転生スライムテイマーの現代無双〜〜この世界も滅びそうなので俺が何とかします 作:現代ダンジョンですぐ死ぬ人
この世にスライムテイマーが何人いるかわかりませんが、他所とのパクりとか被りとかオマージュだかパロディとか気にしないことにしました。
寛大な心で見逃してくれると嬉しいです。
◇◇◇ ◇◇◇
『なぜ、だ……? なんでこんなことを………』
『なぜだと? ハッ、こうなったのはオマエのせいだろうが!!』
『俺……の……?』
『そうさ、ハズレスキルごときが上級冒険者になるとか、ありえないんだよ!!』
『ハズレスキル持ちなら惨めったらしく底辺を這い回っていればいいものを………』
『無駄に活躍なんかしやがって目障りだったんだよ!』
『そんな………ハズレスキルってだけで努力も出世も許されないのか………』
『ああ、そうだ。キミのような間違いはこの世界、この社会に存在してはならないのだ』
『ギルド、マスター……!』
『せめて無能のままだったならこんなことにはならなかったのだ。キミの間違いはハズレスキルの分際で不相応な実力と実績をつけたことにある。
上級冒険者の地位というものは、神に祝福され、誰もが納得できる素晴らしいスキルの持ち主にこそふさわしい。
断じてハズレスキルごときに与えていいものではない!!』
『ッッ!!………………』
『もういいだろう。ではさらばだユウジ。地獄で己の浅はかさを悔やむがいい───』
◇◇◇ ◇◇◇
「やめろぉおお━━━!!!」
自分の口からほとばしる絶叫。
たまらず飛び起きて俺は目を覚ました。
このところ毎晩見る悪夢、それはハズレスキル持ちの俺が他の冒険者やギルドマスターの罠にかかり殺されるというもの。
まるで異世界ラノベのワンシーンみたいな内容だが、何よりも不愉快なのは現実の俺の状況にいささか似ているところであった。
「ハズレスキル、か………」
寝汗で濡れた着衣を脱ぎ捨て、タオルで体を拭く。
何もかもが詳細不明な俺のスキル。たとえハズレにせよ、せめて名前くらいは知りたかったと思わずにはいられなかった。
◇◇◇ ◇◇◇
22世紀初頭、人類は予想外の災厄に見舞われた。
なんと異世界から【モンスター】が大挙して襲来してきたのだ。
モンスターたちは当然のごとく殺戮と破壊をもって世界中を蹂躙し、各国はモンスターとの戦争を余儀なくされた。
多大な犠牲と労力を費やして人類は勝利したが、それはほんの始まりにすぎなかった。
戦後まもなくして地球上のあちこちにモンスターが生息する【ダンジョン】が現れたのだ。
各国はただちに軍隊を向かわせたが、モンスターにまったく歯が立たないままダンジョンから敗走、壊滅する事態が続出した。
なんと先の戦争でモンスター相手に通用したあらゆる兵器がダンジョンでは何の役にも立たなかったのだ。
新たな脅威、ダンジョンと対峙して数年後、人類は2つの希望を見いだした。
ひとつ、それはダンジョンから採取された素材から作られた武具ならダンジョンのモンスターに通用し、倒せるということ。
もうひとつは、ダンジョン内の未知のエネルギーに触れた人々の中から特殊な力に目覚める者が現れ始めたこと。
ダンジョン由来の素材を用いた装備と特殊な力を得た人々の奮闘によってダンジョンの攻略と解明は飛躍的に進み、それはモンスターとの戦争に疲弊した各国の復興に大いに寄与した。
こうして災厄に抗うかたちで世界は変革を成し遂げ、国力、軍事力はその内訳を変えた。
災厄の遺物であったダンジョンは今やさまざまな産業の源泉となり、そこから得られる【魔石】をはじめとしたあらゆる資源は社会に多大な恩恵をもたらした。
かつてダンジョン内の未知のエネルギーだったものは【マナ】と呼ばれ、マナを人体に取り込むことで会得できる特殊な力─────
かつては偶然に会得するしかなかったスキルは様々な試行錯誤を経て人為的に発現できるようになり、やがて有用度に応じてランク分けをされるようになった。
スキルはダンジョンの【攻略者】に必須の資格となり、攻略者を管理する組織は優秀なスキルと実力を持った人材の発掘と育成のための教育機関を設立した。
そして【大災厄】の終結から半世紀。
今年も夢と可能性を抱いた多くの若者たちが【攻略者学園】の門を通るのであった。