猫又のにじさんじ日和   作:ひよこ大福

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第12話 10万人へ届く歌

@白妙ミコト

登録者10万人、ありがとうございます。

デビューした時は、こんなに早く届くと思っていませんでした。

今日の20時に、初めての歌ってみたを投稿します。

曲は、僕がずっと好きだったバラードです。

プレミア公開なので、一緒に聴いてください。

 

【歌ってみた】夜明けを待つ君へ/白妙ミコト

 

#白妙ミコト

#ミコト観察中

 

↪︎10万人おめでとう!

↪︎初歌ってみたきた!

↪︎ずっと準備してるって言ってたやつ?

↪︎歌枠で泣いたから覚悟しておく

↪︎バラードは絶対泣く

↪︎プレミア公開楽しみ!

↪︎サムネ綺麗

↪︎白猫の後ろ姿がいる

↪︎夜明けの空とミコト似合いすぎ

↪︎10万人のお祝いで泣かされるの確定した

 

↪︎@白妙ミコト

泣くと決めつけないでください。

歌配信の時より、ちゃんと落ち着いて歌いました。

 

↪︎落ち着いて歌った方が泣きそう

↪︎歌配信でも十分すごかった

↪︎今から緊張してる?

 

↪︎@白妙ミコト

しています。

投稿するだけなのに、配信より緊張しています。

 

↪︎もう完成してるのに?

↪︎逃げられないからかな

↪︎大丈夫だよ

↪︎一緒に聴こう

 

@月ノ美兎

登録者10万人、おめでとうございます。

初めての歌ってみたが、どのような作品になっているのか楽しみにしています。

 

↪︎@白妙ミコト

ありがとうございます。

プレミア公開中はコメントを見ないつもりなので、何を書いても返事はできません。

 

↪︎@月ノ美兎

先に予防線を張っていますね。

 

↪︎@白妙ミコト

見たら恥ずかしくなるので仕方ありません。

 

@剣持刀也

10万人おめでとうございます。

心に響く歌声が、収録ではどのように仕上がっているのか気になりますね。

 

↪︎@白妙ミコト

歌配信の時より、音を外していないと思います。

 

↪︎@剣持刀也

そこを心配しているわけではありません。

 

↪︎@白妙ミコト

なら大丈夫です。

 

@不破湊

10万人おめでとう!

歌ってみためっちゃ楽しみや!

今日も泣いたら責任取ってな!

 

↪︎@白妙ミコト

歌を聴いて泣いた人の責任は取りません。

 

↪︎@不破湊

前も言われた!

 

↪︎@白妙ミコト

同じことを言うからです。

 

@三枝明那

10万人おめでとう!

プレミア公開絶対行く!

配信中は静かにするから安心して!

 

↪︎@白妙ミコト

プレミア公開は僕が喋るわけではありません。

 

↪︎@三枝明那

じゃあコメントでいっぱい褒める!

 

↪︎@白妙ミコト

公開中は見ません。

 

↪︎@三枝明那

終わったあと全部読んでな!

 

↪︎@白妙ミコト

考えておきます。

 

公開30分前。

 

@白妙ミコト

プレミア公開の待機所が開きました。

僕もいますが、コメントはしません。

緊張するので、静かに待っています。

 

↪︎もう1万人以上いる

↪︎白猫のスタンプ押して

↪︎ミコト見てる?

↪︎逃げないでね

↪︎10万人記念おめでとう!

↪︎初歌ってみた楽しみにしてる!

 

公開10分前。

 

待機所には、すでに数万人が集まっていた。

 

カウントダウンを待つコメントが次々と流れていく。

 

▶10万人おめでとう!

▶待ってた!

▶初めての歌ってみた楽しみ

▶歌枠からずっと待ってた

▶サムネだけで泣きそう

▶今度こそ泣かない

▶絶対無理

▶ミコトもここにいる?

