ましろちゃんが男だったってこと…!?体質ってこれのこと…?理解が追いつかない…。
騙されていたとかは思ってはいない、そもそも俺自身が転生者であり元男だ、これでましろちゃんに騙された!とか言い出したら、どの口が言ってるんだお前と叩かれることになる。
ましろちゃんの正体は、ショッピングモールで出会った真城兄こと真城祐希君だったってことだよね?
戸籍とかも男として持ってるってことだろうし、男が基本なんだろうなぁ…。
あれか?柚葉が言ってた科学実験部の部長に何かしてもらって女の子になったのかなぁ?
名前が分かりやすかったりところどころ男っぽい要素もあったし言われてみれば納得ではある。
ましろちゃんと接してきたから悪い子じゃないのはわかる、けれど今まで通りに接することができるかと言われると無理だ。
ましろちゃんのことを考えるとどうしても思い出してしまう、ましろちゃんの体が徐々に膨張し服が破け中から引き締まった体の下着姿の男が現れたあの瞬間を。
男の体なんて前世の自分で見慣れていたはずだ、下着姿どころか裸まで毎日見ていたはずなんだ。
祐希くんが来ていた下着はかなりタイトで下半身のその…物の形もわかるくらいぴっちりしていて…。
ちょっと怖くなってしまったというかなんというか…。
俺は男だったはず…だよね?あんな物が付いていたのか?前世の俺は、その感覚を思い出せる気はしない。
確かにあったはずなのに現実味がない。
思っていた以上に俺は女の体に染まっていたようだ。
今世の俺は女で前世の俺とは違うと理屈では理解していた、でも内心では男の延長線上のような感覚だった。
分かりやすいところでいうと、家で下着姿で過ごしていたことだろうか、柚葉だけなら別に良いとは思うが、兄貴にも見られていたと思うと途端に恥ずかしくなってくる。
この俺自身の性別すら曖昧な状況で、男として見るべきか女として見るべきかわからないましろちゃんと向き合える気はしない、幸いあちらから何か連絡が来るわけでもないし今は時間を置かせて欲しい。
「美夢、落ち着いた?」
「まぁ、ある程度は」
「あの女の正体が男だったとはね、か弱い女のフリをして近づくなんて許せないよね」
「まぁ、別にそこに関しては俺は怒ってないんだけどさ」
「え?」
「別に人に好かれるために自分を偽るなんて多かれ少なかれ誰でもやることだしね、学校の俺だってそうだよ」
「そうだけど…でも騙されていてショックを受けたんでしょ?顔もめっちゃ真っ青だったし」
「いやぁ…思ったより男の体ってのが強烈で…ちょっと見てられなかったというか…」
「あ、そういう意味だったんだ…言われてみれば結構ショッキングな絵面だったかも、あいつ体格が良くて男らしい体つきしてたしね」
「自分でもこんな反応になると思わなかったんだよ、咄嗟に出た反応というかさ」
「そっか…まぁ辛かったらあたしに言ってよ!美夢のことはあたしが守るからさ!」
「守ってもらうほどのことでもないよ?まぁ今は時間を置いて心の整理をしたいかな」
「ん…わかった、まぁ美夢にはあたしがついてるって覚えておいてくれれば良いよ」
過度な反応をして柚葉にも心配をかけてしまったけど、咄嗟に体が反応してしまったからこれはどうしようもなかったよなぁ…。
落ち着いたら、ましろちゃんが何故女の子になってまで俺に近付いてきたのかは知りたいけれど。
翌朝、柚葉と共に登校した俺は、先に登校していた結衣さんと目が合った、気まずい…この反応からしてましろちゃんの事情は知ってたんだよね?この子も、なんか申し訳なさそうに見てくるから気まずいよ…柚葉も何か怖いし。
目が合って挨拶もしないのは不自然だし、一応しておこう。
「結衣さん、おはようございます」
「現世さん!おはようございます!ってあれ名前で…?」
「学内にお兄様がいらっしゃるのでしょう?彼ともお会いしたことがありますし苗字だと紛らわしいと思いまして」
「…そう…ですね」
いや重い…空気重いって!
「え…っと…昨日のことは気にしていませんよ、結衣さんは何も悪くありませんから、気にしないでください」
「はい…ありがとうございます…気を遣わせてごめんなさい本当に…」
柚葉も睨んでないで何が言ってくれよ!
「悪いとは思ってるんだ、まぁ当たり前だよね」
じゃないよ!柚葉、そういう話をするにしてももっと人が少ないところでしない!?
「わ、私はここで失礼しますね、では」
空気が重くて耐えられないので自分の席にさっさと撤退した。
2人はまだ重い空気で何かを話している、本人でもないのに気にしすぎじゃない…?
クラスの人達もあ、こいつら何かあったなって目で見てきてて辛い!
結衣さんは普通にしててくれるのが一番ありがたいんですけどね!柚葉、君もだぞ。
昼休みになると、柚葉は結衣さんを連れて出ていってしまうし、クラスの人達に朝の会話について興味本位で聞いてくるしで散々だった。
共通の知人との関係性で拗れて気まずくなっているだけだと説明はしたけれど、詳細を聞こうとする人も居て誤魔化すのに苦労をした。
結衣さんの兄が女の子になって近付いてきたなんて言えない、信じてもらえないだろうし、それを言いふらすのはましろちゃんにも悪い。
自分の気持ちに整理ができていないだけで、ましろちゃんのことが嫌いなわけではないんだ。
そして何の進展もないまま家に帰った俺は自室に置いてあるぬいぐるみを見て、昨日のことを思い出していた。
ましろちゃんと2人で遊んだのは楽しかったなぁ…。
友達としてまた遊びたい気持ちはあるけれど、何もなかったことにするのはお互い難しいだろう… 。
ましろちゃんからの連絡はあれから一切ない。
待ち合わせ場所に着いたというLIMEに既読が付いたまま動く気配を見せず時間だけが過ぎていった。
結衣ちゃんは皮肉だと勘違いして内心とても焦っていました。
「学内にお兄様がいらっしゃるのでしょう?彼ともお会いしたことがありますし苗字だと紛らわしいと思いまして」
「…そう…ですね(お会いしたことがあるって昨日のことを言ってるんだよね!?)」
「え…っと…昨日のことは気にしていませんよ、結衣さんは何も悪くありませんから、気にしないでください」
「はい…ありがとうございます…気を遣わせてごめんなさい本当に…(結衣さん
「わ、私はここで失礼しますね、では」
(もう言うことは何もないってことかな!?)