平和を愛するリタイヤ組達   作:愬月

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そういや、2章の主人公は蒼弥くんです。
言ってなかった気がする。まぁ、なので貧乏くじ引きまくるヒトです。


5月、友人が増え始めた時期でした

いらかの波と  雲の波~

 

なんて、商店街のスピーカーから古い童謡が流れる。

というか、これがこいのぼりって曲名なのを知ってる奴はどれだけいるんだか。

なんて考えながら、活気に溢れる商店街を歩く。

・・・そういや、もう五月か。

両親揃って泊まり込みの仕事なため、家事を全て行なっていたから忘れていた。

いや、デパートとかの特売日は全てチェックしてたけどさ。

今は、世間じゃゴールデンウィークというもので。

「きゃははははは!!」

「やー!待ってよー!!」

「あんまり離れるな!!」

「「はぁーい!!」」

俺の家族であるちびっこがはしゃぎ回っている。

いや、こいつらは昔からだけどね。

男女の双子である、彼らの手をしっかりと繋いで道を歩く。

じゃないと、何をしでかすか分かったもんじゃない。

「お買い物、お買い物~」

「ばんごはん、なぁに~?」

「ハンバーグ」

両サイドから上がる歓声。

足取りも軽く、ご機嫌な双子にちょっと笑う。

「お~相変わらず保護者だな」

「さすが皆の保母さん」

「・・・俺は男ですが」

「いや、だって・・・なぁ?」

「うん。保父さんじゃねぇよな」

「うん。保母さんだ」

「さすがあの伝説の保護者の身内」

「何なんですかそれ!?高校の先生達にも言われたんですけど!!」

懐かしいなぁなんて笑い合う商店街の店主達に思わず叫ぶ。

「お前らアメちゃん食べるかー?」

「「食べるー!!」」

笑顔で飴をもらってご機嫌の双子の頭を撫でながら、いい笑顔で洋菓子店の店主に親指を立てられた。

「頑張れ現役!」

「違います!!現役はしーさんです!!」

「いやいや、あのヒト元、だろ?」

「そうそう」

「違います。違うんです!俺は普通の高校生ですっ!!」

またまたー

なんて、すっごくいい笑顔で否定された。

・・・うん、俺、泣いていいかな?

「にーちゃん、どうしたのー?」

「おなかいたいー?」

「・・・いや、ちょっと世界が、俺に、優しくなくて・・・」

無性に両親に愚痴りたいが、二人が帰って来るのは夏休み頃。

それまでは、不定期に家に戻って来るらしい。

なので。

「・・・二人が帰って来たら、好きなモノいっぱいねだっていいから、それまで俺にできないようなワガママは言わないでくれよ?」

「「はーい!!」」

元気よく返事をした二人に笑う。

この時、両親の背中に悪寒が走ったらしい。

 

 

***************************************

 

 

「・・・暇だわ」

「そうか」

「ひーまー!」

「だったらこれにサインしろ」

「・・・ぶぅ」

頬を膨らませる瑠那は無視。

これに反応したが最後、騒動が起きるのは目に見えている。

今月は中間テストと、実力テストなるものがダブルであるのだ。

騒動が起きたら・・・考えただけで恐ろしい。

「暇なら勉強したらどうだ?試験も近いだろ」

「勉強~?テスト前になんでする必要あんの?授業受けてればいいじゃない」

「確かに正論だが・・・」

スパシーン・・・と、自分の取り出したハリセンが瑠那の頭を叩く。

「そう言う事は、真面目に授業に出てから言え。居眠りばっかしやがって・・・」

「だって、先生達の声って、子守唄に聞こえるんだもん」

「気力で起きろ」

「む・り」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

スパシーン!!

本日二度目のハリセンが、生徒会室に鳴り響いた。

で、そんなやり取りをした翌日。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

登校してすぐ、ざわめく人混みに嫌な予感がした。

足早にそこへと向かい、そうして、人垣ができている掲示板に凍りついた。

「あ!やっと見つけた!!」

「遅いですよ蘇芳くん!!」

「掲示板・・・掲示板にっ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

[ 五月と言えば子供の日!!男子は本物の鎧を着て、女子は十二単を着て助け鬼よっ!! ]

 

右端にしっかりと校長と市長の印鑑まで捺してある。

ふるふると、拳が震える。

「あのバカは・・・!!」

「どうしますか?」

潰す・・・ことは無理だ。

先に公表されたから。

ならば、取るべき道は一つ。

「市内に開催日時の公布。それから行動範囲を狭めるぞ」

「予算は?」

「寄付させる。被害を最小限にするために、校長達と話し合いをしてくる」

「会長は押さえます」

短い会話だが、互いにやるべきことはわかっている。

足早にその場を離れ、校長室へと向かった。

「校長!何で許可出したんですか!!」

「だって、6月は大人しくしてくれるって言うから!!」

「6月は会議がたくさんあるんで、イベントはできないんですよ・・・」

すっごく疲れた顔をした校長と、事務長に思わず頭を抱える。

「っ・・・6月大人しくしているって言うのは、雨が多いからですよ!!」

「え・・・」

「アイツ、雨降ると髪の毛爆発するから、雨の日は大人しいんです!!」

「なん、だと・・・!?」

「どこまで許可出したんですか。今から内容に詰めるんで契約書出してください。今すぐ、可及的速やかに、さっさと書類出して役所に手続行かせてくださいっ!!」

書類を燃え尽きたような校長達から受け取り、しっかりと元凶を確保してきたメンバーにぐっじょぶと返して、イベントの内容をきっちりと文面化し、関係各所へと根回しを行うために役所へと向かった。

授業?公休扱いになりましたとも、ちくしょう。

元凶には強制的に授業を受けさせ、しっかりノートを取らせておいたけどな!




商店街の人達は面倒見のいいおじちゃんとおばちゃんたちです。
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