次回話以降は、毎週更新できるように...(フラグ)
若獅子タッグマッチトーナメントの前日。
九鬼本社では、明日からの準備で従者達が忙しなく稼働していた。
雷も例に漏れず、運営側として参加者と明日の動きを確認している。
参加資格はあるため学園内外問わず誘いの連絡はもらっていたが、従者として当日はサポートに回ると断っていた。
本大会には総勢500組を超える参加者が集まっており、予選の段階から熾烈な争いが発生すると予想される。
(組み合わせ自体は、概ね聞いていた通りか。予選を突破すると断言できるタッグは...片手に収まる)
本大会は若獅子の名の通り25歳以下の男女と限定されており、どちらか片方でも脱落すると敗退となるルールだ。
そのため個々の能力が全てではなく、互いに協力し合うことが重要になってくる。
「雷、予選の段取りについて変更点とジジイ共...上からの指摘事項が出てきたから確認を急ぎたい」
作業を続けていると、同じように忙しなく稼働している様子のあずみから話しかけられる。
「あぁ、了解した」
こちらの作業を中断しあれこれと段取りを詰めていくと、大方の問題点は解消していった。
参加申込み自体は今日の24時まで受付しているため、直前になって参加者が激増していたことが原因であった。
「ったく、相変わらず上の連中共はうるさいぜ。もっと前段階から言っておけってんだ」
「同意だが、ここで言っても仕方がない。...今回の大会には、参加しないんだったな」
あずみの年齢は25歳以上なのだが、川神学園の生徒には参加資格があるため彼女も今大会に参加することはできた。
なお、その事を教室で指摘した井上の末路としては...松葉杖一歩手前の状態まで一閃されていた。
「英雄様が井上と組んだ以上は、別で参加する必要もないだろ。優勝してもらえる商品も別にいらないし」
英雄が別の人と組むとなると、今回あずみにとって参加するメリットはあまり無かった。
優勝の特典が現物支給の商品やスポンサーである九鬼財閥の将来の重役採用を確約する証文等であり、既に序列1位である彼女には必要のない内容だからだ。
そのため、同じような立場である雷にとっても参加する意味はほとんど無い。
「まぁ、アタイはともかく。優勝できそうなお前が出ないのは...勿体ないんじゃないか?」
「それ以上に出場する理由が薄い。そもそも、本大会に従者が出るのは九鬼の意向にも沿っていないだろう...ステイシーと小十郎はタッグを組んだようだが」
「あのバカは当日の裏方が嫌で参加するってよ。丁度小十郎が申込用紙を持って歩いていたから、そのままペア組んだとか...相変わらず短絡的すぎるんだよ」
そのまま雑談も織り交ぜながら作業を進めていき、追加の変更点に関する対応を終える。
少し余裕ができたのか、あずみは伸びをしながらこちらに話を振ってくる。
「そういえば、あの武神こと川神百代と決闘できるって権利。あれは本当に川神院の意向なのか?」
「...アレか、そう自分は聞いている。世の武道家にとっても、名誉なことなのだろう」
どうやら彼女の想定していた反応とは違うようで、こちらにぐいっと顔を近づけてくる。
今の問答で、こちらに向けていた怪訝な気配を隠す気はなくなったようだ。
「白々しい反応じゃねぇか。...あたいでも裏があるんじゃないかと疑ってるんだ、お前が気づかない訳ないだろ。まさか、ジジイ共と何か企んでいるんじゃないだろうな」
こちらが本題のようだ。
今や若手を取り纏める優秀な序列1位である彼女が、このタイミングでわざわざ確認にくる内容でもないと感じ取っていた。
「考えすぎだ、そんな事実はない。仮に何かあったとして、その時に止める事ができれば問題はない...そうだろう?」
毅然として返すが、こちらを突き刺す視線に目を合わせることはしなかった。
何秒か経過すると、ため息をついたあずみが元の位置に戻る。
「あぁそうかよ...終わったら、川神水をしこたま飲ませるからな」
