猫又のにじさんじ日和   作:ひよこ大福

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第7話 リズムに乗れない猫又

@白妙ミコト

今日の20時からリズム天国をします。

音楽ゲームは得意なので、たぶん簡単です。

初見ですが、パーフェクトを目指します。

#ミコト観察中

 

↪︎リズム天国きた!

↪︎初見でパーフェクトは無理

↪︎音ゲーの実力見せて

↪︎スト6の時みたいに無双しそう

↪︎絶対変なところで失敗する

↪︎リズム感は歌配信で証明済み

↪︎今日も楽しみにしてる!

 

↪︎@白妙ミコト

失敗する前提で話さないでください。

音を聞けば分かるので、問題ありません。

 

↪︎その自信が怖い

↪︎フラグ立ててる

↪︎リズム天国はそう簡単じゃないよ

 

↪︎@白妙ミコト

音楽ゲームであることに変わりはないです。

ちゃんと格好いいところを見せます。

 

午後8時。

 

「聞こえてる?」

 

▶聞こえてる!

▶待ってた!

▶リズム天国楽しみ!

▶今日は余裕そうだね

 

「余裕だよ。音楽ゲームは得意だから」

 

▶初見でも?

▶説明見ないでできる?

 

「説明は見る。初見で説明まで飛ばすのは、上手いんじゃなくて雑なだけでしょ」

 

▶正論

▶今日は真面目だ

 

「いつも真面目だから。みんなが変なところばかり切り抜くだけで」

 

▶飼い主って認めたところ?

▶かわいいって言われて怒ってるところ?

▶尻尾が動いてるところ?

 

「全部、僕の配信の本質じゃない」

 

▶本質は何?

 

「ゲームが上手くて、歌も上手くて、格好いいところ」

 

▶自分で全部言った

▶最後だけ違うかも

 

「違わない。今日は音楽ゲームが上手いところを見せるから、ちゃんと覚えて帰ってね」

 

ゲーム画面に切り替わる。

 

「これ、いろんなミニゲームを順番にやっていくんだよね。曲に合わせてボタンを押すだけなら、そんなに難しくないと思う」

 

▶その認識で大丈夫かな

▶見た目に惑わされないでね

 

「見た目?」

 

最初のゲームが始まる。

 

画面には、一定のリズムで動くキャラクターたちが映っていた。

 

「最初は練習か。音に合わせて……ここ」

 

軽快な音に合わせ、ミコトがボタンを押す。

 

「はい。次も同じ」

 

成功音が続く。

 

▶上手い

▶普通にできてる

▶さすが音ゲー得意

 

「だから言ったでしょ。こういうのは、画面を見るより音を聞いた方が簡単なんだよ」

 

▶もうコツ掴んだ?

▶初見とは思えない

 

「音が一定だからね。少しずれても、次で直せる」

 

練習が終わり、本番が始まる。

 

「じゃあ、最初からパーフェクトを狙うよ」

 

リズムに合わせ、キャラクターが動く。

 

ミコトはほとんど迷わずボタンを押していく。

 

「ここは少し溜めて……今」

 

成功。

 

「次は早い。はい」

 

成功。

 

「簡単だね」

 

▶調子に乗ってる

▶まだ最初だよ

▶フラグ

 

「フラグって言わないで。実際に全部成功してるから」

 

突然、音の間隔が変わる。

 

「……え?」

 

ミコトの入力がわずかに遅れ、失敗音が鳴った。

 

▶あ

▶失敗した

▶今の顔見た?

▶尻尾止まった

 

「今のは分かりにくい」

 

▶初見だからね

▶簡単って言ってたよ

 

「簡単だけど、急に変わったから反応できなかっただけ。次はできる」

 

▶言い訳が早い

▶一回失敗しただけだよ

 

「言い訳じゃなくて分析。失敗した理由が分からないままだと、同じところでまた失敗するから」

 

その後は崩れることなく、最初のゲームを終える。

 

結果画面には高評価が表示された。

 

「ほら。最初の一回以外は全部できた」

 

▶すごい

▶パーフェクトは?

▶目標達成できてないよ

 

「初見の一回目でパーフェクトを取るとは言ってない」

 

▶Xで目指すって言ってた

 

「目指すと取るは違うでしょ」

 

▶逃げ道作ってる

▶次はパーフェクト?

