冴えない中年平社員、見た技と異能をコピーして企業代理戦で成り上がる 作:パラレル・ゲーマー
【基本情報】
名前: 神代宗一郎(じんだい・そういちろう)
年齢: 四十八歳
性別: 男性
職業: 古武術道場師範/企業代理人
流派: 《神代一刀流》現宗家
能力分類: 呪物授与型因果律改変者
本人固有の異能: なし
公開戦闘評価: Tier4相当
最大戦闘評価: Tier2相当
企業代理戦績: 五勝一敗
敗北相手: 佐伯直人
地方都市で、先祖代々受け継がれてきた《神代一刀流》の古武術道場を営む剣術家。
生まれつきの異能も、後天的に覚醒した因果律改変能力も持っていない、純粋な無能力者。
ただし、先祖伝来の呪物刀を抜いている間は、刀に宿る異能を授与され、《呪物授与型因果律改変者》として扱われる。
刀を失えば異能も失うが、三十年以上にわたって磨き上げた剣術技能そのものは残るため、呪物だけに依存した使い手ではない。
---
【外見】
身長、体格ともに平均的な中肉中背。
年齢は四十代後半だが、鍛錬を欠かしていないため、無駄な脂肪のない引き締まった身体をしている。
城戸岳人のような露骨な筋肉も、能力者特有の威圧感もなく、刀を抜いていない状態では、穏やかな古武術道場の先生にしか見えない。
黒を基調とした稽古着と袴を好み、企業代理戦でも過剰な防具や装飾品は使用しない。
普段はやや猫背気味で、柔らかい表情をしている。
しかし刀を抜き、《武者身》が発動すると、
背筋が自然に伸びる
重心が深く沈む
肩から余分な力が消える
呼吸音が聞こえなくなる
切っ先が相手の中心線へ固定される
という変化が起きる。
筋肉が膨れたり、光や衝撃波が発生したりすることはない。
それでも、抜刀前とはまったく別の生物に見えるほど、圧力と存在感が増大する。
---
【性格・精神性】
普段は温厚で礼儀正しく、戦闘前後にも必ず相手へ礼をする武道家。
挑発や侮辱を好まず、勝利した相手を嘲笑することもない。
一方で、剣術への探究心は非常に強い。
三十年以上の修練を積み、《神代一刀流》の現宗家となった現在でも、自分を完成した達人とは考えていない。
本人にとっての「未熟者」という言葉は謙遜ではなく、
> 生涯を剣へ費やしても、剣のすべてを理解することはできない。
という本心から出たもの。
未知の技術や、自分の理解を超える戦術を見せる相手に出会うと、敵であっても純粋な喜びを覚える。
佐伯直人との試合では、自分の剣術をコピーされたことには気づかなかったものの、試合中に急速に剣の条理を理解していく佐伯を「映像を見ただけで剣理を習得した天才」と評価した。
---
【神代一刀流】
神代家に代々伝わる古流剣術。
流派の根本思想は、
> 一の太刀で中心線と勝負を制し、残った一念が二の太刀となる。
というもの。
相手より速く刀を振ることだけを目的とせず、
相手の中心線を奪う
切っ先で攻撃の起こりを封じる
攻撃と防御を一つの動作で成立させる
相手が合理的に動こうとする位置へ先に刀を置く
一太刀の後にも、反撃を許さない姿勢と間合いを維持する
ことを重視する。
《残心》が宿る呪物刀が作られる以前から存在していた流派だが、刀の異能と剣術思想の相性が極めてよく、現在では両者が一体化した体系となっている。
---
【侍と修練型因果律改変者】
現在の能力研究における主流の説では、歴史上の侍の多くは、現代でいう《修練型因果律改変者》だったと考えられている。
日常的に、
生死を懸けた実戦
極限状態での反復修練
刀と身体を一体化させる型稽古
一瞬の判断へ生命を預ける精神集中
を繰り返していた侍は、その修練の果てに因果律改変能力へ目覚めることが珍しくなかった。