現段階では答えを聞き出すことができないと悟り、そのまま部屋を去っていった。
(あずみの様子を見るに、この大会に何か裏があると勘づいている奴は他にもいそうだな...報告は上げておくか)
各所に報告を上げるべく通信端末でやり取りを進めていると、不意に着信が入ったのでそのまま電話に出る。
「やぁ、悪いね雷。急遽だが、頼みたいことがあって連絡した」
マープルからの電話だ。
本大会について彼女は俯瞰した立場をとっており、今まで特に介入するような素振りを見せてこなかったが、このタイミングで動き出したようだ。
「こちらの作業は区切りがついている、問題ない。...それで、依頼事項は?」
「明日からの大会、お前さんにも参加者として出場してもらいたい。これは例の計画の調整による決定事項だよ」
(!ここで例のプランの話とは。...次のフェーズに切り替えた、という訳か)
「ペアはもちろん
「...御意。では、予定を変更。当日はプレイヤーとしても参加する」
「まぁ、特に心配はしていないさ。詳細の段取りはデータで送っとくよ」
要件を済ますと、そのままピッと電話を切られた。
数秒が経過した後、内密に暗号化されたメールが送られてくる。
内容に目を通し確認を終えてすぐにデータを削除すると、その場で一つため息をつく。
(物事をコントロールしたがるマープルの悪癖には困ったものだ...数年前に桐山が補佐になってから、明らかに助長している)
とはいえ、今考えても仕方がないと頭を振って立ち上がる。
その後、速やかにペアとなる人物へ連絡をとりつつ申込用紙の記入を終わらせると、締切間近なこともあり早足で提出に向かうのであった。
そうして迎えた若獅子タッグマッチトーナメント。
「TVの前の皆こんにちは、エグゾエル寺ちゃんだよ。...さてさて。ここ七浜では、皆が武道家達の熱い闘いを見るために七浜スタジアムに向かっているようだね」
開催される七浜スタジアムの前で、多数のTVが中継しているようだ。
「世界が注目する若獅子タッグマッチトーナメントは、本日が予選。明日に本選が行われます。今頃、スタジアムでは熱い闘いが繰り広げられているでしょう」
そんな七浜スタジアムでは、予選の開始が迫り熱気が高まっていた。
「皆様、こんにちは!本日は私、川神TVアナウンサーの稲田が実況で試合の模様をお送りいたします。解説は武神・川神百代さんです」
「はいよろしくー、差し入れはいつでも受付中だ」
「なお、リングの四方にはマスタークラスの実力者を配置しております。彼等が完璧に守ってくれますので、観客の皆様はご安心して観戦くださいね」
実況の案内に従って、見覚えのある人達が中継の映像に映し出された。
「川神院の名にかけて、安全は保証するぞい」
「はー...金はいいが、炎天下で面倒くせぇバイトだなぁ」
「釈迦堂。真面目に頼むヨ」
(護衛とはいえ、特等席で見られるのは悪くない。後は、西の連中がどこまでやれるか見物だな)
川神院のメンバーに、釈迦堂や鍋島を加えた配置である。
たとえこの場で嵐が吹き荒ぼうと、彼等によって即座に鎮圧される程の戦力が集まっていた。
「いやぁ。頼もしい皆様ですね、川神さん」
「そうですねー、頼もしすぎておっかないですね。参加する皆さんも分かっているとは思いますが、彼等は試合を監視している事にもなります」
「はい、予選では彼等に審判の役割も務めていただきます」
「なので、何か不正すればあの人達が敵になると思って試合した方がいいですね。まぁ、私はその方が嬉しいですが」
百代にとっては、その方がひりついた勝負ができると嬉々として挑みそうだ。
「予選のルールも本選と同じ、どちらかでも戦闘不能になれば負けです!また、場外10カウントでも負けになります」
「熱い勝負を期待しているぞー」
「それでは、予選第1試合からスタートです!」
一方、今大会に参加しない川神学園の生徒達は観客として用意されているスタジアムの応援席に座っていた。
「おっ、予選が始まったねぇ。しかも、いきなり外国人同士の対決だ」