▶緊張してそう

▶みんなで一緒に聴こう

 

白妙ミコトは自分の名前が表示されたアカウントで待機所へ入っていたが、宣言通り何も書かなかった。

 

ただ、次々と流れるコメントを見つめていた。

 

歌はすでに完成している。

 

収録も、映像の確認も、公開設定も終わっている。今から何かを直すことはできない。

 

それでも、配信開始ボタンを押す時とは違う緊張があった。

 

自分がその場で話す配信なら、失敗しても言い直すことができる。ゲームで負けても、次の試合で取り返せる。

 

けれど、歌ってみたは違う。

 

完成した歌声が、そのまま残り続ける。

 

これから初めて自分を知る人も、この動画を通して歌声を聴くかもしれない。

 

「…大丈夫」

 

小さく呟き、カウントダウンを見つめる。

 

残り10秒。

 

▶始まる!

▶緊張してきた

▶ミコト10万人本当におめでとう

▶歌ってくれてありがとう

▶静かに聴きます

 

5。

 

4。

 

3。

 

2。

 

1。

 

画面が暗転し、静かなピアノの音が流れ始めた。

 

映像に映るのは、夜明け前の空だった。

 

青と紫が混ざり合う空の下、制服姿の白妙ミコトが1人で立っている。猫耳と二本の尻尾は隠さず、遠くに見える光へ顔を向けていた。

 

最初の音に重なるように、歌声が響く。

 

プレミア公開のコメントが、目に見えて遅くなった。

 

▶…

▶綺麗

▶もう無理

▶声が優しい

▶一声で鳥肌立った

▶歌枠より近く感じる

▶心の中に直接入ってくる

 

配信で歌った時よりも、声は落ち着いていた。

 

緊張で震えることもなく、言葉の一つ一つを大切に置いていくように歌っている。

 

強く感情を押しつける歌い方ではない。

 

けれど、優しい声の奥にある寂しさが、聴く人の記憶へ静かに触れていく。

 

忘れていた誰か。

 

もう戻れない時間。

 

言えなかった言葉。

 

それぞれが抱えていたものを、歌声がゆっくりと引き出していく。

 

▶自然に涙出た

▶まだ一番なのに泣いてる

▶何でこんなに懐かしい気持ちになるんだろう

▶会いたい人を思い出した

▶声が優しいのに苦しい

▶バラードと相性よすぎる

▶10万人記念でこの曲を選んだ理由分かった気がする

 

映像の中で、ミコトは夜の道を1人で歩いていた。

 

街灯が1つずつ消え、空が少しずつ明るくなっていく。

 

サビへ入ると、歌声が静かに広がった。

 

高い音は叫ぶように強く出すのではなく、遠くまで届く光のように伸びていく。

 

どこかへ行ってしまった誰かへ。

 

今はまだ暗い場所にいる誰かへ。

 

夜はいつまでも続かないと伝えるように。

 

▶無理

▶涙止まらない

▶こんな声で歌われたら泣く

▶優しい

▶本当に心に響く

▶明日も頑張ろうと思える

▶今つらい人に聴いてほしい

▶ミコトが歌ってくれてよかった

 

間奏。

 

映像の中で、小さな白猫が現れる。

 

二又の尻尾を揺らしながら、夜明けを待つミコトの隣へ座る。

 

制服姿のミコトは、その白猫へ手を伸ばさなかった。

 

ただ隣に座り、同じ空を見上げる。

 

▶白猫…

▶昔のミコト?

▶1人じゃなくなった

▶隣にいるだけなのがいい

▶抱きしめないのが逆に泣ける

 

2番が始まる。

 

今度の歌声には、最初よりわずかな温かさが加わっていた。

 

誰かに救ってもらう歌ではない。

 

苦しみを消してもらう歌でもない。

 

暗い夜を歩いている途中で、隣に同じ景色を見ている存在がいる。

 

それだけで、あと少しだけ進める。

 

ミコトの声は、言葉にできない気持ちを代わりに歌うように、静かに響き続けた。

 

▶昔の自分に聴かせたい

▶1人で泣いてた時にこの歌があったらよかった

▶ミコトの声に助けられてる

▶優しい声なのに強い

▶隣にいてくれる歌だ

▶歌声でこんなに泣いたの初めて

 

