穏やか

 

 村から適度に離れている

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 (ここだ。)

 

 新九郎は静かに画面を閉じた。

 

 目の前には雑木林に囲まれた緩やかな斜面が広がる。

 

 近くには小川が流れ、春には野花が一面に咲くだろう。

 

 「この場所にします。」

 

 源蔵は辺りを見回した。

 

 「水もあり、日当たりも悪くございません。」

 

 甚八も頷く。

 

 「村からほどよく離れておりますな。」

 

 新九郎は二人へ説明した。

 

 「蜂は花と水を必要とします。」

 

 「そして、人の出入りが少ない方が落ち着いて巣を作れます。」

 

 「ここなら条件は十分でしょう。」

 

 源蔵は感心したように笑った。

 

 「若様は本当によくお調べになりますな。」

 

 ◇

 

 館へ戻ると、宗久が書院で待っていた。

 

 「どうだった。」

 

 新九郎は一礼する。

 

 「養蜂に適した場所を見つけました。」

 

 「水が近く、春には花も多く咲く土地です。」

 

 宗久は源蔵へ視線を向けた。

 

 「源蔵、お前も見たのだな。」

 

 「はっ。」

 

 「若様のお見立てどおり、養蜂には良い場所かと存じます。」

 

 宗久は満足そうに頷いた。

 

 「よし。」

 

 「そこで始めるがよい。」

 

 「ありがとうございます。」

 

 宗久はさらに尋ねた。

 

 「蜂箱はいくつ作る。」

 

 新九郎は迷いなく答えた。

 

 「まずは二十箱で始めたいと考えております。」

 

 宗久はわずかに眉を上げた。

 

 「二十とは思い切った数だな。」

 

 「春に入る蜂が、そこまで多いとは思えぬが。」

 

 新九郎は静かに頷いた。

 

 「おそらく、実際に蜂が入るのは数箱ほどでしょう。」

 

 「ですが、空いた巣箱がなければ、その機会を逃してしまいます。」

 

 「春の分蜂は短い期間に集中します。」

 

 「蜂は待ってはくれません。」

 

 「その時に備え、多めに用意しておくことが肝要にございます。」

 

 宗久は感心したように頷いた。

 

 「なるほど。」

 

 「多く捕らえるためではなく、機を逃さぬためか。」

 

 「はい。」

 

 「もし二十箱すべてが使われなくとも、翌年以降もそのまま利用できます。」

 

 「無駄にはなりません。」

 

 宗久は穏やかな笑みを浮かべた。

 

 「理にかなっている。」

 

 「大工へ命じよう。」

 

 「冬のうちに二十箱を作らせる。」

 

 「はっ。」

 

 新九郎は深く頭を下げた。

 

 春は待ってはくれない。

 

 だからこそ、冬のうちに備えを整えておく。

 

 それが新九郎の領地経営の基本だった。

 ◇

 

  数日後。

 

 二十の蜂箱が完成した。

 

 新九郎は源蔵、甚八とともに養蜂予定地へ運び、一つずつ間隔を測りながら並べていく。

 

 静かな雑木林の中に、新しい木箱が整然と並んだ。

 

 新九郎は密かに思考支援を発動する。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

【思考支援】

 

『養蜂』

 

配置確認……

 

成功確率 91%

 

現状維持を推奨

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 (これでいい。)

 

 蜂を迎える準備は整った。

 

 あとは春、自然が命を運んでくるのを待つだけである。

 

 

 その夜。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

【イベント進行】

 

『養蜂計画』

 

適地選定 完了

 

蜂箱設置 完了

 

春の分蜂待機

 

進捗 40%

 

EXP +30

 

政治 +1

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 新九郎は静かに画面を閉じた。

 

 冬の山は、すでに雪化粧を始めていた。

 

 二十の蜂箱は白く染まり、春を待つように静かに並んでいる。

 

 その姿を一度だけ見届けると、新九郎は踵を返した。




【現在のステータス】

名前:黒川 新九郎

年齢:7

レベル:19

EXP:430/2000

HP:105/105

MP:480/480

筋力:51

耐久:49

敏捷:53

知恵:96

統率:46

政治:40

魅力:41

器用:56

運:36

SP:12

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【固有スキル】

・鑑定 Lv4(MP消費なし)

・言語理解 LvMAX

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【スキル】

・観察 Lv4

・学問 Lv5

・兵法 Lv4

・礼法 Lv4

・剣術 Lv5

・弓術 Lv4

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【アクティブスキル】

・知識庫

・思考支援

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【称号】

・転生者

・唯一の成長者

・黒川の神童

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。