双白の花   作:心ここにあらず

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【機密指定】護廷十三隊・技術開発局共同調査記録

 

「死神虚化現象発生事件」調査報告書

 

分類:特級霊的異常事案

危険度:極秘指定

作成:護廷十三隊総務局・十二番隊技術開発局協同記録

発生時期:浦原喜助十二番隊隊長就任後 数ヶ月以内

※現時点において事件の首謀者及び発生原因は不明

 

 

 

一、事件概要

 

尸魂界において、これまで確認されていなかった新種の霊的異常現象が発生。

 

複数の死神が任務中、あるいは巡回中に突然精神及び肉体の変質を起こし、通常の死神としての霊体構造を維持できなくなる事例が確認された。

 

対象者は共通して高い霊力を有する死神であり、通常の虚化現象とは異なる特徴を示している。

 

本来、死神と虚は魂の在り方そのものが異なる存在である。

 

死神は斬魄刀を媒介とし、自らの精神と力を制御することで戦闘能力を発揮する。

 

対して虚は、魂魄の崩壊により自我を失い、他者の魂を求める存在へ変質したもの。

 

しかし今回確認された事例では――

 

「死神としての自我を保持したまま、虚の特性を発現する」

 

という、過去に例のない現象が発生している。

 

 

 

二、第一発生事例

 

【事件番号:VR-001】

 

発生場所

 

流魂街 西地区

 

被害者

 

護廷十三隊所属 平隊士 数名

 

状況

 

巡回任務中であった隊士六名が突如消息を絶った。

 

約三時間後、捜索部隊が現場へ到着。

 

発見された隊士達には外傷はほとんど存在しなかったものの、全員が異常な霊圧変化を起こしていた。

 

霊圧の波形は死神のものと酷似している。

 

しかし同時に、虚特有の霊子構造も確認。

 

魂魄そのものが二つの性質を持っている状態であった。

 

 

 

現場調査記録

 

・周囲に虚の出現反応なし

 

・虚圏への移動痕跡なし

 

・外部からの攻撃による負傷なし

 

・対象者本人達には事件直前の記憶欠落あり

 

・斬魄刀との同調率低下

 

・霊圧制御能力の著しい低下

 

 

 

当初、十二番隊では「未知の虚による寄生型攻撃」の可能性を疑った。

 

しかし調査を進めた結果、その可能性は否定された。

 

理由は単純、対象者の内部に存在する虚の核が、外部から侵入したものではなく

 

「元々魂魄内部に発生していた」と判断されたためである。

 

 

 

三、第二発生事例

 

【事件番号:VR-002】

 

対象者

 

護廷十三隊五席相当死神

 

発生状況

 

虚討伐任務中、対象者が突然味方隊士へ攻撃。

 

しかし本人には攻撃の意思が存在せず、後の証言では、「頭の中に自分ではない何かが存在した」と報告。

 

戦闘後、対象者は一時的に虚化状態へ移行。だが完全な虚とは違い、数分後には自我を取り戻した。

 

 

 

特記事項

 

この事件により、護廷十三隊上層部は以下の可能性を考慮。

 

仮説一

 

何者かによる人工的な魂魄改造。

 

仮説二

 

死神の魂魄そのものを虚へ近付ける未知の技術。

 

仮説三

 

斬魄刀とは別の方法による霊力進化。

 

 

 

四、虚化現象の特徴

 

現在確認されている対象者には以下の共通点が存在する。

 

 

 

① 仮面の形成

 

虚化状態になる直前、対象者の顔面に未知の白色物質が形成。

 

これは通常の虚の仮面とは構造が異なる。完全な虚化ではなく、魂魄の一部だけが虚の性質を獲得していると推測。

 

 

 

② 霊圧増幅

 

虚化状態では対象者の霊圧が通常時を大幅に上回る。

特に瞬発力、身体能力、霊圧密度において著しい向上を確認。

 

 

 

③ 自我維持

 

最大の異常点として本来、虚化した魂魄は虚の本能に支配される。

しかし今回の対象者は、一部例外を除き自我を保持。

これは過去に存在しない現象である。

 

事件発生から数ヶ月立ってなお未だ犯人は不明。しかし調査班の中では、ある共通認識が生まれていた。

 

これは偶然発生した異常現象ではない。

誰かが死神という存在そのものを研究し、虚という存在を利用し、新たな力を生み出そうとしている。

 

そして、その研究者は――

 

護廷十三隊内部の情報の可能性あり

 

