静寂の弟子が次代の英雄に加わるのは間違っているだろうか 作:ダンまちにヘラファミリアを求める人
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なんかまだ死すシーンないけど、こめん!
「こんにちは、アイズさん!」「うん……」
天幕を組み立てたり炊き出したり。あちこちでロキファミリアの団員が野営の準備をしている。すれ違う人と、アイズさんが挨拶を交わす中。
「(で、どうしてここに居るんですか、アナタが!?)」
隣を並んで歩きながら、小声ながらもすごい剣幕で怒ってくる、この
で。そんなレフィーヤさんは、僕に負けず劣らずのアイズさんの狂信者。そんな人に、僕とアイズさんの秘密の訓練がバレたらどうなるか。
答え。死ぬっほど追いかけ回された!
まあアルテリアさんほどじゃないけど!
アルテリアさんは悉く僕の思考を読んで先回りをするけど、レフィーヤさんは純粋に追いかけてくるだけ。勿論、僕よりレベルは高いんだけど、僕は前衛、しかもアルテリアさんの方針により「超敏捷特化」タイプ。一方レフィーヤさんは後衛魔導士。
よってなんとか振り切ったんだけど……すっごく疲れた。
「(えっと、レベル2になって、普通に……)」
僕もレフィーヤさんにならって小声で話すと、
「はぁ!? い、一ヶ月半でレベル2 !? しかもさっき、
普通に大声で叫ばれた。しかも耳元で。それくらい驚いてるだろうけど……「た、倒すのってダメなんですか!? あ、ひょっとしてロキファミリアの獲物を横取り……? す、すいませんでしたぁぁ!?」
僕も驚いた。というか普通に怖かった。というかヤバい。
横取りは暗黙の了解として禁止だ。都市最大派閥さまに僕はなんてことを……!と、内心震え上がっていると。
「ベル、レフィーヤ、どうかしたの?」
前を歩いていたアイズさんがふと振り返る。
「「何でもないです、アイズさん!!」」
揃った。顔を見合わせる。レフィーヤさんの顔に、『どうしてアナタ如きと声揃えなきゃいけないんですか不愉快極まりないです失せろっ!』という文字を幻視する。
「アイズさん!? ぼ、僕っ、失礼しますっ!ちょっと仲間が心配なので、あの、えーっと……あ、リリ達の手当て、ありがとうございます!」
リリ達の様子を見るという建前で、とりあえずこの恐ろしいナニカから逃げる。
「あ、リリ!」
奥の方まで進むと、リリとヴェルフは天幕の中でゆっくり起き上がるところった。
「ベル様!」「体はどう?」「大丈夫ですよ、皆さんに手当てしていただいたし……」「遅かったな、ベル」
……ん!?
「あ、アルテリアさん!?」「五月蝿い。……しかも、化け物に遭ったような声で言うな」「そういえば、えっと、タケミカヅチファミリアの人たちって…… 」「とりあえず、20階層に叩き込んだ」
タケミカヅチファミリアは、僕たちがダンジョンの14階層あたりで、
「……大丈夫かな?」「死んでもなんの問題もない」
アルテリアさんの言う通りだけど……話した限り良い人そうだった。仲間のために僕たちにモンスターをけしかけた割には、すごく自責の念を抱いてるみたいで、ヤマト・命と名乗った女の子に至っては泣きそうなレベル。
死んでほしくないし、あわよくば仲良くなりたいなー、誤解を解きたいなー、なんて僕が思っていると。
「ベル、ついて来い。用件がある」「は、はい!」
そう言ってアルテリアさんは、天幕の真ん中の方へ歩き出した。
「(【轟け雷霆、咲き誇れ女神の花冠】…【ヘラ・ヘレンシア】)」
聞きとれない詠唱は、口の動きで詠唱完了を告げた。足元の
「薔薇よ、女王の紅を讃えよ。百合よ、女王の白を奏でよ。……ディア・フローラ」
アルテリアさんのフェイクの詠唱文。僕は何度も見たことがあるけど、信じられないぐらい上手い。ファイアボルトを使うようになってわかる。
アルテリアさんは、体内の魔力の動かし方がとにかく上手い。偽物でも、手に魔力が集まるのがはっきりわかる。逆に本物は、あまり集まって見えないよう指先あたりに細かく分散している。
それはともかく。
展開を抑えられていた
ロキファミリアの天幕全体を包み込むようにして。
「アルテリアさん?」「すぐわかる」
足元の光り輝く紋様から発生する、純白と深紅の魔素。
アルテリアさんの魔法円の色は二色で、グラデーションを作っている。
やがて魔素の飛沫が消えるころ……
そこら辺の天幕あたりから歓声が上がった。少し遠くも、その隣も。
上がる、上がる、上がる。
大歓声。
「え!?」
「ロキファミリアがわざわざここに止まる理由は、毒阻蚓
借りを作れば良い……行くぞ」
かすかに微笑むアルテリアさんの後ろをとことこ歩く僕。もう天幕の位置と中の人物は完全把握したのだろうか。
やがて、ついた天幕で待っていたのは。
「おや、そちらから来てくれたのかい?」
「まさか、ゴライオスを倒すとは……」
「ふむ、やはりこの小僧たちは面白いのう。スカウトしたが、断られてしもうた。残念じゃ」
笑顔で席をうながす碧眼の
翡翠の髪をもつ、見目麗しい
豪快に笑うドワーフの大戦士。
ロキファミリアの、伝説の三首領。
そして……
「ベル」
アイズ・ヴァレンシュタイン……アイズさん。ロキファミリアの幹部。
孤高の女剣士であり、モンスターの殺戮者の『戦姫』(そんなことないと僕は思うけど……そうらしい)。
見つめあって僕たちが動かない中、アルテリアさんよりはやく口を開いたのは。
「へぇー、まさか
フィン、さんだった。
「感謝しろ。貸し一つ。そう高くはつかない」
「そうさせてもらうよ。……地上で薬を買い集めているベートには後で謝っておこう。薬はここで売ればいい」
「【
暗に『すこし彼を借りる。それで貸し借り無しだ』と言っているアルテリアさん。
……不吉な予感しかしない。
「もっとも、いくらベートでもここから地上へは時間がかかる……今日中に帰ってくるか怪しいけどね。とりあえず、今日は宴だ。君たちもどうだい?」
「ああ、そうする」
フィンさんとアルテリアさんが話しているのをよそに、僕とアイズさんは目で会話していた。
『また会ったね』『はい……』
ぱちぱち、と意識的に瞬きをして挨拶。
ふにゃり、とアイズさんが無表情を崩して笑った。可愛い!
『解毒、ありがとう……あの人がやってくれたんでしょう?』
ちらりと歓声が止んだ外の天幕を見て、それからアルテリアさんを見る。
『そんな、とんでもないですっ!?』
ぶるぶる、と大きく首を振る。
「ベル、行くぞ」
手を引っ張るアルテリアさんに連れられ、天幕を出る時。
「宴で……その」
アイズさんに声をかけられ、舞い上がった僕は
「はいっ!」
と返事をした。
♢♢♢
同時刻。18階層のとある場所。
漆黒に縁取られた氷のような蒼の瞳に、病的なまでに白い肌。漆黒の髪だが、一部の前髪は灰色だ。
ローブをきた女は、ゆっくりと目の前の壁に手を伸ばす。
手刀で壁を割った先に現れるのは……鈍い金属光沢を放つ大扉だった。
みなさま、どれがよろしいでしょうか?
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現状維持
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とりま、ベートさんのリンチ
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とりま、アポロンfのウォーゲーム