【チラ裏】ムルタ・アズラエルは刻の涙を見る 作:d_chan
★ 組織と重要用語
・アズラエルの事業網
水、食料、医療、住宅、保険、教育、輸送といった、人間が生きる限り必要になる分野を投資と契約で結んだ企業群。すべてをムルタが直接所有しているわけではないが、資金配分の中心までたどると、だいたい彼の名前が出てくる。
本人は選択肢を増やしているつもりであり、メラニーから見ると生活そのものを支配し始めている。両方とも正しい。
・モルゲンレーテ
ムルタが複数の投資会社と経営陣を介して実権を握る新興企業。現在は宇宙建設、精密機械、生命維持設備、輸送機器などの民生技術を中心とし、兵器そのものへの投資は避けている。
会社の名前に聞き覚えがあっても気にしてはいけない。たまたま名前だけ宇宙世紀へ引っ越してきただけです。
・アナハイム・エレクトロニクス
月面の中堅企業。メラニーが拡大を進めており、ムルタのモルゲンレーテとは協力相手であり、買収し合わないために互いが成長し続けなければならない競争相手でもある。
今のところは工業会社です。今のところは。
・ビスト財団
月を中心に、医療、保険、通信、生活設備などへ強い影響力を持つ巨大財団。若きカーディアスは、財団の後継者としてではなく、自分自身として必要とされたいと考えている。
なお、財団が隠している秘密については、本作現在の人物紹介へ書くには時代が早すぎるので割愛します。何のことでしょうね。
・木星開拓計画
クラックスを中心に進められ始めた長期事業。資源を採って地球圏へ送るだけではなく、木星圏で人間が家族を持ち、教育を受け、生活できる社会を作ることを目標とする。
ムルタは、計画の透明性、地球圏との契約、反対意見を持つ人間の参加を条件に資金を出す。クラックスの野心を消すのではなく、社会の利益へ向ける試みである。成功するといいね。本当に。
・相互依存による戦争抑止
地球と宇宙の食料、資源、仕事、金融、輸送を結び、相手を攻撃すれば自分の生活と財産まで壊れる関係を作るというムルタの戦争回避策。
人類が理解し合うことを前提にするダイクンに対し、理解できなくても損得は計算できるだろう、という実に夢のない平和思想。でも人類史を見ると、損すると分かっていて戦争を始める人もいるんですよ。
・民生投資の四条件
ムルタがサイド3への投資継続と引き換えに示した条件。
空気、水、住宅、教育、輸送などの生活基盤へ使うこと。武器、軍隊、武装政治団体へ流用しないこと。会計と雇用を公開すること。ムルタやアズラエル家の名前を、本人の許可なく政治宣伝へ利用しないこと。
まだ一ドルも振り込まれていないのに、この条件を受け取っただけでサイド3の会計と組織は変わり始めた。これがゼロドルの契約である。
・ニュータイプ
ジオン・ズム・ダイクンが提唱する、人類が宇宙へ適応し、他者との壁を越えて理解し合う可能性。本編現在では超能力者でも、兵器を上手に操る人間でもなく、あくまで「人の革新」を表す思想上の言葉である。
まだ額から稲妻が走ったり、何かがキュピーンと鳴ったりはしていません。
未来を見たり、幽霊と会話したり、意外と何でもありな能力である。
・オールドタイプ
ニュータイプに対して、後に使われることになる「古い人間」という言葉。ムルタは、人類が革新することを前提に社会を作るのではなく、人間が変わらなくても争わずに済む制度を作るべきだと主張した。
ニュータイプ能力をまったく持たないムルタの方が、ダイクン以上に人間の可能性へ資金を投じているという、少々ややこしい構図になっている。
なお、ムルタはオールドタイプなので、転生女神(仮)の声は聞こえない模様。
・ガンダム
ムルタの前世に、名前と白い人型兵器らしい印象だけが残っている謎の存在。宇宙世紀0054年の公開記録をどれだけ検索しても、該当する兵器も計画も見つからなかった。
まだ作られていないだけなのか、それとも、神様がその言葉だけを世界から切り取ったのか。検索結果はゼロ件です。
・札束ビンタ
金で解決できる問題は、金を出して早く解決するというムルタの基本戦術。相手の頬を物理的に札束で叩く技ではない。
ただしスペース・グランドツアーを通じて、金は空気を作れても、住民が自分たちの息の仕方を決める権利までは買えないと学んだ。札束にも、殴ってよい場所と悪い場所がある。
・名前を呼んだら友達
ムルタが採用している独自の外交原則。相手の名前を聞き、自分の名前で呼んでもらえれば、少なくとも関係を始めることはできるという考え方。
アーサー、ロベル、カーディアス、クラックスには、おおむね通用した。メラニーとギレンについては、友達というより長期的な競争相手になりそう。
・ブルーコスモス
本編現在では、地球環境の保護、宇宙移民への生活支援、教育、医療、職業訓練、貧困対策を結ぶ構想段階の市民組織。青い地球を守ることと、宇宙へ出た人々を見捨てないことを、同じ計画として進める。
『SEED』の同名組織とは理念がほとんど反対である。中身を変えれば未来も変わるはずです。はずです。
・ロゴス
企業、銀行、輸送会社、政治家などを同じ卓へ着かせ、戦争を始めれば全員が利益を失う関係を作るための調整機関。
現在はまだ正式名称すらなく、ムルタの机に構想書が一冊あるだけである。ただ本人には、いずれロゴスという名前になる妙な確信がある。悪の秘密結社ではありません。悪の秘密結社も、設立前にはたぶん同じことを言います。
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以上が、宇宙世紀0054年時点における主な人物と世界である。
まだ戦争は始まっていない。ジオン公国も存在しない。ガンダムもなく、ブルーコスモスもロゴスも紙の上にしかない。
つまり、いまならまだ全部やり直せる。
――少なくとも、主人公はそう思っている。
少し充電期間をいただきます m(_ _)m