Liberetrum-リベレトルム-   作:作猫

3 / 3
無限図書館

「おーい起きろーさもなければ爆発するぞ、私が」

「ん…ここは…」

「最初の一言目はそれだよねぇ定番定番、」

 

木でできた空間。そこまでは認識できる

ルイアは起き上がるとまず目に入ったのはモノガタリ、の耳

近づいてはひょこっと彼女の髪の毛をよかし、自分の耳がある場所を確認してから見てみる。

 

「こら、そこはモザイクだぞ」

「もざいく?」

 

そこに耳はなかった。見てはいけない場所ということは分かったので今度はモノガタリの耳を触る、モフモフの絵本で見た「オオカミ」の耳に似ている。

 

「そこはもっとだめ…」

「モノガタリ、変な空気」

「…魔王さま?」

 

ルイアの背後からやってきたのはルイアの知っている魔王が見につけていた服装、しかし魔王とは体系が違う。

 

「ようこそ、ルイア。」

 

けれどしゃべり方が魔王と完全一致した。

 

「…ここはどこなのですか?」

無限図書館(インフィニティライブラリ)!略してムショ~なんていつものテンションじゃだめか。」

 

モノガタリはルイアを部屋の外へ連れ出す。

そこには、壁と天井がなくただ均等に本棚が並んでいる暗くも明るくもない空間が広がっていた。

ルイアはその本棚へ近寄ってみる、ただ「竹取物語」と書かれた同じタイトルの同じ本がずらっと並んでいた。

まるで同じ本しかないようにも見える

 

「この図書館は「創作」「伝承」「記録」の三つ、それに加えて「IF」の本が並んでいる。この竹取物語も、有名すぎてその本で埋め尽くされた本棚だけで富士山が作れちゃう!」

「ふじさん?」

 

何を言っているのかがさっぱりわからないルイア。

そんな彼を見て魔王は頭を撫でる

 

「この前の絵本、もしもこれがあれだったら…そんな本がたくさんある。」

「…すごい!」

「なんでそれでわかるんだよ」

「育てた、私が」

 

ルイアは頭を撫でてもらい魔王だと確信した

 

「魔王さまって女の子?なんですね!」

「ルイア、私の名前はファイ」

「ファイ…ファイはこのもふもふの耳の人じゃないのですか?」

「私はモノガタリだよ、スパイするのに名前借りてたんだよ」

「すぱい…?」

 

ルイアにとってモノガタリがいうことのほぼすべての意味がわからない。同じ言語なのは分かるがまだ習っていない。

 

「魔王さまがファイさまで、もふもふがモノガタリ…?」

「畜生、私だけ様付けされない」

 

悔しがるモノガタリをみてどこか勝ち誇った表情をするファイ。ルイアにはこの二人が何をやっているのか理解できなかった。

 

部屋に戻り詳しいことをルイアにできる限り簡単に説明しようと奮闘したが、ルイアの知っている言葉があまりにも少なくて無事二人とも完敗

 

「なんで本もっと読ませなかったんだよ!」

「ニュー、持ってる絵本少なかった」

「こっから持っていけばよかったじゃないか!たっくさんあるのによ…」

 

「あ」と表情をする。

悩みに悩んだ末…

 

幻想拾い(ファンタズムハーヴェスト)

 

モノガタリが一冊の本を何もない空間から取り出し、そこからとあるページを開く。

何の変哲もないただのファンタジー系の本。

その中の最初の一桁ページ目の一行をなぞる

 

「舞台設定の紹介を一気にドーン」

 

◇終わりなき無限の図書館

・この図書館は一つの「創作」の「IF」である。

この図書館には人々の記憶にある物語全てが保存されている、誰かが覚えている限りその物語は消えない。

「日記」「人生」「手紙」「頭の中でほんの少し創作したもの」ほかいろいろ全てが物語として存在している。

その本が焼かれようが抹消されようが誰かの記憶にあるかぎり復活する。

この図書館には図書館の管理人、管理人が指名した人、管理人の「IF」の存在しか出入りできない。

 

「はい、これが序章ね…ってあれ?」

 

ルイアは立ったまま気絶していた、情報が大量に押し寄せたのである。

 

◇◇◇

 

「んん…ファイ様?」

「起きた」

 

目が覚めると目の前にファイの顔があった。

ファイの冷たくて柔らかい太ももに頭を乗せていたのである。

そこへリボンを持ってきた一人の赤紙の少年がやってきた

 

「ファイー、これ頼まれたものだけどさぁ…ってあれ?新しい子?可愛いじゃん!僕はファフでファイの弟ね、よろしく!ってかファイ人生で初めて膝枕してる?やっべ早く写真撮らなきゃ」

 

ファフの話が長く上手く入り込めないルイア。

 

「ファフ」

「あ、ごめんごめん!いつものテンションで話しちゃったよ…」

 

ファフは写真を撮った後、ルイアに近づいては彼の眼球をじっと見つめる。

お人形のようなただの眼球、ファフはそれをよく観察したのちルイアに一つの武器を渡す。

ただの短剣、黒の持ち手に銀色の片刃。しかしその短剣にはどこかノイズがはしっていた。

 

「はい!これはエディターっていう武器!君と共鳴していたからあげるよ」

 

そういいながらファフはまたどこかへと向かった。

起き上がったルイアはあらためて無限に続く本棚を見る。

どこまでも明るく照らされている。

 

「あ、起きたかぁ」

 

そこへ一冊の本を持ったモノガタリがやってきた。

ファイも立ち上がりルイアのもとへ行く。

 

「その本はなんの本?」

「最低限の語彙力が身につく本」

 

適当なページを開いてはルイアの頭へ押し当てる。

すると文字がルイアの脳内に流れ込んでいく。

はてはまた気絶した。

 

