天剣へと至る愚者   作:一般通過害悪

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※『天剣』と呼ばれた彼は一度、記憶を失ったらしい。


ボレアス家〜転移事件

甲龍歴414年◯月◯日

俺の役割は使用人兼雇われ兵士とのこと。

 

雇用主であるボレアス家は優秀な若者を育てたかったらしい。

 

俺の雇用がオーケーされたのは、闘気を纏えることを考慮してとのこと。

 

兄は雇い主の娘の家庭教師として。

その娘の名前はエリスで、対面してそうそう狂犬ぶりを目撃した。

 

 

とはいえ、何か策があるらしいので何とかするのだろう。

 

 

 

 

甲龍歴414年◯月◯日

一日で色々と起こり過ぎた。

使用人による兄とエリスの誘拐事件。

初めて見た剣神流の奥義。

 

光の太刀。

 

アレを放てるようになりたい。

 

 

甲龍歴414年◯月◯日

誘拐事件から二日後。

使用人としての仕事が始まった。

くっそメンドクセェ

 

 

甲龍歴414年◯月◯日

暴力お嬢様こと、エリスと模擬戦を行った。

なぜ、そうなったのかと言えば、ギレーヌさんからはエリスと模擬戦をしろと言われたから。

ちなみに、エリスは剣神流の初級を所持しているらしい。

 

まぁ、結果で言えば勝った。

今回得た成果は、実戦と稽古の違いを明確に区別することの大切さだった。

 

 

 

甲龍歴414年◯月◯日

雇用されて一ヶ月が経った。

使用人として先輩方に扱かれながら、色々と経験をさせてもらった。

 

基本的な業務として、読み書きと算術が出来ない先輩方に教えたり、逆に掃除や料理の配膳などエトセトラを教えてもらったり。

 

ギレーヌとの稽古は上々と言うよりうまく行き過ぎだ。

 

指導力が高く、親父に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいと思った。

 

闘気の操作も上手くなったとギレーヌから言われた。

自分自身、ぐんぐんと強くなっていくのを感じる。

 

無論、ギレーヌの稽古は俺だけではなく、兄とエリスの三人でしてもらっている。

 

ギレーヌの稽古を先について長いだろうエリスであっても余裕も余裕。

 

無駄に落ち込んだりせずにこちらを睨んで突っ込んでくるのはなかなかに心地の良いものである。

 

兄の方はエリスにボコボコに殴られているが、八回に一回は返せているので強くなっていると言える方だ。

 

 

 

ただ、同時に感じてしまう。

 

世界最強を目指すのに剣王程度で苦戦していていいのかと。

 

 

甲龍歴414年◯月◯日

使用人が板に付いてきた今日この頃。

雇用されて半年になった。

上司とメイドさん達、加えて、雇用主であるボレアス家の貴族たちと会話を重ねて媚を売っていたことが幸いして三日だけ完全休暇をもらった。

明日から飲まず食わずで稽古だ。

 

 

 

甲龍歴414年◯月◯日

完全休暇1日目。

空を見れば、ラ◯ュ◯のような空中要塞っぽいものが見えた。調べてみれば、ペルギウスという伝説上の人物がいるとされる空中要塞だとか。

 

斬ってみたいなぁ。

 

今日の成果は、飛ぶ斬撃の精度を高めれたこと。

動く的に曲がる斬撃を当てる的な。

 

 

 

甲龍歴414年◯月◯日

完全休暇2日目

今日の成果は、空中を面として捉えた空中での自在な回避や移動の実現だ。

 

普通に考えて、この世界は魔法が存在する。

 

闘気というやつも魔力を意識的に身体強化として応用してるだけと言ってみればシンプルだ。

 

なら、常識を捨ててしまえば、人は何処までも強くなれるだろう。

 

現に、常識を捨てることで走るとは行かないまでも、空中回避ぐらいは出来るようになった。

 

これまでの常識を完全に捨てることにする。

 

イメージ=無限

 

 

甲龍歴414年◯月◯日

完全休暇三日目。

明日から使用人生活が再開だ。

今日の成果。

光の太刀はただ単にすっごい速度で抜刀して斬るべきものを斬るという至ってシンプルな技だと知ったことだ。

シンプルならやることは簡単だ。

 

 

シュッとやってザンッとやってギィーーーンだ。

 

