あの日のことは、不思議なくらい鮮明に覚えている。
あれから何十年という時間が流れたというのに、瞼を閉じれば最初に浮かぶのは青空でも桜でもない。
乾ききった土の匂いだった。
土埃が風に舞い、荒れ果てた道を転がっていく。誰かが捨てた木切れが音を立てて転がり、遠くでは子どもたちが何かを奪い合っていた。笑い声ではない。怒鳴り声でもない。ただ、生きるために必死な者たちの声だった。
あの場所では、それが当たり前だった。
生きることに理由なんていらない。
明日も息をしている保証なんて、誰にもなかった。
お腹が空いた。
それしか考えられなかった。
最初は我慢できていた空腹も、三日、四日と何も口にできない日が続くと、痛みですらなくなる。
ただ身体が軽くなっていく。
足元はふわふわして、自分が歩いているのか倒れているのかも分からない。
人と肩がぶつかっても謝る気力はなく、ぶつかった相手もこちらを見ることなく通り過ぎる。誰も他人を助けない。助ける余裕なんてここにはないのだから。
私だって、もし食べ物を一つ持っていたら誰かに分けられたかと聞かれれば、きっと答えは「できない」だったと思う。
それほどまでに、あの世界は飢えていた。
だから、もう終わりかな、と。
そう思った。地面へ膝をついた瞬間、不思議と怖さはなく寒い。眠い。苦しい。
その全部が少しずつ遠ざかっていく。
ああ、人ってこうやって死ぬんだ。
幼い私はそんなことを、ぼんやり考えていた。
視界が暗くなり耳に入る音も遠くなっていく…
そのときだった。誰かの足音が止まった。
ただ、私の前で止まった。薄く目を開けても、人影がぼやけて見えるだけだった。
「ーーなんや知り合いか?"真叶くん"」
「いや、"ギン"。知らない子だ。…それに」
誰か分からないけど2人の声が聞こえる。しかし、私にはそれを確認する余裕も気力もない。倒れ伏す私に対しその誰かが膝を着き両手で私を抱えるようにして立ち上がる
…あぁ…ダメだ。もう意識が…
私の意識はここで遮断される。
そして
んん…どこだろう。…ここ。目を覚ました私が目にしたのは、とても私が住む'流魂街"(るこんがい)にあるとは思えない屋敷の風景だった。
淡い木目が美しい天井板。一本一本丁寧に磨き上げられた太い梁には年月を感じさせる深い艶が宿り、障子越しに差し込む柔らかな陽光が部屋全体を穏やかな色に染めている。
鼻をくすぐるのは、乾いた土ではなく、檜や白木の優しい香り。畳は青々としたい草の匂いを残し、一歩足を乗せれば沈み込むほど厚く編み込まれていることが容易に想像できた。
部屋の隅には、無駄な装飾こそないものの、流れるような木目を活かした違い棚が据えられ、小ぶりな花瓶には季節の草花が一輪だけ静かに飾られていた。
質素でありながら、一つひとつに品格が宿るような正しくそう…"貴族"の家のような。
私が不思議に思いあたりを観察していると、部屋の障子が開かれ2人の少年が顔を出した。
「起きたか。目を覚まさなかったらどうしようかと思ったよ」
「やから言ったやん。空腹で倒れとるだけやからメシ食わしたら治るよって」
そう話すのは2人の少年。どちらも"特徴的な白髪"をしている
コチラを見つめながら心配そうに笑ったのは癖のない前髪が額へ自然にかかり、その隙間から覗く瞳は思わず息を呑むほど美しい少年。
「…綺麗」
それは澄み切った蒼色をしており奥行きの深い、水底まで見通せそうな青いガラス玉のような眼をしている
