学院ネクロマンサ-   作:オリーブの実

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ガイダンスという名の説明回

「諸事情により、予定より大幅に遅れたが、今年度の新入生向けガイダンスを始める」

 

 学院中央部に位置する大講堂。

 数百人の新入生を前に、壇上の講師が淡々と告げた。

 

「まず、学院の概要から」

 

 講堂は、円形に近い構造をしている。

 

 中央の演壇を取り囲むように階段状の座席が並び、それぞれの席は、学部と学科ごとに区画を分けて割り振られていた。新入生たちは皆、自らが所属する学科の区画に纏まって座っている。

 壁面には、拡声と投影の魔道具が埋め込まれている。高い天井には七人の賢者を描いた巨大な天井画があり、新たに学院へ迎えられた生徒たちを静かに見下ろしていた。

 

 火象科に割り振られた区画の中ほど。

 

 モブル・カマセディは、斜め三列ほど前にある特異科の区画を睨みつけていた。いや、正確にはそこへ当然のように入り込んでいる、一人の少女を。

 赤い髪は目立つ。

 数百人の中に紛れていても、見間違えようがない。

 

 ソレイユ・ゾロスター。

 入学したばかりだというのに、既に多くの火象科生から注目を集めている少女。

 モブルも、入学試験で一度だけ彼女の焱を目にしていた。

 

 ほんの僅か。

 掌に灯された、小さな焱。

 ただ、それだけ。しかしそれを見たその瞬間、モブルは自分の扱う火が、ひどく幼稚なものに思えた。

 

 薪へ火を移すための火。

 鍋を温めるための火。

 せいぜい、人の肉を焼くための火。

 

 対して、ソレイユの焱は違った。

 あれは、火などではない。

 世界の始まりと終わりを、そのまま掌へ載せた何か。

 

 彼女こそ、火の到達点。

 火象科に属する者が目指すべき、究極の姿。

 モブルは、そう確信した。

 

 だからこそ、理解できなかった。

 

「ねーねー、飽きちゃった」

 

 本来なら、ソレイユが座るべきなのは、モブルと同じ火象科の区画だというのに、彼女は特異科の区画で、隣に座る白銀の少女へ身を寄せている。

 小声のつもりなのだろうが、その声はモブルにまで聞こえていた。

 

「…………なんで、貴女は私の隣に座ってるの?」

「イイじゃん別に。先生に怒られた仲でしょ?」

「よくない」

「ケチ」

「静かにして」

「さっき、知ってることばっかって言ってたじゃん。なら、聞かなくていいでしょ」

「うるさい」

「ところでさー。貴女じゃなくて、ソルって呼んでよ」

「嫌」

「じゃあ、ソレイユでいいよ」

「呼ぶ必要がない」

「あるよ。友達なんだから」

「違う」

「まだね」

 

 白銀の少女。

 サリエリ・ヴァーナレク。

 

 先日、ソレイユと共に第三広域模擬戦場を消滅させたらしい、特異科の死霊術師。

 既に学院中で噂になっている。

 

 死体を繋ぎ合わせ、異形の怪物を作り出した。

 魂を弄び、死者を奴隷のように使役している。

 

 どこまでが事実で、どこからが尾鰭なのか、モブルには分からない。

 

 だが、陰気な死霊術師であることだけは、一目見れば分かる。

 その女が、なぜソレイユの隣にいる。

 なぜ、ソレイユはわざわざ自分の席を離れ、あの女の隣に座っているのか。

 なぜ、あれほど楽しそうに話しかけているのか。

 なぜ。なぜ。なぜ。なぜ。なぜ。なぜ。なぜ。

 

 モブルの手の中で、羽根ペンが軋んだ。

 

「総人口約九百十二万人を擁する永世中立国、アザミナ王国。そこに置かれているのが、諸君の入学したヘカテルギア国立魔法学院である」

 

 壇上では、講師の説明が続いていた。

 

