後半はバイオ世界の日本の掲示板です。
レイジウイルス事件発生から、数か月が過ぎた英国。
ウイルスによって崩壊した国内では、未だに多くの地域が封鎖されていた。
だが、感染者の数は発生当初と比較すれば明らかに減少している。
理由は単純だった。
感染者が生きるための食料と水を確保できなくなったからだ。
レイジウイルスに感染した人間は、凶暴化し、常人を遥かに上回る身体能力を発揮する。
しかし、それでも生物であることに変わりはない。
食料を摂取できなければ、やがて身体は限界を迎える。
感染者同士で争い、食料を奪い合い、さらに人間を襲う。
それでも食料そのものがなくなれば、生き続けることはできない。
そして英国各地では、感染者が餓死することで自然と数を減らしていた。
それは軍も把握していた。
だが――。
英国軍上層部は、その事実を積極的に公表しようとはしなかった。
英国軍臨時司令部。
会議室には英国軍の幹部と政府関係者、そして米国から派遣された研究者たちが集まっている。
大型モニターには、英国全土の感染状況が映し出されていた。
赤く表示された区域は、数か月前と比較すれば大幅に減少している。
軍幹部が口を開く。
「感染者の数は?」
「推定で、発生当初の一割以下です」
「自然減少か?」
「はい」
研究者が資料をめくる。
「食料と水の不足による死亡が大半です」
「感染者同士の争いによる死亡も確認されています」
「つまり、我々が何もしなくても時間が経てば――」
「はい」
研究者は淡々と答えた。
「最終的には感染者そのものが維持できなくなります」
会議室に沈黙が落ちる。
英国軍幹部は、モニターへ視線を向けた。
「……それでは困る」
研究者が顔を上げる。
「困る?」
「英国軍が何もしていないように見える」
その言葉に、別の軍人が頷いた。
「国民に対して、政府は何をしているのか」
「軍は感染者を放置しているのではないか」
「そんな印象を持たれるわけにはいかない」
幹部は地図を指差した。
「感染者が自然に死ぬのを待った」
「そんな記録を残すつもりはない」
そして、はっきりと言った。
「英国軍の掃討作戦によって感染者を駆逐したことにする」
部屋の空気が変わった。
それは単なる軍事作戦ではなかった。
戦後の政治にも関わる問題だった。
英国軍が国民を守った。
英国軍が感染者を排除した。
英国軍が英国を取り戻した。
その実績が必要だった。
だからこそ――。
米国から届いた知らせは、英国にとって極めて重要だった。
「それでは、こちらの話に移ります」
米国側の研究者が資料を表示する。
画面に一本の文字が表示された。
RAGE VIRUS VACCINE
会議室にざわめきが起きる。
「完成したのか?」
「はい」
研究者は頷いた。
「レイジウイルスに対するワクチンです」
続いて別の資料が表示される。
RAGE VIRUS ANTIVIRAL
「こちらは抗ウイルス剤」
「感染後の早期投与を前提としています」
英国側の医療担当者が資料を確認する。
「安全性は?」
「現在までの試験では問題ありません」
「ただし――」
研究者は一度言葉を切った。
「実戦環境での大規模なデータは不足しています」
英国軍幹部が顔を上げる。
その意味を理解した。
米国は英国をタダで救おうとしているわけではない。
英国は、レイジウイルスワクチンを実際の戦場として使用できる唯一の場所なのだ。
英国側の軍人が尋ねる。
「つまり、我々に接種して作戦を行えば――」
「ワクチンの実戦データが得られます」
米国側は否定しなかった。
「英国が安全を取り戻せば、米国にとっても大きな意味があります」
英国軍幹部はしばらく黙っていた。
そして立ち上がる。
「ならば、使わせてもらおう」
机の上に置かれた資料を閉じる。
「英国軍全体への接種を開始する」
「そして――」
壁に掲げられた英国全土の地図を見る。
「感染者掃討作戦を開始する」
数日後。
英国軍の臨時接種施設。
長い列を作った兵士たちが、一人ずつワクチンを接種していく。
注射を終えた兵士は立ち上がり、次の兵士と交代する。
軍医が淡々と告げる。
「接種完了」
兵士は腕を押さえながら尋ねた。
「本当にこれで感染しないんですか?」
「感染を完全に防げるかは分かりません」
「ですが、感染予防に非常に高い効果があります」
「万が一の為に抗ウイルス剤も用意されています」
兵士は頷いた。
「すみません。嫌な質問をしました」
彼の視線の先には、武装した仲間たちがいた。
誰も笑っていない。
しかし、以前とは違う。
今度は感染を恐れて逃げるだけではない。
感染者を倒すために戦える。
数日後、英国軍による大規模掃討作戦が開始された。
装甲車が封鎖区域へ進入する。
兵士たちは建物を一軒ずつ確認する。
一軒家やアパート。
マンション。
倉庫。
廃屋。
ショッピングモール。
地下鉄。
感染者が潜んでいる可能性のある場所を、徹底的に調べていく。
「二階、クリア!」
「地下室もクリア!」
「感染者一体!」
銃声が響く。
感染者が倒れる。
兵士たちはその死体を確認する。
そして次の建物へ進む。
戦闘は激しい。
それでも、以前のように感染が原因で部隊そのものが崩壊することはない。
ワクチン。
抗ウイルス剤。
そして、感染者がすでに大幅に減少しているという事実。
それらが重なったことで、作戦は着実に進んでいった。
数週間。
さらに数週間。
感染区域は一つずつ消えていった。
だが、その実態を知る軍人たちは理解していた。
