戦火のカイゼル   作:多御中劍二

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きちぃ


第六話

 俺はいじめられていた彼を連れて教官室に戻った。そして扉を閉め、口を開く。

 

 「君」

 

 「…なんですか」

 

 どうやらご立腹のようだ。まぁそうよな。そうなるよな。

 

 「紅茶とコーヒ、どちらが好きかね?」

 

 「…はい?」

 

 こんどははてなマークを浮かべた顔になっている。

 

 「紅茶とコーヒ、どちらを飲みたいか聞いている」

 

 「えっ、あの、あっ、じゃあ紅茶で…お願い、します…?」

 

 面白い反応するねぇ、彼。

 

 「では、紅茶が入るまでそこに座りたまえ」

 

 そう言って、俺は給湯室の中で準備をする。丁度茶菓子もいいやつ持ってきたしな、今朝。

 我ながらいいお茶が入った、と思うくらいに上的な紅茶を淹れる。それを茶菓子と共に彼に出す。彼は今尚訳がわからないっていう顔をしている。

 

 「飲まないのかね?」

 

 俺が先にお茶を啜りながらそう聞いた。あ、うっめぇわこれ。

 すると彼はゆっくり一口啜った。「あっ美味しい」ってちょこっとつぶやくのも逃さない。やったぜ。

 よし、じゃあ始めるか。

 

 「では、本題に入ろうか」

 

 そういうと、またまた敵意のある目つきで俺を睨む。よせよ、そんな情熱的な眼差しで見ても恋に落ちないぜ坊や。

 

 「さて、君と戯れ合っていた(・・・・・・・)生徒の名前と所属は?」

 

 今度は予期せぬ質問だと言わんばかり顔だが、緊張は解かない。

 

 「…ヨハネス・フォン・ヴィルヘルム、第一中隊第一小隊所属です。他は知りません」

 

 なるほど、ヨハネス君と愉快な仲間たちね。そういや主人公の入校式イベントでも顔を出していたな、ヨハネス君達。飽きないのっかね、こんなこと。

 そして彼はものすごく悔しそうな顔をしている。

 これ、絶対勘違いされているよな。最初から気づいてるわ。そりゃあ説明なしだからな。うん。まぁいいっか。サプライズということで。そういえば彼の名前も聞かないと。色々見覚え聞き覚えあるから、絶対知っているはずなんだあよあなぁ。

 

 「君、名前と所属は?」

 

 「…第一中隊第一小隊所属、バルトルト・ベルガーです」

 

 …おっとう?

 

 「…バルトルト・ベルガー、で間違いないか?」

 

 「?はい」

 

 (うーん、わお)

 

 おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい、聞いてないよぉ。あれバリバリのイベントかよぉ。ていうかお前主人公かよぉ。再び彼の容貌を見る。

 マジだよぉ、これ主人公だわ。マジかよぉ。うわぁ、主人公と絡んじゃったよぉ。

 …でも、別に絡んじゃダメな理由あったっけ?

 …ないわ。うん、おっけ。大丈夫。のーぷろぶれむ。ね。

 

 「…ベルガー君。茶と菓子を食べ終わったらここから出るように」

 

 そういって俺は教官室を出る。あれが主人公なのは驚いたが、それとこれとは話が別だ。取り敢えず顧問(多分グスタフさん)に教育するよう一言言わんとな。仮にも本校は平等謳っているんだから。

 




あちぃ
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