「ディオスクリア、見参」
目の前に
ドドドドドドドドッッッ!!
威力はさほど高くないが、これでもヤツの装甲の硬さくらいは見切れると思っていた・・・が
その考えは甘かった
「次元バリア、アクティベート」
ザーツバルムの声が告げるように、これはニロケラスの時と同じあらゆるものを吸収するバリアだ
ちっ、次元バリアは隙間を見つけるか、あるいはこかして一時的にバリアを張れなくするかしないと倒せない
とはいってもヤツもそれは重々承知だろうから警戒してくるだろう
・・・・ここは当初の目的通り時間稼ぎに徹するとしますか
そして俺は少し余裕を持ってヤツと距離をとった
しかし、ヤツはそれを許さない
「ヴェリテ様、先ほどの威勢はどうなされた?来なければこちらから行かせていただく
飛べ、我が眷属よ」
声と同時に黒武者は左腕をこちらに向けた
そして次の瞬間その腕は飛んできた
なるほど、今度はヘラスと同じってわけか
腕の本数が一本とヘラスに比べると少ないが、その分でかい
一対一なら十分な攻撃だなっ・・・と
ヘラスの時のように本体を狙いに行くことはできないのでとりあえずは避け続ける
・・・・後ろかっ!!
「エネルギージョイント接続、ブレードフィールド展開、プラズマジェネレーター起動・・・」
なっ!?これはアルギュレの・・・
「抜刀」
背後から襲いかかるビームサーベルを寸でのところで回避する
そのまま距離を取るとヤツも左腕を戻し、ビームサーベルも閉まっていた
「ふぅ・・・今のはアルギュレのビームサーベルだな?ニロケラスの次元バリアと言い、ヘラスのロケットパンチと言い
ってお前のほうがオリジナルなのか。まあどっちにしろすぐにバラしてよかったのか?」
フッと不敵に笑うとザーツバルムは声高々に言った
「時間稼ぎをされてはかないませんのでな、それに我が最強の愛馬の前に小細工など無用なのですよ」
俺はその言葉に獰猛に笑い返す
「最強の愛馬?玩具の間違えだろ?」
「むっ」
「ガキでも思いつくような武器をくっつけただけの玩具が最強だなんて笑い殺す気か?」
とても安い挑発、だがヤツはそれに乗ってきた
「玩具かどうか、見せて差し上げます!!」
そして再びヤツは左腕を飛ばした
「へっ、ワンパターンだな。パイロットまでガキ臭くなってるぞ?」
そう言って俺は指先を黒武者に向け、今度はセミオートで発砲する
こっちの方が、数はなくても精度がいいからな!
各指から発射された銃弾は2発が飛んでくる腕に当たり甲高い音を立てた
更に2発は黒武者の装甲に
そして最後の一発は飛ばした腕の付け根に当たって爆発した
ボォォオオンッ!
やっぱりロケットパンチと次元バリアは同時使用ができないんだな
まあ、出力的な面でも、特性的な面でも相性最悪なんだから当たり前っちゃ当たり前なんだがな
焦ったヤツは腕をすぐさま戻し、次元バリアを展開する・・・が
「悪手だな」
ドンッ!
俺は再び銃弾を放つ。その銃弾は黒武者の腰に当たり、爆発した
そう、腰についていた装置がヤツの隙間の一つだ
「な、なぜ!?」
「次元バリアってのはな、張る瞬間を見逃さなけりゃどこが隙間なんて一瞬で分かるんだよ
ましてやそんなあからさまな位置にありゃな」
次元バリアが機能しなくなった今、俺はフルオートに切り替えてぶっ放していた
「地球人だって何もしてないわけじゃない。むしろアルドノアなんてものが無い分必死で知恵を振り絞って戦ってるんだ
ただ力任せに戦う火星人とは違ってな」
そう言いながらどんどん接近していくとヤツは左腕を盾代わりにし、回避行動をやめた
「ならばこれはどうやって攻略するのだ!!」
ヤツは右腕に展開したビームサーベルを大きく振りかぶった
なら俺は・・・・突っ込む!!
斬っ!
俺がヤツの横をすり抜けると同時に黒武者の右腕が切り落ちた
そしてシュルトの手にはワイヤーで編まれた剣があった
「悪いな、俺も火星人なんで力任せのほうが得意なんだわ」
右腕を落とされた黒武者は沈黙した
かに見えた
「我は負けられんのだ!!!」
再び動き出した黒武者は左腕にビームサーベルを展開し、地面に突き刺した
その衝撃で揚陸城の装甲が沈み、揚陸城内部へと引きずり込まれる
そしてそこはユキ達が目指す中枢区画のすぐそばだった
まさか狙っていた!?
