スカイリムCC:釣り師の痴人 作:アーマーブレイク大好きおじさん
まだ日が昇りきらぬ明朝。
私はリフテンの港に来ていた。
漁師町の朝は早い。
船から降り立つ漁師達が、次々と市場へと向かって行く。
活気にあふれた様子は、この世界の生命力そのものを表しているようですらある。
足早に移動するせっかちな漁師たちを避けながら、ゲームの世界だったころよりも何倍も大きくなったリフテンの港を進む。
“リフテン水産”
目的地であるその場所は、埠頭に位置していた。
水上に建てられた建物は石造りであり二匹の魚の看板が掲げられている。
周囲には帆船や木製の小船が停泊しており、朝日を浴びて美しい光景を作り出していた。
「待つのは……耐え難い……」
目的の人物は丁度、独り言を言いながら表を掃除しているところだった。
日に焼けた肌に黒い髪を後ろでまとめた、レッドガード人――前世的に言うと北アフリカや中東アラブ風の民族の女性。
名前はヴィリア。
私の依頼主だ。
「ヴィリア。研究用の”マッドクラブの幼生”を見つけた。」
私はそう告げると、背中の荷を降ろし、その中からツボを取り出す。
ツボの蓋を開くと、マッドクラブ――早い話カニの幼生が入っていた。
「ちょっと見せて……ふぅん……これは何?
石の爪?何に使うのかしら?」
ヴィリアはツボから素早かつ丁寧にマッドクラブの幼生を手に乗せると、
マジマジと観察し始めた。
食べるわけでもなく、ただじっと見つめているように見える。
まぁ、どの世界でも研究者というものは自分の専門分野になると、周囲が見えなくなるものだろう。
暫く放置されたものの、ヴィリアは思い出したかのように素早く私の方を向く。
「あなたの努力に感謝するわ。ほら、受け取って。」
ヴィリアはマッドクラブの幼生をツボにしまうと、懐から金貨を差し出してきた。
金貨1枚……1ゴールドではない。100セプティムだ。
ゲームだったころとは少し勝手が違う。
「他に仕事はある?」
ぶっちゃけると、この釣りの仕事は儲かるわけではない。
しかし山賊退治や獣の討伐と比べれば、ずっと気楽である。
私は一応そう訊ねてみた。
ヴィリアはふむ、と考え込んでから答える。
「行先はファルクリースよ。どう?手に負えそう?」
ファルクリース――スカイリム南西ジェラール山地の麓に位置する深い森に囲まれた都市でありその周辺の地方のことを指す。
シロディールやハンマーフェルと国境を接する、林業が盛んな街だ。
大昔から何度も戦争が起こる場所であったため、今ではスカイリムで一番大きい墓地が広がっている。
ヴィリアがなんでこう聞くかというと、ズバリ遠いからだ。
ゲームの世界だった感覚で言えば、なんてことのない距離なのだが、
現実になった世界では結構長い旅になる。
前世的にいえば、隣の県……いや隣の地方ぐらいの距離だろうか?
しかも馬車もゲームだった頃よりも値上がりしているし、道中の宿にもお金がかかる。
正直ちょっと面倒くさい。
しかし雄大なスカイリムの世界を見て回ることは私の楽しみでもある。
転生して早数年、各地を飛び回ってきたわけだが、それでもまだ見たことのない景色は多い。
どこへ行くにせよ、新しい発見が待っているかもしれない。
「分かった。内容を聞かせて――」
――ぐぅー……
と、私が返事を言い切る前に腹の虫が割り込んできた。
ヴィリアは私の反応を見てクスクス笑っている。
「何か食べる?とはいっても魚しかないけど。」
ヴィリアに手招きされて、リフテン水産の建物の中へ入る。
中央には大きな生簀があり、そこに様々な種類の海洋生物が放流されている。
漁師たちが獲ったばかりの新鮮な魚だろうか、それとも養殖用のものだろうか。
ヴィリアに案内されて、従業員食堂の席に着く。
「あ……。」
ふと思い出して背中の荷からツボを取り出す。
マッドクラブの幼生の入っていたヤツとは別のモノだ。
「ヴィリア。これを使ってくれ。」
この世界に冷蔵庫はない。
しかし冷気の魔術を付与したツボならある。
冷気を放つツボを開け、中身をヴィリアに見せる。
「これは……大量ね。カニの身?マッドクラブの?」
私の持参したツボの中身は、マッドクラブの肉であった。
「幼生を採取する時に襲われた。
仕方なく倒したが、捨てるのはもったいなくて。」
ヴィリアは少し考え込むような素振りを見せるが、やがて口を開いた。
「いい方法があるわ。お金は要らないから安心してちょうだい。」
そう言って、ヴィリアはキッチンへと向かって行った。
