私はペ●ソナ4のアレです。番長の潔さ。
「そういえば想夢さん知ってますか?女装コンテストの参加方法。
自分で立候補するか、3人以上の推薦が必要なんです。
推薦の場合、「コンテスト実行委員会」がOKを出せば推薦された人は強制参加です」
「という話を僕は佐藤君から聞いたワケだが、霊夢。
僕を推薦した人が君以外にもあと2人はいるだろう?誰?」
「紫と幽々子と妖夢とレミリアと咲夜」
「多い!?」
こんな話が文化祭が始まるまでの1ヶ月の間にあったとかなかったとか。
・・・・・・・・・
翌日、想夢は魔理沙に連れられて人里から離れた山奥を歩いていた。
どうやらここが「妖怪の山」と呼ばれる場所らしい。
「着いたぜ」
「ここは・・・?」
想夢は山奥を歩いていた。山奥を歩いているつもりだった。
だが、実際はどうだろう?
着いた場所はにはただ家と庭があるだけだ。
周りを見渡しても山奥の木々の風景は何処へ行ってしまったのか。
今見ている風景が今まで見て来た幻想郷のどの風景とも一致しない。
ここは、どこだ。
「マヨヒガだ」
魔理沙がなんてことなさそうに言う。
「マヨヒガ?」
「そう、風景のせいで混乱しそうだが、ちゃんと山の中にある場所だ。
聞いたことがあるならそれでいいが、聞いたことがないなら『八雲紫の別荘』とでも
思っとけばいいさ」
カハハと魔理沙は得意げに笑う。
「別に紫様の別荘ではないのだがな・・・」
マヨヒガの建物の中から誰かが出て来た。
「なんだよ
「まあ、そう言われてしまえば返す言葉もないよ」
建物から出て来た、魔理沙に藍と呼ばれたその人は狐の尻尾を生やしていた。
1、2・・・9。全部で9本の尻尾が生えている。九尾というヤツだろうか。
そんな姿をしているのだから人ではないだろう。恐らくは妖怪だ。
だが、尻尾が生えている点以外、見た目は人間の女性そのものだ。
もしかしたらその頭に被っている帽子(?)の中には狐の耳があったりするのかもしれないが、
それは些細なことだ。
レミリアや、幽々子、紫など人と変わらない姿の人外はそこそこの数見て来た。
もうこの際だからハッキリ言ってしまおう。
この場で宣言してしまおう。
ものすごくどうでもいいことのようにも思えるが一応言っておこう。
「・・・もう何が出てきても見た目人間なら数え方も『~人』でいいや」
「ん?想夢?どうした?」
「いや、なんでもない」
魔理沙が不思議そうに見てくるが、気にしない。
「・・・そろそろいいか?」
藍と呼ばれた女性が口を開く。
「まずは、初対面もいることだし自己紹介をしよう。
私の名前は
君は博麗想夢君だね?紫様から話は聞いているよ。よろしく」
「はあ、よろしくお願いします」
新しいパターンだと想夢は思った。
中性的で友好的な喋り方で、明るくフランクな感じだ。
「さて、私と想夢と魔理沙で3人か。まだ足りないな」
藍が呟く。
その直後、
「すいませーん!遅れてしまいましたー!」
「まったく!神奈子が準備に手間取るからだよ!」
「それは諏訪子も一緒だろう!?帽子の調子が悪いってなんだ!?」
「ちょっと魔理沙、待ち合わせをすっぽかすってどういうことよ!?」
「ってゆーか人数いるんだから1人ぐらい荷物持ち手伝ってくれてもいいじゃんかよう?」
まあまあゾロゾロと人が集まってくる。
タイミングでも計ってたんじゃないだろうか?
