スカイリムCC:釣り師の痴人   作:アーマーブレイク大好きおじさん

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14包み焼カワカマス

 モーサル。

 それはホワイトランの北西部に位置する”ハイヤルマーチ地方”の領都だ。

 街の北側が湿地帯に面しており、湿度が高く、それでいて寒い。

 さらに霧が発生しやすい上に、地面もぬかるんでいて足場が悪い。

 それゆえ、モーサルはハイヤルマーチの領都であるにもかかわらず閑散としており、人口も少ない。

 うっすらと積もった雪が無駄にミステリアスさを強調していた。

 

 今朝、ルベリウスと別れロリクステッドを出発した我々は、

 日が暮れる頃には、無事にモーサルへと到着していた。

 

 「なんだか、寂しげな街ですね……。」

 

 シズクが周囲を見回しながら言う。

 確かに街全体に活気が感じられない。

 木造の建物は全体的に古びており、防壁に苔が張っているような有様だ。

 それ以上に目立つのは、行き交う人の数が少ないことだろう。

 

 「モーサルは立地が悪い。

 湿地が多く、生活に不便。

 住民も少ない。」

 

 交通の便が悪いと、経済が発展しにくくなる。

 それは、このモーサルも例外ではない。

 

 沼地では珍しい錬金素材が取れるし、沼では魚も捕まえられる。

 だが、それらを運ぶ手段が乏しいのだ。

 

 馬車を使えば泥濘にはまり、海運が使えるほど沼は深くない。

 結果として、小規模な行商人程度しか来ない街になってしまった。

 

 ――ひゅぅ!

 

 街を湿気を含んだ冷たい風が吹き抜ける。

 

 「ぅぅぅ……寒いですぅ……。」

 

 シズクが体を震わせる。

 彼女の言う通り、周囲の温度は低い。

 

 それからしばらく歩くと、目的の宿屋『ムーアサイド』へと到着した。

 窓から漏れる橙色の灯だけが、白く漂う霧をぼんやりと照らしている。

 建物自体は新しくはないが、清潔感はある。

 

 ――ぎぃ……

 

 扉を開けようとすると、ギィッと軋む音が聞こえてきた。

 少し力を入れ直すと、ギィッと再び軋み、今度はスムーズに動いた。

 

 中へ入る。

 

 「ようやくのお客様ですね。

 さぁ、靴を脱いでゆっくりしていって下さい。」

 

 出迎えてくれたのはレッドガード人の女性。

 彼女は笑顔で私たちを迎えてくれた。

 

 店内は落ち着いたデザインの家具で統一されており、どこか温もりを感じさせる。

 

 カウンターの向こうには調理場があり、そこからは美味しそうな匂いが漂ってきている。

 

 「何かあれば言ってください。

 このところ、時間だけはいくらでもあるんです。」

 

 少し自虐気味に店主は言った。

 確かに街の経済規模から考えると、宿屋の客は少なそうだ。

 

 さて――

 

 「食事をしたいんだが、何がある?」

 

 私が尋ねると、店主は水差しへ新しい水を注ぎながら微笑んだ。

 

 「湿地で立派なカワカマスが手に入りましたよ。」

 

 カワカマスか。

 淡水の冷水域を好む大型の魚だ。

 いいじゃないか、実においしそうだ。

 

 「分かった。それと何かスープも。

 それぞれ二人前ずつ頼む。」

 

 「かしこまりました。」

 

 店主は頭を下げると、厨房へ戻っていく。

 聞こえてくるのは包丁の小気味よいリズム。

 

 ――とん。とん。とん。

 

 「どんな料理が出てきますかね……。」

 

 シズクが期待に目を輝かせる。

 実に楽しみだ。

 

 香草の爽やかな香りが暖炉の煙に混じって漂い始めた頃。

 店主が木の盆を両手で持ち、調理場から現れた。

 

 「お待たせいたしました。」

 

 目の前に置かれたのは、大きな葉で丁寧に包まれた料理だった。

 葉の合わせ目は細い麻紐で結ばれ、湯気がかすかに漏れている。

 

 「どうぞ、お開けになってください。」

 

 紐をほどく。

 

 ――ふわり。

 

 白い湯気がゆっくりと立ち上った。

 その瞬間、広がるのは、バターの甘い香り。

 湿地ハーブの青々しい香り。

 焼かれたキノコの香ばしさ。

 

 そしてその中に鎮座するは、肉厚に切り分けられたカワカマスだ。

 

 「……!」

 

 美しく焼き上げられたカワカマス。

 皮はしっとりと艶を帯び、白く美しい身は透明感すら感じさせるほどだ。

 まるで王宮に献上される白磁の壺のようだ。

 

 「わぁ……おいしそうです……!」

 

 シズクが嬉しそうに言う。

 私も同意見だ。

 こんな素晴らしい料理を目の前にして、期待しない方が無理だろう。

 

 店主が微笑む。

 

 「どうぞ、召し上がってください。」

 

 「「いただきます」」

 

 フォークを手に取り、早速カワカマスへと突き立てる。

 

 では、一口。

 

 ――ほろり。

 

 「……!?」

 

 口内で身がほどけるような食感。

 舌で軽く押しただけで繊維がほろほろとほどけ、噛む必要すら感じさせない。

 そこへ、溶けたバターの濃厚なコクがゆっくりと広がる。

 

 しかし、不思議と重くない。

 

 そのあとから湿地ハーブの爽やかな香りが鼻へ抜け、バターの余韻をすっと洗い流していく。

 

 「美味しい……。」

 

 思わず声が漏れた。

 濃厚なのに軽やか。

 

 店主はどこか嬉しそうに目を細めた。

 

 「リーキとキノコも、魚から出た旨味をたっぷり吸っていますので、ぜひご一緒にどうぞ。」

 

 言われるままフォークを伸ばし、今度はリーキを口へ運ぶ。

 

 「……あぁ。」

 

 火を通されたリーキは辛味がすっかり抜け、驚くほど甘い。

 噛むたびに魚の出汁とバターがじゅわりと染み出し、その甘みを何倍にも引き立てている。

 

 続いて、小ぶりな湿地キノコ。

 

 ――ぷりっ!

