スカイリムCC:釣り師の痴人   作:アーマーブレイク大好きおじさん

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実は裏メニュー付きです


02熱々の鹿シチューとサケのステーキ

 北の大地の――スカイリムの冷たい空気は、骨の奥まで染み込んでくる。

 それはここ”リフテン”でも変わらない。

 はぁ、と吐かれた息は直に白くなり、

 リフテンの夜空に消えていく。

 

 スカイリムの南東に位置するリフト地方の領都”リフテン”。

 大きな湖――ホンリッヒ湖に面しており、漁業が盛んな漁師町である。

 木造の家屋が立ち並び、運河が街に流れている。

 治安は……まぁ、あまり良好とは言えないが、文化レベルは高い。

 

 ただ、湖から吹き上げる風は湿り気を帯びていて、普通の寒さとは違う。

 じわじわと体温を奪い、気づけば指先の感覚すら鈍くなる。

 

 ――ギィ……

 

 そんな中で扉を押し開けた宿屋『ビー・アンド・バルブ』の暖気は、まるで別世界だった。

 

 薪のはぜる音。

 漂う酒の匂い。

 そして――鼻をかすめた、美味しそうな香り。

 

 「ゴールドがあるなら大歓迎。

 ないならとっとと出て行って……って、まぁ、貴女だったのね。」

 

 ずいぶんな物言いだが、それが彼女の味というものだろう。

 金色の鱗をしたトカゲの獣人――アルゴニアンの”キーラバ”はこの宿屋の名物女将だ。

 金を持ってこなければ相手にさえしてくれない、そんな印象を受ける。

 しかし、彼女の作る料理はどれも最高級だ。

 私がこの町を拠点にしている理由の一つでもある。

 

 「今日は何がある?」

 

 私がそう問うと、キーラバは得意げに腕組みをして答えた。

 

 「シチューがあるわ。それと今朝、湖で上がったばかりのサケもね。」

 

 シチュー。

 この冷えた体にはちょうど良さそうだ。

 自信満々の表情を見る限り、本当に美味しいのだろう。

 期待に胸を膨らませながら、カウンター席に座る。

 

 「両方頂こう。」

 

 迷いは無かった。

 私が注文すると、キーラバは料理鍋の中身を大きな器に盛ってくれた。

 

 「サケのステーキは今から焼くわ。少し時間がかかるけど、待ってなさい。」

 

 湯気に包まれた器の中で、大ぶりに切られた野菜がごろごろと顔を出していた。

 にんじんは艶やかに橙色を保ち、

 じゃがいもは見ただけでもほくりと崩れそうな柔らかさであることがわかる。

 肉も遠慮なく入っていて、しっかり煮込まれたそれは繊維がほどけかけている。

 

 ――とぷ。

 

 スプーンを入れると、ゆっくりと沈む。

 茶色で濃厚なとろみのあるスープが、具材にしっかり絡みついていた。

 

 まず一口。

 

 最初に来たのは、”熱”だ。

 熱い――だが刺すような熱ではなく、じんわりと広がる優しい熱。

 冷え切った口の中に触れた瞬間、まるでそこから雪が溶けていくように、感覚が戻ってくる。

 この温度すらもこのシチューを彩るスパイスだ。

 

 続いて、”味”。

 野菜の甘みが前に出る。

 玉ねぎと人参――長く煮込まれたそれは、角がなく、丸い。

 そこへ、遅れて肉の旨味とスープのコクが重なる。

 

 ”触感”。

 じゃがいもが、ほくり、と崩れる。

 舌の上でほどけながら、スープを吸った中身がじわりと広がる。

 大ぶりの具材が、口の中でとろけて消えていくようだ。

 

 (美味い……!)

 

 これだ、これが食べたかったんだ!

 冷え切っていた体に、温かな料理が染み渡っていく。

 

 「……ああ」

 

 思わず、息が漏れる。

 薄く軽いスープではなく、濃厚で重厚なスープ。

 野菜の甘さと肉の旨味が融合し、スパイスで見事に調和されている。

 このシチューは私の心を満たしてくれる。

 

 人間は生き物であり、食べることは基本的な行為だ。

 自然の恩恵や周りの人々へ感謝しつつ、美味しいものを存分に楽しむ。

 そういう当たり前の幸せがここにある。

 

 ――ごくん。

 

 このシチューは最高だ。

 

 だが――まだ終わりじゃない。

 

 いつの間にか横に置かれていた、もう一皿。

 

 サケのステーキ。

 

 皮目はこんがりと焼かれ、パリッと張りを持っているのが見ただけで分かる。

 表面には軽く焦げ目がつき、その隙間から脂がじんわりと滲み出していた。

 香ばしい匂いが立ち上り、期待感が高まっていく。

 