「その歴史は古く、創設は今から四千年以上前。当時の大戦で活躍し、後世に賢者と呼ばれることとなった偉大な魔法使いたちによって設立されたと伝えられている」

 

 講師が杖を振る。

 背後の壁面へ、学院の紋章が投影された。

 

「学院の理念は一つ」

 

 紋章の下へ、文字が浮かび上がる。

 

『一の万能人より、十の専門人』

 

「一人の魔法使いがあらゆる分野へ手を伸ばすより、それぞれが一つの分野を深く究め、互いに補い合うことを重んじる。そうした考えを示した言葉である」

 

「全部できた方が便利じゃない?」

 

 ソレイユが言う。

 

「貴女を基準にしないで」

「サリーも大体できるでしょ」

「死体にやらせているだけ。私自身が修得しているわけではない」

「同じじゃない?」

「違う」

 

 モブルの眉間に、深い皺が寄った。

 講師の話を聞こうともせず、二人だけでくだらない話を続けている。だというのに、ソレイユの横顔は楽しそうだった。

 

「では、各学部と学科について説明する」

 

 講師の杖が再び動く。

 最初に映し出されたのは、四つの色に分かれた円環だった。

 

「まず、属性魔法学部。火、風、水、土の四属性について、それぞれの性質と発展を研究する学部だ。所属する学科も、四属性に対応して分かれている」

 

 円環のうち、赤い部分が燃え上がる炎の形へ変わる。

 

火象(かしょう)学科。属性魔法を扱う者のうち、火への適性を持つ者が所属する。火の発生と操作を基礎とし、熱、燃焼、爆発、それらに関連する現象を研究する学科だ」

 

 火象科の区画から、僅かな歓声が上がる。

 モブルも自然と胸を張った。

 

「火は、四属性の中でも極めて高い攻撃性を持つ。そのためか、火こそ属性魔法最強であると信じる学生も少なくないが――」

 

 講師が、火象科の区画を見た。

 

「他属性を軽んじることのないように」

「拝火教に言っても無駄だろ」

 

 どこかの区画から、そんな声が聞こえた。

 くすくすと笑いが漏れる。

 モブルは声のした方角を睨んだが、誰が言ったのかは分からなかった。

 

「私語は慎むように」

 

 講師が短く注意すると、笑いはすぐに収まった。

 

「次に、風理(ふうり)学科」

 

 投影された炎が消え、代わりに渦巻く風が現れる。

 

「属性魔法を扱う者のうち、風への適性を持つ者が所属する。大気の流動や気圧、音、雷など、風に付随する現象も研究の対象となる」

 

 風理科に割り振られた区画は、他学科と比べて明らかにまばらだった。

 

「自由な発想は、魔法の研究において重要だ。しかし、自由と規則違反を混同しないように」

 

 誰に向けた注意なのかは明らかだった。

 

水憶(すいおく)学科。属性魔法を扱う者のうち、水への適性を持つ者が所属する。水や氷の操作に加え、水が持つ記録性と受容性についても研究する」

 

 水憶科の区画では、生徒たちが講師の言葉を一言一句書き留めていた。

 

「魔法学のみならず、歴史学や考古学との関わりも深い。学院内外の研究機関と協力する機会も多い学科だ」

 

 隣の生徒が、手元の記録を覗き込もうとする。

 水憶科生は、それを気にする様子もなく淡々と筆を動かしていた。

 

土廻(どかい)学科。属性魔法を扱う者のうち、土への適性を持つ者が所属する。土砂や岩石、鉱物、植物の操作に加え、生命と大地の循環についても研究する学科だ」

 

 土廻科の区画には、他と比べてどこか穏やかな空気が流れていた。

 栗色の髪を後ろで纏めた少女が、隣の生徒へ飴を配っている。

 名前は知らない。

 だが、昨日のうちに別の火象科生が「土廻科の癒し」だと騒いでいたのを、モブルは覚えていた。

 

「以上が、属性魔法学部の四学科となる」

 

 投影された四属性の紋章が消え、次に、形の定まらない不可思議な光が現れた。

 