 

 心地よい弾力。

 

 一噛みするだけで魚の旨味を吸った汁が口いっぱいへ広がる。

 同時に、キノコの風味も感じさせる。

 

 「このキノコも、今日採れたものなんですか?」

 

 シズクが尋ねる。

 

 「はい。」

 

 店主は穏やかに頷いた。

 

 「魚もキノコも、今日の朝に採れたものです。

 この辺りは何もない土地ですが、湿地は季節ごとに違う恵みを分けてくれるんですよ。」

 

 その言葉を聞きながら、私はもう一口、カワカマスを口へ運ぶ。

 

 派手な味付けではないから、香辛料でごまかすこともない。

 素材そのものを丁寧に引き出した料理だ。

 

 「スープも出来上がりましたよ。」

 

 店主が木の器を持ってやってきた。

 中身は――

 

 透明だった。

 

 ――ごくり……。

 

 まるで琥珀を溶かしたような黄金色のスープ。

 しかしそれは存在感を放つわけではなく、ただ透き通っていて清らかだ。

 黄金色のスープに抱きかかえられている野菜たちは、とろとろに溶け出す寸前の状態。

 おそらく、長時間煮込んだ末の状態なのだろう。

 そして、スープの表面には細かな脂が星のように浮かび、暖炉の灯を受けて静かに揺れている。

 

 クリームのような濃厚な香りはない

 シチューのような重厚なトロミもない。

 

 それでも、そこには吸い込まれるような美しさがあった。

 

 「綺麗……。」

 

 シズクが思わず呟く。

 私も同意見だ。

 湧き上がる感動は言葉だけでは語り尽くせないほどに。 

 

 漂う白身。

 肉厚な湿地キノコ。

 輪切りのリーキ。

 小カブ。

 彩りに散らされた刻みハーブ。

 カニの身。

 

 どれも飾り立てることなく、静かにスープへ身を委ねている。

 

 「どうぞ、お熱いうちに。」

 

 木匙を手に取る。

 まずは、透き通ったスープだけを一口。

 

 ――じわり。

 

 舌へ広がったのは、驚くほど優しい旨味だった。

 魚の骨から溶け出した深いコク。

 そこへキノコの滋味が静かに寄り添い、最後にリーキの柔らかな甘さが余韻を残していく。

 

 濃くない。

 薄くもない。

 

 一口飲むごとに、身体の芯へ温かさが染み込んでいく。

 

 「これは……。」

 

 思わず言葉を失う。

 

 「先ほどのお魚とは、また違いますね。」

 

 シズクが嬉しそうに木匙を動かす。

 

 「はい。」

 

 店主は静かに答える。

 

 「紙包み焼きは魚そのものを味わっていただくお料理です。

 でも、こちらは……。」

 

 少しだけ鍋へ目を落とし、穏やかに微笑んだ。

 

 「この湿地が育ててくれた恵みを、一つの器へ集めた料理なんです。」

 

 私はもう一度、スープの中を見る。

 

 魚。

 蟹。

 キノコ。

 リーキ。

 小カブ。

 

 どれも特別珍しい食材ではない。

 しかし、その一つひとつが、

 この土地で採れ、

 この土地の水で育ち、

 この土地の空気を吸ってきたものばかりだ。

 

 木匙ですくうたび、具材が静かに顔を覗かせる。

 それはまるで、霧に包まれた湿地が、我々に少しずつその姿を見せてくれるかのようだった。

 

 霧に包まれた葦原。

 静かに張られた漁網。

 朝露をまとったキノコ。

 冷たい空気。

 

 そんなモーサルの情景が脳裏に浮かび上がってくる。

 

 窓の外では、白い霧がゆっくりと街を覆っていく。

 湿地を渡る風が窓を優しく揺らし、暖炉では薪が小さく爆ぜる。

 

 ここに都会のような華やかさはない。

 あるのは、自然と共に生きる静かな時間だけ。

 

 (あぁ……。)

 

 このスープには、モーサルという土地の静けさと優しさが、そのまま溶け込んでいた。

 




今更なんですけど、原作にカワカマスでません。
でも寒いところに住む美味しい淡水魚ということでAIくんに死ぬほどプッシュされました。
ええ……なんでぇ……

ChatGPTの画像生成について、OpneAI側は著作権はクリアしているとのことで、参考画像(食べ物やキャラクターの見た目)を生成して掲載することは可能らしいのですが、皆さんの意見が知りたいです。念のため、挿絵の要望が多くても絶対に挿絵を生成するとは約束しませんし、挿絵反対が多くても絶対に挿絵を生成しないとは約束しません。極論、すべてを運営に任せるのが一番ですが、皆さんの意見を聞きたいです。

  • 生成AIで挿絵を作るべきではない
  • 料理は生成しても良い
  • キャラクターは生成しても良い
  • 両方生成してよい
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