 

甲龍歴415年◯月◯日

雇用されて一年が経った。

 

先輩方から使用人としては一人前には届かないが中級者というお墨付きを頂いた。

 

一年の成果。

光の太刀の習得。

剣神流の動きや精度も格段に向上させることに成功した。殺気のコントロールも上手くなった。

 

あと、ギレーヌから剣聖の階級を頂いた。

暴力お嬢様ことエリスは初級から中級に。

何とも言えない顔で殴られた。回避は出来たが甘んじて受け入れた。

とっても痛かった。

 

最近の兄も家庭教師という仕事に慣れてきた様子で頑張っている。

 

明日は忙しくなるのでもう寝るとする。

何があるのか。

 

それはエリスお嬢様のお誕生日祝い兼ダンスパーティーである。

 

 

甲龍歴415年◯月◯日

当日はダンスパーティー内部で使用人として働きながら怪しい人物がいれば対処する感じに仕事をした。

 

隠密としてのスキルと人間を見分ける特訓になったので良かったと言える。

 

他で気になったのは、兄が結構な数の女性に言い寄られて、ダンスを踊っていたところだろうか。

 

伊達に親父の引いてるイケメンフェイスだから仕方ないと言えばそうだ。

 

最後に、兄とエリスが踊ったのは、何処かの物語を観ているようなそんな気分がした。

 

 

甲龍歴415年◯月◯日

兄に誘われ、ギレーヌに獣神語を教わることになった。

 

 

甲龍歴416年◯月◯日

あーだこーだ兄と一緒に、ギレーヌから教わりながら獣神語を1年かけて習得した。

 

覚えておいて損はないのだろうが、くっそメンドクサカッタ。

 

それと、使用人兼雇われ兵士として2年が経った。

 

加えて、魔神語についても一緒にあーだこーだ言いながら学んでいる。

 

兄と学ぶのは結構楽しい。

 

 

 

甲龍歴416年◯月◯日

3ヶ月が経過した。

兄と学ぶ魔神語だが、どうにも理解が出来ない。

 

 

甲龍歴416年◯月◯日

兄の師匠から魔神語の辞典が送られてきたらしいので一緒に学ぶことになった。

どれがどの単語で発音はこうがこうでととても丁寧で詳細に書かれていたので学べていけそう。

兄の為に書いてくれたのに俺もおこぼれもらってすみません。いつか借りを返します。お師匠さん。

 

 

甲龍歴417年◯月◯日

使用人兼雇われ兵士として3年が経って晴れて十歳になった。

獣神語、魔神語の他に闘神語を習得した。

これも全部、兄様々である。

 

誇れる出来の良い兄を持って幸せ者だ。

 

欲望に忠実過ぎる悪癖を除けばだが。

 

うん。

 

それだけはどうにも。

 

まぁ、そこが無ければ兄ではないので目を瞑ろう。

 

ギレーヌとはまともに打ち合える程度には成長出来た。と言っても10回やって3回引き分けに持ち越せるってだけなんだが。

 

ちなみに、わがままお嬢様エリスは中級から上級へ。

兄は初級から中級へとそれぞれ成長を果たした。

 

兄もそこら辺の兵士程度なら軽く捻れるくらい強いはず。

 

使用人としては、軽い指示出しを任せられることが増えてきた。信頼をその身に受けることは良いものである。

 

 

甲龍歴417年◯月◯日

兄と一緒に誕生日を祝われた。

兄は大杖を。

俺は長剣を頂いた。

 

結構な業物であることは見て分かった。

なかなかに良い日だった。

 

 

 

ーー

 

記録ではこの後に、大事件フィットア領転移事件が起こったとされている。

 

加えて、転移時の後遺症により彼は自身の記憶の大部分を損失した。

裏付けとして、兄のルーデウスや友人とされる剣神ジノ・ブリッツを含む剣に携わる多くの人物たちの自伝に記されている。

 

この時の彼の年齢は、まだ、両親に甘えても許される僅か十歳である。




今作の主人公。
ボレアス家:元使用人兼雇われ兵士。
名前:?????
剣術:剣神流・剣聖、水神流・上級、北神流・上級
魔術:使用不可
出来ること。
闘気を纏え十全に扱える。殺気の操作。光の太刀。空中を面として捉えること。斬撃を飛ばす。
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