待つ間、私は食堂内を見渡す。
当然だが飲食店ではないため、装飾は最小限で実用重視といった感じだ。
片隅には仕事で使われるであろう網や籠、針金やロープなどの道具類が置いてある。
一応テーブルやイスは設置されているものの、食堂というよりは物置の方が近い印象だ。
(だが、こういうところで食べるのも悪くない。)
私は空腹感を感じながら、周囲の様子を楽しむ。
そうしていると――ヴィリアが帰ってきた。
香ばしく焼ける匂い。
そして――はっきりと分かる、カニの甘い香り。
皿が、目の前に置かれる。
「……クラブケーキ!」
日本では馴染みのなかった料理だが、アメリカでは定番の料理だったらしい。
こんがりと焼き色のついた表面は、きつね色に輝いていた。
粗くほぐされたカニの身が、ところどころから顔を出している。
つなぎは最小限――見ただけで分かる、“ほぼカニ”の塊だ。
「フォークとナイフ。ここに置いておくわ。
私は仕事があるから、食べ終わったら埠頭まで呼びに来て頂戴。」
そう言ってヴィリアは食堂を後にする。
残った私は、早速フォークに手を伸ばした。
「いただきます」
――さくっ
軽い音。
その瞬間、内側からほろりと崩れ、白くふっくらした身が顔を覗かせた。
湯気と一緒に、濃い甘みの香りが一気に立ち上る。
思わず、そのまま一口。
――さくっ
「……!」
――軽い。
まず感じるのは、衣の薄い香ばしさ。
だがそれは一瞬で消え、その奥からすぐにカニの身が現れる。
ふわり、と崩れて――甘みが来る。
強い。だがしつこくない。
泥の中に潜むカニとは思えない澄んだ甘さ。
噛めば噛むほどにじわりと広がり、舌の上に溜まっていく。
少し遅れて旨味がドッと押し寄せる。
――じゅわ……
薄い衣に閉じ込められていた肉汁――いや、カニ汁が、内側からあふれ出した。
バターで軽くまとめられているのか、コクが一段深い。
もう一口。
今度は、端の焼き色がしっかりついた部分。
カリッ、と歯に当たる食感のあとに、すぐ中の柔らかさが追いかけてくる。
香ばしさと甘みが同時に弾け、さっきとはまた違う“味わい”になる。
同じ料理でも食べる場所によって味わいが変わる……面白い。
(やるな!ヴィリア!)
ただの漁師だと思っていたが、――侮れない。
私はフォークを動かす手を止めず、ガツガツと次々と食べ進んで行く。
上流階級が食べるような高級な料理ではない。
一般市民が普段食べるような安価な料理だ。
だが、その中にこそ本当の幸せがあるのだ。
年季の入った木のテーブルも、使うフォークも、決して上等なものではない。
それでも美味しい料理を前にすれば、人は驚き、感激し、喜びを見出すのだろう。
こういうものだ。
ここで食べるからこそ、この味は完成しているのだ。
カニケーキ――侮れない。
――さくっ
最後のひと口。
頭の先までカニの甘みが広がり、口内に残った旨味が消えていった。
「……ごちそうさま。」
私は手を合わせて作ってくれたヴィリアへの感謝、
そして自然の恵みに対する祈りを込めて言う。
どんな高級な料理よりも美味しかった気がする。
ふぅ……と息をつく。
空腹感は完全になくなっており、心地良い満足感があった。
少し休んでから、ヴィリアの待つ埠頭へ向かおう。
私はテーブルに置かれた食器を簡単に片付けると、建物を出た。
さぁ、仕事の話をしに行こうじゃないか。
ChatGPTの画像生成について、OpneAI側は著作権はクリアしているとのことで、参考画像(食べ物やキャラクターの見た目)を生成して掲載することは可能らしいのですが、皆さんの意見が知りたいです。念のため、挿絵の要望が多くても絶対に挿絵を生成するとは約束しませんし、挿絵反対が多くても絶対に挿絵を生成しないとは約束しません。極論、すべてを運営に任せるのが一番ですが、皆さんの意見を聞きたいです。
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生成AIで挿絵を作るべきではない
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料理は生成しても良い
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キャラクターは生成しても良い
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両方生成してよい