元殺し屋がバイオ事件に巻き込まれる話   作:オッパッピー

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本編は第二章に向けて休載中ですが、単発の「閑話」をお届けします。


とあるVチューバーの配信

【RE2に隠しNPC!? ASSISTED限定ルートで初見プレイ!】

 

配信開始

 

「こんばんはー!」

 

「今日は海外で話題になってるASSISTED限定の隠しNPCルートでバイオハザードRe2を遊んでいきます!」

 

「本当にそんなルートあるの?」

 

コメント「ガチ」

 

コメント「ネタバレ見ずに行け」

 

コメント「最後まで見たる」

 

---

 

ゲーム開始。

 

「コメントで『条件あるから気を付けて』って言われてる」

 

「でもネタバレ禁止でお願いします」

 

コメント「ヒントだけ言う」

 

コメント「急げ」

 

コメント「人を見捨てるな」

 

コメント「警察署前までノーダメ頑張れ」

 

---

 

「えっ、そんな条件厳しいの?」

 

「じゃあ慎重に行く!」

 

配信者は警察署へ向かう途中、襲われている市民を助け、ゾンビを倒しながら進む。

 

「これ関係あるのかな?」

 

コメント「そのまま」

 

コメント「あと少し」

 

コメント「失敗すると通常ルート」

 

---

 

警察署前へ到着。

 

画面が暗転。

 

通常では入らない専用イベントが始まる。

 

レオンの危機に黒いスーツ姿の青年が現れ、リボルバーでゾンビを撃ち抜く。

 

「えっ!?」

 

「イベント変わった!」

 

「これが隠しルート!?」

 

「てか、本当にいるじゃん!」

 

コメント「成功」

 

コメント「世界線分岐」

 

コメント「ここからASSISTED限定ルート」

 

コメント「ようこそ」

 

---

 

「リロード速っ!」

 

「モーション細か!」

 

「このNPC作り込みおかしくない?」

 

---

 

マービンとのイベント。

 

「え?」

 

「噛まれてない」

 

「なんで?」

 

コメント「そこ重要」

 

コメント「最後まで覚えとけ」 

 

コメント「まだ何も言うな」

 

コメント「普通と違う世界線なんだ」

 

---

 

物語を進める。

 

有栖次郎はレオンと協力しながら数々の戦闘を切り抜ける。

 

「完全にバディじゃん」

 

「この二人好き」

 

---

 

終盤。

 

スーパータイラント戦。

 

「うわっ!」

 

「自然に連携してる!」

 

レオンと有栖次郎が連携して攻撃を重ねる。

 

---

 

しばらく戦闘が続き──

 

リボルバーのシリンダーを開く有栖次郎。

 

しかし予備弾も尽きている。

 

「……あっ!」

 

「弾切れ!?」

 

「まずいよ!」

 

---

 

次の瞬間。

 

有栖次郎がスーパータイラント目掛けて飛び出す。

 

「ちょっと待って!」

 

「危ない危ない危ない!!」

 

ナイフ一本でスーパータイラントの猛攻を止める。

 

コメント「ここ神」

 

コメント「まだ終わらない」

 

コメント「泣く準備」

 

---

 

壁へ叩き付けられる。

 

「え……」

 

「嘘でしょ」

 

配信が静まり返る。

 

---

 

ゆっくり立ち上がる有栖次郎。

 

「うわああああ!!」

 

「生きてた!!」

 

コメント「覚醒」

 

コメント「ここ最高」

 

コメント「鳥肌」

 

---

 

覚醒後。

 

スーパータイラントを単身で追い詰めるアリス。

 

「映画一本見てるみたい!」

 

---

 

最後。

 

「チェックメイトだ。散れ!」

 

スーパータイラント撃破。

 

「うおおおおお!!」

 

---

 

エピローグ。

 

鏡を見つめる有栖次郎。

 

「顔変わってる……」

 

続いてエイダが血液データを回収。

 

「なにこれ、めっちゃ恐い!」

 

---

 

さらに場面が切り替わる。

 

マービンが家族と再会している。

 

「……え?」

 

「生きてる」

 

「一家全員生きてる!」

 

コメント「ここで泣いた」

 

コメント「だから最初のイベントが重要だった」

 

コメント「ASSISTEDだけのエピローグ」

 

配信者はしばらく言葉を失う。

 

「これ……」

 

「隠しNPC一人追加じゃない」

 

「別ルート一本追加されてるじゃん」

 

スタッフロールが流れ始める。

 

コメント「次STANDARD」

 

コメント「喪失感を味わえ」

 

コメント「アリスロスへようこそ」

 

配信者は苦笑する。

 

「嫌な予感しかしない……」

 

「次回はSTANDARDで遊びます」

 

「……アリスさん、多分いないんだよね」

 

 

 

【STANDARD初見。アリスさんは……】

 

配信開始

 

「こんばんは!」

 

「今日の2本目の動画、STANDARDです」

 

「本当にアリスさんが出ないのか確認していきます」

 

コメント「ここからが本番」

 

コメント「覚悟しろ」

 

コメント「アリスロスへようこそ」

 

---

 

ゲーム開始。

 

街を進む。

 