感染者の多くは、すでに戦える状態ではなかった。
餓死している者。
衰弱している者。
あるいは感染者同士の争いで死んでいる者。
それらを軍は、一体ずつ確認し、残っている感染者を排除していく。
そして政府は発表する。
「英国軍による掃討作戦によって、国内の感染者を大幅に減少させた」
やがて、事件発生から28週後。
最後の感染区域が封鎖解除された。
英国軍司令部にて報告を受けた将軍は、地図を見つめる。
赤い印は、ほとんど消えていた。
「……これでようやく終わりか」
部下が答える。
「現時点で活動中の感染者は確認されていません」
将軍は頷く。
「そうか」
そして、窓の外を見る。
英国はまだ傷だらけだった。
都市機能も完全には戻っていない。
だが少なくとも――。
レイジウイルス感染者の脅威は、英国からほぼ消えた。
その功績は政府によって大々的に宣伝された。
英国軍が国を救った。
英国軍が感染者を駆逐した。
英国軍が英国を取り戻した。
そして、その裏側では。
米国が英国を実験場として得た、膨大なレイジウイルスワクチンの実戦データが蓄積されていた。
だが――。
これで英国の混乱が終わったわけではない。
むしろ。
感染者が消えたことで、英国政府は次の問題へ向き合うことになる。
ワクチンを誰に接種するのか。
その費用を誰が負担するのか。
そして、感染によって失われた社会をどう再建するのか。
その政策が、やがて英国国内に新たな火種を生み出していく。
レイジウイルスとの戦争は終わった。
しかし――。
英国の混乱は、まだ終わっていなかった。
◇
【映画】『28日後…』を見た日本のネット民、英国の実話だったと知って震えるスレ
1:名無しの映画好き
『28日後…』見終わった。
これ、実際に起きた事件を元にしてるってマジなん?
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2:名無し
マジ。
映画だから多少の脚色はあるけど、レイジウイルス事件そのものは実際に起きた。
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3:名無し
いや待て。
じゃあ冒頭の研究施設も実在したってこと?
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4:名無し
そこは詳細非公開。
映画では「動物実験施設から感染が広がった」って描写だけど、政府が公開してる資料ではかなり伏せられてる。
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5:名無し
そもそも、
「感染すると数十秒で人間が殺人鬼になる」
っていう時点で映画的な誇張だと思ってた。
実際の事件だったのかよ……。
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6:名無し
しかもヤバいのはゾンビじゃないところ。
あいつら生きてるんだよな。
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7:名無し
そう。
死体が蘇るんじゃない。
感染した人間が、そのまま理性を失って襲ってくる。
だから映画でもゾンビじゃなくて「感染者」って呼んでる。
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8:名無し
教会のシーン怖すぎた。
あれ実際の事件でもあったの?
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9:名無し
あの教会が実在したのかは知らん。
でも「教会に避難していた人間が感染者だった」という部分は事件記録を元にしてるらしい。
映画用に場所や人物は変更されてる。
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10:名無し
一番怖いの、
感染速度。
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11:名無し
分かるわ。
噛まれたらゾンビになる映画はいっぱいあるけど、
血液や体液が入った瞬間に感染して、ほぼ即座に襲ってくるって怖すぎる。
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12:名無し
しかも感染者が普通に走る。
ゾンビ映画に慣れてると、
「走るゾンビとか反則だろ」
って思うけど、史実なら反則も何もない。
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13:名無し
これ映画を娯楽として見るのと、
「実際にこれが起きました」
って知った上で見るのでは恐怖が全然違う。
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14:名無し
主人公が28日間寝てたっていうのも、
「なんでそんな都合よく生き残ってんだよ」
って最初は思った。
でも事件当時の病院記録を見ると、昏睡状態で発見された人間が複数いたらしい。
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15:名無し
つまり主人公は、
たまたま感染者がほぼ消えた頃に目覚めた一般人
ってこと?