 

「次は取るよ」

 

二つ目のゲームが始まる。

 

今度は画面に複数のキャラクターが並び、音の合図に合わせて動いていく。

 

「これは合図を聞いて、少し遅れて押すのか」

 

▶ちゃんと説明聞いてる

▶賢い猫

 

「猫を付けないで」

 

▶賢い猫又

 

「そういう問題じゃない」

 

練習では順調に成功を重ねる。

 

「この音が来たら、一拍待って押す。分かりやすい」

 

本番が始まる。

 

「はい、はい……ここ」

 

成功音が続く。

 

「これも大丈夫そう」

 

画面の動きが急に派手になり、背景に別のキャラクターが現れる。

 

「何か増えた」

 

▶見ない方がいいよ

▶音だけ聞いて

 

「分かってる。あれは関係ない」

 

そう言いながらも、画面の端で妙な動きを続けるキャラクターに、ミコトの視線が一瞬向いた。

 

「……何してるの、あれ」

 

入力が遅れ、失敗音が鳴る。

 

▶見た

▶惑わされてる

▶関係ないって言った直後

 

「違う。視界に入っただけ」

 

▶それを惑わされたって言うんだよ

▶かわいい

 

「ゲーム側が集中を邪魔してくるのが悪い」

 

▶リズム天国はそういうゲーム

▶ミコトの集中力が試されてる

 

「次は絶対に見ない」

 

再び妙な動きが画面の端に現れる。

 

「……」

 

▶見てる

▶今絶対見た

 

「見てない」

 

▶耳がそっち向いてる

 

「耳は勝手に動くから」

 

▶演出じゃないの?

 

「今日は音を聞くために動いてるだけ」

 

▶便利な耳だ

 

「猫又だからね」

 

最後まで大きく崩れることなく進み、結果は合格だった。

 

「また一回だけ失敗した」

 

▶一回ずつ失敗してる

▶パーフェクト遠いね

 

「次からは、本当に一回も失敗しない」

 

▶何回目の宣言?

▶次は何のゲーム?

 

「まだ始まったばかりだから。音楽ゲームは、慣れてからが本番でしょ」

 

次のゲームでは、声の合図に合わせてタイミングよく入力する必要があった。

 

「これは簡単そう。言われた通りに押せばいいだけだよね」

 

練習が始まる。

 

画面のキャラクターが独特な声を上げる。

 

「……今の声、何?」

 

▶気にしないで

▶ちゃんと合図聞いて

 

「聞いてるけど、もう少し普通に言えなかったのかな」

 

再び奇妙な声が響く。

 

ミコトが少し遅れてボタンを押す。

 

失敗。

 

「笑って押せなかった」

 

▶笑ったんだ

▶声耐えられなかった?

▶ミコトでも笑うんだね

 

「僕だって笑うよ。笑わない妖怪だと思ってたの?」

 

▶普段はリスナーに怒ってるから

▶笑うより拗ねてる印象が強い

 

「そんなに拗ねてない」

 

▶今も少し拗ねてる

 

「拗ねてないって」

 

練習をやり直す。

 

今度はミコトも声に慣れ、正確に入力する。

 

「もう大丈夫。最初だけだった」

 

▶本番で笑わないでね

 

「笑わない。もう何が来るか分かってるから」

 

本番が始まる。

 

最初は順調だった。

 

「はい。ここ。次も同じ」

 

奇妙な合図にも動じず、正確に入力していく。

 

「やっぱり慣れれば簡単だね」

 

途中から、画面のキャラクターがさらに大げさな動きを見せ始める。

 

「何でそんな顔するの」

 

▶集中して

▶笑いそう

 

「笑わないから」

 

次の瞬間、キャラクターが今まで以上に妙な声と動きを見せた。

 

「ふっ……」

 

入力が遅れる。

 

失敗音。

 

▶笑った!

