TS転生者と初恋拗らせ可変TS娘   作:綺羅星瑠奈

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今日の朝方に1話更新してます。


エピローグ『TS転生者は想いに応える』

 祐希君(ましろちゃん)と再び友達になった俺は、柚葉や結衣ちゃんも交えながら友達として色んな事を経験した、青春と呼ぶにふさわしい体験でどれも楽しかった。

 

 祐希君とは海に行ったり、冬コミにも行ったし、ましろちゃんとは文化祭を楽しんだり昼食をよく一緒に食べたり、図書館で一緒に本を読んだりした。

 夏祭りやクリスマス、初詣にバレンタインなど季節のイベントも一緒に楽しんだ。

 

 自分の気持ちに正直になろう、俺は祐希君(ましろちゃん)が好きだ。

 (彼女)と共に過ごす時間は心地が良くて、(彼女)との会話はとても楽しかった。

 近くにいるとドキドキするし、見つけたら目で追ってしまう。可愛いと言ってもらえると嬉しいし、共に過ごしていたいと思う、親友である柚葉に向ける感情とも明らかに違う。

 

 男としての祐希君、女の子としてのましろちゃん、どちらに惹かれたのかはわからない、きっと俺は真城祐希(結城ましろ)という人物に惹かれているんだろう。

 

 経験がないからわからないが、これはきっと恋…だ。

 (彼女)からの想いに俺は応えたい。

 

 だがその前に(彼女)に話しておかなければならないことがある、(彼女)は、ましろちゃんとして接して俺のことを騙していたことを悔やんでいた。

 

 だが騙していたのは(彼女)だけではない、柚葉にすら話してないことではあるが俺には前世の記憶、男として生きていた記憶がある。

 中身が男なのに騙していたのは俺も同じなんだ。

 この事実を話そうと思う、受け入れてもらえるかはわからない、でも長年想い続けてくれた(彼女)にこの事実を隠して、関係を進めるのは誠実ではないと思うから。

 

 

 

 桜が舞い始めるような季節、俺はあの巨木で祐希君を待っていた。

 呼び出される側だった俺が、今回は祐希君を呼び出す側なのはとても新鮮だった。

 服装は無理言って松戸君に借りてきた男子制服、少しぶかぶかで不格好だが俺の秘密を明かすならこの姿が適しているだろう。

 

 足音が近づいてくる、緊張で手は震えているし汗もかいている。

 やがて目視できる距離まで近づいてきた祐希君が俺に声をかけてくる。

 

「美夢さん?その服装は…?」

「これは、まぁ俺の話を聞いてくれればわかるよ」

 

 覚悟は決めた、あとは打ち明けるだけだ。

 

「来てくれてありがとう、今日は保留し続けていたあの日の返答をしようと思ってね、でもその前に俺の話を聞いて欲しい、それを聞いて受け入れられないというのであれば縁を切ってもらっても構わない」

 緊張して少し声が震えていたかもしれない。 

 そんな俺を祐希君が真剣な目でこちらを見つめてくる…前世のことは誰にも話したことがない…どう思われるかがわからない...でもここまで来たんだ、逃げるわけにはいかない。

 

「前に祐希君は女の子のフリをして俺のことを騙していたと言っていたけれど、騙していたのは君だけじゃない、俺も君のことを騙していたんだ」

 

 祐希君が困惑している、この話だけでは何のことかまだわからないだろう。

 

「俺には前世の記憶がある、こことはわずかに異なる世界で成人男性として生きていた記憶が。性格が男みたいなのも、恋が何だかわからなかったのもそれが理由で…つまり俺はましろちゃんと同じで純粋な女性じゃない、男である自分を隠し偽っていたというのは、俺も同じなんだ、それなのにあんな態度を取ってしまったことは申し訳ないと思ってる…軽蔑されても、愛想尽かして縁を切られても仕方がないと…思う」

 

 自分の秘密を他人に打ち明けるというのはこんなに怖いことだったのか…縁を切られても仕方がない…とは思っている、けれど…嫌だな。

 

「正直に言うなら驚いています、彩縁の発明を間近で見ている僕が言うのも変な話ですが、前世の記憶というものが実在するとは思ってもいませんでした、けれど同時に納得もしました、小学生の頃の美夢さんは男の子のような言動をしていましたし時々大人びた表情を見せることがありましたから。」

 

 どんな結論を出すのだろうか、元男ではダメなのだろうか、瞬きも忘れて次の言葉を待つ。

 

「僕が好きなのはあの時僕を救ってくれた美夢さんで、あの時の美夢さんの言葉に僕は救われたんです、その言葉はきっと前世の記憶を持っていたからこそ出てきた言葉だと思います、それなら僕はその前世の記憶も含めて美夢さんのことが好きです」

 

 男だった前世の記憶も肯定してくれてそれごと好きだと言ってくれるなんて、あまりにも自然に大きな好意をぶつけてくるから調子が狂う、鏡なんて見なくても、俺の顔が真っ赤になってるのがわかってしまう。

 

「前世は男だとか何だとか言った後に言うのもどうかと思うんだけど、俺も…好き…です…その…えと…」

 

 俺は祐希君を長いこと待たせ続けたんだ、恥ずかしがってる場合じゃない、ここは付き合ってくださいの一言くらい俺から…!

 

「前世は男だと聞いたばかりだけど、女の子から言わせるのも何か違いますよね、僕から言います、いや言わせてください。現世美夢さん、僕と付き合ってください」

 

 そう言って祐希君が手を差し出してくる。

 

 前世の話をした後にちゃんと女の子として扱ってくれるのはとても嬉しくて、でも自分から言えなかったのは悔しくて、それでも付き合えることが嬉しくて…。

 

 祐希君の手を握り俺は言った。

 

「はい、男か女かもわからないこんな俺だけど、これからよろしくお願いします」

 

 俺は前世が男な半端者の女の子、祐希君は俺の為なら女の子にでもなってくれるような男の子、性別すら曖昧な俺達だけど、俺のことをこんなにも一途に想い続けてくれている祐希君(ましろちゃん)と一緒なら上手くやっていける、そんな気がした。

 




ということで本編はこれで完結です!見てくださった方々ありがとうございましたm(__)m
前回の友達のまま曖昧な感じで終わらせるか、結ばれるエンドにするかは悩んだのでエピローグは蛇足だったかもしれません。

前話とエピローグの間の話とかを後からおまけ程度に書きたいと思ってます、柚葉百合IFエンドと水着回とバレンタイン回は少なくともやる予定です、他は書きたい話があれば気が向いた時に書くと思います!
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