「続いて、特異魔法学部」

 

 モブルの視線が、自然と斜め前の区画へ向いた。

 

「特異魔法は、突然変異的に発現する魔法だ。原則として遺伝せず、同じ魔法を持つ先人と出会うこともほとんどない。そのため、使い手自身が魔法の性質を調べ、行使法を模索し続けなければならない」

 

 サリエリが、僅かに顔を上げる。

 

「所属学科は特異学科のみ。かつては魔法の性質によって細分化されていた時期もあったが、在籍者数と研究資源の問題から、一つの学科へ統合された」

 

「見世物小屋か」

 

 講堂のどこかから、囁きが聞こえた。

 特異科に割り振られた区画は小さく、座っている生徒の数も明らかに少ない。その少ない席の一つを、なぜか火象科のソレイユが占拠していた。

 モブルは、先ほどの囁きを否定する気にはなれなかった。

 その中でも、死体と魂を弄ぶサリエリは別格だろう。

 

「私語を慎め」

 

 講師の鋭い声が飛ぶ。

 

「特異魔法の研究成果は、魔法学全体の発展に大きく寄与している。自分に理解できないという理由だけで、使い手まで否定することのないように」

 

 モブルは鼻を鳴らす。

 理解できないから、遠ざけたいのではない。

 死体を弄ぶような人間だから、ソレイユの隣にいることが許せないのだ。

 

「続いて、血統魔法学部。所属学科は血統学科のみ」

 

 投影が切り替わり、複雑に枝分かれした系譜図が浮かび上がる。

 

「血統魔法は、特定の一族へ代々継承されてきた魔法だ。使い手の多くは古い家系に属し、各家には独自の術式や鍛錬法が伝えられている」

 

 血統科の区画には、いかにも育ちの良さそうな生徒が多く集まっていた。

 金色の髪と瞳を持つ少女。

 その隣に座る、銀髪銀眼の少女。

 

 確か、竜化魔法とかいうのを継承する、アガベル家の姉妹だったはずだ。

 少し離れた席には、顔色の悪い濡羽色の髪の少女と、王家特有の紫色の髪を持つ少女も見える。

 

「血統魔法は強力である一方、継承が途絶えれば、そのまま失伝魔法となる危険を抱えている。自らの魔法を磨くだけでなく、後世へ正しく伝えることも、血統学科に所属する者の重要な役割だ」

 

「貴族院は大変だな」

 

 小さな声が聞こえた。

 今度は笑いが起こらなかった。

 聞こえた血統科の生徒が、声の主を探すように周囲を見回していたからだ。

 

「貴族院の授業は大変そうだね」

 

 ソレイユまで、同じようなことを言った。

 

「聞こえる」

 

 サリエリが指摘する。

 血統科の区画に座る数名が、二人の方を見ていた。

 

「別に、悪口じゃないよ」

「悪口かどうかは、言った側が決めることじゃない」

「じゃあ、サリーって呼ぶのも?」

「それは明確に嫌だと言ってる」

「難しいね、人間関係」

「貴女に人間関係を語られたくない」

 

 まただ。

 また、ソレイユが笑っている。

 二人は、先日出会ったばかりのはずだ。なのに、その間には既に他人が入り込めない何かがあるように見えた。

 

「最後に、総合学部」

 

 壇上の投影が切り替わる。

 四つの学科名が並んで映し出された。

 

 救護科。

 創造科。

 戦技科。

 普通科。

 

「総合学部には、特定の魔法系統ではなく、その魔法を何に用いるかによって分けられた四つの学科が存在する」

 

 四つのうち、救護科の名が大きく表示される。

 

「まず、救護学科。回復魔法や補助魔法に適性を持つ者、あるいは魔法による救命や災害救助を専門的に学ぶことを望む者が所属する」

 

 負傷者の治療。

 体力や魔力の回復。

 身体機能の補助。

 有害な魔法効果の緩和。

 

