夢を見た。
それは砂漠の中にいる自分が見える。
それは己と向き合うことが出来ず、墓標の一つに加わりし自分である。
「すまんな」
「待ってください!!」
「ダメだよ、こんなの」
「まぁ、後悔しかないな、でもあの鯨?蛇?を殺せたんならまぁいいだろ」
「それでも!」
「貴方が消えるのは違うじゃないですか・・・リョウ」
「そうだよ、リョウ君、消えちゃダメだよ・・・」
「ユメ先輩、ホシノ、二人とも本当にごめん」
「謝るくらいなら!!消えないでください!!」
「リョウ君、どうすることも出来ないの?こんな所でお別れは嫌だよぉ」
これは、何千何億もの墓標に加わりし、世界に敗れた己が見せた悪夢である。
これは忠告である。
何も得ることはなく、全てを失う自分がいると。
「だがそれは違うだろう?」
「アビドスの墓よ」
「何千何億も負けたとしても、それを乗り越える可能性もあるのだから」
「君は私を知らない、だが私は君を知っているが君のことを知らない」
「あぁ、最後にこれだけ伝えよう」
「君は主人公であるが、主人公は一人とは限らないだろう?では目覚めるといい・・・今度はゲヘナの盾とミレニアムの記憶とともに私に会いに来るといい、良い紅茶を用意しておく」
目が覚めた。
「なんだぁ?夢を見たはずなのに、一切思い出せないぞ?」
(まぁ、変な夢を見るよりはマシか)
「学校に行くか」
学校が見えてきた。
「今日はいつもより熱いなぁ」
そんなことを呟きながら校内を歩く。
「おはようございまーす」
「え」
「リョウ・・・君?」
「ん?どうしまし!?」
「リョウ君!!」
「リョウ!!」
「ごぁ!?」
何故か二人に抱きつかれた。
「何で連絡もくれなかったんですか!?」
「ホシノちゃんの言う通りだよ!」
「?スンマセンいまいち状況がわからんのですが?」
「は?」
「リョウ君、君を先に帰らせた日のことは覚えてる?」
「?はい、昨日の事でしょう?」
「リョウ君」
(何が言いたいんだ?ユメ先輩にいたっては涙目だし、ホシノに限ってはギャン泣きだし、なんかやらかしたか?)
「君はね、あの日から三日間音信不通だったんだよ」
「あーね、音信不通ね、三日間」
「ん?」
「三日間?」
「三日間!?俺三日間も寝てたの!?」
「リョウ君三日間も寝てたの!?」
「リョウ、何でそんなに寝ていられたんですか!?」
ホシノとユメ先輩にドン引きされた様だ。
「いやいやいや!!俺が聞きてぇよ!?」
「とりあえず何があったか教えてくれる?」
「えーと」
二人にはゲヘナとミレニアムで何をしたかを話した。
そこから、少し早い時間に寝た事も話した。
「ねぇリョウ君」
「はい」
「もしかしてぐっすり眠れたのって久々なんじゃないかな?」
確かに、そうかもしれない。
「いつもよりも体が楽ですね」
「リョウ君ずっと悪夢を見ていたから、中々熟睡出来なかったのかな?」
「それのせいで、リョウは三日間も寝ていたと?」
「多分ね」
「まぁそれはそうと、外野と言いますかなんでしょうかね?外の奴らは?」
「いやーそれは何というか」
「貴方が寝ている間ユメ先輩が問題事を起こしました」
「何だ、びっくりして損した」
「あれ?もしかして私問題児って思われてる?」
「間違い無いかと」
「非常に同意」
「ひぃん二人に問題児って思われてるよぅ」
「まぁまぁ、気にすることはないですよ、ユメ先輩」
「そうですよ、どうせ俺とホシノが暴力で解決するんで」
「ですから、問題の規模を小さくしてください」
「ごめんねぇ二人ともぉ、こんな先輩で」
「今に始まった事じゃないので大丈夫ですぜ」
「それ、カバーになってます?」
「まぁそれはともかく、ユメ先輩号令お願いしまーす」
「わかったよぅ、それじゃあ二人とも行くよ!」
「ウッス」
「はい」
いつもの様に右目から血が溢れる。
「シャァ!終わりィ!」
「数だけの木偶の坊でしたね」
「今日はもう、解散にしようかな」
「ちょいと早くは無いですか?ユメ先輩」
「まぁ、一番の原因がリョウ君なんだけどね?」
「こんなドタバタしてる時に不良達が来ちゃったからゆっくりと休む時間が欲しいかなって思ってね?」
「リョウの安全確認ができたので家に帰って、そういえばリョウの家って何処にあるんですか?」
「確かに私たち場所知らないね」
「家まで案内しろと?」
「そうですね、何か連絡が取れなくなったら家に直接行けば良いですので、ぜひ案内をお願いします」
「それじゃあリョウ君の家にレッツゴー!」
「俺に拒否権は無いのかよ」
「まずなんであると思うんですか?」
「これは、ひどい」
「心配かけた罰ですよ」
「はいはい」
「二人ともー!早く行こー!」
「今行きます!」
「ユメ先輩!あんたが先に行ってどうすんだ!?俺の家知らないだろ!?」
「あ、あはは」
今日はいつもより熱い。
でもいつもより楽しい日の様だ。