俺はいじめられていた彼を連れて教官室に戻った。そして扉を閉め、口を開く。
「君」
「…なんですか」
どうやらご立腹のようだ。まぁそうよな。そうなるよな。
「紅茶とコーヒ、どちらが好きかね?」
「…はい?」
こんどははてなマークを浮かべた顔になっている。
「紅茶とコーヒ、どちらを飲みたいか聞いている」
「えっ、あの、あっ、じゃあ紅茶で…お願い、します…?」
面白い反応するねぇ、彼。
「では、紅茶が入るまでそこに座りたまえ」
そう言って、俺は給湯室の中で準備をする。丁度茶菓子もいいやつ持ってきたしな、今朝。
我ながらいいお茶が入った、と思うくらいに上的な紅茶を淹れる。それを茶菓子と共に彼に出す。彼は今尚訳がわからないっていう顔をしている。
「飲まないのかね?」
俺が先にお茶を啜りながらそう聞いた。あ、うっめぇわこれ。
すると彼はゆっくり一口啜った。「あっ美味しい」ってちょこっとつぶやくのも逃さない。やったぜ。
よし、じゃあ始めるか。
「では、本題に入ろうか」
そういうと、またまた敵意のある目つきで俺を睨む。よせよ、そんな情熱的な眼差しで見ても恋に落ちないぜ坊や。
「さて、君と戯れ合っていた(・・・・・・・)生徒の名前と所属は?」
今度は予期せぬ質問だと言わんばかり顔だが、緊張は解かない。
「…ヨハネス・フォン・ヴィルヘルム、第一中隊第一小隊所属です。他は知りません」
なるほど、ヨハネス君と愉快な仲間たちね。そういや主人公の入校式イベントでも顔を出していたな、ヨハネス君達。飽きないのっかね、こんなこと。
そして彼はものすごく悔しそうな顔をしている。
これ、絶対勘違いされているよな。最初から気づいてるわ。そりゃあ説明なしだからな。うん。まぁいいっか。サプライズということで。そういえば彼の名前も聞かないと。色々見覚え聞き覚えあるから、絶対知っているはずなんだあよあなぁ。
「君、名前と所属は?」
「…第一中隊第一小隊所属、バルトルト・ベルガーです」
…おっとう?
「…バルトルト・ベルガー、で間違いないか?」
「?はい」
(うーん、わお)
おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい、聞いてないよぉ。あれバリバリのイベントかよぉ。ていうかお前主人公かよぉ。再び彼の容貌を見る。
マジだよぉ、これ主人公だわ。マジかよぉ。うわぁ、主人公と絡んじゃったよぉ。
…でも、別に絡んじゃダメな理由あったっけ?
…ないわ。うん、おっけ。大丈夫。のーぷろぶれむ。ね。
「…ベルガー君。茶と菓子を食べ終わったらここから出るように」
そういって俺は教官室を出る。あれが主人公なのは驚いたが、それとこれとは話が別だ。取り敢えず顧問(多分グスタフさん)に教育するよう一言言わんとな。仮にも本校は平等謳っているんだから。
あちぃ