転生スライムテイマーの現代無双〜〜この世界も滅びそうなので俺が何とかします 作:現代ダンジョンですぐ死ぬ人
知り合いのある攻略者が教えてくれた。俺はダンジョンに捨てられていたそうだ。
その頃、ダンジョンの出入りの管理はいい加減で、正規の攻略者じゃない人間がちょくちょく入り込んでいた。
そういう奴らはダンジョン内では法の目が行き届かないのをいいことに、良からぬ所業に手を染めていたという。
攻略者たちはダンジョンの攻略やモンスターの討伐だけでなく、こういった不法侵入者の取り締まりもしていた。
そしてその日、ダンジョン巡回中のある攻略者パーティーが奇妙な泣き声を聞いた。
「………なんだこの声」
「まるで赤ん坊みたい」
「おいおい、ここはダンジョンの中だせ?赤ん坊なんているわけないだろ?」
「じゃあモンスターの声なのか……?」
「まだ泣いてる………」
止まない泣き声をたどってパーティーが見つけたのは、地べたに置かれた丸裸の赤ん坊だった。
念のため【鑑定】のスキル持ちが調べたところ、赤ん坊はまごうことなき人間だった。
どういう経緯でダンジョンに赤ん坊がいるのかわからないが放っておくわけにもいかず、彼はパーティーに保護され、それから施設に預けられ、育てられた。
それが俺、
中学になったころ、俺は攻略者への進路を決めた。
攻略者。それはダンジョンの脅威に挑み、ダンジョンから地上へ資源をもたらす者たちの総称だ。
ダンジョンが現れたころは手探りだった攻略者の戦いは時とともに洗練され、戦術が確立されていった。
魔石を始めとしたあらゆる素材も効率よく回収、活用できるようになると、より強力な武具となって攻略者たちの戦力となった。
そしてモンスターを倒すことで攻略者は強化され、モンスターの死骸は魔石やその他の資源となって社会のエネルギーとなり、経済を回しているのだ。
まあそういった理屈は抜きにしても、攻略者という仕事は今や若者のなりたい職業のトップであり、攻略者を育成する【攻略者学園】は毎年多くの受験生が訪れていた。
中学最後の年、地方試験にて高成績を取った俺は攻略者学園にて本試験を受ける権利を与えられ、翌年の2月、攻略者学園に赴くこととなった。
◇◇◇ ◇◇◇
「すごいや兄ちゃん!受験生の中でもトップだって!」
「全国の地方試験の成績を見たが………これはもう合格間違いなしだな」
「これで高ランクのスキルを会得したら、あちこちのクランからお呼びがかかるな」
「きっとあの人たちもスカウトに来るぞ」
「がんばってね、ユウジ兄ちゃん!」
「ああ、必ず合格して立派な攻略者になってみせるよ」
施設の職員や俺と同じ施設の児童たちがまるで自分ごとのように喜んでいた。
この施設に預けられて15年、周りの人たちのおかげで俺はここまで成長した。
ダンジョンに俺を捨てた親について思うところがないわけではないが、良い環境と人々に恵まれたおかげか特に怒りや恨みもなかった。
全力で臨んだ攻略者学園の試験は意外にも全国トップだった。
かつてダンジョンから俺を拾ってくれた攻略者の人たちのレクチャーのおかげなのは明らかだ。
ダンジョン。攻略者。どちらもスタートにはまだ立ってないが、行先への道は開いている。
俺は学園を卒業して、立派な攻略者になって俺と同じ孤児たちに希望を与えたい。
この時は俺も、誰も、そうなる未来を信じていた。だが─────
本試験で待っていたのは予想外の展開だった。