「皆さん、熱中症にはお気をつけくださいね~」
「予選でもスタジアムの席は満員ねぇ、熱気が凄いわ」
「体調が悪くなったら、すぐに言うように」
引率として、梅子先生も2ーFの生徒周りに席を取っていた。
周りにも九鬼の従者達が定期的に徘徊している。
「ヨンパチが選手側にまわっているとは、何を血迷ってるんだ。犯罪行為だけはしてくれるなよ」
スグル達がその事実を知ったのは、つい今朝のことである。
福本は西方十勇士の鉢屋とペアを組んでいた。
...実は、このタッグが前日から暗躍して多数の参加予定者を罠にかけ、出場できないようにしていた。
これは一部の実力者のみ知ることであるが、スポンサーである九鬼は見て見ぬ振りのスタンスを貫いていた。
闇討ちされて出場できないのも、本人達がそれまでの実力だったという評価である。
「どうなることやら。予選でも一波乱ありそうだね」
風間ファミリーはモロ以外の全員が、今大会に出場している。
モロとしては、予選でファミリーのチーム同士がぶつかるのは辞めてほしいと願うばかりだ。
試合自体は拮抗した勝負になる対戦がほとんど無く、どちらかのタッグが相手を圧倒して勝ち進んでいく流れが多い。
そのため、当初のタイムスケジュールよりも早い進行で予選の試合は消化されていった。
「さぁ!本選出場チームを16枠まで絞っていく今日の予選は、5回勝ってようやく通過となります」
「外国人さんの参加が多いのは、嬉しい事だな」
出場する参加者達は、会場に用意された控室で出番まで待機をしていた。
試合の中継映像は備え付けられているモニターに映されており、状況はスタジアムの席に行かなくても確認できる環境が用意されている。
「負けたペアは、早々にお引き取り下さい」
出場者達の案内人として稼働している桐山が、テキパキと敗退した武道家達の誘導を行っていると。
「おいマザコン。お前もトーナメント出るのか?」
「私は裏方に徹します。暴れるのは、
「けっ、ロックじゃねー奴。小十郎行くぞ」
「はい!出陣ですね、ステイシーさん」
唯一、九鬼の従者だけで構成されたタッグの出番である。
先程の試合では、ステイシーの重火器で対戦相手は為すすべも無く沈んでいたが...
「ロックン・ロール!!」
「ぐわあぁぁーー!!」
「おーっと、これは武道会というより戦場なのか!?対戦相手を派手に撃ち抜き、勝利したのはワイルドタイガースです!」
やはり、相手を圧倒するステイシーの火力でそのまま押し切っていた。
「安心しな、実弾じゃない。支給された重火器以外使ったら失格だからな...予選の分は本選で活躍しろよ、小十郎」
「は、はい。それよりも...は、早く、服を着て下さい」
開始早々にメイド服を脱ぎ捨て、重火器を両手にアメリカンな水着姿となったステイシーを直視できず、小十郎は頬を赤らめ俯いていた。
「...うっわー、どこまで純情なんだオマエは。この格好の方が涼しくて良いんだけどな、ハハハ」
「観客から万雷の拍手が鳴り止みません!皆、金髪の水着美女にエキサイトしているようです!」
九鬼従者のペアということもあり、もちろんこの二人もスタジアムから試合内容を確認していた。
「やれやれ。彼女はエレガントさに欠けますね、ヒューム」
「ふん。本選前の余興として見れば、あれぐらい派手でいい。...ところで、お前は何を食べているんだ」
「李がお土産に買ってきた、中華街の甘栗ですよ。どうぞ」
「相変わらずマメな部下だな。1つもらうぞ」
予選開始から続々と試合が消化されていく中、大和と燕のタッグも順調に勝ち進んでいた。
「さぁ、試合開始です!」
「事前の打ち合わせ通り、俺は回避に徹するとしますか」
「いや、もう終わったよん」
「おーっと!?これは相手が勝手に倒れている!?どういう事でしょう!」
「VTRを出してくれ、スロー再生して。...ほら、こことここで手刀を相手に当てているな」
「こ、これだけの早業をあの一瞬で!?」
(!...稽古をしていた時より、明らかに強イ?)