最後のサビ。

 

画面の空が、ゆっくりと朝の色へ変わっていく。

 

白猫が立ち上がり、先へ進む。

 

ミコトもそのあとを追うように歩き始めた。

 

歌声が最も高い音へ届く。

 

それでも、声は細くならない。

 

切なさを抱えたまま、最後には確かな温かさを残していく。

 

そして、最後の言葉が静かに消えた。

 

映像の中で朝日が昇る。

 

画面中央に、白い文字が浮かび上がった。

 

『10万人、ありがとう。』

 

曲が終わっても、数秒間コメントは流れなかった。

 

▶…

▶ありがとう

▶歌ってくれてありがとう

▶10万人本当におめでとう

▶涙で画面見えない

▶忘れられない歌になった

▶ミコトのことを知れてよかった

▶これからも応援する

▶ずっと大切に聴きます

 

プレミア公開が終了し、画面が動画のページへ切り替わる。

 

同時視聴者数は、ミコトが想像していた数字を大きく超えていた。

 

動画のコメント欄にも、すぐに感想が書き込まれていく。

 

ミコトは何も言わず、その画面を見つめていた。

 

「…終わった」

 

公開前からずっと強張っていた肩から、ようやく力が抜ける。

 

自分の歌声を誰かと一緒に聴くのは、思っていた以上に恥ずかしかった。コメントが止まった瞬間は、何か失敗したのではないかと不安にもなった。

 

けれど、そのあとに流れてきた言葉は、どれも温かかった。

 

誰かを思い出した。

 

明日も頑張ろうと思えた。

 

歌ってくれてありがとう。

 

一つずつ読んでいるうちに、ミコトの二本の尻尾がゆっくりと揺れ始める。

 

公開から数分後。

 

@白妙ミコト

プレミア公開、一緒に見てくれてありがとうございました。

公開中はコメントしないつもりでしたが、全部見ていました。

途中でコメントが止まった時は、何か失敗したのかと思いました。

たくさん聴いてくれて、ありがとうございます。

 

↪︎見てたんだ

↪︎みんな聴き入ってた

↪︎失敗じゃないよ

↪︎本当に綺麗だった

↪︎歌ってくれてありがとう

↪︎自然に涙が出た

↪︎大切な曲になった

↪︎10万人おめでとう!

 

↪︎@白妙ミコト

泣いた人が多すぎます。

明るい曲にすればよかったかもしれません。

 

↪︎この曲でよかった

↪︎ミコトの声で聴けてよかった

↪︎泣いたけど温かい気持ちになった

↪︎最後は前を向ける歌だった

 

↪︎@白妙ミコト

それならよかったです。

僕も、この曲を最初の歌ってみたに選んでよかったと思います。

 

@月ノ美兎

初めての歌ってみたとは思えないほど、完成された作品でした。

夜明けへ向かって進む映像と、静かに寄り添う歌声がよく合っていたと思います。

10万人、おめでとうございます。

 

↪︎@白妙ミコト

ありがとうございます。

映像は何度も相談して作ってもらいました。

白猫を出すか最後まで迷ったので、褒めてもらえて嬉しいです。

 

↪︎@月ノ美兎

あの白猫には、何か意味があるのでしょうか。

 

↪︎@白妙ミコト

秘密です。

 

↪︎意味あるんだ

↪︎いつか教えて

↪︎昔の飼い主と関係ある?

 

↪︎@白妙ミコト

勝手に話を作らないでください。

秘密は秘密です。

 

@剣持刀也

歌配信の時にも感じましたが、ミコトさんの声は上手さより先に感情が伝わってきますね。

余計な力が入っていない分、聴いている側が自分の記憶を重ねやすいのだと思います。

10万人おめでとうございます。

 

↪︎@白妙ミコト

ありがとうございます。

いつもより長く褒められて、どう返したらいいか分かりません。

 

↪︎@剣持刀也

普通に受け取ればいいと思います。

 

↪︎@白妙ミコト

…ありがとうございます。

 

@不破湊

めっちゃ泣いた!

