平和を愛するリタイヤ組達   作:愬月

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4月、教員達だって楽しみにしていた、はず

入学式も終わり、新入生は来週にクラス対抗大会があるので、その準備のために新一年生の生徒会メンバーが集まった。

瑠那以外は殆ど初めて見る顔だ。

恐らく、他の島から来たのだろう。

この学園は、大小様々な島の中央にあり、今俺達がいるこの島は本島と呼ばれている。

ついでに、その本島から本土へ直行便が出ている。

この学園は、この学校の大本である定篠(サダシノ)学園の分校に当たる。

その学校の周辺は、色々色々教育上宜しくない施設が立ち並んでいるらしい。

いや、〔いたらしい〕だった。

何年か前に、とある警察官とその友人が潰して回ったらしい。

今まで放置だったのは、特に実害がなかったからだが、未成年が誘拐されかけて潰すことが決定したとか。裏にはヤクザや暴力団がいるかと思いきや、実際はチーマーみたいなちょっとはっちゃけた青年達だったらしく、全員に拳骨制裁と共に、刑務所へぶち込んだらしい。当事者達はその時、清々しい笑みを浮かべていたとか。

あ、そうそう。

それでこの島は、学校や会社、レジャー施設などがある政令指定都市の一つだ。

周囲の島々は農場や漁業従事者、それに本島の会社に通勤している者が住んでいる。

ちなみに、俺や瑠那の家は後者だ。一応、生まれも育ちも島である。

簡単に自己紹介して、本題に入ることにした。

急がないと、期限は来週だ。

「ダイビングして水中サッカーとか・・・」

「できるか!!」

「あの、誰にでも参加できるものに・・・」

「なら、かくれんぼ。見つかったら袋~」

「却下。何故袋にする必要がある」

「フツーに球技にしませんか?」

「あぁ・・・」

良かった。ここに、マシな奴がいた。

「砲丸ソフトボールとか・・・」

「投げれるかぁ―――!!!」

ダメだ。コイツも瑠那と同類だ。このままじゃ、収集がつかない。

「あのぉ・・・」

「え?」

「テニスと卓球とバレーの選択にしたらどうでしょう?」

「それだ」

やっとまともな意見が出た。

なんて安心したのも一瞬だけ。

「そうですね・・・被害が少なそうだ」

「学園外にでないから、器物破損も学園内だけで済みますしね・・・」

「・・・・・・壊れる事前提かよ・・・」

もういい。この会話で分かった。このメンバーも結局は同類なのか。

「種族で固まっているから、ハンデをつけた方がいいですかね?」

「入学前の体力データあるだろう?アレ見て考えよう」

「クラス全体対抗にするとしても、弱点属性使わないように言っておかないと・・・」

「あ、前任者のるるぶみっけー」

「あ、嗅覚が発達した者への刺激物投下禁止って書いてある」

「ここで種族を書かない所が苦肉の策だな」

「というか、相手への妨害として劇物を投げるなとかにしましょうよ」

「甘い。劇物なんて書いたら、食べ物投げるバカがいる」

「うわぁ・・・」

「まともにプレイしようよ・・・」

何となく悟りの境地に立ったような気分になりつつ、意見をまとめる。

何はともあれ、クラスマッチについては決まった。

後は、配布プリントと先生達への報告だ。

「じゃ、手分けして行くぞ」

プリント作りを、パソコンを使える者がやり、他は報告などをしに向かう。

「あー・・・」

「どうしました?」

「何で、俺が仕切っているんだろう…」

「適任だから?」

「何で疑問系・・・」

「瑠那さんを、止められるから」

「あぁ・・・なるほどな」

「それで納得するんだ・・・」

生ぬるい生徒会メンバーに、やさぐれた表情を返して、職員室のドアを開けた。

「失礼します」

「蘇芳君!」

「頼む!君が、君だけが頼りなんだ!!」

「どうかあの魔お・・・いや、夕月君を止めてくれ!!」

入った瞬間拘束された。え、そこまで胃にキてたのか?

というか今、さり気に魔王って言おうとしたよな?

書類を渡しつつ、印鑑を待ちながら頬を引きつらせる。

「彼の身内である君なら、君ならきっとやってくれる!」

「え、いや、あの・・・」

「あぁ、あの伝説のストッパーの身内ならきっと」

「え、何ですかその伝説」

「大丈夫だ!君ならやれる!頑張ってくれ!君の行動に我々の胃がかかっている!!」

「新入生、楽しみだなーなんて、話していたのにっ!」

「い、いたっ!?ちょ、先生!肩が!肩が痛いです!!」

その後、職員達に「穏便に。頼むから穏便に・・・」と念を押されてから帰宅。

「先生。それは彼女を生徒会に入れた時点で無理です・・・」などとは言えなかった。

だって、あまりにも彼らの表情が真剣だったから。

 

 

***************************************

 

 

 

翌日、授業が全て終わった放課後。

もう一度生徒会メンバーで集まる。

ここで、他の生徒会メンバーを確認しておいた方が良いだろう。

まず一人目は、昨日健全的かつまともな意見をだした人物の、朝生 沙那。

一日、行動を共にして思ったが、なかなかの天然な少女だ。

まさか、何もない廊下で転びそうになるとは思わなかった。

二人目は、泉 彰。

彼は・・・うん、腹黒策士や猫被りの天才という言葉を送ろう。

昼休みの教師達と、彼とのやり取りは思い出しただけで震えが走る。

三人目は、高瀬 柚斗。

中学からの親友だが、器用貧乏というか、要領が悪い。パソコンに詳しいので、昨日からあちこちで引っ張りだこだ。

気がいいやつなので、その分色々周囲が手を貸しているのを見かける。

俺?まぁ、またには手を貸すな。たまには・・・

で、四人目は倉林 翔。

たまにズレた発言をするが、常識人・・・のはずだ。

最後は、武仲留衣。

名前だけだと、女っぽいがれっきとした男だ。

そして・瑠那に憧れていたりする。

本当に止めて欲しい。

今日も、瑠那にパシリ同然に使われているのに笑顔だ。

メンバーの考察を終えて、ふと考える。

これからの3年間・・・無事に終わるだろうか?

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