「ここまでは一緒だね」

 

警察署が見えてくる。

 

「……」

 

「この先」

 

「前回はここでイベント始まったよね」

 

コメント「来ないぞ」

 

コメント「待つな」

 

---

 

警察署前へ到着。

 

配信者は立ち止まる。

 

「……」

 

数秒待つ。

 

「来ない」

 

さらに待つ。

 

「……」

 

「え、本当に来ない」

 

コメント「STANDARDです」

 

コメント「世界線が違う」

 

コメント「ここが一番きつい」

 

---

 

「なんかさ」

 

「イベント飛ばしたのかと思って周り探しちゃう」

 

警察署前を一周する。

 

「いない」

 

「どこにもいない」

 

---

 

コメント「わかる。初心者のわいも初見でやった」

 

コメント「探すよな」

 

コメント「隠れてないぞw」

 

---

 

配信者は苦笑する。

 

「いや、隠しNPCなんだからさ」

 

「もしかしたら条件満たしてないだけかなって思うじゃん」

 

「助けた市民が足りなかったとか」

 

「ノーダメじゃなかったかなとか」

 

---

 

コメント「違います」

 

コメント「STANDARDは何しても出ません」

 

コメント「ASSISTED限定です」

 

---

 

「そうなんだ……」

 

少し沈黙する。

 

「じゃあ、本当に」

 

「この世界にはアリスさんが存在しないんだ」

 

---

 

そのまま警察署へ入る。

 

「寂しいな」

 

「前回はここまで一緒に来てくれたのに」

 

コメント「ここからアリスロス開始」

 

コメント「レオンの孤独を体験するモード」

 

コメント「ようこそ、本当のラクーンシティへ」

 

 

---

 

別日の配信

 

【HARDCORE挑戦。アリスさん……助けて。】

 

配信開始

 

「こんばんは」

 

「今日は……HARDCOREです」

 

「STANDARDでも泣きそうだったのに」

 

「やるしかない!」

 

コメント「無謀です」

 

コメント「アリスさんはいませんよ」

 

コメント「頑張れ新人レオン」

 

---

 

ゲーム開始。

 

警察署前。

 

配信者は足を止める。

 

「……」

 

「分かってる」

 

「分かってるけど」

 

少し笑ってから、小さく呟く。

 

「アリスさん」

 

「お願いします」

 

「来てください」

 

もちろん何も起きない。

 

コメント「いません」

 

コメント「毎回呼ぶなw」

 

コメント「完全にアリスロス」

 

---

 

警察署へ入る。

 

ゾンビの群れに囲まれる。

 

「アリスさん!」

 

思わず叫ぶ。

 

直後に噛まれる。

 

「ぎゃあああ!」

 

コメント「だからいないってw」

 

コメント「条件反射で呼ぶな」

 

---

 

リッカー遭遇。

 

「ここなら!」

 

周囲を見る。

 

「……来ない」

 

コメント「待ってて草」

 

コメント「脳がASSISTED」

 

---

 

地下。

 

「アリスさん!」

 

ケルベロスから逃げ回る。

 

「助けて!」

 

ゲームオーバー。

 

コメント「呼んでも来ません」

 

コメント「HARDCOREです」

 

---

 

警察署。

 

タイラント出現。

 

「これ無理!」

 

「アリスさん!」

 

必死に走る。

 

「お願い!」

 

当然、誰も現れない。

 

コメント「その叫び好きw」

 

コメント「毎回言ってる」

 

コメント「アリスさん召喚失敗」

 

---

 

終盤。

 

スーパータイラント。

 

開始早々吹き飛ばされる。

 

「いやいやいや!」

 

「アリスさん!!」

 

「助けてぇぇぇ!!」

 

コメント欄は笑いで埋まる。

 

コメント「wwwww」

 

コメント「また呼んでるw」

 

コメント「だから、いるのはASSISTEDだけだって」

 

---

 

何度も挑戦。

 

何度も倒される。

 

そのたびに。

 

「アリスさん!」

 

「お願い!」

 

「一発だけでいいから!」

 

「援護射撃して!」

 

コメント「心の中にはいるだろ」

 

コメント「幻覚見えてる」

 

コメント「完全に依存してて草」

 

---

 

数十回目の挑戦。

 

スーパータイラントをあと一歩まで追い詰める。

 

「ここ!」

 

少し笑う。

 

「ASSISTEDだったら……」

 

「ここでアリスさんが前に出てくれたんだよね」

 

戦闘音だけが響く。

 

「……よし」

 

「もう少し、一人で頑張る」

 

激戦の末、スーパータイラント撃破。

 

「勝ったぁぁぁ!」

 

大きく息を吐く。

 

「でも」

 

「クリアした達成感より」

 

「最後までアリスさんを探してる自分がいた」

 

コメント「それがアリスロス」

 

コメント「ASSISTEDの罪は重い」

 

コメント「また会いたくなったらASSISTEDへ」

 

配信者は笑いながら締めくくる。

 

「結論」

 

「HARDCOREで一番欲しいアイテムは」

 

「ロケットランチャーじゃありません」

 

「アリスさんです」

 

 

 




第二章はもうしばらくお待ちください。
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