幻想パラレル(古)   作:灰色平行線

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今回から話がなんとなくゴリ押し気味になってきたような
気がします。
まだ序盤の序盤くらいしか書いていないのになんだかこの先が
心配になってきました。



3・二次創作と変化

部屋には想夢と紫の2人しかいない。

霊夢と魔理沙はいつの間にか姿が見えなくなっていた。

「さてと、何から話しましょうか?

ああ、そうそう霊夢と魔理沙だけど、本当は私が貴方の心にスキマを作って

気がつかなくしただけなのよ。

決して貴方が2人に気付かない程考え込んでた訳じゃないわ」

と、紫は切り出した。

「え?それって・・・」

「やっぱり気付いてなかったのね・・・

2人が消えたことはともかく、私が能力を使ったことには気付くと

思ったんだけど・・・私の能力を知ってる貴方なら・・・

そんなに貴方の知っている八雲紫と私は違っているのかしら?」

紫の表情が真面目なものに変わる。

 

「そうですね・・・僕の知っている彼女にとって、幻想郷は夢のまた夢

でしたから」

懐かしむ様に、想夢の表情が優しいものになる。

「弱すぎたんです、彼女は・・・妖精にも勝てない程に・・・

自身の能力すら、満足には扱えてませんでした」

ですが、と想夢は続ける。

「彼女は、とにかく優しかった。あまりにも優し過ぎた。

だから、僕は今ここにいるんです」

「そう・・・そういうことなの・・・」

紫は理解した。想夢は、紫の知らない別の八雲紫の能力でこの幻想郷に

来たのだ。

そこにどんな事情があるかは分からない。

だけど、なんとなく、彼女は想夢を幻想郷に受け入れようと思った。

今までの者達と同じように。

「でも、貴方の口から原作だなんて言葉が出たということは、

貴方の知っている八雲紫から聞いたのかしら?」

「ええ、彼女は弱かったけど、持ってる能力自体は強力でしたから。

使いこなせてたかどうかはまた別の問題ですが・・・。

それでも他の世界を覗き見ること位はできたようです。

フィクションの物語に出てくるようなパラレルワールドの存在を」

「成る程ね、だから『この世界は原作ですか?』なんて質問が

言えたのね、幻想郷の中でも数える程しかいないものね、平行世界について

知っている存在なんて。

まあ、八雲紫ならほぼ確実に知っているでしょうけど。

それで、貴方はどっちだと思う?この世界は原作?二次創作?」

紫が意地の悪い笑みをうかべる。

「からかわないでください。

二次創作に決まっているじゃないですか。

どんなに力が強くたって原作への介入なんて二次創作の存在が勝手に

出来ることじゃないですから」

「正解。この世界は幻想郷も外の世界も全部まとめて二次創作。

だから、仮に貴方が原作の世界を知っていたとしても大した意味はないわ。

まあ、原作知識ってあってもあまり役に立つものじゃないと私は思うけどね。」

紫の表情が優しい笑みに変わる。

「よく笑う人だ・・・やっぱり笑顔が似合うな」

「どうかした?」

「い、いえ!なんでもないです!」

「そう?それで、貴方はこれからどうするの?しばらくは博麗神社に

いるでしょうけど」

「幻想郷を見て回ろうとおもいます」

「それもいいわね、神社と人里に慣れたらそうしてみなさい。

そうね、次にあうのはいつになるか分からないから今のうちに言っておくわ。

最初は紅魔館(こうまかん)に行ってみなさい。

場所は霊夢にでも聞けば教えてくれると思うわ」

「分かりました、紅魔館ですね?覚えておきます」

「よろしい」

そういって見せた紫の笑顔は、この日1番のものに見えた。

 

・・・・・・・・・

 

想夢が幻想郷に現れたのと同じ日の夜、

血塗られたかの様に紅い屋敷の目に痛い程赤い部屋で、

蝙蝠に似た翼を生やした少女は考えていた。

 

「運命が・・・変わった?

いや、別に不思議なことではないか、私は未来予知者ではないのだから。

だが、ここまで唐突に、大胆に見えるモノが変わるなんてことは初めてね・・・。

この幻想郷で確実に何かが起こったのでしょうけど、

何日か待ってから咲夜(さくや)を人里に買い物にでも行かせれば何かしら

聞いてくるでしょう。

あるいは、天狗が新聞をバラ撒くのが先か・・・ククク、

何だか久々に面白くなりそうね!」

 

 

 

「お姉様、うるさい」

 

「ふぇ!?」

少女が振り向くと、そこには別の少女がいた。

2人の姿は似ていたが、蝙蝠に似た羽を持つ少女と違いもう1人の少女に生えていた羽は、

それを翼と呼んでいいのか分からない程に、らしくなかった。

歪んだ杖に宝石を吊り下げたような、美しく芸術的とも歪で狂気的とも見える翼を

持った少女は、もう1度「お姉様」と呼びかける。

「さっきから1人でぶつぶつ呟いてたと思ったらいきなりキメ顔で叫びだすなんて、

ちょっぴりキモイよ?」

「き、キモッ!?いやいや、違うのよ?これはただ・・・」

「いやさっきの独り言全部聞こえてたから何があったかは分かるよ?

でもさ、誰も見てない所でキメ顔して叫ぶのはどうかと思うワケよ、

しかも私に声かけられただけでそんなに動揺してたらダメじゃない。

お姉様は紅魔館の主様なんだから」

「う、うー・・・でもぉ・・・」

「でもじゃないです。あーもー、泣かないでホラ。

ハァ・・・霊夢や魔理沙はともかくとして、何で今まで咲夜にすら

カリスマブレイクして泣いてる姿見られずに済んでるのかしら?

こんなにすぐ泣くのに・・・。

私とパチュリー位よ?お姉様の本当の姿知ってるの」

はあ・・・と、さっきよりも大きめにため息をはく。

 

「全く、幻想郷に来たばっかりの頃はあんなにも凛々しくて、

それこそお姉様が普段から言っているカリスマにあふれてたのに・・・

なんで1人の時と人前にいる時でこうも違うのかしら?」

 

空を見上げると、赤くはない月がぼんやりと映っていた。

隣りで泣いている少女をの背中をさすりながら、もう1人の少女は、

 

「なんだか可笑しなことになりそう、悪い意味で」

 

と、呟いてもう1度ため息をつくのだった。




布石は打った。
しかし、紅魔館へはまだ行かない。
次回からは人里を中心に話を書いていきます。
伏線はとりあえずバラ撒いておけばいいんじゃないかと思ってます、
回収するかどうかは別にして。
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