幻想パラレル(古)   作:灰色平行線

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思った以上に文章を書くのに苦戦しました。
言葉の意味が合っているのか時々不安になります。
サブタイトルは完全に無理矢理それっぽい意味の
造語になってしまっています。
「仕方ない」と開き直るべきかもっと別のタイトルを
考えるべきだったか・・・。


8・吸血鬼の少女、求決起の少女

「こちらになります」

紅魔館の2階の1番奥の扉の前で咲夜が止まった。

そのままコンコンと2回扉をノックして、

「お嬢様、お客様をお連れしました」

と部屋の外から少し大きめの声を出す。

「分かったわ。中へ入ってもらって頂戴」

少し間を置いて少女の声が聞こえてくる。

「それでは、中へどうぞ」

咲夜が扉を開ける。

 

部屋の中も赤色だった。

もしかしたら屋敷の中で1番紅いかもしれない。

「ようこそ紅魔館へ。

私の名前はレミリア・スカーレット、紅魔館の主をしているわ。

立ち話もなんだしとりあえず座りなさいな」

「あ、はい」

正直に言って想夢は驚いていた。

幻想郷の他の実力者に比べると若すぎるという咲夜の言葉を信じていなかったわけではない。

だが、思っていた以上に目の前の少女は幼かった。

小学生としか思えないのに落ち着いた雰囲気で語る少女の姿にはカリスマを感じる。

紅魔館の主は想像以上にできた存在なのかもしれない。

と、そこまで考えてレミリアと向かい合う形で椅子に座った想夢は、

ふと部屋の奥に目を向けた。

奥の部屋の隅にある赤色の勉強机。

その上には1冊の本が置かれている。

かろうじて本のタイトルは読める。

 

簡単!相手と楽しくスムーズな会話術入門!

 

・・・。

緊張が解けていく。

それどころかどこかほっこりした気持ちにすらなってくる。

練習してたんだろうか?

次の瞬間、机の上の本が消えた。

想夢が振り向くと咲夜は手を後ろに組み、目線を明後日の方向にむけ、冷や汗を流していた。

時間を止めて本を回収したのだろうか。

「ちょっと、レディの部屋をジロジロ見回すのはマナー違反よ?」

「え?あ、はい、すいません・・・」

どうやらレミリアに誤解されてしまったようだ。

まあ、この場合誤解されるのも仕方のない行動だったと言える。

「まあいいわ、咲夜紅茶を」

(かしこ)まりました」

咲夜がそう言うと、次の瞬間にはテーブルの上に淹れたての紅茶が現れる。

『時間を操る程度の能力』というのも随分便利なものだ。

能力を使う本人の体感時間は変わらないのだろうと思うと少しばかり不憫に

思えてくるが。

「ありがと咲夜、貴方はもう下がっていいわ」

「ですが・・・」

「言い方を変えなきゃだめ?『下がれ』と命令したつもりだったのだけど?」

レミリアの紅い目が薄ら光った気がした。

「申し訳ありません、畏まりました」

部屋から咲夜の姿が消えた。

「よかったんですか?」

「何が?」

「一応、初対面ですよ?普通、もっと警戒しておくべきだと思いますが」

「警戒して欲しかった?」

「いえ、そうでは・・・」

「大丈夫よ、私が招待したのだから私から何か仕掛けてきたりはしないわ。

貴方が何か仕掛けてくるのなら私も全力で相手をするけどね。

それに、2人っきりで話さないと分からないこともあるわ。

まずは貴方のことをちゃんと知ることから始めないと」

レミリアは微笑みながらそう言った。

彼女は大物だと想夢は思う。

咲夜の言っていたセリフを思い出す。

 

「お嬢様には人を惹きつけるカリスマがある。」

 

想夢は咲夜の言った言葉を今、理解した。

 

・・・・・・・・・

 

「改めて私はレミリア・スカーレト、レミリアでいいわ。

咲夜からもう聞いているかもしれないけど吸血鬼よ」

レミリアという少女は見た目は幼い少女だが、背中には一対の翼を持っている。

それは、蝙蝠の様でもあるし悪魔の様でもある。

「博麗想夢です。

一応、博麗の巫女としての力を持っていますが、僕自身は大したことのない人間です」

「あら?随分と謙虚なのね?

咲夜が霊夢から聞いた話だと最初にここに来た時は博麗の巫女服に近い恰好

だったらしいじゃない。

それって博麗の巫女として存在していたってことでしょう?

巫女の仕事ができていたのなら実力は十分だと思うけど」

「レミリアさんは知りませんか?博麗想夢という巫女は歴代最弱なんです。

僕がいたころの幻想郷にはレミリアさんのような実力者はほとんどいませんでしたし、

事件を起こすのは僕でも倒せるような弱小妖怪ばかりですたから」

想夢は考えた。

自分がパラレルワールドからやって来たと言うよりは

この世界に存在していた博麗想夢の名を借りる方が話がこじれないのではないかと。

「そう、昔の幻想郷の話なんてなかなか聞けないから新鮮ね、

もっといろいろ聞いてもいいかしら?」

「え!?あ、いやぁ~・・・」

想夢は考えた。

失敗したかもしれない・・・と。

 

・・・・・・・・・

 

結局、レミリアには昔のこと過ぎてあまり覚えてない、

すぐに次の博麗の巫女と交代した、

長い間眠っていたのでよく分からないなどと言って納得してもらった。

「そう、残念ね・・・」

「す、すいません・・・」

「まあいいわ、ところで・・・」

ふいに、レミリアの表情が真面目なモノに変わる。

「貴方、咲夜を見てどう思ったかしら?」

「どう、とは?」

「何でもいいの、称賛でもダメ出しでもでも何でも思ったことを言ってみて頂戴?」

「なるほど・・・とても冷静な人だなとは思いました。

どんな仕事もそつなくこなす完璧なメイドさんって感じでした。

ただ、彼女の笑顔ってなんだか仮面を貼り付けた感じっていうか

とにかく不自然なんですよね。

他は何でもできそうなのに、そこだけが不思議でした」

「よく見ているわね、よかったわ」

自分の納得する答えが得られたとばかりにレミリアは満足そうだった。

「貴方さっき言ったわよね?笑顔が不自然だって」

「はい・・・」

その場に緊張が走る。

「実を言うとね、咲夜を部屋から追い出したのはもっと別の理由があったからなの。

もちろん貴方と2人っきりで会話をするのも理由の1つだけど、

1番の理由は咲夜には聞かれたくない話があったから」

そう言ったレミリアの顔はなんだか不安そうだ。

「昔の咲夜はね、年相応の女の子の笑顔をよく見せていたのよ。

それが最近はあんな貼り付けたようにしか見えない笑顔しか見せなくなって・・・

まるで何かを隠している様な感じね」

正直、想夢には咲夜の笑顔が想像できなかった。

彼女といた時、想夢の目に常に映っていたのは彼女の営業スマイルだった。

「それでね?貴方にも手伝って欲しいのよ」

「はい?今何て?」

 

「だから、貴方にも協力してほしいのよ。

どうして咲夜がああなったのか、咲夜が何を隠しているかを調べるの」

 

本日1番の驚きだった。

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