Liberetrum-リベレトルム-   作:作猫

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小説家になろうってサイトにちょっぴり投稿して止まっている作品を一度ハーメルンにて書いたんだけど納得いかずに消してまた投稿した作品です…
先に言っておきますがこの第一話に主人公はほぼ登場しません


転生者しかいない異世界。

 

◇転生

・生物が死を迎えた後、その魂が別の肉体に宿り、新しい生物として生まれ変わること。仏教などにおける「輪廻転生」の概念がその元である。

 

この物語の「日本」では若い少年少女の間でとある噂が後を絶たなかった。

「異世界転生現象」ライトノベルでしか起こりえないとその日本では言われていた現象が実際に体験できるという。

この噂のせいで日本は死亡率が年々増加しており少子高齢化が進んでいった。

 

しかし、この噂は本当なのであった。

 

◇◇◇

異世界<第二の地球>

 

 

「ん…ここは」

「ようこそ異世界へ!」

 

ひとりの若者が異世界へ転生した。

しかしどこかおかしかった。普段なら最初に女神さまとの出会いシーンを挟むか、かわいい聖職者が出迎えてくれたり…最悪道端に突如いたーなんてこともあるが…

 

「日本…人?」

 

目の前にいたのは日本人の女性だった。

サラリーマンのような。

たまたまその人物が日本人に似ていたなんてことなだけならわかる。けど周りを見ると確信した、日本語の看板、大量の日本人の若者たち。

 

「ここは…異世界なんだろ?」

「はい!まぁ、詳しいことは資料館にでも行ってみてください!」

 

その女性職員はタブレットとタッチペンを取り出してその転生者に渡した

 

「ここにお名前と年齢を記入してください!書き終わりましたらスキルの把握のために測定を行います!」

 

異世界らしくない…といったらいいのだろうか。

渡されたタブレットとタッチペン、完全に異世界じゃなくなってしまっている

信じがたいが、慣れるしかない

 

「敷山さん、ですね。」

 

タブレットを女性職員に提出しては今度は結晶が出てきた。

そこへ手をかざすとステータス表示が出てきたのである。

 

「絶対防御スキルですか、意外と約一万人の転生者がいながらもこのスキルを持った人は滅多にいないんですよね」

「ちょっと待った一万人?」

「はい、この世界の転生者数およびこの世界の総人口です」

「転生者数と世界総人口が同じ…」

 

つまり元からいる人物…先住民と言おう。

先住民はいないということである。

不思議なことで頭がいっぱいだ、とりあえずこの受付が終わったら資料館へと足を運ぶことにしよう

 

「…受付は以上になります!」

「ありがとうございます…」

 

もらったものは住む家と一週間分の食費、冒険者カードとインベントリという魔道具だ。

初日から食住を提供してくれる…

 

「イージーモードだな…これは」

 

提供してくれた家も転生前の家よりかなり豪華だった。

木材建築でずっと適温。

ソファーやベッドもちゃんとついている。

一人で暮らすにはもったいない。

 

「ハハハ…本当にここが異世界なのか…」

 

想像とは全く違いすぎて思わず笑うしかなかった。

 

荷物を整え資料館へと足を運ぶことにした、外へ出ては改めて都市を探索しながら目的地へ行く。

行く途中、武器屋や雑貨屋など異世界っぽい店があった、けれど営業しているのもきっと転生者だろう。

そして彼にはとある施設が視界に入った

 

「人工ダンジョン…?」

 

転生者によって作られたダンジョン。

入り口には回復ポーションや脱出リングなどが販売している。

完全にアトラクションと化している。

 

通り過ぎる人々はすべて転生者、ケモ耳やエルフ耳など最初は先住民かと思ったが違った、美容室みたいなノリで種族を変更できる店がある。まるでゲームのように

 

資料館にたどり着いた。

そこには本はなくすべて動画で保存されていた。

まるで動画配信サービスサイトを見ているかのように。

動画一つ一つもきちんと情報を保存、伝えているというわけではなく、面白おかしく加工されてている。聞き馴染みのある音声合成機能…本当にここが資料館だとは思えなかった。ゆえに情報は大まかにしか入手できなかった。

 

その情報の一つ「先住民はすべて滅ぼすべき」

それが紹介されていた動画には最初にこの世界へ転生した「アルファ」という人物が何もしていないのにすべての先住民に虐げられていたということ。ましては女神からも嫌われまともなスキルを手に入れることができなかったんだとか。そしてその「アルファ」は魔王を討伐した後に女神を奴隷にし、「作者の力」と言われるスキルを手に入れては先住民をすべて無に返したのだとか。

こんなに都合がいいことなんてあるのだろうか…けれどこれは動画だ、どこかは盛っているだろう。

 

先ほど「アルファ」と言ったが、この世界の転生者上位二十四名はギリシャ文字の偽名が許されている。

名前をいいながら発動する系のスキルへの対策だとか動画は説明していた。

 

