機動戦士Gundam GQuuuuuuX Meeeeeantimes   作:伴都さん

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Meantime 4.〈化かし合い〉

 

 

 サイド6の大統領主席補佐官、カムラン・ブルームは、

 今日も忙しく、大統領官邸ウエスト・ウイングを走り回っていた。

 

 彼の業務は多岐に渡る。

 

 政策提言、

 

 他の補佐官、報道官、秘書(セクレタリー)の取りまとめ。

 

 それらの職務割り当て。

 

 時にはステートメントの文言作成も行う。

 

 特にこの度の、ベルガミノ前大統領の失脚と、新大統領の就任に伴う狭間にあたるこの時期は、激務を極めていた。

 

 彼は有能だった。

 

 サイド6の後ろ暗い部分を知りつつ、絶妙な距離を保ち、

 今回のようにそれが一部明るみに出た場合、調停や調整の立場に立つことができた。

 

 ベルガミノのミスに関わらず、新大統領の政党が変わらなかったのも僥倖だった。

 

 そこは、経済政策に長けていたベルガミノに、彼は内心感謝していた。

 

 

 

 昼食前の時間、執務室のソファに、カムランは体を預けていた。

 

 そこにセクレタリーが声を掛ける。

 

「主席補佐官、カイ・シデン様がお見えになりました」

 

「ああ、いつもの定期取材だね? 通してください」

 

 

 セクレタリーに促され、部下の補佐官と大差ない出で立ちのジャーナリスト、カイ・シデンが入室した。 

 

「いつもどうも。今回は特に補佐官、いえ、主席補佐官はお疲れのようですね?」

 

「ああ、今回は特にお手柔らかに頼むよ」

 

 カイが向かいのソファに座ると、ドアが閉じられた。

 

 これで、中の声は漏れない。

 

 

 

 渡された資料を見て、カムラン・ブルームは呟く。

 

「しかし、シャリア・ブルの偽名には何か意味はあるのかね?」

 

「さあ? 私には判りかねますが、

 ヒゲ男をドイツ語読みでカッコよくしたそうです」

 

「彼は本当に、時に理由のわからない事を始めるな……」

 

 

 カムランは追加資料を見て渋い顔をする。

 

「この民間軍事会社は……」

 

「ええ、私の古巣の関係者たちですね」

 

「……また何かあったら、便宜を図れと?」

 

「そこまでは申していません」

 

「申しているも同然では?」

 

「御随意に」

 

 

「あの癖の強い艦長は健在か……」

 

「……その節はどうも」

 

「そういえば、ブライト君は?」

 

「私たちの部隊のわりに、軍にはいますが、肩身は広くなさそうですね。

 先日愚痴られました」

 

「元気そうではあるんだね?」

「はい」

 

 

 

「それにしても、あなたまで失脚してしまうか、私は冷や汗ものでしたよ。

 上手く立ち回りましたね」

 

「自慢にはならないよ。偶々立場が良かっただけだ」

 

「……まだ色々抱えているからですか?」

 

 カムランは怒るでもなく、しらばっくれるでもなく言う。

 

「ノーコメント。

 それより君こそ、ジャーナリストと言うより、立派なエージェントだな」

 

「せめてメッセンジャーと言ってください。

 

 ……ま、あなたがトチ狂った際の手札は持ってますが。

 カムラン・ブルーム主席補佐官?」

 

「それは、こちらもだ。カイ・シデン君」

 

 取材は良好に終わったとばかりに笑い合った。

 

 

 

「ああ、大事な事を忘れてました」

 カイはいささか芝居じみて言う。

 

「ヤシマの御令嬢の居場所は未だ不明です。

 ただ、亡くなってはいないのは、確定しました」

 

 カムラン・ブルームの表情が、わずかに和らいだ。

 

「そうか。……それは、ありがとう」

 

 聞かれもしないのに、カムランは続ける。

 

「彼女とよりを戻したいとか、そういう話ではないんだ。

 

 結婚するつもりではあったからね。

 彼女が無事なら、それでいい。

 

 カイ君、その情報は、これで打ち止めで良いよ」

 

「考えておきます」

 

「良いんだ。僕の行く末は、この官邸内で燃え尽きるのも一興だ。

 そう思わないか?」

 

「燃え尽きるとかはどうでもいいんで、

 くれぐれも、任官中に変な女性に引っかからないでくださいね」

 

 

 

 カイは、カムランの青臭さが職務中に発揮されない事を願った。

 

 だが、そこが捩じ曲がらなかった事が、カムラン・ブルームの命脈を繋いだのではないかと、

 そう、カイ・シデンは考えた。

 

 

 

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