サブタイトルはあとがきにて。
前半は第四章以来の小室視点、後半はレオン編のEpilogueとなります。
重めの話なので、人によっては不快な思いをするかも知れません。
ご注意ください。
明日から一日一回投稿となります。
二〇一三年。
トールオークスに続き、中国・蘭祥で、大規模なバイオテロが発生した。
テレビ画面には、炎上する市街地と逃げ惑う人々の姿が映し出されている。
感染者による被害。
崩壊していく都市機能。
そして、現地で救助活動に当たる人々。
小室孝は、食い入るように画面を見つめていた。
かつて自分が経験した地獄と、重なって見えた。
「……救助に行けないんですか?」
思わず口から出た言葉に、向かいにいた上官が顔を上げた。
「何や、急に?」
「中国でバイオテロが起きてるんですよ。あれだけの人が巻き込まれてる。自衛隊なら、救助に行けるんじゃないですか?」
「駄目」
返ってきた答えは、あまりにも早かった。
「……どうしてですか」
「どうしても何もない。日本の自衛隊が勝手に中国へ入ることなんぞできん」
「でも、人が死んでるんですよ!」
小室は思わず声を荒らげた。
「国境がどうとか、そんなことを言ってる場合じゃないでしょう! 俺たちは人を助けるためにいるんじゃないんですか!」
上官はしばらく小室を見つめていた。
そして――。
「……小室」
「はい」
「お前の言いたいことは分かる」
低い声だった。
「人を助けたい。目の前で人が死んどるんやったら、助けに行くべきや。そう思うんやろ」
「だったら――」
「せやから駄目なんや」
「……え?」
次の瞬間。
上官の声が一気に鋭くなった。
「ええか、儂らは自衛隊やって言うてもな、他国からすれば軍隊や!」
「……!」
「日本の部隊が中国へ勝手に入ってみい! 向こうからしたら、日本の軍隊が勝手に領土へ入ってきたいう話になるんやぞ!」
「でも、救助活動なら――」
「向こうがそう受け取る保証がどこにあるんじゃ、ボケ!」
机を叩く音が響いた。
「バイオテロやから何や! 人命救助やから何や! 国境を越えて勝手に軍隊を送り込んで、それが原因で戦争にでもなったら」
「そん時は誰が責任取るんじゃ、ボケ!」
「……」
小室は言葉を失った。
「儂か? お前か? 現場の隊員か? 違うやろ!」
上官は怒鳴る。
「国が決めて、国が命令して、初めて儂らは動けるんや! 勝手な正義感で動いてええ組織やないんじゃ!」
「……でも」
それでも小室は食い下がった。
「……それでも、目の前で助けを求めてる人を見捨てるのは……」
「見捨てたい奴なんぞ、この中に誰一人おらんわ!」
上官の怒声が響いた。
「勘違いするな!」
「……」
「儂らかて助けたいんじゃ! せやけどな、助けたいからいうて何でもしてええわけやない!そんくらい分かれや!」
小室は俯いた。
正しい。
頭では分かっていた。
自衛隊が日本という国家の組織である以上、個人の意思だけで他国へ派遣されることなどできない。
それでも――。
テレビの向こうでは、今も人が死んでいる。
自分がかつて経験した、あの地獄のような光景の中で。
「……俺は」
小室は拳を握った。
「俺は、あの時……誰かが助けに来てくれたらって、ずっと思ってました」
上官は黙っている。
「だから、今度は俺が助ける側になりたかった」
小室は顔を上げた。
「自衛隊に入ったのも、そのためです」
上官は何も言わなかった。
ただ、小室の言葉を黙って聞いていた。
「……そうか」
それだけだった。
小室は敬礼をすると、その場を後にした。
廊下を歩きながら、窓の外を見る。
自分が選んだ道は、間違っていたのだろうか。
違う。
自衛隊が間違っているわけではない。
上官の言っていることも分かる。
国家間の問題。
外交。
主権。
戦争。
それらを無視して、人命救助だけを優先することはできない。
