静寂の弟子が英雄を手伝うのは間違っているだろうか 作:ダンまちにヘラファミリアを求める人
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「遅い…遅すぎる!」
ヘスティアは徹夜していた。アルテリアが来たのが11時ぐらいで、教会を出たのが11時半。レベル6というアルテリアの言葉に嘘がなかったから、すぐ帰ってくると思ったのだ。
が。今の時間は朝の7時。気が付いたら寝ていたグウタラなヘスティアだが、ベルが心配でいても立ってもいられない。
「どこ行ったんだい、ベル君…」
もしダンジョンに行ったのなら、必ずアルテリアが見つけている筈だ、と思うヘスティア。ということは…夜遅くに出て朝帰る……まさか、娼館に!?
一瞬頭をよぎった選択肢を即座に排除。ベルはあそこの地域に近づくなといい含めている。
……うーん。だめ、わかんない。最後にベル君が居たっていうお店。多分酒場なんだろうけど、どこなんだろう?
首をひねるが、わからないものはわからない。
よって、ヘスティアは……とりあえずバイトに行くことにした。
「はーい、おばちゃん……」「なんか元気ないねえ?そんなんじゃ売れないよ。ほら行った行った」「いらっしゃいませ……」「ジャガ丸君ほうじ茶味一つ…」「どーぞ…え!?君は【剣姫】!?ジャガ丸くん好きなのかい!?」「? は、はい……」
一瞬ベルのことを言おうと思ったヘスティアだが、彼女はベルのことを覚えている訳がないし、ロキの子に頼める訳もない。アルテリアが見つけられない時点で彼女には不可能。と冷静に頭が分析する。
うんまあ、ジェラシーが九割の気もするが?しょうがないよね?
と思うヘスティアだった。
バイトが終わり、教会に扉の前に立つ。どうかどうか、と祈りながら扉を開けるも…やはり己の眷属はいない。
(…そもそも、ベル君が、あのベル君が自分から酒場に入れる訳ない!となると、誰かに誘われて…まさか、ヴァレン何某君!?な訳ないか…今日はやけにあの子が気になるな…)
うんうん唸りなら考えたヘスティア。ちなみに明日のバイトは休みになるよう交渉してきた。明日を使って探す予定である。
(明後日の夜は神の宴…出なくても良いんだけど、ヘファイトスに頼みたいことがあるしなぁ…)
ベッドにゴロゴロ転がりながら考えるもいい案がでない。
はあ、と息を吐く。「今どこにいて、何をしてるんだい、ベル君」
寂れた教会の天井を見上げて呟く。
かつて眷属が見つからず、一人で住んでいた時よりも今の教会は広く感じていた。もう見たくもない、と瞼を閉じるとすぐに眠気が襲ってくる。
いつのまにか朝になっていた。
よし!とヘスティアは顔を振り上げた。空元気である。ツインテールがふわっ、と宙に舞うのも意に返さず、考えを呟く。
「よし!とりあえず目撃情報を集めるか!」
勢いよく行ったものの。「おーいそこの君、白い髪に赤い目の少年をみなかったかい?」「……(スタスタスタ)」「ちょ、待っ!?」
ある者には無視され。
「一昨日の夜ぅ?覚えてないなあ」「そっかあ…」
ある者には覚えてないと言われ。
その後もダメ、ダメ、ダメ。気づけば夕暮れになっていた。
(いつもと比べ、一日が早いなあ……天界みたいに虚しい感じ)
とぼとぼと帰り道を歩く。明日はバイトがある。流石に二日連続の休みはもぎ取れなかったのだ。
はあ、と息を吐き、角を曲がろうとした瞬間、誰かのお腹と頭をぶつけた。「え!?」「はーあ!?」
よりにもよって天敵に会ってしまった。女神あるいは神ロキ———本当は女神なのだが、胸が悲しいほどに絶壁なため一部の神からは男神だとも言われており、ロリ巨乳のヘスティアとは犬猿の仲である———。剣姫の主神であり、都市最大派閥の主神。かつて自分が見返すと豪語した相手でもある。
「よおドチビ。なーんかやけにしょんぼりしとんなぁ」「げげっ、ロキ!?何でこんな時に限って……」「はあ?うちやって会いたくなかったわ、けど同じ街で暮らしとるんやから、しょーがないやん。頭わっる」「……はーあ!?」
間を開けて怒鳴り返すが、ヘスティアの声にいつもの明るさがない。
「なんか今日ノリ悪いなぁー、つまらん」興醒めや、と言ってロキは立ち去っていった。
結局収穫もなかったと呟く。(ロキ……ボクの顔、そんなに酷かったのかい?)もはや笑えない。作り笑いすらできない。そこにいるのは慈愛の女神なんかではない。ただ、好きな男の子の帰りを永遠に待ち続ける美少女しかいなかった。とある街娘も吃驚するほど、その顔は暗い。
ガチャッ。キィィ……「いるか、ヘスティア」
(ドアがひらくおとがするけど、空耳だよね……)
「チッ……気配がする。探すのも手間だ。さっさと出てこい。【轟け雷て】———」「いやダメですよ!?魔法うたないでください!?」
(———え!?)
飛び起きるヘスティア。
「ベル君!?生きてたのかい!?」「は、はい……」
ベルは三日間徹夜である。今にも倒れそうな顔色である。よって、
「ベル君っ……生きててよかった」とヘスティアに抱きつかれ、秒速で意識を天に昇らせた。
「ベル君!?」「気を失っただけだ。一々騒ぐな鬱陶しい」
アルフィアさまとヘディン師匠のキャラが似てる。
やっぱり超短文持ってると性格が終わるのか?
君が最後の頼みの綱だ、とある美醜の少女さん