時は流れて、念願の東京校呪術高専一年生に無事なれました。推しの同期です。ドヤっ!
はい。初対面の推しはもう麗しくて目が潰れそうになったね。もう片方ないけど。灰原の太陽のようなオーラも眩しくていけねぇ。
さぁ、ここからが本番だ。気を引き締めていこう。
高専一年生の三人は気がつけばいつもどこへ行くも一緒だった。
任務も、授業も、放課後も、どこかの先輩方が三人組と呼び始めてそれが当たり前になった。
「おはよう、七海くん。」
「……おはようございます。」
七海は少しだけ目を細めた。
「灰原くんもおはよう。」
「おはよう!明代(あけしろ)!」
灰原は太陽みたいに笑って元気に返事をした。
最初は無愛想だった七海もだんだん表情も柔らかくなっている。
灰原は……相変わらず明るく元気いっぱいだ。
そんなことを考えていると七海から声をかけられた。
「パン、食べますか?」
「え?」
「この間好きだと言っていたでしょう。」
コンビニの袋から私が好きだと言ったパンが出てくる。
「あ。」
「余計でしたか。」
「違う違う!」
思わず笑みが漏れる。
「覚えててくれたんだ。嬉しい!」
「……その程度は。」
横を向いた七海の耳は少し赤い。
灰原が吹き出した。
「七海ってさぁ!明代のことだと記憶力いいよね!」
「灰原。」
「いてっ!」
軽く七海が灰原の頭を叩く。
それを見て思わず私も笑ってしまう。
少しずつ、本当に少しずつ彼は私を特別扱いするようになっていった。
ある任務帰り、お昼ご飯を食べに三人でラーメンのお店に入る。
「将来どうする?」
ラーメンを啜りながら軽い雑談の調子で話す灰原。
「灰原くんはもう何か決めてるの?」
と、私が聞くと
「俺はいっぱい人助けしたい!」
と灰原らしい答えが返ってきた。
「七海くんは?」
「……まだ決めかねています。」
「明代は?」
灰原に聞かれて私は素直に答える。
「私も決めかねてるけど……そうだね。」
2人を見て答える。
「2人が生きていればそれでいい。」
「・・・」「・・・」
灰原はポカン…として、七海は静かにこちらを見て問いかける。
「それだけ、ですか?」
「うん。」
本心だ。
私が見たい未来は推しが生きている未来。
かつ曇った顔が見たいが。
そのためなら私1人くらい消えてもいい。
任務を共にして背中を預け合いながら、笑って、たまに喧嘩もして、励まし合って、泣いて、また笑う。
そんな日々があっという間に流れていった。
まるで家族のように。恋人未満で友達以上。
友愛、親愛それらは絡み合いゆっくりと根を張る。静かに土に染み込む水のように。
もう引き抜けないくらい深く、深く。