「…そんなマジマジと見つめられると照れるんだけど」
「あ、ご、ごめんなさい」
「まぁまぁ、男の俺から見ても真叶くんの"眼"は綺麗やからなぁ」
そう話すのはコチラも白髪の少年。糸のように細く閉じられたその眼で隣にいる少年と仲睦まじい様子で笑い合っている。
「…んっ…」
「おっと」
その時、私は再び激しい頭痛に見舞われ倒れかけたところ、またあの少年に抱き止めれられる羽目になった。
「すまない。君があまりにも普通だったから栄養失調なことを忘れていた」
「点滴は打ってもろたし今日は安静にしぃや。ほら、真叶くんも行くで。"俺らは俺らでやる事"あんねんから」
そう言い、ギンと呼ばれた少年の声が遠ざかっていく。
…ああ…また1人…よく知らない2人。…でも今は誰かも知らない2人を哀しむほど人に飢えていた。
「大丈夫だよ。"俺がいる"。だから安心しておやすみ」
私の心理描写を見越してなのか。真叶と呼ばれた少年が私を布団に寝かせながら優しく頭を撫でる。今日出会ったばかりの少年。しかし私はこの少年に対し心を開いていた。それが何故なのかは自分でも分からない。
そんなことを考えるうちに私の意識は再び閉じていった。
◆
「あ、起きた」
「おはよう。今度は大丈夫そ?」
再び目を覚ました時にはまた、2人がいた。その様子になぜかホッとしている自分がいる。私は言われるがまま用意されていた料理を口にした。
「うっ…うぅ…」
「え?どうしたの?美味しくなかった?あ、いやでも栄養失調だからいきなり味が濃い物はダメだと爺やが」
「あぁもうコレだからボンボンは腹立つねん。ええか真叶くん。コレは不味くて泣いたんちゃうねん。"嬉しゅうて泣いとんねん"」
少年・ギンの言う通りであった。産まれて初めてこんな上等なモノを口にした。美味しいよりも何より…"優しい味"。
漸く涙が収まり食事も終了した頃、私達は自己紹介を始めた。
「へぇ乱菊って言うんだ。"可愛い名前"だね」
「へっ?」
初めて言われたその言葉に幼いながら私はドキッとした。
「何しれっと口説いとんねんこのスケコマシは。まぁええわ。俺は市丸ギン。宜しゅう乱菊」
ギンは口悪くそう言いながらも真叶と戯れ合うように揉み合っている
「最後は俺か。俺は"雀部真叶"。宜しく乱菊」
雀部真叶…私を救ってくれた恩人の名前。胸に刻まれたその名前とこの思い出は一生忘れることはないだろう。
それから、私達は語り合った。互いの人生や生い立ち、これまでのこととこれからのこと。案の定というのか私が今いるここは"貴族"の家であり真叶が貴族…それもかなりの名家の出であることが判明した。
ギンは私と一緒で流魂街出身らしい。生まれも育ちも違う2人が何故こうも仲が良いのか。それに何故流魂街に居たのかはまだ分からないけど、この日私にとってかけがえの無い人たちが人生において初めて誕生した瞬間であった。
次の日から私は2人と共に過ごすことが多くなった。住む場所も危ない流魂街の地域よりも真叶の家が管轄しているエリアにある家を貸してもらっている。そして今はーー
私の前で"見えない速度"で2人が戦っている。2人は木刀を片手に稽古という名の戦闘を始めた。"見えない速度"と言うのはそのままであり2人の動きは私にはまるで見えない次元で戦っている。後に2人に聞いた話ではこれは【瞬歩】と呼ばれた高速移動を用いた応用であるそうだ。
見えなくても目の前で激しい打ち合いが行わらているであろう剣戟の音が鳴り響きやがて
