日曜、美夢さんと待ち合わせをした僕は、待ち合わせ時間ギリギリで薬を飲んだ。
効果時間2時間の薬を使うのは、初日に美夢さんと出会って以来だ。
着替え等の時間を考えると、美夢さんと一緒にいられるのは1時間半程度。
短い時間のために外へ出てきてもらうのは申し訳なかったけれど、美夢さんは気にしなくて良いと言ってくれた。
付近で待機していた、妹に手伝ってもらい手早く着替える。
フリルなどの装飾が多い黒色のゴシックロリータと呼ばれるらしい服装。
自分が着ると思うと恥ずかしいが、彩縁が美夢さんのSNSを元に計算し、妹が銀髪が映えてよく似合うと言ったこの服装…美夢さんにはどう見えるだろうか…。
「美夢さん、お待たせしました!」
「いえ、そんなに待っていませんよ、丁度今来た所です、まさかのゴスロリ……とても似合っています!黒い服装に銀髪の組み合わせがとても素晴らしいです!」
妹と似たようなことを言ってくれる、やはりこの服装で間違いはなかったようだ…恥ずかしいけれど。
緊張して見れていなかった美夢さんの服装を観察する、白いワンピースに淡い水色のカーディガンを着た清楚だけれど可愛らしい服装だ…学校での彼女の雰囲気によく似合っている。
「ありがとうございます、美夢さんの服もよく似合ってますね!イメージと合ってて良いと思います!この前のカッコ良い感じの服装も僕は好きですけどね」
美夢さんが首を傾げて悩んでいるが何があったのだろうか。
「……似合っていてよかったです、今日のために選びましたから。時間も多くは取れないようですし行きましょうか」
「は、はい!」
今日はゲームセンターで遊んだ後喫茶店に行くという予定を立てている、移動の時間を含めるて1時間半程度で終わらせる予定だ。
まずはゲームセンターに向かう、彩縁からの情報によると美夢さんもゲームをそれなりに嗜むようなので2人で楽しむには良い場所だと思う、自信はない。
女の子とのお出かけでの正解なんて僕にはわからないからね。
「ゲームセンターですか、久しぶりに来ました*1、ワクワクしますね!」
美夢さんの目が輝いて見える、これは連れてきて正解だったかも!
美夢さんの視線がある一点を見つめている、そこにあるのはクレーンゲーム、中身は…日曜朝にやっているアニメに出てくる黒服の魔法少女のぬいぐるみだ。
「あれ、欲しいですか?」
「えっと…欲しいです…わかりやすかったですかね?」
「目線がそっちに固定されてましたから」
「あはは…ちょっと挑戦してきますね!」
恥ずかしそうに笑う美夢さんはとても可愛かった。
美夢さんがクレーンゲームに挑戦してる姿を後ろから眺めているのだけれど、本当にゲームセンターにはあまり来たことがないようで、慣れていないのか一向に取れる気配がない。
筐体のガラスに引っ付くんじゃないかというくらいに顔を近づけている。
学校で清楚な振る舞いをしている時も小学生の頃もどこか周囲と比べて大人びた印象がある美夢さんだけれどこうして遊んでいる姿は年相応かそれ以上に幼く見える部分がある。
美夢さんの新たな一面を見ることができてとても嬉しい。
「ぐぬぬ……取れる気がしない…」
ぐぬぬとか、実際に言う人初めて見たよ。
「僕もやってみて良いですか?」
「あ、1人で夢中になってしまいましたね、どうぞ」
「この配置なら…ここを引っ掛ければ…」
「凄…1発で取れてる…」
「あ、いや美夢さんが良い位置に動かしてくれていたおかげですよ!そうだ、これあげます!」
今取ったばかりのぬいぐるみを美夢さんに渡す。
「え、良いんですか?」
「是非貰ってください!挑戦したかっただけで好きなキャラというわけでもないですし、それに今日一緒に遊べた記念ということで!」
「ありがとうございます、ふふっ、このキャラはビジュアルで一目惚れしたのですが、ミステリアスな雰囲気がまた良くて…本当に良いものをいただきました!大切にしますね!」
満面の笑みでぬいぐるみを抱き抱える美夢さんを見れただけでも満足だ。
いや頬擦りまでしてるのはちょっと…そんな好きなんだこのキャラ…。
楽しそうだから良い…かなぁ?
「私は、ぬいぐるみをいただけましたし、次はましろさんが希望するものを遊びましょうか」
「そうですね…せっかくなら2人で遊べるものを…あのレースゲームにしますか」
僕が選んだのは実際にハンドルで操作するタイプのレースゲーム、クレーンゲームはあまり上手くなかったみたいだけれどこれならどうだろうか……。
結果、美夢さんはレースゲームも凄く下手だった、逆走することはなかったけれど、壁にぶつかりまくって速度があまり出ていなかった…。
「お前のドライビングテクニックに法がついていけないから車に乗るなと言われたことすらあるのに…!?どうして…!?」
「そんなこと言われたことあるんですか…そもそもまだ免許取れないですよね?」
「あ……自転車のことです!」
美夢さんって結構できないことが多いポンコツなのではないだろうか…?
普段とギャップがあって可愛くて良いとは思うけど。
「何か得意な物とかありますか…?」
「あ、気を遣わせてしまいましたね…お言葉に甘えて…あれを」
「良いですね!やりましょう!」
美夢さんが選んだのは銃で敵を倒すタイプのゾンビゲームだった。
自分で選ぶだけの実力はあるようで凄まじい速度で敵を殲滅していった。
「銃の扱いも淑女の嗜みのようなものですからね!」
といいながらカッコつけて銃口にふっと息を吹きかけていた。
どこから突っ込めば良いんだ…?
「あ…盛り上がりすぎちゃいましたね、時間は大丈夫ですか?」
「そろそろ、次の場所へ案内します!」
「はい、楽しみですね」
僕は美夢さんを連れてゲームセンターを離れ次の目的地である喫茶店へと向かった。
中身は俺っ娘TS転生者と僕っ娘可変TSっ娘ですが、女性として長く生きているのは美夢の方なので、より女の子に染まっているのは美夢の方だと思います。
ので可愛らしい一面をより見せていきたい。
男っぽい口調の方が女の子っぽい一面があるって、良くないですか!?