いや今はそんなことどうでもいい、これ以上ヤツが何かをする前に・・・殺す
直ぐ様振るった剣は黒武者の残っていた腕を切り落とした
「ザーツバルム、15年前から続くお前の復讐は俺が終わりにしてやる」
そしてとどめを刺しそうとした次の瞬間
揚陸城のアルドノアの停止とともに、俺はタルシスによってヤツと一緒に中枢区画になだれ込んだ
◇Side三人称
時を遡ること数十分
スレインはザーツバルムの私兵に手厚くもてなされていた
そしてその時にザーツバルムの真実を聞いた
ザーツバルムはトロイヤード博士への恩返しとして、スレインを火星の軍に入れ、着実に力を付けさせた
クルーテオ城に配属になったのは予想外だったが、最低限の人権が守られるように手を回していたのもザーツバルムだった
そして今日の決戦において死を予感していたザーツバルムはこの城の所有権をスレインに移譲するつもりだったのだ
その事実を聞いたスレインは今現在戦っているであろう恩人と義兄を何とかしなければという焦りを感じていた
思えばこの焦りが問題だったのかもしれないが
「城内に機体は残っていないのですかっ!」
「今は全機出払っておりまして、あるのはクルーテオ卿が捨てたとみられるタルシスしか・・・」
「それで十分です」
そしてタルシスに乗り込んだスレインは真達の元へ向かった
止めなければ、止めなければという思いだけが先行していく
そしてついにスレインは見つけた
今にもとどめを刺す真とボロボロのザーツバルムを
その瞬間、思考が止まった
止まったと言っても一瞬のことではあったのだがその一瞬がまずかった
ボンッ!
限界を迎えていたタルシスの足が爆発
それにより身を投げ出す形で転んだ機体は目の前の黒も青も巻き込んで壁へと突っ込んだ
◇
「痛っー」
真が気がついた時、辺りは散々な状況になっていた
壊れた壁の破片が飛び散り、中にいたアセイラムは出血しているのが見えユキ、伊奈帆は外傷こそないものの気を失っていた
「・・・・ん、セラムさん」
真が様子を見に行こうとコックピットから体を乗り出した時、伊奈帆が目を覚ます
伊奈帆は骨でも折ったのだろう立ち上がることなく右足を引っ張りながらアセイラムに這い寄った
「待てっ」
それを止めたのはスレイン
スレインは拳銃を伊奈帆に向けていた
「待てスレイン、界塚弟」
真が止めようとするがその声は届かない
そして・・・・
バァンッ!
伊奈帆が拳銃を取り出すと同時にスレインが発砲した
「・・・ん、ナオくん?ナオくん!!」
最悪のタイミングでユキが目を覚ます
ユキの声に反応したスレインは迷わずユキに銃口を向け引き金に指をかける
「やめろぉぉぉおおおおおお!!!!」
真の声にスレインが硬直する
そして真がスレインに銃を降ろさせようとした次の瞬間
バァンッ!
真が肩を撃ちぬかれた
弾の出どころを見るとそこには血を流し、死にそうなザーツバルムがいた
真が撃たれたことで錯乱したスレインはザーツバルムに向かって弾を放つ
だが、どれも急所に当たることはなく、半分以上が外れた頃にカチッカチッと弾切れの音がなった
真はなんとか立ち上がると、コックピットに戻る
「動いてくれよ!」
シュルトに乗っかる黒と白の機体を押しのけその手で伊奈帆とユキを優しく包み
そして、青色の機体はその場を立ち去っていった
◇
シュルトは無事にデューカリオンに着くと二人を手からそっと下ろす
そして真自身もコックピットから降りてきた
「真さん大丈夫ですか!?」
ユキは伊奈帆を優しく寝かせると真の方に慌ててやってくる
「ああ大丈夫だ、。それよりユキ、お前にやってほしいことがある
今から起動因子をやるからデューカリオンを動かして避難しろ
特にお前の弟は一刻を争うから急げよ」
「真さん何を・・・むぐっ」
キス・・・それは起動因子を渡すと同時に真のユキへの愛情でもあった
「じゃあな、愛してるぜ」
そう言って真は再び揚陸城の中枢区画に戻っていく
ユキはただそれを呆然と見ていることしかできなかった
その後、真が帰ってくることはなかった
終
という話でした
この作品については処女作ということもあるので、手直しやリメイクはせずに取っておくつもりです
今後の活動についてなのですが
現在、SAO、ダンまち、ISの新作とこの作品の続編の4択で迷っております
SAO、ISは小説も愛読し、アニメもしっかり見させて頂いているので書きやすく
ダンまち、アルドノア2期は書きたいなあと思う構想が色々ありまして
本当に悩ましいです
希望がなければ書きやすい方に走るかなぁ
でもやっぱり書きたいなぁ
という状態なので希望があればドシドシお願いします
それではいつの日にかまた会いましょうノシ