「っ…惜しいなぁ。今日は良いとこまでいったおもたんやけど」
「うし!俺の勝ち!」
勝負の行方はギンの木刀を弾き飛ばしクビに木刀を突きつけた真叶の勝利であった。
2人は"死神"を目指して日々鍛錬しているらしい。
その前に死神とは尸魂界(ソウル・ソサエティ)の軍事組織に所属する戦士であり、世界の均衡を保つ存在とされ遥か昔からこの地を守り続けている存在のことである。
その中で【護廷十三隊】と呼ばれる死神を統括する組織…その中のお偉いさんの中に真叶のお爺さんが居るらしく、2人はその人に師事し日々鍛錬をこなしているそうだ。
私にはよく分からない世界だけど、2人と一緒にいる事が何よりも楽しいと感じるから剣術も勉強も見ているだけでも決して苦にならなかった。何より2人もそんな私を受け入れてくれて3人で過ごす日々が多くなっていった。
そんなある日、その日は夕暮れだった。西日が流魂街の石畳を朱く染め、吹き抜ける風が長い影を伸ばしていく。
その日も私は買い物を終え、一人で家へ帰っていた。真叶は祖父の稽古に行っておりギンは真叶に付き合って瀞霊廷へ行っている。
だから今日は久しぶりに一人だった。
「今日は魚が安かったなぁ……。」
そんな他愛ないことを考えながら歩いていると、不意に空気が変わった。
ざわっ──肌が粟立つ。理由は分からない。
けれど本能が警鐘を鳴らしていた。誰かに見られている。私はゆっくりと振り返る。
しかしそこには誰もいない。道の先にも、人影はない。
「……気のせい?」
そう呟いて歩き出そうとした時私の背後に数人の霊圧が降り立った。
「だ、だれ…」
「…お前に名乗る名などありはしない」
そう言い1人の男が私に対して手を伸ばす。危害を加えられようとしているのにも関わらず私の足は震えて動かない…怖い…怖いよ…助けて…
「…助けて」
その瞬間
「ーーおい」
「む?…ぐっ!?」
目の前の男の腕を掴み睨みつける少年がいた。
あぁ…前もこうして助けてくれた。私を2度も助けてくれた1番信頼している人
「真…叶?」
「すぐ終わらせる。遅くなってごめんな乱菊」
その一言だけで、不思議と震えていた身体から力が抜けた。真叶は私を庇うように一歩前へ出る。その背中は現れた男達よりも小さい。それなのに、今の私には誰よりも大きく見えた。
黒装束の男の一人が鼻で笑う。
「ガキが一人増えたところで何も変わらん。」
「排除する。」
その言葉を合図に、三人が同時に地を蹴った。
目の前から姿が消えた。私には残像すら見えない。
しかし――
「遅い。」
鈍い衝撃音と共に最初に飛び込んだ男の腹へ、真叶の掌底が深々とめり込む。
「がっ……!」
男の身体がくの字に折れ、そのまま十数メートル先まで吹き飛ばされる。石壁へ激突し、轟音と共に壁へ大きな亀裂が走った。
真叶は振り返ることすらしない。残る二人が左右へ散開する。
「挟め!」
左右から拳と蹴りが襲う。だが次の瞬間、真叶の姿が消えた。
「「っ!?」」
男たちの攻撃は空を切る。そして男の1人、その背後に現れた真叶は肘を男の首筋へ叩き込む。そしてその勢いのまま身体を回転させ、もう一人の腕を掴む。
「くっ!」
男は抵抗する。だが真叶は冷静だった。
足払いから体勢を崩した男の腕を捻り、そのまま地面へ叩き付ける。石畳が砕け、砂煙が舞う。男は呻き声を漏らしたまま動かない。
「…凄い」
ここまでコンマ1秒にも満たない攻防。何が起きたか理解はできない私でも真叶が敵を圧倒し制圧した事だけは理解出来た。