 「……ふふ」

 

 謎の充足感。

 今朝湖で獲れたばかりの新鮮なサケ。

 元日本人としては、身体に染み付いた“魚”の文化がある。

 つまり……日本人は魚にうるさいのだ。

 

 「さぁ、私を楽しませてみろ……!」

 

 挑戦は受け取った。

 このサケのステーキは、”魚にうるさい日本人の味覚を持つ私”に挑むと言っているのだ。

 ならば全力で迎え撃つのが礼儀というものだろう。

 

 私は刀――いや、フォークを手に取り、サケのステーキに突き立てる。

 

 ――サクッ

 

 戦いの合図が鳴る。

 さくっ、と皮が割れる音。

 その下から現れた身は、しっとりとした橙色をしている。

 

 (何と言う事だ……!断面だけでわかる、これはいいものだ……!)

 

 サケの身は、一切の無駄がないように均等に焼かれており、ほんの少しの焦げ目すらも美しい。

 あまりの美しさに思わず唾を飲み込む。

 

 まずは、身を口に入れる。

 

 柔らかい。

 だが崩れる訳でもない。

 絶妙な火入れ。

 嚙むまでもなく、脂がじゅわ、と溢れた。

 サケ特有の濃い旨味が、舌の上を一気に覆う。

 塩気は控えめで、その分、素材そのものの味がはっきりと分かる。

 深い香ばしさと甘み、そして塩気が組み合わさる。

 

 シチューも美味かったが、こちらも相当な出来だ。

 日本人(元)の私ですら、感動して言葉を失ってしまった。

 

 ……やはりキーラバは腕が立つ。

 

 そして――シチューを一口。

 

 温かさと優しさが、さっきの脂を受け止める。

 さらにもう一口、サケ。

 香ばしさと旨味。

 またシチュー。

 温かさと優しさ。

 再びサケ。

 香ばしさと旨味。

 同時にシチューを飲む。

 熱さと優しさが、心を包んでいく。

 何度も交互に食べ続ける。

 シチューの味もサケの旨さもお互いの顔を立てるように調和し、完璧なハーモニーを奏でている。

 

 「……これは”いいもの”だ」

 

 どちらか一つでも十分なのに、合わせることで止まらなくなる。

 交互に食べるたびに、それぞれの良さが引き立ち、次を欲する。

 気づけば、手は完全にそのリズムに支配されていた。

 ただ、目の前の皿を空にすることだけが重要だった。

 

 最後に残ったシチューをすくい、サケの欠片と一緒に口へ運ぶ。

 

 ――魂に、満ちる。

 

 圧倒的な美味しさに舌が打ち鳴る。

 あまりの幸福感に視界が真っ白になりそうになる。

 

 ――だが。

 

 ――だが。

 

 

 皮。

 

 サケの皮である。

 

 見た目は残飯である。

 

 だが……!

 

 皮には旨味が詰まっており、食材の持つ全てを引き出す役割を果たしてくれる。

 元日本人である私は皮も含めて“魚”を楽しむ文化を身に着けている。

 そして――ここがサケの中で最も旨い部位であることも知っている。

 皮を食べずしてサケステーキを語ることはできないのだ。

 

 刀――あ、いやフォークを構え直す。

 

 「……」

 

 心臓が激しく高鳴っている。

 緊張感が漲り、額に脂汗が浮かんでくる。

 

 薄い皮を味わえるのは一瞬。

 

 一切の無駄は許されない。

 完璧な火入れをしている今回は特に。

 失敗は許されないのだ。

 

 ――サクッ

 

 戦いの合図が再び鳴る。

 

 ――ぱりっ。

 

 「!?」

 

 軽やかな食感のあとに、香ばしさが弾ける。

 焼けた脂の匂いが一気に広がり、旨味が全身を貫く。

 口内に残るほんの少しの焦げた味すらも美味しい。

 

 一瞬の煌めき。

 

 その時間を私は永遠に忘れないだろう。

 この絶品の皮もまた、最高級の料理であることを示してくれた。

 

 「ふ……完敗だ……。」

 

 刀――じゃなくて、フォークを置き、深く息をつく。

 

 「毎回大げさね……。」

 

 キーラバは呆れ返った様子だった。

 まぁ、実際にキーラバのサケステーキを食べるのは初めてではないし、なんなら一日に二回も食べたことがある。

 だが……旨いものは旨い。

 それ以外に表現の仕方が見当たらない。

 

 ――トンッ

 