▶また一回失敗

▶パーフェクト終了

 

「今のはずるいでしょ!」

 

▶ゲームにずるいって怒ってる

▶完全に負けてる

 

「リズムには負けてない。変な顔に負けただけ」

 

▶結局負けてる

▶音楽ゲームの実力とは関係ないところで失敗してる

 

「それなら、僕が音楽ゲーム上手いことは証明できてるよね?」

 

▶まだです

▶パーフェクト取って

 

「みんな、最初より厳しくなってない?」

 

▶飼い主だから

▶成長を見守ってます

 

「便利な時だけ飼い主を使わないで」

 

いくつかのミニゲームを進めるうちに、ミコトは操作にも独特な演出にも慣れていった。

 

細かく変化するテンポにもすぐ対応し、画面を隠して音だけを頼りに成功を重ねる。

 

「今のは見ない方が簡単だった。画面に余計な情報が多いから、音だけ聞いた方が集中できる」

 

▶本当に目閉じてる

▶それでできるのすごい

 

「リズムを覚えたら、見なくてもできるよ」

 

▶格好いい

▶やっとパーフェクト取れそう

 

「やっとじゃない。最初から実力はあったから」

 

終盤まで失敗せずに進む。

 

「ここまで全部成功。あと少し」

 

▶頑張れ

▶静かに見守る

▶パーフェクト来る?

 

「今コメントを読ませないで。集中してるから」

 

最後のパートに入る。

 

リズムが急に速くなり、合図の間隔も短くなる。

 

「速くなった。でも、まだ大丈夫」

 

正確な入力が続く。

 

「次、少し遅い」

 

成功。

 

「その次が早い」

 

成功。

 

最後の一回。

 

「……今」

 

成功音と同時に、ゲームが終了した。

 

▶いけた!

▶全部成功!

▶パーフェクト?

▶今のすごい!

 

「取ったでしょ」

 

結果画面にパーフェクトを示す表示が現れる。

 

「ほら!」

 

▶パーフェクトおめでとう!

▶本当に取った

▶さすが音ゲー得意

▶格好いい!

 

「そう。これが本当の僕の実力だから」

 

▶嬉しそう

▶尻尾すごい

▶ドヤ顔かわいい

 

「最後まで格好いいで終わってよ!」

 

▶パーフェクト取った時の反応はかわいい

▶ゲーム中は格好よかったよ

 

「それなら……まあ、いいけど」

 

▶認めた

▶少しずつかわいいを受け入れてる

 

「受け入れてない。今はパーフェクトを取って機嫌がいいだけ」

 

次のミニゲームが表示される。

 

「まだ続けるよ。せっかく感覚が分かってきたから、全部パーフェクトにしたい」

 

▶急にやり込み始めた

▶終わるまで配信終われない?

▶何時間かかるかな

 

「そんなにかからないよ。一回できたんだから、あとは同じようにやればいいだけ」

 

▶またフラグ立ててる

▶次も変なゲームだよ

 

「もう画面の変な動きには惑わされない」

 

新しいゲームが始まる。

 

練習画面には、リズムに合わせて野菜を切るキャラクターが映っていた。

 

「これは普通そうだね」

 

▶本当に?

▶油断しないで

 

「野菜を切るだけでしょ。さっきまでより分かりやすい」

 

合図に合わせて入力する。

 

成功。

 

「ほら。簡単」

 

次の野菜が飛んでくる。

 

成功。

 

三つ目は少し大きな野菜だった。

 

「大きくてもタイミングは同じ」

 

成功。

 

突然、予想していなかった物が飛んでくる。

 

「え、何それ」

 

反応が遅れ、失敗音が鳴った。

 

▶早速失敗した

▶画面に惑わされないんじゃなかった?

▶パーフェクト終わった

 

「……今のは野菜じゃなかった」

 

▶そこ?

▶切るタイミングは同じだよ

 

「野菜を切るゲームだと思ってたのに、違う物を出す方がおかしいでしょ」

 

▶またゲームに怒ってる

▶リズム天国と相性いいね

 

「よくない。僕を驚かせることしか考えてない」

 

▶ホラーゲームより驚いてる

▶耳立ってるよ

 

「驚いてない!」

 

▶尻尾も膨らんでる

 

「これは……集中してるだけ」

 

▶新しい演出だ

▶今日は言い訳が多い

 

「言い訳じゃない。もう一回やる」

 

ミコトはすぐに再挑戦を選ぶ。

 

「次は何が飛んできても切るから」

 

▶危ない発言

▶野菜以外も切る猫又

 

「ゲームの中だけだよ。人間社会では切らないから」

 

▶誰も聞いてない

▶月ノ先輩に言われそうなこと自分で言ってる

 

「今日は先輩いないから、僕が先に説明しただけ」

 

再挑戦が始まる。

 

今度はどんな物が飛んできても動じず、正確なタイミングで切っていく。

 

「一回見れば大丈夫。初見殺しには二回目から通じないから」

 

最後まで成功し、再びパーフェクトを取る。

 

「これで二つ目」

 

▶おめでとう!