「救護学科が担うのは、負傷者を生かし、再び立ち上がらせることだ。学院内の演習に限らず、卒業後は軍、王宮魔道騎士団、医療機関など、さまざまな場所で必要とされる」

 

「救貧院のお世話にならないようにしないとな」

「昨日、早速運び込まれてただろ」

 

 近くの生徒たちが、小声で笑い合っている。

 モブルは興味を向けなかった。

 

「次に、創造学科。造形魔法に適性を持つ者が所属する。また、魔法の系統にかかわらず、魔道具技師を志す者も受け入れている」

 

 武器。

 防具。

 生活用品。

 魔法を補助する器具。

 術式を組み込んだ魔道具。

 

「魔法を使えることと、その力を誰もが利用できる技術へ変えることは、同じではない。創造学科が担うのは、魔法を実用的な形へ落とし込むことだ」

 

 講師が壁面を指す。

 

「この講堂に設置されている投影装置や拡声器、模擬戦場で使用される各種設備も、創造学科の研究成果を基礎として作られている」

 

「便利屋様々だな」

 

 誰かが囁く。

 その言葉には、他の呼び名ほどの悪意は感じられなかった。

 

「続いて、戦技学科。戦闘への適性を持つ魔法の使い手、あるいは自身の魔法の性質を問わず、純粋に強さを求める者が所属する」

 

 戦技科の区画へ説明が移ると、講堂の空気が明らかに変わった。

 腰に剣を提げた者。

 拳に包帯を巻いた者。

 何故か全身鎧を纏っている者。

 ガイダンス中だというのに、周囲の生徒を値踏みしている者。

 

「戦技学科で学ぶのは、単純な魔法の威力だけではない。身体強化、武器術、間合いの取り方、集団戦術、そして各自の魔法に応じた戦い方を学ぶ」

 

 講師の声が、僅かに強くなる。

 

「強力な魔法を持つ者が、必ずしも戦闘に強いとは限らない。反対に、戦闘向きではない魔法であっても、使い方と鍛錬次第では優れた戦士となり得る。自らの魔法を、戦場で生き残るための技術へ昇華する。それが戦技科だ」

 

「コロッセオへようこそ!」

 

 戦技科の区画から、誰かが声を上げた。

 すぐに周囲から笑いと歓声が起こる。

 

「静粛に」

 

 講師の一言で、騒ぎは収まった。

 

「そして最後に、普通学科」

 

 壇上に映し出されていた三つの学科名が消え、普通科の文字だけが残る。

 

「普通学科には、扱う魔法の系統を問わず、魔法の制御方法を学ぶことを目的として入学した者が所属する」

 

 講堂の空気が、僅かに変わった。

 今度は、揶揄する声が上がらない。

 

「魔力を持つ者には、本人が望むと望まざるとにかかわらず、必ず魔法が発現する。制御方法を知らない魔法は、術者自身だけでなく、周囲の生命をも脅かす」

 

 過去、制御できない魔法によって家族や周囲の人間を傷つけた事故は、幾度となく起きている。

 魔法使いとして生きるつもりがなくとも、自らの魔法を制御するための知識は必要になる。

 

「普通学科で学ぶのは、魔法を究めるための技術ではない。自らの魔法を安全に扱い、必要がなければ使わずに生きるための技術だ」

 

 普通科を修了した後の進路は、さまざまである。

 以後、魔法とはほとんど関わらずに生きる者。

 日常生活を少し便利にする道具として使う者。

 学ぶ中で新たな目標を見つけ、別の学部へ入り直す者。

 

「専門分野を持たないことと、学ぶ必要がないことは同義ではない。むしろ、魔法を持つ者であれば誰もが学ぶべき、最も基礎的な知識を扱う学科と言えるだろう」

 

 他学科の生徒は、普通科を笑わない。

 ある種の敬意を込めて、そこをただ「学校」とだけ呼んでいた。

 

「以上が、本学院に置かれた学部および学科の概要となる」

 

 再び、学院の理念が投影される。

 

『一の万能人より、十の専門人』

 