霊圧解析と死神の魂魄構造…それらを詳細に把握できる立場にいる可能性が高い。

 

 

 

【備考】

 

事件発生後、十二番隊技術開発局では独自調査を開始。

 

しかし調査資料の一部が原因不明の欠損。

 

担当研究員からは、

 

「まるで最初から存在しなかったように消えている」との報告あり。

なお、この時点で調査対象として浮上した人物は存在しない。

 

十二番隊隊長浦原喜助。彼自身もまた、この事件を追う一人である。

 

 

上層部は今事件を最重要警戒案件へ指定。

 

以上である。

 

※本事件は後に「仮面の軍勢発生事件」として再分類される可能性あり。

 

 

上層部は今事件を最重要警戒案件へ指定。

 

 

 

 

凶兆は既に始まっていた。真叶が一番隊隊長となり暫くが経った頃、後に尸魂界全土を震撼させることとなる、史上最悪の禁忌事件。

 

“死神虚化事件”。

 

その始まりは、瀞霊廷東部に位置する流魂街第六十四地区で発生した、一件の失踪事件だった。

 

現地へ派遣されていた九番隊隊士数名との連絡が突如として途絶。

 

救援要請を受けた護廷十三隊は、当時九番隊隊長であった六車拳西を中心とした調査隊を編成し、現地へ向かわせた。

 

しかし、調査隊もまた消息を絶つ。

 

異変を重く見た総隊長・山本元柳斎重國は、護廷十三隊各隊より隊長・副隊長格を招集し、第二次調査隊を派遣。

 

参加したのは、

 

* 五番隊隊長・平子真子

* 十二番隊隊長・浦原喜助

* 鬼道衆総帥・握菱鉄裁

* 八番隊副隊長・矢胴丸リサ

* 十二番隊副隊長・猿柿ひよ里

* その他、複数の隊長・副隊長格。

 

現地で彼らが目撃したものは、常識では説明できない惨状だった。隊士たちは皆、無残な姿で倒れ伏し、その魂魄は虚と酷似した性質へ変質していた。

 

さらに、その中心では、隊長である拳西を始めとする死神たちの身体にも同様の異変が発生。

 

理性を失い、仮面を形成しながら暴走。死神でありながら虚へと変貌するという、前代未聞の現象が確認されたのである。

 

後の調査により、この事件は自然発生ではなく、第三者によって意図的に引き起こされた実験であったことが判明する。

 

首謀者は現在も不明とされている。彼らは死神でありながら、虚の力を宿していた。

 

 本来ならば相反する二つの存在。混ざり合うことなどあり得ないはずの力。

 

 それが、現実として目の前に存在していた。尸魂界は震えた。そして同時に、疑問が生まれた。

 

 一体誰が何の目的でなぜ、これほど高度な魂魄改造技術を有しているのか。だが真実へ辿り着くことはなかった。

 

 いや辿り着けなかった。その裏で全てを操っていた存在が、あまりにも巧妙に自身の痕跡を隠していたからだ。

 

 事件後、浦原喜助は責任を問われ、十二番隊隊長の座を追われた。鬼道衆総帥・握菱鉄裁もまた処罰対象となり、二人は尸魂界から姿を消す。

 

 そして空いた十二番隊隊長の席には、新たな人物が就任することになる。

 

 しかし尸魂界が失ったものはそれだけではなかった。平子真子を始めとした複数の隊長、副隊長格が姿を消したことにより、護廷十三隊には大きな空席が生まれた。

 

 その中でも五番隊…上層部は早期の可決案として平子真子の後釜を据えることを決案した。新たな隊長として推薦された男

 

 それが――

 

 元五番隊副隊長…"藍染惣右介"だった。

 

五番隊隊舎にて新たな隊長就任の日。多くの隊士達が期待と不安を抱く中、その男は静かに隊長羽織を纏っていた。

 

 眼鏡をかけ、柔らかな笑みを浮かべる青年。その男は誰に対しても礼儀正しく誰に対しても優しく。誰から見ても、理想的な死神であった。

 

 名を藍染惣右介。

 

 その日の夜、彼の執務室には、もう一人の男がいた。

 

「珍しいですね」

 

 藍染が穏やかな声で言う。

 

 机を挟んで向かい合う二人。一人は五番隊隊長となった藍染惣右介。

もう一人は護廷十三隊の頂点に近い男。

 

 雀部真叶

 

 真叶は椅子へ腰掛けたまま、藍染を見る。

 