本人たちは、それを異能とは認識せず、
剣気
無念無想
神速
残心
奥義
天啓
流派の秘伝
などと呼んでいたと推測されている。
そうした過去の修練型能力者が長期間使用した刀には、持ち主の異能や技術的因果が染みつくことがある。
その結果として生まれたのが、日本に数多く残る《呪物刀》である。
日本では刀剣型の呪物は比較的ポピュラーであり、旧家、神社、寺院、古武術道場、博物館、個人収集家などが多数保有している。
---
【呪物刀の使用条件】
日本の呪物刀は、血統や生まれつきの特殊な適合性を要求するものばかりではない。
危険な憑依型や、特定の家系しか受けつけない例外も存在するが、大多数は、
> 刀剣を正しく扱えるだけの技能を持っていること
が主な使用条件となる。
呪物刀に宿る因果は、使い手の剣術を読み取り、その動作を通じて発現する。
したがって、剣術を知らない一般人が拾って振り回しても、本来の異能を十分には引き出せない。
逆に、一定以上の剣術を修めた者であれば、神代家の人間でなくても、多くの呪物刀を使用できる可能性がある。
神代家が刀を継承できるのも、特殊な血統適合があるからではなく、幼少期から《神代一刀流》を学び、刀の異能を起動できる技量へ到達しているためである。
---
【家伝呪物刀《影打》】
神代宗一郎が企業代理戦で使用している、先祖伝来の呪物刀。
戦闘評価はTier4相当。
神代家が所有する呪物刀の中では、実戦訓練や対外試合に使用するための《影打》に当たる。
刀身そのものは非常に質の高い日本刀だが、
防御無視
空間切断
物質消滅
異常な切断力
自動追尾
といった能力は持たない。
純粋な物理攻撃であるため、十分な強度を持つ防刃装備なら受け止めることは可能。
ただし、《武者身》によって強化された神代宗一郎の踏み込みと斬撃が加わるため、防具で受けても骨折や神経損傷を起こす危険がある。
この刀から授与される異能は、《武者身》と《残心》の二つ。
どちらも刀剣を媒介として発動する能力であり、素手では一切使用できない。
---
【授与異能:《武者身》】
分類: 身体能力強化系
実質評価: Tier4
発動条件: 呪物刀を保持し、剣術に基づく適切な構えを取ること
刀剣戦闘に必要な身体機能だけを、極端に効率よく強化する異能。
通常の《身体能力強化》が全身の筋力や速度を広く底上げするのに対し、《武者身》は、
動体視力
踏み込み速度
握力
手首の柔軟性
肘と肩の連動
腰の回転
下半身の安定
斬撃後の姿勢回復
刀身の角度調整
間合いの把握
痛みと恐怖への耐性
へ、出力を集中させる。
素手での殴り合いや長距離走では、一般的な《身体能力強化》に劣る場合がある。
しかし、刀を持った状態では無駄がなく、同格の身体能力強化者を大きく上回る戦闘性能を発揮する。
刀を鞘へ納める、手放す、奪われる、適切な構えを維持できなくなるなどした場合、強化は大きく低下または消失する。
《武者身》は刀を扱う身体へ変化させる異能であり、素手へそのまま流用することはできない。
---
【授与異能:《残心》】
分類: 遅延斬撃/因果再現系
評価: Tier4
発動条件: 呪物刀による物理的な斬撃を実行すること
神代宗一郎が刀を振った約一秒後、その斬撃と同じ軌道を、不可視の因果的斬撃が再びなぞる能力。
再現される斬撃には追尾能力がなく、最初の斬撃と同一の空間上へ固定される。
最初の刀筋が外部から押され、受け流され、軌道を変えられた場合は、変更後の軌道が《残心》として再現される。
単純に攻撃回数を二倍にするだけの能力ではない。
素手で刀使いへ勝つための基本戦術である、
> 最初の一撃を避け、斬撃後の隙へ飛び込んで間合いを潰す。
