魁!イェーガーズ高校   作:聖獅

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ぶたれたのはクロメ

 

 

 

 

「あんた達には話しておいた方が良さそうね・・・」

 

二人と一匹は固唾を呑んでスタイリッシュの言葉を待った。

 

「クロメ、お菓子食べるんじゃないわよ」

 

「良いじゃん?盛り上がりそうだし」

 

「あれは・・・昔・・・え~と何年前・・・と、とにかく、あの頃アタシは学会に罠に嵌められて・・・つらかったわ、復讐しようと誓ったのよ・・・」

 

当時を回想するスタイリッシュ

 

『ジョニー!アタシを置いてかないでー!』

 

『モウ君トハヤッテナレナイYO!』

 

「・・・それからアタシは自棄になって必死に研究に打ち込みあの子を完成させたのよ」

 

 

「なるほど・・・先生もそんな事が・・・ってぇえ?学会は?ジョニーって誰ですか?」

 

「ほぐほぐ、あのエスデスが生まれるのにそんな壮絶な、もぐもぐ・・・」

 

セリューは真顔でクロメの顔を覗き込むが・・・。

 

「とにかく、そういう訳だからこの子と仲良くしてよね?」

 

「よ、・・・良く判りませんが判りました・・・」

 

「あ、一つ言い忘れてたわ?この子の馬力129.3あるから下手に喧嘩すると大変だから気をつけなさいね?」

 

「は!?」

 

「それと小型原子炉内蔵してるから、壊しちゃ駄目よ・・・場合によりけりだけんど~壊したらこの辺一帯・・・・ドカーンっで、皆死んじゃうわよ?」

 

「は・・・・はぁあああああ???なんてもの作るんですか!?」

 

「もぐもぐ・・・やっぱりウェイブの手作りは磯臭くて美味しい・・・」

 

「先生・・・ええ?だ、だいじょうぶなんですか?色々と?」

 

「大丈夫よ、廃棄物のプルトニウムは海に・・・じゃなくて、体内でぜ~んぶ浄化されているから」

 

「・・・ロストテクノロジー・・・」

 

「ろすとてくのろじー?へぇ~・・・って、え?今喋ったのコロ??」

 

「・・・・・・きゅい?」

 

「・・・まぁ良いや、でもそれ学会に発表すれば凄いんじゃ?」

 

「そうそう、あとメンタルが傷付いても駄目よ?過度なストレスが掛かった場合、自己同一回路安定の為、自爆するから・・・そうね、例えば失恋とか」

 

 

「え?は?自分を守る為に、自爆って全然意味判りませんよ!!」

 

「リアルな乙女を作ろうしたらこうなったのよ?仕方ないでしょ!」

 

「いやいやいや?全国の乙女に謝って下さい!そんな破壊兵器造らないで下さいよ!」

 

「セリュー、それはちょっと失礼よ!」

 

「お菓子食べてただけの人には言われたくないよ!ああ・・・もうどうしよう・・・」

 

「青春は悩む為にあるのよ?じゃあ、後はこの子の事宜しくね♪」

 

「え?投げっぱなしですか!?」

 

 

そこでエスデスが目を覚まし起き上がる。スタイリッシュとセリュー、クロメ、コロを確認し、

 

「む・・・ここは?マザー・・・そうか、お前達、私をここに・・・」

 

「あら、あんたやっと気が付いたのね。もう大丈夫?」

 

「う・・・ああ・・・まぁ大事無い・・・」

 

 

「マザー・・・?ファザーじゃないんだ?」

 

「む!?今何か言った?」

 

「いいえ、何も!」

 

セリュー達のやり取りを尻目にクロメはエスデスをフォローする。

 

「ま、大丈夫よね?失恋何て明日になれば忘れれるよ?ま、あたしだったら彼が浮気したら、彼殺してあたしも死ぬけどね?」

 

「クゥ―――ロォオオメェ???あんたは励ましたいの、焚きつけたいの?どっちぃいいい!!!」

 

「フッ・・・私とした事が、見苦しい所を見せてしまったな。なに、もう問題無い。いつまでもこのような事で気落ちするような女々しい女ではないぞ、私は」

 

 

エスデスが、おもむろに背中の何処からか取りだした物にクロメは注視する。

 

「・・・包丁研ぎだしたけど、どうするのそれ?」

 

「む?か、体が勝手に。これは夕飯の食事の為にだな」

 

「あんた基本、水しか飲まないでしょ?」

 

「さ、あんた達用が済んだらさっさと帰るのよ?アタシは彼への手編みのマフラー作るので忙しいんだから、ね!」

 

セリューは有り得ない光景を見る目で、

 

「・・・え?ええええええええ???居るんですか?か、彼氏さん?」

 

「何よ、いちゃ悪い?まぁ~あ、まだアタシの片思いだけど~必ずうふふふふ」

 

エスデスは色々おかしな駆動音を鳴らし始め、

 

「く・・・片思い・・・報われぬ思い・・・ふふふ・・・」

 

「あ~あああ、とにかく、今日は家に帰ってゆっくり休もう、ね?」

 

 

ギシギシ音を鳴らすエスデスを家まで無事送り届けたセリュー達、

 

「あぁ~もうJKには重すぎる悩みだよ・・・こういう時って何処に相談すれば良いんだろ?警察、人生相談室?うちのお父さん、いっつも仕事で疲れてるからなぁ・・・難しい事なんか言わずにゆっくりしてほしいし・・・」

 

「もう~しょうが無いな~セリューは、あたしがお姉ちゃんやお父さんに相談して上手い事どうにかしてあげるから、任せなさい!」

 

「え?本当?クロメが頼りになるなんて初めてじゃ無い?」

 

 

クロメの家、夕飯時。父・ブドーが食事の用意をし一家三人で食卓を囲んでいる。

 

「クロメ・・・年上は敬うものだぞ?私は姉だぞ!」

 

「お姉ちゃんこそ、後輩に譲るっていう、年上の貫録見せてよ?それあたしが取ろうと思ってたソーセージ!」

 

箸でチャカチャカやり始め、次第にチャンバラへとエスカレートしたその時!

 

「ぐ・・・!!」

 

「ふにゃん!!」

 

父の鉄拳が頭上に彗星の如く振りそそいだ。

 

「お前ら歯ぁ食いしばれ!」

 

「いやいや、お父さん、もう殴ってるから!!」

 

「屁理屈抜かすな!!」

 

「そうだぞ、クロメ!!」

 

「お姉ちゃんのファザコン!!!」

 

 

 

翌日、学校の教室で

 

「・・・って事が有ってね?姉貴は外面だけ良いんだよ、別に肉の一つや二つねぇ?父さんだって父さんだよ?普通男親は娘に甘いのに、なんで容赦なくゲンコツふるうんだろうね・・・は!?きっとあたし本当はあそこの家の子供じゃないんだ・・・ね、どうしようセリュー!?」

 

「・・・で、クロメ・・・さん?昨日の話は?」

 

「え?どうしたらお姉ちゃんを更生出来るかだっけ?」

 

セリューはコロを使ってクロメの横っ面をビンタした。

 

「ぐふ!?・・・ぶ、ぶったね?お父さんにだってぶたれた事ないのにぃ~~~~~~」

 

教室内にクロメの悲痛の叫びが木霊した。

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