静寂の弟子が次代の英雄に加わるのは間違っているだろうか 作:ダンまちにヘラファミリアを求める人
ベート 嫌な予感
ロキ ぬほーっ、なんか美少女に殺意抱かれてる気配がするぅー!(歓喜)
女性陣 はあ???(呆れ)
アルテミス あなたの心は清らかではないので使用不可!
アルテリアは『豊穣の女主人』のドアを開いた。
カランカラン、と鐘の音が頭上で鳴り響くのに1ポイント。
「申し訳ありません、お客様。当店はまだ準備中です」
出迎えたのは店内でテーブルにクロスをかけていたエルフの店員だ。隣に
(どうにも見覚えのある……アルフィア様の記憶にあった。闇堕ちしたという【疾風】か?)
リューは緊張していた。
(この静かすぎる気配……【静寂】と酷似しているような……?)
「いや、客ではない。ベルが三日前に食い逃げをした、と聞いて来た」
「あー!あん時の食い逃げ野郎ニャ!シルに貢がせておいて役に立たニャくなったらポイしていった、あん時のクソ白髪野郎ニャ!!」
「貴方は黙っていてください、アーニャ」
イラッ、とするアルテリア。(だが、アーニャとやら以外……奥に見えるヒューマン達もレベルは4ほど。物騒な酒場だな。訳ありを集めているのか)
「ベルさん!?」
店の奥から現れたのはヒューマンの少女だった。薄鈍色の髪に、制服の若緑色のジャンバースカートが映えている。髪はポニーテールだ。
この中ではおそらく唯一の非戦闘員。だが、アルテリアの直感が最大限の警鐘音を鳴らした。(この気配……ヘラ様と同じ、まさか神威を隠した神?)
かつて同居していた女神の気配と似ている薄鈍色の髪の少女、いや女神に最大限の警戒を払う。
「あのー……あなたは?」「ベルと同じファミリアの者だ。ベルが食い逃げしたと聞いて金を払いに来た。だが、ベルが食い逃げすることが想像できない。何があった?そもそもどうやって知り合った?」「えーっと、ベルさんの落とした魔石を拾って、その後仲良くなって、夜にお店に来てもらったんです。でも、ロキファミリアの、【
ベートの生存率が、ついに1%を切ってしまった。
「ふふふ……」「ええっと……お名前は?」「アルテリアだ」「アルテリアさん……冷笑しないてください!?結果怖いです!?」
そんなやりとりを街娘として、お金を払い店を出る。
(ふふ、ふふふっ……ベート・ローガ。だが、出ていったタイミングからして、ベルにけりをつけさせるべきだな。嫌がらせだけするか……)
そんなことを思いながら、アルテリアは青空を見上げた。
♢♢
「お願いだ、この服を仕立て直してくれぇ!」
ヘスティアの声が店内に轟く。「お客様、そのサービスは当店では……」「お願いだ、ボクが殺されるぅ!?」
困惑する店員をよそに、命懸けのヘスティアの脳裏に蘇る過去の光景。
笑顔のアルテリアに、ロキに恥をかかせられる程度のまともな服でいけと脅迫あるいは命令されてから数刻。
「もしこんな服で行ったら、ボクは……!?」
破邪の炎、慈愛などを司るヘスティアは嘘が下手だ。
(バレる、絶対にばれる!やばい、やばいぞ!?し、死ぬぅ!?)
下界の住人は神を殺さない。とはいえ、教会から閉め出されゴミ箱に閉じ込められるなんて嫌だ。未遂だし、妄想だけど。
(ベル君の前で、くっさいゴミだらけのボク!?モンスターの血の匂いがするなんてヴァレン何某くんに言うどころじゃない、恋愛対象外になるぞ!?)
実際対象外だが、そんなことは知らないヘスティアである。剣幕で店員を押し切り、ふーっと一息。店員のため息と見事にかぶり気まずさを覚えながらも店を出た。
(ロキ……お願いだから来るなっ、いやでも来ないと死ぬかもっ!?)
顔色を目まぐるしく変え、死にたくない死にたくないと呟くヘスティアは不審者さながらだった。
次回、神の宴!ウィスタリアもダンまちも、解説(イブリとか)うるさいのは大森先生の趣味……?