「所属する学部や学科の違いは、魔法使いとしての優劣を示すものではない。己の分野を究める者もいれば、魔法と正しく距離を取るために学ぶ者もいる。それぞれが必要な知識を身につけ、互いに補い合う。それが、この学院の掲げる理念だ」

 

 講師は一度、手元の資料へ目を落とす。

 

「諸君には在学中に、自らが魔法とどう向き合うのかを見定めてもらう。学部と学科についての説明は以上だ。何か質問のある者は?」

 

「はい!!!」

 

 待っていたとばかりに、講堂の後方から手が上がった。

 同時に、弾けるような大声が響き渡る。

 声の主は、血統科の区画に座る少女だった。

 

「……では、君」

 

「はい!!!! 貴重なお話、ありがとうございます!!! では質問なのですが! 『英雄』に相応しい学部学科はどこでしょうか!!? また、そこに転向する事は可能ですか!!!」

 

 講師は一瞬だけ沈黙した。

 

「特定の学部や学科に所属すれば、英雄になれるというものではない。本人の資質と努力、そして何をもって英雄とするかによる⋯⋯それと、転学部、転学科は可能ではあるが、それ相応の理由が必要となるので、決して軽い気持ちで出来るとは思わないように」

 

「なるほど!!! ありがとうございます!!!」

「あと、声量は抑えるように」

「はい!!!!」

「抑えろと言っている」

 

 講堂の各所から笑いが起こる。

 

「他に質問は?」

「は〜い」

 

 今度は、風理科の区画から気怠そうな手が上がった。

 

「では、君」

「講義は、どの程度までなら休んでも大丈夫ですか」

「一日も休まないことを推奨する」

「推奨ということは、休んでも平気ということですね」

「出席不足による落第は自己責任だ」

「は〜い」

「返事だけはいいな」

 

 再び笑いが広がる。

 

「他に質問は?」

「はーい」

 

 斜め前方の特異科区画から、ソレイユが勢いよく手を挙げた。

 周囲を見れば、彼女の徽章だけが明らかに場違いだった。

 

「では、君。どうぞ」

「間違って、また模擬戦場を壊してしまったら、どうすればいいでしょうか!」

「…………」

 

 講師は、しばらく無言でソレイユを見つめた。

 講堂中の視線が、再び彼女へ集まる。

 講師は一度目を閉じ、静かに息を吐いた。

 

「……その質問は、このガイダンスの管轄外だ」

「では、どこで聞けばいいですか?」

「教務局長に聞くといい」

「分かりました!」

 

 迷いのない返事に、講堂のあちこちから再び笑いが起こる。しかしその中で、モブルだけは笑わなかった。

 

 ソレイユが、またサリエリへ何かを囁く。

 サリエリが、心底嫌そうな顔をする。

 それでも、席を立とうとはしない。

 

 二人の距離は近い。

 近すぎる。

 先日出会ったばかりだというのが、信じられないほどに。

 

 ソレイユが笑う。

 サリエリが何かを返す。

 ソレイユが、さらに楽しそうに笑う。

 

 なぜだ。

 なぜ、あんな女が。

 なぜ、ソレイユの隣にいる。

 

 モブルの手の中で、遂に羽根ペンが折れた。




登場人物
モブル・カマセディ
属性魔法の一角、火属性を扱う。火象学科。1年。
火象の中での実力は中の中から中の上程度。
ソレイユに崇拝とも言える尊敬の念を抱いている。そしてサリエリには、自身の尊敬するソレイユに引っ付く、陰険根暗死霊術師として憎悪とも言える異常な執着を見せる。要はただの嫉妬。
成り上がりの成り金貴族の出。

用語
ヘカテルギア国立魔法学院
過去の大戦で勝利をもたらした、7人の賢者が創設したとされる学院
学院の方針は「一の万能人より、十の専門人」

属性魔法学部

火象(かしょう)学科
属性魔法を扱う者のうち、火属性に適性を持つ学生が所属する学科。

学科概要
火属性魔法の理論・実践を専門的に学ぶ。
「火こそ最強の魔法」と信じる学生が非常に多い。
実験や模擬戦で火災事故が頻発したため、学科塔は近年、難燃性素材へ全面改修された。