そして、滅ぼされたものはもう一つ、魔法である。

チートスキルが主流となったこの時代、魔法を撃つためには魔導書を読まなければならない。それがとてもめんどくさいという理由で使われなくなった。どうしても使いたいとなれば雑貨屋に魔法発動の魔道具が売っているらしい。

 

他にも動画をあさっているとダンジョンについての動画があった。

 

「・・・ラストダンジョン?」

 

都市にあった人工のダンジョンとは違い、先住民が作ったダンジョン。

人工ダンジョン以外はすべて攻略し取り壊すというルールがあり、ラストダンジョンと呼ばれるもの以外はもうすべて破壊されていた。そのラストダンジョンとは魔王が作ったものなんだとか。どうやら攻略したものには「特別な報酬」があるらしい。動画なせいで本当だとは思いにくいが…

 

「広告うるさいな…」

 

◇◇◇

資料館を出てはせめて異世界ライフを満喫したいので武器屋に寄ることにした

 

「絶対防御スキル…ならば大剣かな、重たいけど一撃がでかいだろうし」

「その心配はないよ、この世界武器の性能インフレしてるから」

 

武器屋の店長は一本の大剣を取り出した

性能を確認しては即購入。

都市の中にある、モンスターロボットと模擬戦ができる施設へ行く。

模擬戦施設で講座、いわゆるチュートリアルを受けなければ外へはいけないんだそう。

 

「敷山さんねぇ、絶対防御スキルか」

 

その施設を運営する人は冒険者カードを確認してはタブレットを持ってくる。

そう、また動画視聴だ。

これもきちんと伝える、よりも面白おかしく伝えているといったほうが近い。

けれどこの動画を見ているうちにみるみると戦闘技術が身についたような感じがした。

 

「見終わった?なら戦闘ね、」

 

運営者は一体のロボットを召喚する。

ゴブリンのような形をしたロボット、起動音が鳴っては棍棒を取り出し彼へ攻撃を仕掛けてくる。

その瞬間、彼は棍棒攻撃を軽々と避け大剣でゴブリンロボットを真っ二つに斬ったのである。

 

「体が勝手に」

 

生まれてずっと戦闘の練習をしていたかのような感覚。

ゲームのキャラクターを操作しているかのように動ける。

 

「はいおしまい」

 

運営者は彼の冒険者カードを更新してはチュートリアル報酬と書かれたお金とスマートフォンを渡された。

 

「スマートフォン…?」

 

異世界へやってきて一日目でスマートフォンと再開する。

その性能は地球のものより数倍よかった。

しかし世界観をぶっ壊しにくるアイテム、そっとインベントリにしまったのである。

 

チュートリアルを完了しては早速都市外のモンスター討伐へと向かう

歩いてゆく途中すれ違う人々はみな日本人のはずなのに美男美女揃い、まるでSNSのアイコンのように。

グループが完成しており話しかける勇気がない。話しかけても虐げられてはSNSに晒されるだけ

 

「前世と同じことを繰り返さなきゃダメなのかなぁ…」

 

ソロが確定している、けれどこういったソロこそかっこいいと彼は思いながら歩いていると周りの景色とは雰囲気が全く違う建物があったのである。レトロなお店だ。中に入ってみると人のいないカウンター席とその奥には大量の本が置いてあった、異世界に来てやっと見た気がする。棚の本を軽くあさろうとしたとき、小柄な女の子が姿を現した

 

「勝手に触るな」

 

白髪と赤目、制服を着ているから女子高生だろうか

 

「貴方は?」

「私はニュー、この喫茶の店主」

 

そのニューと名乗る女の子は大きくため息を付きながらコーヒーを淹れてくれた

 

「ありがとうございます…ニューってギリシャ文字の?」

 

ニューは黙ってまた本棚の奥へと行った。

一体何だったのだろうとブラックコーヒーを飲んでは「苦っ」となる。

本棚には「魔法」や「歴史」そしてこの異世界にあったであろう言語で書かれた本などが飾られていた。

とそこへまた一人オレンジ髪の青年男性がやってきた

 

「ニューちゃーん、お迎えきたよーん」

 

しかしニューからの返事はない

その男は彼を見る

 

「ねぇ、君ニューとどんな関係?」

「は?客と店員ですけど」

 

見てわかるようなことをわざわざ聞いてくる。

なぜだろうとその男の目を見るとハイライトがなかった

 

「俺、ヤンデレだから」

「は?…」

 

わけがわからない。ヤンデレを自称してくるなんて、サイコパスを自称するようなものなのだろうか。

完全にSNSのノリと同じだった。

 

「ニューちゃーん!」

「しつこい黙れ死ね!」

 

ニューの口調が変わった。

その暴言の三点セットに思わず身を縮める。

 

「えーひっどぉい一緒に行こうよぉ」

 

そしてこの男も懲りない。

 

「何度言ったらわかる私は行かない!本当に死にたいんかグザイ!あぁ?」

 

ニューからの暴言の嵐に思わず倒れこみそうになった。

その男、グザイはようやく帰っていった。

 

「…すみません、変な所見せた。」

 