三人とも動かない。辺りは静寂に包まれた。真叶はゆっくり息を吐くと、私の方へ振り返る。
「怪我は?」
「う、うん……。」
そう答えた瞬間だった。倒れていた男の一人が懐へ手を伸ばす。
「真叶!」
私の叫びと同時に、男は小さな筒を取り出した。
「証拠は残すな。」
パキン――。筒が砕け、黒い煙が噴き出す。三人の身体は煙に包まれ、そのまま跡形もなく消え去った。
「……逃げられた。」
真叶は煙が消えた場所を静かに見つめる。地面には血痕一つ残っていない。残されたのは、戦闘の跡だけだった。
「最初から、自害用……いや、証拠隠滅用の鬼道具か。」
そう呟いた真叶の表情からは、先ほどまでの穏やかさは消えていた。彼は静かに拳を握り締める。
「乱菊を狙った理由も、あいつらの正体も……必ず俺が突き止める。」
その頃、その様子を遥か遠くから見つめていた者がいた。男は一様に黒一色の装束を身に纏っていた。
漆黒の着流しに、ゆったりとした袴。胸元は白い襦袢が僅かに覗き、腰には白い帯が固く結ばれている。その姿は尸魂界に仕える死神が纏う正装――"死覇装"そのものだった。
「… 席官に近しい実力を持つ者も混ぜていたのだが…あの若さであれ程の白打(体術)と瞬歩を身につけているとはね」
男は真叶に対して興味を抱く。しかしそれは子供が遊具を見つけた感情に近く己が部下を圧倒した実力と才覚を目撃して尚脅威とは微塵も感じ得なかった。
「ふふっ…」
そしてその様相を監視する視線に男も気づいていた
真叶たちが戦いを終えた路地から数百メートル離れた廃屋の屋根。そこへ、一人の少年が音もなく降り立つ。
「……やっぱりや。真叶くんに任せて正解やったな。…敵は3人やあらへん」
市丸ギン。真叶の帰りを待っていたはずの彼は、戦いの気配を感じ取り、独自に周囲を探っていた。
細く閉じられた双眸が、遠くに立つ一人の男を捉える。男は夕日に背を向け、静かに戦場を見下ろしていた。
死覇装に腰には一振りの斬魄刀。その佇まいには不思議な気品があり、ただ立っているだけで周囲の空気が張り詰めている。
(あいつ……。)
ギンは息を潜める。先ほど逃げた三人とは明らかに違う。
"格が違うのだ"。まるで獣と人間ほどの隔たりがある。それでもギンは目を逸らさなかった。
(あいつが親玉か。)
その瞬間だった。男が、小さく笑った。
「――かくれんぼがお好きなようだ。」
ギンの背筋が凍る。
(……は?)
ギンとは目が合っていない。こちらを見てもいない。
なのに。
「そこにいるのでしょう?」
男は景色を眺めるように空を見たまま言う。「市丸ギン君。」その名を呼ばれた瞬間、ギンの心臓が一度だけ大きく跳ねた。
(なんで俺の名前を……。)
逃げるべきだ。本能が叫ぶ。だが身体は動かない。男はゆっくりと振り返った。
夕日を受けた眼鏡が一瞬だけ光る。穏やかな笑みを浮かべた優しそうな顔立ち。だが、その笑顔だけが妙に作り物じみて見えた。
「君は運が良い。ここで殺すには惜しい才能…何よりそちらの方が愉快だ」
男の口元には、愉悦とも嘲弄ともつかない笑みが浮かんでいた男は腰へ手を添える。ゆっくりと。本当にゆっくりと。
斬魄刀を数寸だけ鞘から引き抜いた。
キィ……金属が擦れる、澄んだ音が響き渡る。
そして夕日を受けた刀身が、鏡のように光を返す。その輝きが、ギンの瞳へ映った。
一瞬だった。本当に、一瞬。男はすぐに刀を納める。
「これでいい。」
そう呟く男に対してギンは眉をひそめた。
(……何した?)