他学科からは、拝火教と揶揄されて疎まれている。

風理(ふうり)学科
属性魔法を扱う者のうち、風属性に適性を持つ学生が所属する学科。

学科概要
風属性魔法の理論・応用を専門的に学ぶ。
自由奔放な学生が多く、規範意識は学院内でも特に緩い。
学科塔は学院内で最も高く、学院の象徴的建築物の一つとなっている。

他学科からは、放牧場と揶揄されて馬鹿にされている。

水憶(すいおく)学科
属性魔法を扱う者のうち、水属性に適性を持つ学生が所属する学科。

学科概要
水属性魔法および記録・解析技術を専門的に学ぶ。
学究肌の学生が多く、研究活動が非常に盛ん。
学科塔には歴代学生が残した書籍・研究記録・論文などが大量に保管されており、実質的な専門図書館となっている。
学科塔で寝泊まりする学生も少なくない。

他学科からは、象牙の塔と揶揄されて距離を置かれている。

土廻(どかい)学科
属性魔法を扱う者のうち、土属性に適性を持つ学生が所属する学科。

学科概要
土属性魔法をはじめ、循環や自然の摂理について学ぶ。
自然との共生を重んじる学生が多い。
学科塔は植物に覆われ、周囲一帯が密林化しているため、実質的にサバイバル施設となっている。

他学科からは、大自然と揶揄されて若干引かれ気味。

特異魔法学部

特異学科
特異魔法学部唯一の学科。

学科概要
かつては能力ごとに細分化されていたが、特異魔法使いの希少性から現在は一学科へ統合された。
特異魔法は共通理論の構築が困難であり、過去資料も極めて少ない。
能力の解析・訓練は各自が試行錯誤を重ねながら行う。
特異魔法適性者は本人の意思に関係なく本学科へ所属する。
学科塔は存在するものの利用者が少なく、多くの授業は本校舎で実施される。
学科塔は学院の外れに位置しており、「地味に遠い」と学科性からは評判。

他学科からは見世物小屋と揶揄されて遠巻きにされている。

血統魔法学部

血統学科
血統魔法学部唯一の学科。

学科概要
血統魔法の性質上、学科の細分化が困難なため、一学科のみで構成される。
所属学生の多くは魔法名家や貴族の出身。
学科塔は他学科よりも一回り豪華な造りとなっている。

他学科からは貴族院と陰口を叩かれている。

総合学部

普通科

学科概要
魔法を専門職ではなく一般教養として学びたい学生が所属する学科。
魔法との関わり方は卒業後も様々であり、一般職へ進む者、日常生活で活用する者、他学部へ進学し専門教育を受ける者など進路は多岐にわたる。
学科塔は存在せず、授業は本校舎で行われる。

他学科からは、学校と呼ばれている。

救護科
学科概要
回復・治療・支援系の魔法を扱う学生、および救命・災害救助を専門的に学ぶ学生が所属する。
利他主義的な学生が多く、学院内でも最も奉仕精神が強い学科。
学科塔は学院の保健室・診療所としても機能している。

他学科からは、救貧院と呼ばれて良いように使われがち。

創造科
学科概要
鍛造などの造物系の魔法を扱う学生や、魔道具技師志望の学生が所属する。
学科塔は塔というより巨大工房と呼ぶべき構造となっており、一日中工具や魔導機械の音が響いている。

他学科からは、便利屋と呼ばれて日常的に頼られている。

戦技科
学科概要
戦闘向きの魔法を扱う学生、および純粋な強さを求める学生が所属する。
実戦訓練を重視しており、学科塔の隣には専用の円形闘技場が設置されている。
他学科との合同演習や学院対抗戦でも中心的役割を担う。

一年中誰かが戦っている事から、他学科からはコロッセオと揶揄されている。
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