「ああ、想夢さん!お久しぶりです!」
早苗がこちらに気付いて手を振ってくる。
後から来た中で見知った顔は早苗だけだ。
「ほお!ほおほおほお!君が噂に聞く博麗想夢君か!なるほどねえ・・・なるほど」
「ふむ、ふむふむふむ、確かに早苗の言う通りアイツにそっくり瓜二つだな・・・」
ずい、ずいずいずい!という効果音でも聞こえてきそうな感じに、
目玉のついた帽子をかぶった少女と注連縄を背負った女性が想夢に近づく。
「あ、あのー・・・」
「か、神奈子様!諏訪子様!」
「おっと失礼、知り合いに見た目が似ていてな。
私の名前は
「んで!こっちの可愛いカワイイ永遠を生きる美少女こそ私、ケロちゃんこと
フランクな神様とハイテンションな神様だった。神奈子はともかく諏訪子のキャラが濃い。
「す、諏訪子?お前そんなキャラじゃないだろう?まるで二次創作みたいだぞ?」
神奈子が引きつった顔で諏訪子を見る。
「え?この小説は誰が見ても二次そ・・・」
「それ以上はダメだ」
諏訪子の口を神奈子が塞ぐ。
「ちょっといつまで話してるのよ?私にも自己紹介くらいさせなさい!」
「そこで私達とは言ってくれないあたり流石だよ」
残りの2人も想夢の方へやって来る。
そこで想夢は気が付いた。
片方の少女には見覚えがある。
「アリス・マーガトロイドよ。マーガトロイドじゃ長ったらしいし、アリスでいいわ」
人形を持った金髪の少女が自己紹介をする。
魔理沙が待ち合わせをすっぽかした件は想夢が神奈子、諏訪子と話している内に終わったらしい。
この少女に想夢は見覚えがあった。
彼女が人里で人形劇を開いていたのを見たことがある。
・・・今までの話に彼女が人形劇を開いているシーンなんて書いてないので探さないように。
他には何かを売り歩いているウサギの耳の生えた少女や、
ダウジングらしきことをしているネズミの耳の生えた少女なども見たことはあるが
今は関係なさそうなのでこの話はやめておこう。
「最後は私だね、私は
君はどうやら人間のようだから盟友だ!」
にとりと名乗った少女は腰に手をあてドヤ顔で語る。盟友とはなんだろうか?
聞いてみようと思ったが、
「よっし!これで全員だな!」
という魔理沙の声によってタイミングを逃してしまった。
マヨヒガの家の中にて、
「それじゃあ早速始める・・・」
「待って待って」
藍の言葉を想夢が遮る。
「どうかしました?」
「いや、僕は昨日参加が決まったからまだ何も聞いてないんだけど、
このグループは何の出し物をやるのかな?って」
「ああ、それなら私が説明するわ」
口を開いたのはアリスだった。
「想夢以外の皆には言ってあるけど私達がやるのは劇よ。
文化祭は大人も子供も皆が見るから内容は子供向けのお話しにするってところまでは
決まってたわね?
今日はいくつか絵本を持って来たからその中で劇でやるお話を決めましょう?」
そう言うとアリスは、持って来たバッグから何冊かの本をテーブルの上に置いていく。
『ももたろう』『シンデレラ』『おおきなかぶ』『赤ずきん』『子供でも分かる密室』
「あ、間違えた」
『子供でも分かる密室』を素早くバッグの中にしまい、代わりに『わらしべちょうじゃ』が
置かれた。
「とりあえずこの5つの中から選びましょう?
それじゃあ、1人ずつどれがいいか意見を言って頂戴」
最初に藍。
「私はどれでもいいが、選ぶとするなら『シンデレラ』だろうか?
人数的にも丁度いいと思うのだが」
次に魔理沙。
「やっぱりここは『ももたろう』だろう!鬼とハデに戦おーぜ!」
早苗。
「私は『シンデレラ』がいいと思います。女の子の憧れですしね!」
諏訪子
「早苗がそう言うなら私も『シンデレラ』かな」
神奈子。
「まあ『ももたろう』か『シンデレラ』だな。『おおきなかぶ』は単調すぎるし
『赤ずきん』は登場人物が少なすぎる。『わらしべちょうじゃ』は子供には少し
難しい気もするしな」
にとり。
「私も『シンデレラ』がいいな。カボチャの馬車とか作り甲斐ありそうじゃん?」
そして最後に想夢。
「『シンデレラ』の意見が多いみたいだし、僕も『シンデレラ』で」
アリスが『シンデレラ』の本を手に取る。
「本当はもっと意見が分かれると思ったけど、意外とあっさり決まったわね。
じゃあ多数決で『シンデレラ』にします。魔理沙もそれでいい?」
「多数決じゃ仕方ない。私も『シンデレラ』でいいぜ」