「本日はありがとうございます。まさか隊長就任の日に、一番隊隊長自ら足を運んでいただけるとは思いませんでした」

 

真叶は出された茶へ視線を落とす。

 

「別に大したことじゃない」

 

「そう言っていただけると助かります」

 

藍染は微笑む。

 

「しかし……少し意外でした」

 

「何がだ?」

 

「雀部隊長ほどのお方なら、てっきり挨拶には来られ無いかと思っていましたので」

 

「逆だろ」

 

真叶は茶を一口飲む。

 

「俺みたいなのが先に行かないと、周りが気を遣う」

 

「……なるほど」

 

藍染は静かに頷く。

 

「立場というものをよく理解されている」

 

「長くいると嫌でも分かるさ」

 

「長く……ですか」

 

その言葉に、藍染は僅かに反応する。

真叶はそれを見逃さなかった。

 

「お前も長くなるさ」

 

「私が?」

 

「あぁ」

 

真叶は部屋を見渡す。

 

「隊長ってのは、最初の頃は自分の隊を見るだけで精一杯だ」

 

「ですが?」

 

「そのうち、自分の知らないところで隊が動いていることに気づく」

 

「……」

 

「人間ってのは面白いもんだ。命令されたから動く奴もいれば、その人間だからついていく奴もいる」

 

 

藍染は微笑んだ。

 

 

「隊長というものを随分と深く見ておられる」

 

「そうか?」

 

「ええ」

 

「お前はどうだ?」

 

「私ですか?」

 

「隊長になった感想は」

 

一瞬、藍染は考えるように目を伏せる。

 

「責任が増えた……というところでしょうか」

 

「それだけか?」

 

「それ以上に必要な言葉がありますか?」

 

柔らかな返答が返ってくる。だが、真叶は僅かに目を細めた。

 

「……いや」

 

「?」

 

「お前らしい答えだと思っただけだ」

 

「私らしい?」

 

「あぁ」

 

真叶は立ち上がる。

 

「余計なものを持ち込まず必要なものだけを残す。そういう考え方をする奴なんだろうなってな」

 

藍染は笑う。

 

「買い被りですよ、では」

 

藍染は問い返す。

 

「雀部隊長は、私をどのような人間だと思われましたか?」

 

「……知りたいか?」

 

その言葉に、藍染は初めてほんの僅かに沈黙した。

 

それは動揺ではないのだろう。否定する必要がないと判断した者の沈黙。

そして真叶もまた、その反応を見逃さなかった。この会話の中で、二人は一度も核心へ触れていない。

 

「何を隠しているのか」

「何を考えているのか」

 

そんな直接的な問いは、最初から意味を成さない。何故なら、目の前にいる男はそう簡単に本心を見せるような人間ではないと、真叶は短いやり取りの中で理解していたからだ。

 

藍染惣右介…頭の良い彼は言葉を選ぶ。

相手がどう受け取るか。どの程度まで情報を渡すべきか。そして、その言葉によって相手が何を考えるのか。

 

全てを計算した上で、最も自然に聞こえる答えを返している。それは嘘ではない。だからこそ厄介だった。完全な偽りならば、人は違和感を覚える。

 

しかし藍染の言葉には必ず本物の感情が混ざっている。

だからこそ、どこまでが本心で、どこからが演技なのか判断できない。

 

一方で真叶もまた、藍染を問い詰めるつもりなど最初からなかった。

 

証拠のない疑念ほど、人間関係を壊すものはない。

 

ましてや相手は五番隊隊長。

 

不用意な言葉は、護廷十三隊そのものの均衡を崩す。

だから真叶が見ていたのは、言葉ではない

 

間、視線、呼吸、そして、自分の言葉を受けた瞬間に生まれる僅かな変化。

長年、山本元柳斎重國や数多の隊長格と向き合ってきた経験が、相手の表面ではなく、その奥を見ることを覚えさせていた。

 

「答えは…まだ分からない…だ」

 

その答えは、真叶なりの最大限の誠実さだった。

藍染を信用しているわけではない。しかし、疑っているわけでもない。

 

ただ――

 

「この男は、まだ測りきれない」

 

それだけだった。

 

「正直ですね」

 

藍染が微笑む。

 

その笑みはいつも通り柔らかい。

 

しかし、その内側では別の思考が巡っていた。

 

雀部真叶。彼は危険だ。力だけではない。

この男の危険性は、相手を疑うことではなく、相手を理解しようとするところにある。

 