という行動を、一秒遅れの二撃目によって封じる。
一撃目を回避した相手ほど、過去の斬撃軌道へ自分から飛び込んでしまうため、刀の間合いを潰す行為そのものを拒絶する異能となっている。
刀剣による斬撃を起点とするため、拳、蹴り、手刀、体当たりなどでは発動しない。
---
【神代一刀流・主要技】
《置太刀》
相手が攻撃を開始する地点へ、先に切っ先を置く技術。
自分から刀を振らず、相手の拳、蹴り、タックルの進路上へ刃を配置することで、攻撃の起こりそのものを封じる。
相手は攻撃しようとするだけで、自分から刃へ飛び込むことになる。
神代宗一郎が対格闘家戦で最も多用する基本戦術。
---
《切落》
神代一刀流を象徴する中心線制圧技。
相手の攻撃を避けてから斬るのではなく、相手の攻撃線ごと上から叩き落とし、そのまま自分の斬撃を通す。
攻撃と防御が分離しておらず、一度の動作で、
相手の武器または防御を潰す
中心線を奪う
姿勢を崩す
自分の斬撃を成立させる
ことを狙う。
佐伯直人との試合では、直人が仮想の刀として差し出した手甲ごと中心線を叩き潰すために使用された。
---
《流鎬》
刀の刃で正面から受け止めるのではなく、鎬や刀身の側面を接触させ、相手の攻撃を外側へ滑らせる受け流し。
筋力で止めるのではなく、角度、腰、足運びによって力を逃がす。
佐伯直人は《神代一刀流》をコピーしたことで、この理屈を刀ではなく防刃手甲へ転用した。
---
《霞返し》
最初の斬撃を囮として使用し、相手が回避後に踏み込む位置へ《残心》を発生させる技。
実体の刀を避けた相手は、攻撃が終わったと判断して懐へ入ろうとする。
その瞬間、一秒前の斬撃軌道が再発生し、反撃へ移った相手を斬る。
《神代一刀流》の剣術と、呪物刀の《残心》を組み合わせた代表的な異能剣術。
---
《残心囲い》
現在振っている実体の刀と、一秒前に振った《残心》を組み合わせ、相手の移動方向を限定する連続攻撃。
現在の刀で片側を塞ぎ、過去の斬撃で反対側を塞ぐ。
神代宗一郎は、自分が作ったすべての斬撃軌道と発生時間を記憶し、複数の《残心》を見えない壁として利用する。
相手からは、実体の刀と不可視の刀が異なる時間から同時に襲ってくるように見える。
---
《組討》
相手に刀の内側へ入られた際に使用する、古流剣術の近接体術。
柄頭による打撃
肘打ち
膝蹴り
足払い
関節技
投げ
刀を持つ腕を利用した崩し
などで構成される。
神代宗一郎も一通り修めているが、長年の稽古と実戦が刀の間合いへ偏っていたため、佐伯直人ほど多様な現代格闘技能には対応できなかった。
---
【秘蔵呪物刀《真打》】
神代家には、企業代理戦で使用しているTier4の《影打》とは別に、Tier2相当の呪物刀《真打》が存在する。
正式な名称、保管場所、授与異能、発動条件は非公開。
八咫烏にも存在のみが秘匿記録として残されており、通常の企業代理戦や模擬試合へ持ち込まれることはない。
神代宗一郎が《真打》を抜くのは、
> 観客も審判も存在せず、どちらか一方が死ぬまで終わらない、一対一の本物の死合
だけ。
宗一郎にとって、企業代理戦は技術研究を目的とした試合であり、《真打》を使用する領域ではない。
佐伯直人との戦いでも、最後まで《影打》のみを使用している。
宗一郎がTier4の剣士として知られている一方、真の最大戦闘評価がTier2相当に達することは、裏社会でもほとんど知られていない。
---
【家族】
神代宗一郎には、成人した息子が一人いる。
息子も《神代一刀流》を修めた剣術家であり、家伝の呪物刀を使用する授与型因果律改変者。
宗一郎より若い世代として、現代の能力者、怪異、異種族、格闘家との戦闘を数多く経験している。