全員の意見がまとまったところで次に進む。
「次は配役だけど、『シンデレラ』の主要登場人物は
シンデレラ、母親、姉1、姉2、魔女、王子、大臣の7人。
これにナレーターを入れて全部で8人。これなら私達の人数と合ってるわ。
早速主役のシンデレラの役から決めていきましょう」
「はい!はいはーい!」
アリスの言葉に魔理沙が勢いよく手を挙げる。
「何よ魔理沙、シンデレラ役やりたいの?」
「いんや、シンデレラ役に興味はないけどシンデレラをやってほしいヤツならいる」
「誰かしら?」
「想夢だぜ?」
あまりにも自然な流れで出た名前に、しん・・・と、場が静まる。
「え?想夢?想夢って誰だっけ?ちょっと落ち着いて考えてみよう」みたいな空気になる。
そして、全員の目が想夢に向く。
「・・・え?僕?」
自分の名前を出され混乱していたが、想夢はなんとかそれだけは口に出せた。
「おう、だってお前女装コンテストに出るんだろ?」
当然だろと言わんばかりの笑顔で魔理沙は言う。
「いや、なんで魔理沙がそれを知ってんのさ?」
想夢は問いかける。昨日の時点で、想夢は壱人にしか女装コンテストの件は話していない。
壱人も魔理沙には話していないはずだ。
女装コンテストの参加者一覧もまだ正式発表はされていない。
一体どこからその情報を・・・
「紫から聞いたぜ」
単純明快だった。あのスキマ妖怪なら何を知っていてもおかしくないし、
どこで誰と話していても不思議ではない。
ありとあらゆる出来事が「八雲紫だから」で済ませそうな暴論だが、間違ってはいない気がする。
「女装コンテストに参加するとなると当然想夢は女装をするだろ?
男にとって女装をすることは基本的に恥ずかしいことのはずだ。
ならばまずはお芝居という形で想夢には一番目立つシンデレラの役をやってもらう。
シンデレラで女装すれば多少は自信がついて女装コンテストにも
吹っ切れた状態で参加できるという作戦だぜ!」
「むしろ恥を上塗りしているように見えるんですがねえ・・・」
自信満々に語る魔理沙に対して目に見えてテンションの下がる想夢。
「・・・確かに、魔理沙のいうことにも一理あるわね」
そんな想夢に追い打ちをかけるかのようにアリスは言った。
「あらかじめ女装コンテストに参加すると分かっているなら劇の演技にも
磨きがかかるだろうし、クオリティが上がるのはいいことだわ」
「え?」
続いて諏訪子。
「女装男子が主役っていうのはギャグ路線としてもいいかもねぇ」
「え?え?」
さらに神奈子。
「真面目でありネタでもあるオールラウンダー・・・素晴らしいじゃないか!」
「え?え?え?」
にとり。
「それなら女装シンデレラの衣装も作らなきゃね。
技術者の血が騒ぐよ!」
「え?え?え?え?」
早苗。
「大丈夫ですよ!想夢さんならきっとやれます!」
「え?え?え?え?え?」
最後に藍。
「まあ、博麗の
「えぇ!?」
なんということだ。
全員が賛成してしまった。
この時ばかりは幻想郷の住人のノリのよさが憎たらしかった。
「それじゃあ、これまた多数決で想夢がシンデレラということでいい・・・のかしら?」
アリスが想夢の方に目を向ける。
それにあわせて皆がこっちを見てくる。
なんだこれは。
絶対に「ノー」と言わせない威圧感がある。
「・・・分かった・・・やるよ、やってやるよ!
きっちりシンデレラを演じてやるさ!!!」
予定よりも大分早く、想夢は女装に対して吹っ切れた。
その後の話し合いにて、
「王子様の役は藍でいいんじゃない?はら、なんか中性的だし」
「それを言ったら神奈子もじゃないか?」
「いや、神奈子は王子様というより王様だから・・・」
「どういう意味だコラァ」
という諏訪子と藍と神奈子の会話があったり、
「なら守矢一家には母親と姉2人をやってもらうわね」
「がんばります!」
「がっつりいじめるよ!」
「お、お手柔らかにお願いします・・・」
というアリス、早苗、諏訪子、想夢の会話があったり、
「魔理沙は魔女でいいんじゃない?恰好もそれっぽいしラクじゃん?」
「人はそれを手抜きっていうんだぜ?っつーか私だけなんか雑じゃないか?」
というにとりと魔理沙の会話があったりした。
話し合いの結果
想夢(シンデレラ)、魔理沙(魔女)、神奈子(母親)、早苗と諏訪子(姉)、
藍(王子様)、アリス(大臣)、にとり(ナレーター)
となった。
文化祭まで、まだまだ。