多くの死神は力を見る。

 

巨大な霊圧に雷霆系最強と謳われる斬魄刀…そして総隊長と引き分ける戦闘能力。

 

だが、この男の本質は違う。類稀な戦闘能力よりも相手が何を隠しているのかではなく、何故、それを隠す必要があるのかを見るその観察眼が最も恐ろしい

 

それは藍染にとって、最も警戒すべき種類の人間だった。

 

しかし――

 

「面白い」

 

藍染は心の中だけでそう呟く。自分の存在に違和感を抱きながらも、決して踏み込もうとはしない。

 

その距離感と判断力。山本元柳斎重國が一番隊という場所に置いた理由が、少し理解できた気がした。

 

そして真叶もまた、同じことを考えていた。

 

(……やっぱり読めないな)

 

表情は穏やかであり言葉は丁寧。誰に対しても平等、完璧な死神像である

 

だが、完璧すぎる人間ほど、時に不自然に見える。

 

「ただ」

 

真叶は襖へ手を掛ける。

 

「一つだけ分かった事もある」

 

「何でしょう」

 

「お前は、自分がどう見えるかをよく知っている」

 

その言葉の意味を、藍染は正確に理解した。それは褒め言葉ではない。同時に、警戒の言葉でもない。ただの観察結果でありだからこそ、藍染は興味を抱いた。

 

この男は、自分を暴こうとしているのではない。ただ、見ている。まるでいつか答えに辿り着くために。

 

「……なるほど」

 

誰もいなくなった部屋で、藍染は小さく呟く。

 

「雀部真叶」

 

その名を口にする。

 

「君は、実に興味深い存在だ」

 

月明かりだけが差し込む五番隊隊長室。

 

この夜、二人の天才は互いの正体を知らないまま。しかし互いを危険な存在として認識した。それが後に尸魂界の運命を大きく変える、最初の接触だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんで…収穫はあったん?」

 

「…いや…驚く程に潔白だよ」

 

「なんやねん。無駄足かい。て言うか何で藍染隊長に拘ってるん?追放された浦原喜助の方がよっぽど怪しいやろ」

 

 

 

 

 愛染と別れた後、真叶は一番隊舎の隊長室にてギンと話し合っていた。内容は勿論先の議案と藍染との密会。ギンからすれば真叶が何故これほどまでに愛染を疑うのか理解が出来ない。

 

 何しろ藍染惣右介という男は柔和な風貌をしており、常に笑みを絶やさない穏やかな性格から隊外問わず皆に慕われていた。怪しい行動など何一つなく寧ろ、護廷十三隊を離反した浦原喜助達の方がギンからすれば余程怪しかった。

 

 

机に腰掛けていた市丸ギンは、呆れたように肩を竦める。

 

「わざわざ五番隊まで出向いて、隊長就任祝いの名目で探り入れて……結果がそれかいな」

 

「探りを入れたつもりはないが」

 

「嘘つきやなぁ」

 

ギンは細めた目で笑う。

 

「真叶くんが意味もなく人の部屋に行くわけないやろ」

 

「……」

 

「それも、相手が藍染隊長や」

 

 

 ギンの言葉に、真叶は返事をしない。その沈黙が、逆に肯定になっていた。

ギンは指を一本立てる。

 

「元十二番隊隊長浦原喜助。技術開発局の創設者にして崩玉なんていう訳分からんもんまで作った天才。ほんで今は虚化事件の責任取って尸魂界追放」

 

 

「……」

 

 

「普通に考えたら、そっち疑うやろ」

 

 

普通ならばそうだ。護廷十三隊の多くの死神が同じ考えを持つだろう。

 

浦原喜助、あの男はあまりにも異質だった。

 

底が見えない頭脳に常識から外れた発想。

そして何より――

 

「自分が何を考えているのか、最後まで見せない」

 

「つまり?」

 

「浦原は、自分を理解している人間にしか本質が見えない」

 

「藍染隊長は?」

 

 

 真叶は少しだけ目を細める。

 

 

「誰にでも理解できるように見せている」

 

 

 真叶の答えに部屋に沈黙が落ちる。

 

 

「……難しいこと言うなぁ」

 

ギンは苦笑する。

 

「もっと簡単に言うたら?」

 

「完璧すぎるんだ」

 

 真叶は短く答えた。

 

「藍染惣右介という男は、あまりにも理想的な死神なんだ」

 

 誰に対しても優しく誰に対しても礼儀正しい。部下から慕われ、上官から信頼され、敵を作らない。

 

