機動戦士Gundam GQuuuuuuX Meeeeeantimes 作:伴都さん
「……で、何かわかった?」
回転重力区画の整備課作業室、
あたしはハロを組み直したばかりのリュウに訊いた。
「マザーボード、メモリ、SSD、駆動モーターからスプリングまで、元のキットの物だ。
そのまんまだよ」
「その仕様書が間違ってるとか?」
「これ、製造元から取り寄せたヤツだよ?」
「……ああ〜」
「製造元も連邦系だし、OSのバージョンもそこの最新。
これもそのまんま」
「中佐が言ってた通りの、
MSのナビもできるかもしれない優れモノ。
以外の何物でもないと……」
「……そうだな。
このキットが優れモノなのは、載せてる学習用アプリケーションだな。
連邦系MSの学習型コンピュータの雛形ソフトウェアだよ、これ。
ハードウェアになってないだけで、基本仕様はほぼ同じ。なかなか凄い」
「ソレを弄っているとかは?」
「こっちのタブレットに入っているのが、製造元のサーバーから落としたモノ。
……同じだよ。パッチも当ててない」
「その製造元が、中佐の持ち物でない限り、何も仕込まれてないと」
「そういう事になるね」
あたしがハロをリュウに調べてもらったのは、
マチュについて調べていたのが切っ掛けだ。
マチュこと、アマテ・ユズリハ。
サイド6、イズマコロニー在住だった。
謎のMS、〈ジークアクス〉に乗り、クランバトルにて、
赤い〈ガンダム〉と共に連勝。
その間、魔女と呼ばれた撃墜王、シイコ・スガイの撃破に関わる。
最後のクランバトルに於いて、コロニー内な上に、
キシリア・ザビに対するテロ行動に巻き込まれて、バトルは滅茶苦茶。
違法バトルに絡んでいたとして拘束されそうなところから逃亡。
以降、行方不明。
サイド6の官僚の娘で、
お嬢様学校の女子高生。
あたしが掴んだのはざっとここまで。
なかなか理由のわからない状況だね。
元々民間人だからか、ニュースなんかの記録はやたらあるものの、
元軍属のあたしたちのような、公式記録は無い。
プラス、今はジオンのシャリア・ブル中佐の隠し武器か。
テロの時、灰色の幽霊が無双したらしいしな。
そこで繋がったのだろう。
あ、待て。
〈ジークアクス〉って、何処製だ?
ジオンだよなぁ。
なんで乗ってたの?
「……ああ、よくわからん」
「よくわからんと言えば、中佐もだよな?
何故仮面を着けて偽名を名乗るのか?」
リュウが触れないでいた話題に触れる。
「コモリ少尉が、変人だと言ってた」
ああ、それから。
「マチュがアイツをヒゲマンと呼んでた。
ちなみにあたしはシマリン」
「……シマリン?」
「……笑うな」
リュウが思いついたように、携帯端末を操作する。
「ベアティガー、……ドイツ語でヒゲ、だそうだ」
「響きをカッコよくしただけか? あの野郎」
いくつかの問答を経て、
とりあえず、あの男はベアティガーマン中佐として扱う。
仮面も何かのけじめなのだろう。
と、落ち着いた。
ハロを再起動する。
いつもの起動音声が聞こえてくると思った。
《このメッセージが流れていると言う事は……》
なんと中佐の声である。
しかも不穏な。
これ、もう私はこの世にいません。
と言う流れじゃん。
リュウと顔を見合わせる。
《……私は自室に帰り、ワインを嗜んでいる頃ですね。
そちらもお疲れ様でした》
遊ばれている。
あたしたちは絶対遊ばれている。
《ああ、アマテさんに連絡を取りたい時は、
私か、コモリ少尉を通してください。
よろしくお願いします》
もう、どうにでも、なあれ。