川神院で百代達と稽古していた時よりも、燕は数段階上の強さを見せていた。
「す、すごい強さですね!改めて、頼もしいです」
「まぁ、私はほら...実践向きだからさ。大和クンも、大船に乗ったつもりでいてねん」
(とはいえ、予想外のペアが一組いるんだよねぇ。...彼はどういうつもりなのかな)
(そろそろ、英雄様の試合か。スタジアムで見ないとな)
あずみも裏方として稼働していたが、専属従者として英雄の試合内容は必ず肉眼で見ると決めていた。
見やすい位置まで素早く移動すると、丁度試合が開始したようだ。
「行くぞっ!暗黒旋風脚!」
「フハハ!蹴りは我も得意とする所!」
対戦相手が素早く英雄に近づき蹴り技をお見舞いしようとするが、対する英雄も余裕を持って相手の動きを確認しカウンターの蹴りをぶつける。
こうなると、脚技の威力が強い方に有利となるが...
「ホワッタァ!!!」
「!技のキレが違うっ、ぐぅわあぁー!!」
英雄の蹴りの威力を受け止めきれず、相手はそのまま勢い良く吹き飛ばされた。
「ふむ、護身で中国拳法をかじっている甲斐があるというものよ。準!お前の方は負けておらぬだろうな」
「負けちゃいないけどよ、女相手はやりづらいぜ...まぁこれが、小さい女の子だったら手も足も出ないが」
「ロリコンか...その罪、私の拳で断罪してやる!」
空手の要領で、鋭い正拳突きが準の顔を目掛けて放たれる。
「断罪とは失礼なっ、俺のピュアな心を受け取れ!」
準は紙一重でその突きを躱すと、振りかぶった肩に対して渾身の右ストレートを打ち込んだ。
「あぁっ、私としたことがぁーっ!!」
「これが...ロリの力だ」
「鮮やかなカウンターが決まりましたぁ!!勝利したのは、フラッシュエンペラーズです!」
(ったく。井上のやつ、攻撃をカウンターするタイプだから見ていてヒヤヒヤするぜ)
地元の学生が勝ち上がると、スタジアムは盛り上がっていた。
あずみも当然の結果と思いつつ、万が一英雄に何かあれば井上を即座に断罪するべく構えていた。
「ほう、普通の学生が頑張りますな」
「...音もなく隣に現れるの、やめてもらえません?」
「英雄様の試合が気になるのは分かりますが、気配察知を緩めて良い機会にはなりませんよ」
(うぜぇ...それを言うためにわざわざ来たのかよ)
「小言はこのぐらいにして...もう一人出ている従者の方を確認しましょうか」
「そうだ、あのヤロ...彼が出るとは聞いていませんでしたが。
「ふふふ。残念ながら、
照りつける太陽のピークが過ぎ、予選は順調に進んでいく。
残っている組は32組まで減らされており、次の試合を勝つと16組だけが出られる本選の決勝トーナメントへ進出できる。
「順調に皆、勝ち進んでいるな」
「ふっ、そうでなければ面白くないわ」
「でもまさか、キャップと大友さんがタッグとはね」
「火力が派手で良いと思ってたんだ!ワクワクした勝負ができて満足だぜ」
学園の垣根を超えたタッグがそれ以外にも多数残っており、控室は勝ち残り組同士で話に花が咲いていた。
「いつの間にか、控え室は顔馴染みの生徒だらけだな」
「とはいえ...やっぱり、優勝候補はあのチームだよね」
モニターに目線を向けると、強い光が放たれたと思った次の瞬間には倒れ込むそのチームの対戦相手が映し出されていた。
「強い強いっ!チーム雷公、ここまで対戦相手に何もさせることなく本選へ進出確定だあぁ!」
「雷と清楚ちゃんのペアだな。この面子なら、明日も上位人気は堅いだろう」
「サングラスを付けた清楚ちゃんも、清楚だよぉ~」
「葉桜先輩、いつもと同じ制服姿にサングラスを付けるだけで...どこかミステリアスな雰囲気が出てるね」
ここまでの試合で、葉桜清楚は遮光サングラスをかけた状態でその場に微笑んで立っているだけであり、全ての試合を雷が開始早々に決着を付けていた。
