夢をみた。
それは決していい夢とは言えなかった。
「今日から高校生か」
久しぶりに悪夢を見た。自身の腕が空を舞うそんな夢だった。
「やっぱり夢だった事にはならないか」
自身の左腕に触れようとする、だが何もない。現実は実に残酷だ
「なんで俺がこんな目に遭わなきゃならないんだよ!!」
(やめよう・・・・どうせ何も変わらない)
「そろそろ学校に向かうか・・・」
しばらく歩くと学校が見えた。
(あれが今日から通う学校か・・・少し心配だ)
「片腕のない俺は馴染めるのかな」
そんな事を呟きながら校舎の中を歩く
「先着が居たか」
「おはようございます」
「おはよう」
相手は少し驚いている様だ。当然のことだろう。
「腕が片方しか無いのが気になるか?」
「少し驚いただけです・・・興味はありません」
「そうか」
ガラガラッ!!と勢いよく教室の扉が開かれる
「おはようございます!!」
「おはようございます」
「おはようございます」
「今日から私は先輩かぁ・・・あっ自己紹介しなきゃね?まずは私はからね・・・私の名前は梔子ユメ二人ともよろしくね!」
元気な人だ。
(少し羨ましいな)
「私の名前は小鳥遊ホシノ・・・よろしくお願いします」
次は俺の番か。
「錨リョウといいます、よろしくお願いします」
「二人とも分からないことがあったらなんでも聞いてね、できる限り教えてあげるからね」
「ちなみにリョウ君は腕がないけど何かあったのかな?」
「えっ」
(マジか・・・それをわざわざ本人に聞くとは中々肝がすわった人の様だ」
「中学のときに不良共の争いに巻き込まれ、片腕を失いました」
「大丈夫なの!?痛くない!?」
「痛みはとっくの昔になくなりましたので大丈夫ですよ」
まぁ嘘である。
「たまに夢に出てくるぐらいにはトラウマにはなってますがね」
(実際にはたまに激痛が走るんだよな)
「幻肢痛とかは無いんですか?」
「そういったことは起きたことがないな」
「でもたまに左腕があると勘違いすることはよくあるがな」
「そうなんですか・・・」
少し引かれたかもしれない
「悪夢が来なくなるといいですね」
「自己紹介は、これぐらいにして今日は歓迎会がてら校内を二人に案内するね・・・それじゃあついて来て!」
「はい」
「はーい」
今日は校内の案内がメインだったらしく、今日はもう帰宅していいよとのことだ。
今は下校中だ。
「二人ともあまり気にしてなかったな」
正直嬉しかった。
いつもなら俺の腕がないことを気味悪がられる日々だった。
だかあの二人は心配をしてくれた。
「生きてりゃこんな優しい人に出会うこともあるんだな」
(明日から本格的に生徒としての日常が始まるんだな・・・)
「せめて二人の負担にならないように頑張らなきゃな」
そんな事を考えながら眠る
最後まで読んで頂きありがとうございました