何も起きていない。霊圧も感じない。攻撃と呼ばれる行動すらしていない。男はただ刀を少し抜いただけ。
「君は中々におもしろいですね」
男は柔らかく笑う。
「だからこそ、生かしておこう。その勘を大切にしてください。」
次の瞬間。男の姿が霞む。瞬歩…そう理解した時には、もう誰もいなかった。風だけが屋根を吹き抜ける。
「……逃げられた。…いや"生かされた"」
ギンは舌打ちする。だが、不思議だった。なぜだろう。男の顔を思い出そうとすると、輪郭がぼやける。"淡い金髪"だった…はずそれも覚えている。しかし、それ以上が思い出せない。
「……なんや。」
頭が痛む。ほんの一瞬見ただけなのに。胸の奥に言いようのない違和感だけが残る。
「気色の悪い奴や。」
ギンはそう吐き捨てると、真叶たちのもとへ急いだ。
その背を見送りながら、遥か離れた建物の陰で、男は静かに口元を緩める。
「さようなら、市丸ギン君。次に会う時、君はもう今日という出来事を、正しく思い出すことはできない。」
男は眼鏡を指で押し上げた。
「――砕けろ、"鏡花水月"。」
誰にも聞こえないほど小さな呟きだけが、夕暮れの風に溶けて消えていった。
◆
俺が乱菊を助けられたのは運が良かったのに過ぎない。それは瀞霊廷にて爺ちゃんから剣術やら何やらの修行を受けていた際のこと…
「ーーそう言えば真叶よ。貴様最近流魂街に出入りしているらしいな」
「「ギクッ…」」
爺ちゃんの言葉に俺と隣にいたギンは反応する。俺はともかくお前は出身そっちなんだから別にいいじゃないか。
「何別にとやかく言うつもりはない。」
「…ほっ…」
「しかし、最近妙な噂も立て込んでいる」
「「噂?」」
爺ちゃんは俺が流魂街自体に出入りしていることは特に思うことはないらしい。しかし、気になる事が一つ。
…それは最近流魂街で起きている未解決事件。概要は人々の霊力が何者かによって奪い取られていると言う事。
そもそも霊力とは魂が持つエネルギーのこと。そのため、霊力を失うことは人間で言えば「血液や生命力を大量に失う」ようなものになる。ちなみに霊力が多ければ多いほど霊圧も多くなり死神としては良い事ずくめなのだが…
「特に年端もいかぬ者たち…つまりは力を持たぬ者が狙われる傾向にある。お前たちも気をーー」
「っ…」
「あ、ちょ、真叶くん!?」
爺ちゃんの言葉の先に真っ先に思い浮かんだのは乱菊の顔であった。俺は全速力の瞬歩で道場を、瀞霊廷を飛び出し流魂街へと赴く。
どこだ…どこだ…どこにいる…乱菊
流魂街の中で乱菊が足を運びそうな所を徹底的に潰していく。…そして遂に見つける。そこにいるのは乱菊と得体の知れない3人の男たち。乱菊は恐怖で涙を浮かべ尻餅をついている。そんな乱菊に対し手を伸ばそうとしている男。
俺の心が自分でも驚くほど黒く染まる。一歩で乱菊の前へと飛び立ち手を伸ばしている男の腕を掴む。ミシミシと鈍い音が響くほどの握力で握られ男の顔が苦しそうに歪む。
「おい」
自分でも驚くほどの底冷えする声が飛び出した。そこから始まるはまさしく蹂躙であった。護廷十三隊に属していてもおかしくないほどの男たち3人を相手に斬魄刀無しで圧倒して見せた。
真叶は相手の息の根を留めることはせず、ただ身動きを封じただけであった。
しかしそれが悪手だと気づいたのはその後…3人の男たちは自らが捕まる前に前もって用意していたであろう自決剤を飲み込み情報の漏洩を阻止して見せた。
これにより今回乱菊が狙われたであろう事件の詳細…またはこれまで流魂街を中心に発生していた"霊力を抜き取られる"という未解決事件もまた霧が掛かってしまう事となったのであった。
「こらもっと早く強ならんとあかんなぁ」
「あぁ。その為にーー」
2人は誓う。己が護らんとする者の為に更に強くなると。そしてその為に
「「死ーー」」「死神になる!!」
2人の声に被せて乱菊が声を出す。2人は驚き乱菊を見つめる。
「なんなん乱菊も死神目指すんか?」「ら、乱菊?」
「そうよ!もう護られるだけなんて…摂取され続けるなんて真っ平だわ!!」
そう言う乱菊の瞳には強い決心が宿っていた。もう先ほどまでのように怯えていた少女の姿は消えていた。
思い付きなので評価良かったら続けるかもです