銃から稲妻のエネルギーを放つと、その強い閃光に対峙する相手はもちろん、観客も目を閉じるしかない。
光が弱まり次に目を開けた時には、その場で倒れ伏す対戦相手の光景が5回連続で続いていた。
「分かっちゃいたが...やっぱり強いな、雷は」
「試合を開始した瞬間にあの閃光。途中からサングラスで対策していた人は、動ける状態ではあったみたいだけど」
「開幕の閃光をどうにかしないと、勝負の土俵にも上がれませんね」
控室でも、チーム雷公の対戦を確認してあれこれと話を進めているようであった。
圧倒的な戦力を前に、本来なら敵同士であるにも関わらず協力体制が築かれつつある。
「...閃いたっ!明日の会場前で、観客用に遮光サングラスを売ったら儲かりそうじゃね!?」
「キャップの名案だけど、既に九鬼の従者達が売り出してたよ」
「なにっ!?くぅ~、流石に九鬼は手が早いな」
「サングラスで目を開けられる状態でも、どこから仕掛けてくるか分からないとゲームオーバーだし」
「だぁ~っ、無理ゲーすぎるだろ!気配を読めとでも?」
本選出場を決めた雷と葉桜は、その場で何か言葉を交わした後にそのまま会場から去っていった。
そんな雷達の挙動を、話を続けながらも目線だけはじっと照準を合わせている人物が一人。
(当初の予定では、雷君はこの大会に参加しなかったはず...九鬼から急遽指令された?目的を聞いても答えてくれなかったし...うん、やっぱり一番注意すべきだね。万が一本選で対戦する場合は...おとんに言っておかないと)
皆、あのタッグとは可能な限り当たりたくないと思いながらも対策を考えている。
優勝するには、避けて通れない壁であることは間違いないからだ。
負けん気の強い武士娘達はどこか闘志の漲る感覚が湧きながらも、まずは目の前の勝利と各々が予選最終戦に臨んでいった。
関係者用の通路にて、出口に向かいながら雷は電話をかけていた。
葉桜は明日も早いからと、スイスイ号で一足先に九鬼本社へ帰っている。
「俺だ、本選出場は確定した。この後のシナリオも変更無しか?」
「見ていたよ、まぁ当然の結果だったね...この後の予定も大きな変更はない。が、本選のトーナメントを途中で何も無く棄権するとお前達に対して観客から文句が出るだろう。だから、おあつらえ向きの負けイベントを用意しているよ」
「...まさか、例のタッグか?」
「そのまさかさ。雷には悪いが、公開稽古で退場してもらうよ」
実は、川神学園の特権を利用して九鬼から参戦しているタッグが一組存在する。
出場者リストに記載されていた人物達の名前を見た時、思わず二度見しているので記憶にも新しい。
ーーー雷は、武者震いをしていた。
「...一つ確認だ。最終的に棄権となれば、その過程で俺が
「!?...ふっはっは!あぁ、それでもいいさ。お前さんの若い力には、期待しているからねぇ」
どこか上機嫌な様子のマープルから言質を取ることに成功した。
そのまま電話を切ると、雷は明日の調整を万全に準備するべく九鬼本社へ向かう足が速くなる。
(任務のために出場したが...まさか公式の場でリベンジの機会が来るとはな)
思わぬチャンスに体が高揚しているのを自覚しつつ、明日の本選での策を考え始める。
予選も終盤戦となっている七浜スタジアムではまだ喧騒が続いており、雷の背には確かな熱気を感じていた。
それはスタジアムの熱気によるものか、それとも超えるべき壁を前に闘志が疼いているのか。
ーーー答えは、明日の本選で判明するだろう。
ゲーム内のシナリオにハマるかどうかは、登場する女性キャラも重要ですが...それ以上に男性キャラを誰か一人でも気に入るかどうかだと思いますね。
決して、私がツルツル頭の彼を気に入っているという訳ではございませんよ。