だが――。
「……だったら」
小室は呟いた。
「国境なんか関係なく、人を助けられる場所に行けばいい」
その日から、小室は一つの可能性を調べ始めた。
BSAA――。
バイオテロ対策を目的とする国際組織。
国家の軍隊ではなく、国境を越えてバイオテロと戦うための組織。
資料を読み進めるほど、自分が求めていたものに近いことが分かってきた。
そして、小室は決断する。
自衛隊を退職する。
逃げるためではない。
諦めるためでもない。
かつて床主市で、自分たちが経験した地獄。
そして今も世界の各地で繰り返されている惨劇。
同じような事件が、これから先も起こるかもしれない。
ならば――。
今度こそ、自分の意志で人を救える場所へ行く。
それが、小室孝が自衛隊を離れ、BSAAへ入隊することを決めた理由だった。
◇
空港の出発ロビー。
人々が行き交う中、その一角に三人の男女が立っていた。
小室孝。
毒島冴子。
そして、平野コータ。
小室と毒島は、これから日本を離れる。
二人の手には、BSAA本部へ向かうための荷物がある。
その一方で、平野は日本に残る。
「……本当に行っちまうんだな」
平野が、少し寂しそうに言った。
「ああ」
小室は頷く。
「俺は、あっちでやってみる」
「私も同じくだ」
毒島も静かに答えた。
「世界のどこかでバイオテロが起きた時、国境の向こう側だからという理由で手をこまねいているのは、もう嫌なのでな」
「そっか……」
平野は二人の顔を見る。
そこに迷いはなかった。
「……二人には悪いな」
平野が頭を下げた。
「俺だけ……自衛隊に残る事になって」
「何言ってんだよ」
小室が苦笑する。
「別に謝ることじゃないだろ」
「でも」
平野は頭を上げる。
「二人が世界中を飛び回って、人を助けようとしてるのに、俺だけ日本に残るんだぞ」
「だから何だ?」
毒島が問い返した。
「君には、君の戦う理由があるのだろう?」
「……はい」
平野は頷いた。
「俺には、家庭があります」
その言葉に、小室が笑った。
「だよな」
「沙耶と結婚して、これから家庭を持っていくんだ。お前まで海外に出て行ったら、あいつを一人にする事になる」
「だから、謝る必要なんかないだろ」
小室はそう言って、平野の肩を軽く叩いた。
「それに、自衛隊に残るっていうのも立派な選択だと思う」
平野はしばらく小室を見つめた。
「……ありがとう」
「いや、礼を言うのはこっちだ」
小室は笑う。
「今まで一緒に戦ってくれて、ありがとな」
「……ああ」
平野も笑った。
すると、毒島が二人の前に歩み寄る。
「では、私も一言いいだろうか」
「はい?」
「平野くん」
「はい」
「君は、自分の選んだ道を精一杯進めばいい」
毒島は穏やかに微笑んだ。
「私たちが別々の場所に行くことになったとしても、それで仲間でなくなるわけではない」
「……毒島先輩」
「それに」
毒島は僅かに笑みを深めた。
「奥さんを泣かせるなよ」
「分かってます」
平野も笑いながら答える。
「二人こそ、無茶するなよ」
「それは孝に言ってくれ」
「俺かよ!」
三人の間に、かつてと変わらない笑い声が生まれた。
少し離れたところから、空港のアナウンスが聞こえてくる。
搭乗開始を告げる放送だった。
「……そろそろだな」
小室が呟く。
「ああ」
平野は一歩前に出た。
そして、小室に右手を差し出す。
「元気でな」
「ああ」
二人は固く握手を交わした。
続いて、毒島とも握手をする。
「毒島先輩も」
「平野くん」
「……生きて、また会いましょう」
「もちろんだ」
三人はそれぞれの顔を見つめる。
「そういや……麗は」
小室が、ふと呟いた。
その名前を口にした瞬間、脳裏に一人の女性の姿が浮かんだ。
宮本麗。
かつて共に地獄を生き抜いた幼馴染。
そして、小室が自衛隊に入ってから数年間、付き合っていた恋人でもあった。