歌も映像もほんまに最高やった!

ミコトくん10万人おめでとう!

 

↪︎@白妙ミコト

ありがとうございます。

本当に泣いたんですか?

 

↪︎@不破湊

ほんまに泣いたで!

最後の朝日でさらに泣いた!

 

↪︎@白妙ミコト

責任は取りません。

 

↪︎@不破湊

知ってた!

 

@三枝明那

10万人おめでとう!

歌ってみためっちゃよかった!

通話で全然喋れないミコトくんと、歌ってるミコトくんが同じ人に思えない!

 

↪︎@白妙ミコト

歌は収録なので、何度もやり直せます。

通話もやり直せるなら話せるかもしれません。

 

↪︎@三枝明那

会話を収録する!?

 

↪︎@白妙ミコト

先輩が話したあとに一度止めて、返事を考える時間をください。

 

↪︎@三枝明那

配信何時間かかるん!?

 

↪︎@白妙ミコト

分かりません。

 

↪︎いつもの2人だ

↪︎Xでは本当に会話できる

↪︎歌の余韻が消えた

↪︎安心した

 

その日の22時。

 

歌ってみたの公開から2時間後、10万人記念の雑談配信が始まった。

 

画面には、猫の姿になった白妙ミコトが映っている。

 

「…聞こえてる?」

 

▶聞こえてる!

▶10万人おめでとう!

▶歌ってみた最高だった!

▶まだ泣いてる

▶今日は猫姿なんだ

 

「人の姿だと、みんなのコメントを見た時に顔が分かりやすいから、今日は猫です」

 

▶照れ隠し?

▶猫でも耳と尻尾で分かるよ

 

「分からない。猫の表情は人間には難しいから」

 

▶尻尾揺れてる

▶嬉しそう

 

「これは10万人記念の演出です」

 

▶久しぶりの演出

▶まだ使うんだ

 

「便利だからね」

 

▶認めた

 

「…今のは忘れて」

 

白猫は座ったまま、少しだけ姿勢を正す。

 

「改めて、登録者10万人、本当にありがとうございます」

 

▶おめでとう!

▶こちらこそありがとう

▶これからも応援する

▶歌ってみた大切に聴くね

 

「デビューした時は、1か月で5万人になったことにも驚いてたのに、そのあと10万人まで来るとは思ってませんでした。ゲーム配信も、歌配信も、初めてのコラボも、見に来てくれる人がいたから続けられました」

 

▶初配信から見てるよ

▶これからも見る

▶ミコトの配信が毎日の楽しみ

▶出会えてよかった

 

「…そういうことを一気に書かないで。読むのが恥ずかしい」

 

▶歌で泣かせた仕返し

▶もっと褒めよう

 

「仕返ししなくていい」

 

▶歌ってみたの収録どうだった?

▶何回録り直したの?

 

「全部を通して歌った回数は、覚えてない。でも、一部分だけ録り直したところは多いよ。少し音が違うとか、言葉が強すぎるとか、逆に弱すぎるとか。歌が下手だったからじゃなくて、ちゃんと曲の雰囲気に合わせたかったから」

 

▶こだわったんだ

▶一番難しかったところは?

 

「最後のサビ。高い音を出すだけなら難しくないけど、強く歌いすぎると曲の雰囲気が変わるから。声を張り上げずに、遠くまで届くように歌うのが難しかった」

 

▶綺麗に届いてた

▶最後の高音で泣いた

▶心に響いたよ

 

「…ありがとうございます」

 

▶素直だ

▶猫になっても照れてる

 

「今日は記念だから、ちゃんと受け取るって決めました」

 

▶かわいい

▶格好いい

 

「格好いいもあるなら、かわいいも今日は少しだけ許します」

 

▶認めた!

▶10万人の奇跡

▶切り抜き確定

 

「今日だけだからね!」

 

▶歌ってみたの白猫は誰?