▶負けず嫌いだ

▶失敗したらすぐやり直すね

 

「できるのに、失敗したまま終わるのが嫌なだけ」

 

▶それを負けず嫌いって言うんだよ

 

「違う。ゲームが好きなだけ」

 

▶どっちもだと思う

▶でも格好いいよ

 

「……今日は素直な人が多いね」

 

▶パーフェクト取ったから

▶褒めないと拗ねるから

 

「拗ねない!」

 

さらにいくつかのミニゲームを進めた頃には、配信開始から二時間が過ぎていた。

 

「もうこんな時間?」

 

▶集中しすぎ

▶ずっとやり直してたから

▶そろそろ終わる?

 

「あと一個だけ」

 

▶その言葉信用できない

▶さっきも言ってた

 

「次のゲームをパーフェクトにしたら終わる。本当に最後」

 

▶何回挑戦することになるかな

▶頑張れ

 

「一回で取る」

 

最後のミニゲームが始まる。

 

これまで遊んだゲームの要素が次々と混ざり、リズムも頻繁に変化していく。

 

「これ、まとめて出てくるの?」

 

▶リミックスだ

▶難しいよ

▶集中して

 

「大丈夫。全部一回やったから」

 

最初のリズムを正確に捉える。

 

「ここはさっきと同じ」

 

場面が切り替わる。

 

「次は一拍遅れて」

 

成功。

 

別のゲームへ変わる。

 

「これは画面を見ない」

 

目を閉じ、音だけで入力する。

 

成功。

 

▶すごい

▶本当に全部覚えてる

 

「一回やったからね」

 

テンポが上がる。

 

「速い。でも大丈夫」

 

次々と変わるリズムに合わせ、ミコトの指が動く。

 

二本の尻尾も、音に合わせるように左右へ揺れていた。

 

▶尻尾もリズム取ってる

▶かわいい

 

「今は読まない!」

 

終盤。

 

一度でも失敗すればパーフェクトはなくなる。

 

ミコトは何も話さなくなり、音だけを聞いて入力を続ける。

 

最後の合図。

 

「……今!」

 

成功音が響いた。

 

「終わった?」

 

結果画面へ切り替わる。

 

・パーフェクト

 

「取った!」

 

▶おめでとう!

▶一発パーフェクト!

▶本当に音ゲー上手い

▶最後格好よかった!

▶尻尾も完璧だった

 

「尻尾は関係ないけど、ちゃんと証明できたでしょ。僕は音楽ゲームも得意です」

 

▶疑ってごめん

▶最初の失敗は?

 

「初見だったから仕方ない」

 

▶変な顔で笑ってたよ

 

「それもゲームの罠だから」

 

▶楽しかった?

▶またやってほしい

 

「楽しかった。思ってたより難しかったけど、失敗した理由が分かりやすいから、やり直すのも楽しい」

 

▶全部パーフェクト目指す?

▶続きもやる?

 

「うん。今日できなかったところは、次までに練習しておく」

 

▶配信外で全部終わらせそう

▶次も初見で見たい

 

「じゃあ練習しない方がいい?」

 

▶少しだけ練習して

▶初見の反応も見たい

▶失敗して怒るところが面白い

 

「最後の人のためには配信しません」

 

▶かわいいところ見たいだけ

▶格好いいところも見るよ

 

「……それなら、次も配信でやる」

 

▶やった!

▶次回も楽しみ!

 

「今日はリズム天国を見に来てくれて、ありがとうございました。最初は簡単だと思ってたけど、画面の変な動きに何回か負けました」

 

▶認めた

▶リズムには負けてない?

 

「リズムには負けてない。そこは大事だから」

 

▶はいはい

▶パーフェクト格好よかったよ

 

「うん。それでいい」

 

▶笑ってるミコトもかわいかった

 

「それはいらない」

 

▶次の配信も見に来るね

▶今日も楽しかった!

▶お疲れさま!

 

「次はもっと最初から上手くやるから、ちゃんと見に来てね。それじゃあ、おやすみ」

 

▶おやすみ!

▶またね!

▶飼い主として練習を見守ります

 

「配信外までは見守らなくていい!」

 

最後まで騒がしいコメントへ言い返しながら、配信は終了した。

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