だが――。
数年前、二人は破局した。
理由は、単純なものではなかった。
小室が自衛隊員として任務に就くたび、警察官になった麗は彼の身を案じていた。
連絡が取れない時間がある。
危険な任務へ向かうこともある。
そして、いつか本当に帰ってこなくなるかもしれない。
そんな不安を、麗は何度も口にしていた。
小室も、その気持ちは分かっていた。
だが、仕事を辞めるつもりはなかった。
そんな二人の関係が、少しずつすれ違っていった。
そして、別れの日。
『……孝は、いつも戦場のことばっかり』
麗は、泣きそうな顔でそう言った。
『私と一緒にいる時くらい、戦場のことなんか忘れてよ』
小室は何も言えなかった。
『私がどれだけ心配してるか、本当に分かってるの?』
責めるような言葉だった。
だが、その言葉の奥にあるのが、自分を失いたくないという恐怖だということも、小室には分かっていた。
それでも――。
小室は、自分の選んだ道を捨てることができなかった。
麗もまた、その現実を受け入れ続けることができなかった。
だから、二人は別れた。
それから数年後、麗は一般の男性と結婚した。
小室も、それを知っている。
今では、麗は自分自身の人生を歩んでいる。
「……元気にしてるかな」
小室は小さく呟いた。
「きっと元気だろう」
毒島が静かに答えた。
「そうかな」
小室は笑った。
「それなら、それでいい」
かつて愛した女性が、自分とは違う場所で幸せに生きている。
それでいいのだと、小室は思っていた。
「……俺たちも行こう」
小室は搭乗口へ視線を向ける。
「ああ」
毒島が頷く。
二人は歩き出した。
その背中を、平野が見送る。
小室孝と毒島冴子は、BSAAへ。
平野コータは、自衛隊へ。
宮本麗は、警察官として。
かつて同じ地獄を生き抜いた仲間たちは、それぞれの場所で、それぞれの人生を歩んでいた。
◇
冬の墓地に、冷たい風が吹き抜けていた。
空は灰色に曇り、吐き出した息が白くなる。
ヘレナ・ハーパーは、妹の墓の前に立っていた。
墓石に刻まれた名前を、静かに見つめる。
ここへ来るたびに思い出す。
あの日のことを。
自分が何をしたのか。
何故、あんなことをしたのか。
そして、その結果として何が起きたのか。
妹は死んだ。
大統領も死んだ。
多くの人間が巻き込まれた。
トールオークスも消えた。
あの事件で、取り返しのつかないほど多くのものが失われた。
その中には――。
自分自身も含まれていたのかもしれない。
「…………」
ヘレナは目を伏せる。
それでも、生きることを選んだ。
罪から逃げるのではなく。
死んで終わらせるのでもなく。
生きて、自分が犯したことを背負い続ける。
それが、自分にできる唯一の償いだと思っていた。
だから、再びエージェントとして活動する道を選んだ。
誰かを救う。
誰かの命を守る。
そうすることで、自分が奪ってしまったものに少しでも向き合おうとしていた。
だが――。
背後から、足音が聞こえた。
「……?」
ヘレナは僅かに顔を上げる。
墓地には人が少ない。
自分以外に、誰かいる。
足音が近づいてくる。
一歩。
また一歩。
ヘレナは振り返らなかった。
妙な気配だった。
敵意。
殺意。
それを感じ取ることができた。
エージェントとしてなら、すぐに振り向くべきだった。
距離を取る。
相手を確認する。
武器を抜く。
あるいは、先に制圧する。
それが正しい。
分かっていた。
それでも――。
身体は動かなかった。
足音が止まる。
すぐ後ろ。
そして。
ヘレナは、ゆっくりと振り返った。
そこに、一人の男が立っていた。
見覚えのない男。
だが――。
その目を見た瞬間。
ヘレナには分かった。
自分を憎んでいる。
言葉にする必要などなかった。
その視線だけで十分だった。
「…………」
男の手が、コートのポケットへ入る。
