槍の聖女の軌跡を超えて   作:アマシロ

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ガレリア要塞

 

 

 

 

 

 

 

「ああ………母様帰っちゃった………」

「用事があるんだったか」

 

 

 

 

「クロスベルで《結社》のお仕事が……」

「それは漏らして大丈夫な情報なのか…?」

 

 

 

 たぶん大丈夫じゃないけどぉ…。

 

 

 

「………ぅぅ、母様……結局私って母様の実の娘なのか聞けずじまい……」

「それはなんというか……」

「聞いたら答えてくれそうじゃない?」

 

 

 

 

 ミリアムは気軽に言うけれども!

 これで「実は人造人間で」とか言われたら……いやまあミリアムもそうだけどさ……。

 

 

 

 

 

 デュバリィに聞く? いやでもしばらくクロスベルが忙しくなるってめっちゃ悔しそうに言ってたからあんまり呼びつけるのも悪いし…。

 

 

 

 

 

 

 

「……よし! 次に母様に会えたら聞く!」

「はは……まあ元気が出たなら良かった」

 

 

 

 

 

 

 

 というわけで、大陸横断鉄道でクロスベルとの国境への鉄路は過ぎていき。

 到着したガレリア要塞はなんというか、とんでもない規模で。

 

 ゲームでもこんなに大きかったっけ? というくらいに大きいし人の数も尋常じゃなく多い。

 

 

 圧倒されている間にお昼ご飯(不味い)を食べて。

 そして軍事演習の見学へ。この移動も装甲車をわざわざ動かして10分ほども移動するのだから要塞の大きさも分かるというものである。

 

 

 

 

 

 帝国正規軍最強とも呼ばれる《第四機甲師団》。

 その演習の規模も凄まじいもので。

 

 戦車、装甲車、飛空艇が緻密に連携。旧式の戦車を軽々と粉砕していく光景と、音と、閃光。

 

 

 

 

 

 

――――でもうん、まあマクバーンの火よりは百倍マシかな……。

 

 

 

 

 夕飯では、美味しいハヤシライスが出たもののみんなの空気は暗く。

 武力も学力も剣術も、実際の戦場では何の役にも立たないと落ち込んでいるが……いやまああれくらい母様なら普通に粉砕するけどね!

 

 私でも……まあ突破するだけなら?

 

 

 そう考えると、やっぱりヴァリマールたち騎神って規格外の力なんだよなぁ……空飛べるから戦車を一方的に叩けるし、飛空艇にも速度で優越している以上は起動者の腕前によっては楽々と墜とせるだろうし。

 

 

 

 

 騎神……ほしいなぁ。

 緋は皇族専用機だから、狙うなら金のエル・プラドーか…。紫のゼクトールは多分もう決まってる……よね? 軌跡シリーズの時間軸はこのあたり複雑すぎる。

 

 

 

 

 

 

 母様の、不死者の命が2年後までだとしたならば。

 その結末をひっくり返すための力が欲しい。例えそれが無理だとしても、あんな結末は認めたくない。

 

 

 

 

 私こそがアリアンロードの娘、ライナ。

 親を超えていくことができたなら、きっとそれが“救い”になる。多分私は、みっともなく泣いて喚くだろうけれど。それでも、きっといつか良かったと思えるように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。

 これから列車砲の見学をしようかという時、ナイトハルト教官に届いた通信は《帝国解放戦線》がクロスベルの通商会議を飛空艇で攻撃したということ。そしてその際に人形兵器や導力ネットの不正使用があったとのことで。

 

 

 

 

 あー、《星辰のコード》か。

 結社の使う、あらゆる導力ネットを不正利用できる―――あ。そういえばハッキングによる指示で自動操縦ユニットがアハツェンに取り付けられて操られるんだった。

 

 

 

 

 

 

 瞬間、要塞が揺れた。

 真下から響く轟音。駆けつけると、アハツェンが隔壁を砲撃で破壊して去っていくところで。

 

 

 

 

 

 走るアハツェンをなんとか装甲車などが砲撃で押しとどめようとするが、アハツェンは意にも介さず。砲塔を装甲車に向けて――――危ない!