「あ、」

 

バタリとファイのほうへ倒れるルイア

まだ誰でも処理しきれるはずの本を脳内に流し込んだだけなのに…

 

「あぁごめんてぇ」

 

◇◇◇

またもや同じ光景。

ルイアはまたファイに膝枕をされている。

 

「あぁ…まただ………あれ?」

「喋れてる…」

「ごめんねぇ、まじで」

 

またモノガタリが別の本を持ってきたので三度目は嫌だと部屋の端っこに逃げた。

それを見たモノガタリは慌てて土下座をする。

 

「ほんっとうに申し訳ない!」

「…じゃぁ今度は何?」

「君に魔法を教えようと思って!」

「魔法!本当に!?」

 

ルイアがいくら頑張っても覚えることができなかった「魔法」。現にその難しさゆえ第二の地球では忘れ去られている。

 

「ルイアに…魔力ない」

「そうじゃなくて!コールだよ!」

「……魔法なの?」

「魔法魔法!」

「こーる?」

 

モノガタリはその本を紙芝居に変換してはルイアに見せた。

コール。正式名称「無属性能力及び魔法:Call」その英単語が言われるとモノガタリへ通信が繋がるというもの。

ただ日頃Callって言葉はたくさん言われていてモノガタリの頭の中が騒音で爆散してしまうので「お友達」以上の人のみに限定している。

 

「…物語性のない紙芝居」

「それは言わないでくれ…」

 

モノガタリは紙芝居をしまってはルイアの頭に触れる。

あまた気絶すると表情をしたルイアだったが今度は気絶することなく右手に何か変な腕輪が出現した

 

「その腕輪がこの図書館への扉。体の一部だから盗まれることはないね、生体認証とかセキュリティ面も問題ナッシング」

 

その腕輪に軽く触れると見えなくなった。

再び腕輪があた場所に触れると出現する、切り替わるたびにすこし腕がムズムズするのである。

 

「最後に!君の装備について考えよう」

「装備?戦うの?」

「え?あの世界救いたいんでしょ?」

 

そこへファフが再びやってきた。

大量の装備を運び出してはボタンをぽちっと押す。

すると武器たちが浮かび上がりルイアの周りをまわりはじめた。

 

「装備といったら僕にお任せー!って言ってもチーターに対してどう戦うの?」

 

槍や刀、銃そして拳など様々な武器、ルイアは言われるがまま己の感覚に頼り二つの武器を手に取った。

モノガタリはルイアがとった武器を見てはどちらも殺傷性のないものであることにおどろいた。

 

「グラップラーと…なんだそれ?」

 

見た目は拳銃、というよりもすこし大きなティーザー銃のような感じだった。

ファフはルイアからその銃を借りては自慢げに説明する

 

「閃光銃だよ、閃光弾を銃にしてみた。」

 

ファフはモノガタリへ狙いを定めてはトリガーをひく。

すると図書館内が真っ白に輝く。

三秒後収まるとファフ以外は全員目をこすっていた。

何も見えない、ただ目が焼けたかのような感覚

 

「ちなみにカートリッジ式で連続二十発まで撃てるよ。音のほうは取り外してるから」

「アア…」

 

ルイアは突如の閃光での目が焼ける痛みを感じ痛さのあまり涙目になりながら倒れていた。

痛みが強すぎて声が出ない、ただ必死に目をこする。

ほんの数秒だったがなれないものでとてつもなく痛かった

 

「今撃ったのが最低値で、最高値が1000万カルデラね…あれ?」

 

ルイアが致命傷を負ったかのようなぐらいの状態に気づいたファフは慌てて医療キッドとゴーグルをルイアのもとへ持って行った。

 

「ごめん!いつものテンションでやっちゃった…」

 

ルイアを起こしては目薬をさす。

するとルイアの視界は治癒魔法のような素早さで回復した。

ビクビクと体を震わせながら起き上がるルイア

 

「これ、ゴーグル。光を抑えられる」

 

またなにかやってくるんじゃないかとファフを見ては怖くて逃げようとするルイア。

そんな彼を見てファフは何度も土下座した。

 

◇◇◇

チートスキルとは世界のバランスを崩壊させるもの、ゲームでいう不正行為だ。

異世界転生なんて(作者)が認めた不正行為にすぎないと思う。

同じタイトルの本でいっぱいな本棚に腰をかけては本を一冊一冊読んでいく。

読んでいるその異世界転生の本は主人公が綺麗だった。

優しく強くそしてモテる。まるでそれが人間ではないように

 

「転生者ってこんなに綺麗なのだろうか…」

「そうってこともないけどねぇー」

「…誰?」

 

重力がひとりのおかしな方向へ向いている脳みそが子供たちのような表情をした少年。

 

「脳みそが子供たちのようなとは失礼な!」

「…誰にしゃべってるの?」

「アメリカンコミックでよく見る第四の壁を突き破るやつだよ」

「?」

 

「まぁ細かい話は気にせずに」とくるっと一回転しては滑って転ぶ。

鼻血を止めながら立ち上がってはまた転ぶ、そして今度は爆発した。

その行動を見てルイアは理解できなかった。

 

「僕はイル!通りすがってない一般人じゃない人さ!」

「…誰?」

「居るじゃなくてイ・ル!名前がイルだよ。」

 

ゴホンと効果音を鳴らしては一冊の本をルイアに渡す。

 

「世の中には残酷な異世界に転生している人だっているのさ」

 

その本に目を通す。

ルイアは異世界転生というもののすべてを知るのは無理だとわかった。

ふとイルがいた場所に視線を戻すとそこに彼はいなかった。

 

 




完全オリジナルは書くのがとっても大変。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。