アグネスタキオンと冬月、あと提督兼トレーナー 作:AIのタンクもどき
自作の設定とプロットを生成AI(Gemini)に読み込ませて出力させた文章を、加筆・修正して作っております。
中央トレセン学園の一角に位置するトレーナー室。朝の柔らかな光が差し込むその部屋は、今やふたつの異なる組織の機能が奇妙に同居する場所となっていた。
壁際の複数のモニターには、波形データやリアルタイムの海域警戒情報、そして遠く離れた鎮守府の様子が映し出されている。執務机に向かい、端末のキーボードを静かに叩いているのはTだ。普段は長門や大淀といった信頼のおける艦娘たちに鎮守府の指揮を委ねており、リモートでの最終決裁や状況確認を出向先であるトレセン学園で行うのが日課だった。
「提督。こちらの方面への哨戒の計画書、目を通しておいてくれ。実質的な実務は終わっている。サインだけで構わない」
Tのすぐ傍らに立ち、整えられた書類の束を差し出したのは艦娘の冬月だ。秋月型駆逐艦8番艦で、現在は秘書艦としてこの学園に帯同し、Tの業務を実直に支えている。凛とした佇まいと落ち着いた声は、いつ見ても頼もしい。
「ああ、助かるよ、冬月。いつも本当に細かいところまで気が利くな」
「気にするな。これが私の役目だ」
冬月は小さく頷き、書類を受け取るTの様子を静かに見守る。
そんなふたりの仕事空間に、あまりにも不釣り合いな甘い香りが漂ってきた。部屋のソファーではなく、打ち合わせ用のデスクを占拠しているのは、Tの担当ウマ娘であるアグネスタキオンだった。
「ふぅン……。やはりこの走法では、第3コーナー付近でのトルク効率に若干の乖離が生じるねぇ。興味深い。実に興味深いよ、トレーナー君」
白衣の袖を揺らしながら、タキオンは端末の画面と手元のノートを交互に見つめている。その傍らに置かれたティーカップには、およそ紅茶の琥珀色とは程遠いドロリとした濁った液体が注がれていた。溶解度の限界に挑むかのごとく大量の砂糖が投入された特製の紅茶。彼女はそれを平然とした顔で口に運んでいる。
「タキオン。そのデスクに色々広げるのは……まあ、大人しくしてくれている分にはいいんだがね」
「おや、冷たいねぇトレーナー君。何かあっても大丈夫なように、わざわざ君の視界に入る場所で研究成果を整理しているのだよ?」
タキオンは悪戯っぽく目を細め、カップをソーサーに戻した。
「提督、少し休もう。お茶を淹れた」
Tとのタキオンのやり取りの後、冬月がトレイに乗せた湯呑みを差し出す。立ち上る香ばしい香りは、冬月が好んで淹れるほうじ茶のものだった。
「お、ありがたい。ちょうど喉が渇いていたところだ」
Tは画面から目を離し、温かい湯呑みを受け取った。ふう、と軽く息を吹きかけてから、ほうじ茶を一口すする。口いっぱいに広がる芳醇な香りとじんわりと染み渡る温かさに、Tは小さく息を吐き出した。
「うん、美味しいな。冬月の淹れるお茶は本当に落ち着く――」
感謝の言葉を口にしたその直後だった。突然、Tは視界が奇妙にブレたように思えた。実際は視界がブレたのではなかった。Tの肌、そして衣服の隙間から、どういうわけか光が漏れ出し始めている。
「……ん?」
Tが自分の手元を見つめた。手の甲から、まるで非常口の誘導灯のような、鮮やか極まりないエメラルドグリーンの光が放出されている。光量はまたたく間に増していき、最終的にTの全身はトレーナー室の遮光カーテンを突き破るほどの輝きを放っていた。Tは信じられないものを見る目で、ゆっくりとタキオンの方へと顔を向けた。眩い緑色の光がタキオンの顔を怪しく照らし出す。
「……タキオン。お前、また何かやったな?」
声色こそ極めて冷静だが、その表情は発光しながら引きつっていた。タキオンは空になったティーカップを眺めながら、全く悪びれる様子もなく肩をすくめて見せた。
「おやおや、気づいてしまったかい? いや、なに。最近の君は提督業務とやらで忙しそうにしていてねぇ。私の新作を直接投与する隙がまるでなかったのだよ。だからね、致し方なく冬月君が用意していた茶葉のストックに、試薬をほんの少々投入させてもらったのさ。ふふ、成功だ! 実に見事な発光じゃないか、トレーナー君!」
「人のほうじ茶になんてものを混ぜてくれたんだ、お前は……!」
Tがこめかみを押さえる。その時、Tの横に控えていた冬月がすっと静かに一歩を踏み出した。驚くほどに落ち着いた表情のままだ。
「そうか。致し方無い」
冬月は短くそう呟くと、迷いのない足取りでタキオンの背後に回り込んだ。
「おや? 冬月君、待ってくれたまえ、私はまだ実験データの回収を」
「問答無用だ。ちょっと外に出ようか」
ガシッ、と冬月の華奢な手が、タキオンの白衣の襟首を正確に、そして岩のように強固な力で掴み取った。いかにウマ娘の脚力やフィジカルがあろうとも、相手は数千トンの鋼鉄の魂を宿した艦娘である。抵抗など最初から意味をなさなかった。
「あぁ!?待つんだ冬月君!襟を掴まないでおくれよ、あ、おあーっ!」
ずるずると床を引きずられながら、タキオンは哀れな声を上げてトレーナー室から退場していく。冬月はそのまま廊下へとタキオンをつまみ出し、静かにドアを閉め、そして鍵をかけた。
静寂が戻ったトレーナー室。冬月は何事もなかったかのように戻ってくると、全身から緑色の怪しい光を放ち続けるTに向き直り、静かに頭を下げた。
「すまない、提督。私の不手際だ。茶葉の管理を厳重にしておくべきだった」
「いや、冬月が謝ることじゃないさ……それより、この光はいつ消えるんだ……?」
「……待つしかないな」
窓の外を見つめながらTは静かにため息をついた。緑色の光は朝の光に混ざり合いながら、まだしばらくの間トレーナー室を怪しく照らし続けていた。