 目の前のカウンターに赤――いや深紅の液体が注がれたグラスが置かれる。

 ふと上げた視線の先でアルゴニアンの男がニヤリと笑っているのに気がついた。

 

 「相変わらず、いい食いっぷりだな。こいつもいるだろう?」

 

 緑色の鱗を持つアルゴニアンの給仕”タレン・ジェイ”が差し出したのは――

 

 「”ベルベット・レカンス”か……。

 商売上手め……いつものセットも貰おう。」

 

 グラスを取り、鼻先に寄せた瞬間、空気が変わる。

 

 ブラックベリーの甘酸っぱい香り。

 そして、ほんのわずかに混じる、どこか危うい香り。

 

 一口、含む。

 

 舌に乗った瞬間は、驚くほど柔らかい味わい。

 蜂蜜のとろりとした甘味。

 ブラックベリーの酸味。

 遅れてやってくるのは、ぴりりとしたスパイスの刺激。

 そして最後に――くらり、と来るような、このさらに深い甘さ。

 

 酒の旨味を存分に引き出すような芳醇な味わいだ。

 

 スパイス入りワイン。

 ハチミツ。

 ブラックベリー。

 そして――ベラドンナを加えてベルベット・レカンスは出来ている。

 

 ベラドンナは毒として錬金素材に使われる危険な代物ではあるが、

 それには脳みそが蕩ける様な深い甘味がある。

 そしてこの深みのある甘さはベラドンナにしか出せない。

 解毒技術の確立されているファンタジー世界ならではの飲み物だ。

 間違っても、前世の――科学技術の世界では飲んではいけない。

 

 (……これは贅沢だな)

 

 タレンは長年バーテンダーをやっていて、その知識を生かして様々なお酒を作っている。

 私はその中でも特にこの《ベルベット・レカンス》が好きだ。

 毒用の錬金素材をカクテルの材料にしてしまうなんて、なんとも毒物が身近なアルゴニアンらしい考えだ。

 

 「おまちどう。いつものセットよ。」

 

 キーラバが目の前に皿を持ってきた。

 こんがりと焼かれた牛肉から、じゅわりと脂が滲み出している。

 表面には粗挽きのスパイスがびっしりと張り付き、熱で弾けるたびに香りが立ち上る。

 付け合わせにはヤギのチーズとポテト。

 

 「ありがとう。」

 

 礼を言いながら、私はナイフを手に取る。

 刃を入れるとじゅっ、と小さく音がした。

 断面からあふれ出した肉汁が、皿の上で光る。

 

 一口頬張る。

 

 口の中にジュワリとした肉汁が充満する。

 強烈な塩気とスパイス、その荒々しさのすぐあとに、肉の濃厚な旨味がどっと押し寄せる。

 

 そして、すかさずベルベット・レカンスを一口含む。

 甘みと香りが肉の味わいを引き立てる。

 

 チーズをかじる。

 熟成されたそれは、ねっとりと舌に絡みつき、コクとわずかな酸味で全体を包み込む。

 獣臭いヤギのチーズが、ベルベット・レカンスの甘みと交わることで奇跡的に高尚な味わいへと変化する。

 

 そして、ポテト。

 味の濃いカクテル、肉、チーズとは対照的に薄目の味付け――しかしニンニクとスパイスの十分な風味。

 ホクホクとした味わいが口内に広がり、口の中に残った濃い味をまろやかなものへと調整してくれる。

 すると欲しくなってしまうのは……肉の濃い味だ。

 

 (もう止まらんよ。流れ始めた涎と同じだ。)

 

 気づけば、肉を頬張り、チーズをかじり、酒を流し込む――その繰り返しに完全に囚われていた。

 

 外の寒さなど、もう思い出せない。

 薪の音と、酒場のざわめき。

 満たされていく腹と、じんわりと火照る体。

 

 ビー・アンド・バルブでの一人宴は、まだ終わりそうにない。

 

 というか”いただきます”言い忘れてた。

 お腹がすいてたから仕方ないね。

 




ここまで、未だ”釣り師の知人”要素なし

ChatGPTの画像生成について、OpneAI側は著作権はクリアしているとのことで、参考画像(食べ物やキャラクターの見た目)を生成して掲載することは可能らしいのですが、皆さんの意見が知りたいです。念のため、挿絵の要望が多くても絶対に挿絵を生成するとは約束しませんし、挿絵反対が多くても絶対に挿絵を生成しないとは約束しません。極論、すべてを運営に任せるのが一番ですが、皆さんの意見を聞きたいです。

  • 生成AIで挿絵を作るべきではない
  • 料理は生成しても良い
  • キャラクターは生成しても良い
  • 両方生成してよい
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