 

 

 

 

 

「ライナ!?」

「せぇぃッ!」

 

 

 

 

 母様の真似をして馬上槍をぶん投げ、アハツェンの砲塔に突き立てる。砲塔で弾丸が暴発し、一基のアハツェンが停止――――が、目につく限り少なくとも20機近くのアハツェンが暴走している。とはいえ装甲車一機ぶんだけとはいえ人命救助できた。

 

 

 

 

 

 

「今の技術であんな複雑な操作ができるはずが…!」

「いえ……人形兵器の技術を使えば不可能じゃないわね」

 

「教官、まさか例の《結社》が……!?」

「ええ、一枚噛んでる可能性は高そうね」

 

 

 

 

 

 みんなの視線が集中するが、残念なことに何も知らなかったり。

 母様なら何か知ってるんだろうし、原作知識的に知ってることはあるけど。

 

 

 

 

「《結社》って基本的に横の連携とか皆無なので…」

 

 

 

 そして演習場方面に去っていた自動操縦アハツェンを第四機甲師団が追撃しに行ったところでやってくる飛空艇。どうやらアハツェンの暴走は陽動だったようで。

 

 

 

 

 

「狙いは――――列車砲か!」

「どうやら完全に隙を突かれたようだな」

 

 

 

 

 クロスベルでの通商会議、そこに列車砲での攻撃が行われれば被害は甚大なものになる。

 

 

 

 

「――――時間がありません。俺たちも協力させてください。《列車砲》が起動する前に何としても彼らを止めましょう」

 

「やれやれ、止めても無駄みたいね。リィン以下A班。このままあたしについてきなさい! B班は少佐の指揮に従うこと!」

 

 

 

 

「それぞれ2手に分かれて右翼と左翼の列車砲を押さえる。これは訓練ではない――――実戦だ! くれぐれも気を引き締めるがいい!」

 

 

「了解しました。トールズ士官学院、特科クラス《Ⅶ組》一同……列車砲の起動を食い止めるべく、これよりミッションを開始する。日頃の成果を見せる時だ――――全力で教官たちをサポートするぞ!」

 

「「「「おおっ!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいでなすったわね」

「じ、実習の時に現れた……」

 

 

 

 

 どうみても人形兵器ですね。どうもこんにちは。

 見なかったことに…はできないよね。

 

 

 

 

 

 

 とかなんとか葛藤していると、リィン君が裏疾風で一掃。

 いやあの、早い……。

 

 

 

 

「みんな、急ぐぞ!」

「ちょっと見ない間に随分と腕をあげたみたいね」

 

 

 

 

 

 

 

 一時は放たれるかと思われた列車砲だったが、初弾は空砲で。

 いやほんと《帝国解放戦線》の何がクソってクロスベルに列車砲は流石に度が過ぎてると思うんだよね。

 

 70万人皆殺しにする気か、と。

 

 

 

 列車砲に近づくと雑魚テロリスト達が妨害しようとしてくるが、邪魔。

 

 

 

 

 

「――――アングリアハンマー!」

 

 

 

 

 テロリスト達を一撃で行動不能に。

 そのまま列車砲に向かおうとするリィンとラウラに向かってサラ教官が叫ぶ。

 

 

 

 

「――――下がりなさい!」

「「っ」」

 

 

 

 

 

 法剣を振るい、奇襲を仕掛けてきたのは帝国解放戦線の幹部《S》。

 が、リィン君が法剣を完全に見切って途中で切断。動揺したところに叩き込まれる裏疾風。いやつっよ。

 

 

 

 

「ラウラ、頼む!」

「あ、ああ!」

 

 

「っ……させないわ!」

 

 

 

 

 

 召喚されるのは、大型の人形兵器ゼフィランサス。その赤い特別仕様機だろうか。

 

 

 

 

「――――耐えてみなさい! 聖技、グランドクロス!」

 

 

 

 

 

 

 所詮は人形兵器。グランドクロスの前に爆散したその隙にラウラが列車砲の停止レバーを引く。

 

 

 

 

 

 

 

「…っ――――うふふ、まあいいわ。全ては《C》の狙い通り……。クロスベルの作戦についてもね」

 

 

 

 

 

 ……え? ほんとに…?

 正直原作知識があってもよく分からないんだけど狙いとか……。

 正直なところ、下手に騒ぐよりいきなりオズボーン宰相を狙撃でぶち抜く方が話が早いし確実のような……。

 

 あの狙撃能力だけは天才だと思うわ《C》。全く活かされなかったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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