古流の型を忠実に守る一方で、銃器、格闘技、現代装備、異能との複合戦を研究しており、流派の現代化にも積極的。
宗一郎が企業代理戦へ参戦するきっかけを作った人物でもある。
---
【企業代理戦へ参戦した理由】
裏世界で実戦経験を積んでいた息子が、ある時、宗一郎へ疑問を投げかけた。
> 「今の神代一刀流は、対剣術、対武器、対能力者の型は残っています。しかし、現代の素手格闘家を相手にした研究が不足しているのではありませんか?」
歴史上の神代一刀流は、刀を持つ侍や武器を持つ敵との戦いを主として発展した。
現代では、身体能力強化、ボクシング、空手、レスリング、総合格闘技などを使い、素手で刀の間合いへ入ろうとする能力者が多数存在する。
息子は、流派の対素手戦術が、現代格闘技の進化へ十分に対応できていない可能性を指摘した。
宗一郎はその意見を否定せず、実際の格闘家を相手に研究するため、企業代理戦へ参戦。
ところが、
ボクサー
空手家
レスラー
キックボクサー
身体能力強化者
を相手に五連勝。
全員をほとんど危なげなく制圧したため、宗一郎は次第に、
> 神代一刀流の対素手戦術は、現代でも十分に通用する。息子の心配は杞憂だったのではないか。
と考え始めていた。
---
【佐伯直人との戦い】
六戦目で対戦した佐伯直人は、戦闘中に《神代一刀流》をコピー。
剣の間合いと条理を理解し、手甲を一本の刀に見立てることで、宗一郎の斬撃を受け流した。
しかし、直人は神代一刀流で宗一郎へ勝とうとはしなかった。
宗一郎の《切落》を外側へ流し、《残心》の軌道ごと変更。
刀が届かないほどの密着距離へ飛び込み、複数の格闘技能、重心操作、質量操作、衝撃能力を組み合わせて宗一郎を制圧した。
宗一郎にとって、この敗北は屈辱ではなく、嬉しい誤算だった。
五連勝によって「対素手の研究は不要」と考え始めていた自分の慢心を、直人が真正面から覆したからである。
宗一郎は敗北後、
> 「長く剣術を学んだ者ほど、剣術の中だけで答えを出そうとしてしまう。貴方は剣の理を使いながら、見事に剣の外へ出られた」
と直人を評価。
自分が刀と剣術の優位性へ頼り、刀の内側へ入られた後の研究を怠っていたことを認めた。
---
【敗北後】
佐伯直人との試合後、宗一郎は道場の稽古体系を見直す。
新たに重点を置く項目は、
対ボクシング
対レスリング
対総合格闘技
対身体能力強化者
刀を持つ腕を制された場合の脱出
鍔より内側へ侵入された際の体術
《残心》の軌道を外部から変更された場合の対応
刀を失った後の素手戦闘
など。
息子に対しても素直に、
> 「お前の言った通りだった。神代一刀流は、まだ現代の素手を知らない」
と認める。
宗一郎にとって佐伯直人は、企業代理戦で初めて敗北した相手であると同時に、自分と流派がまだ成長できることを証明した恩人でもある。
再戦を望んでいるが、直人本人からは即座に拒否されている。
---
【総合戦闘評価】
呪物刀《影打》使用時はTier4相当。
ただし、三十年以上の剣術技能、《武者身》による刀剣特化強化、《残心》による間合い支配が完全に噛み合っているため、近距離の一対一では通常のTier4能力者より遥かに危険。
特に素手の相手に対しては、
武器のリーチ
一撃の致命性
切っ先による攻撃封鎖
《残心》による間合い潰しの拒絶
神代一刀流の中心線制圧
によって圧倒的な優位を持つ。
弱点は、刀の内側へ完全に密着された後の戦闘。
ただし、佐伯直人との敗北後は、この弱点を重点的に鍛え直している。
Tier2の《真打》を使用した際の戦闘能力は不明。
少なくとも、企業代理戦で見せた神代宗一郎は、本来の全力ではない。