▶ミコト本人?

▶昔のミコト?

 

「秘密。答えません」

 

▶意味はある?

 

「…あるけど、まだ話さない」

 

▶いつか教えてくれる?

▶待ってる

 

「話したくなったらね。何でもすぐに知ろうとしないでください」

 

▶分かった

▶その時まで待つよ

 

「うん。それでいい」

 

白猫の二本の尻尾が、ゆっくりと床を撫でる。

 

「歌ってみたは、これからも出したいと思ってます。でも、頻繁には無理。今回もかなり時間がかかったし、投稿する前は怖かったから」

 

▶次も待ってる

▶急がなくていいよ

▶ミコトのペースで出して

 

「次は明るい曲もいいかな。みんなが泣かないような曲」

 

▶明るい曲でも泣くかも

▶ミコトの声なら何でも泣きそう

 

「何を歌っても泣くなら、もう気にしなくていい?」

 

▶好きな曲を歌って

▶ミコトが歌いたい曲が一番

 

「じゃあ、そうします」

 

少しだけ間を空ける。

 

「10万人は大きな数字だけど、数字が増えたから急に何かが変わるわけではありません。次の配信も普通にゲームをするし、リスナーと言い争うし、たまに歌います」

 

▶言い争ってたんだ

▶友達との会話じゃないの?

 

「みんなが言うことを聞かないから、訂正してるだけです」

 

▶これからも訂正されに行くね

▶ずっと友達でいよう

▶飼い主でもあるよ

 

「…10万人もいるのに、まだ飼い主を続けるの?」

 

▶もちろん

▶10万人の飼い主

▶大所帯だね

 

「僕1人を10万人で飼う必要ないでしょ」

 

▶みんなで大切にします

▶ご飯あげるね

 

「魚なら…じゃなくて、自分で用意できます」

 

▶まだ魚に反応する

▶かわいい

 

「今日は許すって言ったけど、何回でも言っていいとは言ってない」

 

▶10万人おめでとう!

▶歌ってみたありがとう!

▶これからもよろしく!

 

「…うん。こちらこそ、これからもよろしくお願いします」

 

白猫は画面へ向かって、小さく頭を下げた。

 

「僕の配信を見つけてくれて、歌を聴いてくれて、10万人まで一緒に来てくれて、ありがとうございます。まだ人間社会には上手く馴染めてないけど、配信の中では、少し居場所ができた気がします」

 

▶ここがミコトの居場所だよ

▶いつでも待ってる

▶これからも一緒に進もう

▶ずっと応援する

 

「…また泣かせようとしてる?」

 

▶今度はミコトが泣く番

▶泣いてもいいよ

 

「泣かない。今日は歌で十分泣いたでしょ」

 

▶本人も泣いた?

▶収録中に?

 

「秘密」

 

▶泣いたんだ

▶白猫のところ?

 

「勝手に決めないで!」

 

▶耳伏せた

▶分かりやすい

 

「もう終わります!」

 

▶逃げた

▶次の配信も楽しみ!

▶10万人本当におめでとう!

 

「逃げてない。時間だから終わるだけです」

 

白猫は一度画面の端へ消え、すぐに小さな紙を口にくわえて戻ってきた。

 

紙には、手書きの文字が書かれている。

 

『10万人、ありがとう。これからもよろしく。』

 

▶かわいい!

▶手書きだ!

▶スクショした

▶一生大切にする

▶歌ってみたと同じ言葉だ

 

「最後に見せようと思って書きました。字については何も言わないでください」

 

▶綺麗だよ

▶少し丸い字でかわいい

 

「終わります」

 

▶褒められて逃げた

▶10万人おめでとう!

▶おやすみ!

▶歌ってみた何回も聴くね!

 

「聴きすぎて飽きないようにしてね。それじゃあ、おやすみ。また次の配信で」

 

白猫は紙を置き、前足をゆっくりと振った。

 

「…10万人、本当にありがとう」

 

最後にもう一度だけ小さな声で伝え、記念配信は終了した。

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