ニューはグザイが帰ったのを見るとホッとなり、彼へ謝罪をした。

さっきの暴言の嵐が嘘だったかのような雰囲気に、改めて女性を怒らせてはいけないと彼は心に刻んだ。

 

都市の外へやってきた、

しかし、何にもいない。東にはきれいな海、西にはボコボコな山脈

モンスターどころか虫のいる気配もしない、どこか不気味さを感じる。

 

「まじかー…どーしよ。」

 

辺りを見渡してもただ一つ巨大な遺跡以外に何もなかった。

彼の冒険は現在詰み状態である。

 

◇◇◇

塔。その塔に明確な名前など存在していない。

最上階、そこに二十人の転生者が集まっているのである。

 

「…グザイ、ニューはまた休みか?」

「俺の愛しのニューちゃんは今日も引きこもってるよ」

「今の時代本読んでるとかまじでどうかと思うぜ…w」

 

ギリシャ文字の仮名をもつ者たち。

赤や青、犬耳までついて、中には完全に規制されるような姿になっている人もいる。ほぼ全員が日本人という姿ではなかった。

 

「で、今日の招集は何?ガンマ」

 

量産型美人ギャル…といったほうが想像はつきやすいだろうか。

彼女は舐めていた飴を投げ捨ててはステータスを開く

 

「まじめんどくせーからさー、ラストダンジョン攻略しちゃおーぜー」

「私は賛成ー!」

 

銀髪のオオカミ獣人が手を挙げる。

それにつられ何人かもだ。

 

「えっとー、オオカミ耳は…ファイだったよな」

「うん。なんで再確認したの?」

「いやぁ、まぁー…」

 

その他にもグザイ、そしてラムダという男も参戦。

配下たちもつれて総勢百名

 

「決まったからさっさとレッツゴー」

「はいはーい!質問、どうやって攻略するの?」

 

ファイが質問をガンマに投げる

すると、ガンマは笑いながら答える

 

「私のスキルクラフトでー、即死とかそういうの作っちゃうー」

「あれ?資料館に即死系って禁止されているとかどうとか」

「あー、あの動画ねー…問題ないっしょ、今の私たちは神殺しなんていーじーだよー」

 

ガンマはスキルメニューから資料館では違反と紹介されていた系列のスキルを大量に作り出す。

 

「アルファもー認めてたしねぇ」

 

ファイはただその姿を見守るしかなかった。なぜならこの異世界で最強であるアルファが認めたから。

アルファの実力は女神以上である。つまり神のお告げに等しい。

こうしてチーターによるラストダンジョン攻略が始まる。

 

とってもただの校外学習のような感覚である。

彼女らにとって勝利が確定している攻略に緊張など全くない。

 

「転移スキルー」

 

スキルが発動し魔法陣のようなものが出現しては攻略隊を包み込みあっという間にラストダンジョンの入り口へと転移した。それぞれ軽装でダンジョンに入る。

 

「まー最終階層以外の敵は全部片付けちゃった」

 

ただ階段を降りるだけ、一階、さらに一階。ガンマによって作られた螺旋階段を辿って容易に最終階層へとたどり着いた一行。

 

「はぁ、ガンマさんなんでエスカレーターとかエレベーターにしなかったんっすか」

「あ、そうすればよかったねーえへへ」

 

そして少し歩きたどり着いたラスボス前。

 

「はぁーイージーすぎた、なんでこれが転生者殺しなんて言われてるんだろーねー」

 

そういいながらガンマがドアを開ける。

 

「え?子供?wまさかー、子供相手に手こずってたの?今まで?w」

 

大爆笑するガンマ。スマートフォンを取り出しては録画する。

 

「見てよーははっ、ラストダンジョンのラスボス子供だったんだけどぉーw」

 

のんきに動画用の撮影をしているガンマたちを見ては怯えてるその子供。

腰をぬかし涙目になりながらも後ずさりをする。

 

「ガンマ、俺が殺していいか?」

「特別にいいよグザイ」

「やった」

 

グザイはボロボロのナイフを取り出しては軽く舐め、その子供へと近寄る

恐怖のあまり涙も出なくなったその子供

 

「はっはw」

 

グザイが子供の首へとナイフを当てようとした途端

 

「…どーしたグザイ」

 

突如固まったグザイ、そして

 

パーンッ

 

突如グザイの頭が膨れ上がり破裂する

彼は声をあげながら破裂し消え去った頭があった部分に手をあてる。

意識がまだ残っており、ただ神も降参するほどの激痛が彼を襲っている。

 

その姿に吐くものもいれば何かのドッキリだろうと笑うものもいる。

ガンマはそのグザイの姿を見ては子供がやったのかと思った。

しかし、その子供も彼の姿を見ては泡を吹いて気絶していた。

 

「誰がやった!?」

 

混乱下でスキルを使うという選択肢が忘れ去られた

あたりを見まわした。

 

「私がやった」

 

その中でただ一人

ファイが手を挙げていた。




誤字脱字があれば教えてくれると助かります。
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