そんな人間は確かに存在する。

 

しかし――

 

 

「人間は必ず、どこかで揺れる生き物だ。怒り、嫉妬、欲望、不満。大なり小なり必ず表に出る」

 

「……」

 

「だが、藍染にはそれがない」

 

 ギンは黙って聞いている。

 

「隠しているのか」

 

 真叶は指先で湯呑みを回す。

 

「本当にないのか」

 

 その違いは、大きい。

 

「まぁ……」

 

ギンは天井を見上げる。

 

「確かに藍染隊長は出来すぎとるところはあるわな。でもなぁ、出来すぎた善人なんて、この世には普通におるで?」

 

「……」

 

「それに藍染隊長が本当に黒やったとしても、証拠がない以上、俺らには何も出来へん」

 

「あぁ。分かっている」

 

「なら今は様子見や」

 

「あぁ」

 

 

 真叶は頷く。だが彼の中にある違和感だけは消えなかった。

 

 

「……なぁ、ギン」

 

「なんや?」

 

「お前を新しい三番隊の隊長に推薦しておくよ」

 

「えらいいきなりやなぁ。まぁ隊長おらんくなって次点は副隊長の俺やろおもてたけども。」

 

「今は一刻も早く戦力を整えるべきだと上も判断したんだ。その上で俺は俺の最も信頼するお前に隊長をやって貰いたい。いいか?」

 

 

 それは真叶からギンヘの信頼の証でもあった。ギンなら実力的にも実績的にも申し分ない。元々、卍解を含めてコイツは副隊長に収まっていい器じゃなかったんだが妙に野心に欠けてるせいか特に上を目指していなかったからな。

 

 

「ええよ。しゃあないし俺が手伝ったるわ」

 

「助かるよ。お前なら任せられる」

 

「まかしとき」

 

「俺達が早急にやるべき事は二つ。」

 

 

 そう言い真叶は指を二本立てる

 

 

「一つは隊の再建。今回の事件で少なくとも上位席官クラスの死神が11人はいなくなった。特に隊長がいない5.9.3.7.2.12の部隊は早急に建て直しが必要だが生半可な奴を据える気は俺はサラサラない」

 

「改めてえらいことになってるんやな」

 

「あぁ。二つ目は後進の育成だ。今回の件で首謀者と原因が見つかってない以上またいつ起こるか分からない。もし明日にでも同じ事件が起きたとするなら次は護廷十三隊の"崩壊"も近いかもしれない」

 

「……。」

 

「だから出来るだけ多く信頼できる強く聡い仲間を育てて欲しい」

 

「……やから真叶くんはわざわざ十番隊から入隊して数年の白髪の子供を引っこ抜いたん?噂になってんで、あの一番隊隊長がとうとう弟子を取って自分とこの副隊長に置いたって」

 

「シロのことか…」

 

 

 真叶が一番隊隊長に就任した際、十番隊から同じく異動した者がいた。それが日番谷冬獅郎である。

 

 

「アイツの才能は本物だ。入隊前から斬魄刀と始解を手中にしているだけある。それに何度俺に心を砕くほどボロ雑巾にされても折れずに立ち向かってくる気概と根性…本来なら直ぐにでも隊長に推薦したいくらいだよ」

 

「えらいベタ褒めやん。そんなに凄いんか。今度手合わせさせてぇや」

 

「アホか。お前みたいに手加減も知らず毒舌を吐きまくる奴に弟子を任せられるわけがないだろ」

 

「心外やで。自分ほど仏のような心を持った死神はおらんで?」

 

「はぁ…アイツに期待しているんだ。今のまま成長していってもアイツは隊長にはなれるだろう。…けどそれじゃあダメだ。アイツにはもっと…もっと上を目指してもらわないと」

 

 

 

 真叶が冬獅郎へ掛ける思いと期待は本物である。自分と容姿が似ている…斬魄刀が同じ属性型の斬魄刀である…類稀な才能と根性…冬獅郎を語る上で彼と自分の共通点は多い。だからこそ確信している。冬獅郎が次世代における自分のような人間になると…いやそれ以上になるかも知れない…と。

 

 

 

 

 

 




冬獅郎の強化を急がないとヨン様に呆気なくやられちゃいますからね。ヒナちゃんのためにも早く強くなってもらわないと!

この先の展開!!

  • 原作まで飛ばす!
  • オリジナルストーリーで!
  • 完全お任せで!
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