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16:名無し
そういうこと。
なお、映画で描かれた主人公本人が実在したかは不明。
モデルになった人物がいる可能性はあるけど、政府は認めてない。
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17:名無し
それでもロンドンの無人街は実際の事件映像を参考にしてるらしいな。
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18:名無し
当時のニュース映像見るとめちゃくちゃ怖いぞ。
封鎖された地域とか、本当にゴーストタウンみたいになってる。
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19:名無し
あと映画で軍が出てきたところ。
あれも実際に英国軍が動いたの?
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20:名無し
当然。
というか軍が動かなかったら英国終わってる。
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21:名無し
ただし映画みたいな「軍が最後の希望」って単純な話ではなかったらしい。
各地で部隊が孤立してる。
補給も途絶える。
命令系統も混乱。
感染者は銃で撃たれても、痛覚が麻痺してて普通に走ってくる。
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22:名無し
それもう地獄じゃん。
---
23:名無し
ただし、感染者は餓死する。
ここ重要。
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24:名無し
え?
感染者って最終的に死ぬの?
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25:名無し
レイジウイルスは宿主を不死身にするウイルスじゃないからな。
感染者も普通の人間。
食料も水も必要。
ただ、理性がなくなって延々と襲い続ける。
だから時間が経つと体力を失っていく。
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26:名無し
つまり、
感染者が自滅するまで耐えればいい。
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27:名無し
理論上はな。
その「耐える」が死ぬほど難しい。
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28:名無し
映画見てると、
「英国軍、感染者を殲滅!」
みたいな展開になると思ってた。
実際はもっと地味だったのか。
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29:名無し
むしろ、
「感染者が餓死して減っていった」
というのが大きい。
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30:名無し
じゃあ映画のラストで、
「英国は救われた!」
みたいになってるけど……
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31:名無し
映画だからな。
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32:名無し
史実を二時間にまとめるなら、あれくらい希望を持たせないと終われん。
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33:名無し
でもよく考えたら、
28日で国がほぼ崩壊して、その後は感染者が自然に減るまで待った
って話なんだよな。
怖すぎる。
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34:名無し
あと気になった。
映画の最後に「世界中に感染が広がった可能性」みたいなこと言ってたけど、実際どうだったの?
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35:名無し
英国政府発表では国外への大規模感染は確認されてない。
島国だったことが最大の救い。
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36:名無し
逆に言えば、
飛行機とか船で感染者が国外に出てたら終わってた。
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37:名無し
だから空港とか港が厳重封鎖されたんだろうな。
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38:名無し
そう考えると映画に出てくる「英国から脱出しようとする人々」の描写が怖くなる。
逃げること自体が感染拡大になるから。
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39:名無し
映画の主人公、
「英国から脱出すれば助かる」
みたいな雰囲気だったけど、
当時の政府からしたら
「お前ら絶対に国外へ出るな」
だったんだろうな。
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40:名無し
これを実話として映画化した監督、相当攻めてる。
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41:名無し
個人的には感染者を敢えて「ゾンビ」にしなかったのが良かったと思ってる。
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42:名無し
分かる。
ゾンビなら、
「死体だから怖い」
だけど、レイジ感染者は違う。
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43:名無し
昨日まで普通に暮らしてた人が、
血を吐きながら、
家族も友達も関係なく、
ただ目の前の人間を殺そうとして走ってくる。
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44:名無し
しかも本人は死んでない。
そこが一番嫌だ。
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45:名無し
映画見終わってからWikipedia読んだら眠れなくなった。
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46:名無し
俺なんか英国のニュース映像まで見始めて後悔した。
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47:名無し
「映画の方がまだマイルドだった」
ってなるやつ。
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48:名無し
でも、こういう史実映画があるから事件を風化させない意味では価値あるんだろうな。
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49:名無し
それはそう。
911とかチェルノブイリとかラクーン事件と同じ。
映画は映画。
実際に亡くなった人たちがいたことは別問題。
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50:名無し
最後に一つだけ。
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51:名無し
何?
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50:名無し
「28日後」ってタイトル、映画タイトルだと思ってた。
事件発生から本当に28日後の英国を描いてるって知って、一気に怖くなった。
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52:名無し
それな。
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53:名無し
そして今、英国は普通に観光地になってる。
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54:名無し
人間ってすげえな。
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55:名無し
いや。
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56:名無し
忘れちゃいけないだけだろ。
---
テレビの中では、映画のエンドロールが流れていた。
しかし視聴者の多くは、その映画を単なるホラー映画として見終えることができなかった。
画面の中で走っていた感染者。
無人になったロンドン。
封鎖された道路。
逃げ惑う人々。
それらが、かつて本当に英国で起きた出来事だと知っているからだ。
そして――。
ネットの片隅では、今夜も誰かが事件記録を読み始めていた。
本日から一日一回投稿となります。
あと二話投稿して休みに入ります。