ヘレナの目が、その動きを追う。
拳銃。
そう理解した。
それでも。
逃げなかった。
男が取り出した銃が、ゆっくりとこちらへ向けられる。
銃口が見える。
冷たい黒い穴。
その瞬間、ヘレナの中にあった警戒心が、静かに消えていった。
――そう。
これが、自分の行き着く先なのかもしれない。
ヘレナは男を見つめた。
恐怖はなかった。
少なくとも、以前のような死への恐怖は。
ただ――。
申し訳なさだけが残った。
妹に。
レオンに。
そして、事件によって人生を奪われた人々に。
自分は生きて償おうと思っていた。
だが。
その道を歩くことを、許さない人間がいる。
自分が奪ったものを考えれば、それも当然なのかもしれない。
ヘレナは目を閉じる。
「…………ごめんね」
小さな声。
誰に向けた言葉なのか、自分でも分からなかった。
妹に対してなのか。
レオンに対してなのか。
あの事件で命を落とした人々に対してなのか。
それとも――。
自分自身に対してなのか。
ヘレナは再び男を見る。
銃口は動かない。
ならば、自分も動く必要はない。
避けることはできる。
銃を奪うこともできる。
戦えば、おそらく生き残れる。
エージェントとして積み重ねてきた経験が、そう告げている。
けれど。
ヘレナは、それをしなかった。
もう一度、生きることを選ぶ理由を探そうとした。
レオンと共に戦った。
人を救った。
罪を償おうとした。
それでも――。
自分が過去に生み出した憎しみは、消えていなかった。
その事実を、今になって理解した。
「……これで、終わりなのね」
ヘレナの声は、驚くほど穏やかだった。
男の指が動く。
次の瞬間。
銃声が墓地に響いた。
数日後。
レオン・S・ケネディは、久しぶりに任務から離れていた。
大きな事件の後に与えられた、束の間の休息。
テーブルの上には、淹れてからしばらく経ったコーヒーが置かれている。
レオンはソファに腰を下ろし、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
ようやく静かな時間を過ごせる。
そう思っていた。
そのとき。
携帯端末が鳴った。
表示された名前を見て、レオンはすぐに応答する。
「ハニガン?」
『……レオン』
返ってきた声は、いつものハニガンとは少し違っていた。
妙に静かだった。
レオンは眉を寄せる。
「どうした?」
『…………』
向こうから返事がない。
その沈黙が、嫌な予感を呼び起こした。
「ハニガン?」
『……ヘレナが死んだわ、レオン』
「……何?」
レオンの表情が変わった。
『トールオークスの墓地で、射殺された』
言葉が出なかった。
ほんの数秒前まで、休息の時間だった。
それが一瞬で遠いものになった。
「……ファミリーか?」
最初に浮かんだのは、シモンズの残党だった。
シモンズが死んでも、ファミリーのすべてが消えたわけではない。
ヘレナは、その関係者として狙われた可能性がある。
「それとも、政治的な暗殺か……?」
『どちらも違うわ』
ハニガンは短く答えた。
『犯人は、その場で現行犯逮捕された』
「現行犯……?」
『ええ。取り調べにも素直に応じている。抵抗もなかったそうよ』
レオンは黙って聞いていた。
『そして、すべて自白している』
「……誰なんだ?」
少しの沈黙。
ハニガンは、淡々と告げた。
『トールオークスで家族を失った、ただの一般市民よ』
「…………」
『動機は完全な怨恨』
レオンの視線が、テーブルの上へ落ちる。
『政府内部から流出した情報をきっかけに、ヘレナの過去を突き止めた』
『大統領暗殺に関わったことも』
『その後、司法取引によってエージェントへ復帰していたことも』
『全部、知った上で彼女を追っていた』
レオンは何も言わなかった。
ヘレナが、再びエージェントとして活動していたことは知っている。
彼女は罪を背負っていた。
それでも、生きて償う道を選んだ。
あの事件の中で。
レオン自身も、それを見ていた。
だが――。
『犯人は、それがどうしても許せなかったそうよ』
「……家族を殺されたから、か」
『ええ』
ハニガンの声が少しだけ沈む。
『自分の妻と娘を奪った事件の責任を負うべき人間が、何のお咎めもなく生きているように見えた』
『それが、彼には耐えられなかった』
「…………」
『だから、待ち伏せした』
レオンは目を閉じた。
その光景を想像してしまう。
墓地。
冬の寒空。
ヘレナの背後から近づく誰か。
そして――。
「……ヘレナは?」
レオンが尋ねる。
「逃げなかったのか?」
『……それが、一番不可解なの』
ハニガンの声が僅かに揺れた。
『現場を調べたけれど……ヘレナには、一切抵抗した形跡がなかった』
「…………」
『犯人との距離は、かなり近かった』
『銃を突きつけられていたとしても、避けることはできたはず』
『武器を奪うことだってできたはずよ』
レオンの脳裏に、ヘレナの姿が浮かんだ。
トールオークス。
あの地獄の中で、彼女は何度も自分の罪と向き合っていた。
『でも……ヘレナは何もしなかった』
ハニガンは静かに続けた。
『ただ、弾丸を受け入れた』
「…………」
レオンは言葉を失った。
あの日。
ヘレナは、自分の罪を告白した。
そして、生きて罪を償うと決めた。
逃げない。
死なない。
生きて、背負い続ける。
そういう道を選んだはずだった。
それなのに。
最後の瞬間。
彼女は抵抗しなかった。
「……そうか」
それしか言えなかった。
『レオン……』
「いや」
レオンは静かに遮った。
「もういい」
ハニガンも、それ以上は何も言わなかった。
通話が終わる。
部屋に静寂が戻った。
レオンはしばらく動かなかった。
目の前に置かれたコーヒーはすっかり冷めかけている。
その黒い液面を、ただ見つめる。
ヘレナは、生きようとした。
あの事件の中で。
自分が犯した罪を認めて。
それでも、生きて償うことを選んだ。
世界を救えば、すべてが元に戻るわけではない。
命を救えば、失われた家族が帰ってくるわけでもない。
テロを止めても。
ウイルスを根絶しても。
新たな犠牲者を出さないよう戦い続けても。
一度狂ってしまった歯車までは、元に戻せない。
そして――。
誰かの心に生まれてしまった地獄までは、救えない。
トールオークスで家族を失った男にとって。
世界を救った英雄も。
再び正義の側へ戻ろうとしたヘレナも。
関係なかった。
ただ、自分の家族を奪った事件と、その引き金を引いた女がいる。
それだけだった。
レオンはゆっくりと息を吐いた。
「……ヘレナ」
返事はない。
当然だった。
もう、彼女はいない。
レオンは冷めかけたコーヒーを見つめたまま、静かに目を閉じる。
あの事件を生き延びた。
それだけでは、終わらなかった。
罪を償おうとしても。
誰かを救おうとしても。
失われたものを取り戻すことはできない。
そして、残された者たちの憎しみまで消すこともできない。
レオンはカップを手に取った。
だが、飲む気にはなれなかった。
ただ、静かに呟く。
「……安らかに眠れ、ヘレナ」
それが。
もう二度と戻ってこない相棒へ向けた、最後の言葉だった。
――第五章・完――
今回のサブタイトルは『断頭台への行進』でした。
前半の小室視点での上官はアウトレイジの西野をイメージしています。
そしてピアーズ亡き後のBSAAと合流する流れ。
後半のヘレナが亡くなる展開は、昔見たドラマの『振り返れば奴がいる』から着想を得ました。
第四章のラストでは被害者遺族の私刑で紫藤浩一は地獄のような最期でしたが、それに対してヘレナは苦痛のない最期を迎えました。
一応、言っておきますが私自身はヘレナに対して悪感情は抱いておりません。